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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0728
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0728
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0728
管理番号 1347811 
審判番号 不服2018-10967 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-08-09 
確定日 2019-01-15 
事件の表示 商願2017-40818拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類「半導体製造装置,プラスチック加工機械器具,塗装機械器具,化学機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具」及び第28類「超音波器機を使用した運動用具」を指定商品とし、平成29年3月27日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第847191号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和42年11月24日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同45年2月27日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成23年6月8日に、その指定商品を第7類「化学機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,塗装機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置」を含む、第7類、第12類及び第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1646192号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和54年11月13日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同58年12月26日に設定登録され、その後、平成17年6月22日に指定商品を第7類、第9類、第12類、第17類及び19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、また、3回にわたる商標権の存続期間の更新登録がされ、最新の存続期間の更新登録において、その指定商品については、第7類「化学機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,プラスチック加工機械器具」を含む、第7類、第12類、第17類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品とされたものである。
(3)国際登録番号831681号商標(以下「引用商標3」という。)は、「NDK」の欧文字を横書きしてなり、2003年12月24日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)6月18日に国際商標登録出願、第18類「Leather and imitation leather, goods made of these materials not included in other classes; animal skins, hides; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips and saddlery.」及び第28類「Games, except slot machines, gaming apparatus and machines, billiard equipment and all similar goods; toys; gymnastic and sports articles not included in other classes; Christmas tree decorations.」を指定商品として、平成20年4月4日に設定登録され、その後、2014年6月18日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
なお、引用商標1ないし引用商標3をまとめていう場合には、「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成であるところ、これは、角に丸みを帯びた四角形状の黒色枠線内に、4点をその四角形状内に接するように図案化された朱色の「N」の欧文字を配した図形(以下「図形部分」という。)と、その右側に、図案化された紺色の「NDK」の欧文字を右斜めに配してなるもの(以下「文字部分」という。)である。
そして、図形部分と文字部分とは、その構成態様及び色彩の相違により、両部分は、視覚的に分離して看取されるものであって、その構成中の図形部分と文字部分とが常に不可分一体のものとしてのみ認識されるものとはいい難い。
してみれば、本願商標においては、図形部分及び文字部分がいずれも独立して要部となり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
そこで、本願商標の要部の一つである文字部分についてみると、当該「NDK」の文字は、一般に親しまれた外国語、略語とも認められないことから、特定の意味合いを理解させるとはいい難く、一種の造語とみるのが相当であり、特定の観念は生じないものである。
次に、文字部分に施された図案化についてみるに、構成文字全体が右斜めに傾斜しており、加えて、1文字目の「N」については、文字を構成する線が鋭角に曲がる2カ所の部分が、文字の上下に突出しており、また、2文字目及び3文字目の「D」及び「K」については、各文字の中央における右斜めの縦線により、文字の左右が分断されているように、特徴的な図案化が施されているものである。
したがって、本願商標の文字部分は、「エヌデイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1及び引用商標2
引用商標1及び引用商標2は、別掲2及び別掲3のとおり、やや右斜めに傾いた二重の楕円形(外側の輪郭線は、内側の輪郭線の約4倍の太さ)の右下方を切り開いた図形(以下「図形部分」という。)に、普通に用いられる態様により書された「NDK」の欧文字(以下「文字部分」という。)を配した構成からなるものである。
そして、引用商標1及び引用商標2の構成中の図形部分及び文字部分は、その態様及び構成から視覚的に分離して看取させるものであり、また、これらを常に一体のものと把握しなければならない特段の事情も見いだせないことからすれば、それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべきである。
したがって、引用商標1及び引用商標2は、文字部分から生ずる称呼をもって取引に資される場合もあるというのが相当であり、その構成文字に相応して「エヌデイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標3
引用商標3は、普通に用いられる態様により書された「NDK」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字より、「エヌデイケイ」の称呼を生じるものであり、また、該文字は、一般に親しまれた外国語、略語とも認められないことから、特定の意味合いを理解させるとはいい難く、一種の造語とみるのが相当であるから、特定の観念を生じないものである。
したがって、引用商標3は、「エヌデイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標の文字部分と引用商標1及び引用商標2の文字部分並びに引用商標3とを比較すると、外観においては、両者は、上記(1)及び(2)のとおりの構成であるところ、色彩の有無、図案化の有無において顕著な差異を有するものであり、外観上、判然と区別し得るものといえる。
次に、称呼においては、本願商標の文字部分、引用商標1及び引用商標2の文字部分並びに引用商標3からは、共に「エヌデイケイ」の称呼を生じるものであるから、称呼上、同一である。
さらに、観念においては、本願商標の文字部分、引用商標1及び引用商標2の文字部分並びに引用商標3とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することはできない。
以上のとおり、本願商標の文字部分、引用商標1及び引用商標2の文字部分並びに引用商標3とは、「エヌデイケイ」の称呼を共通にするとしても、観念において比較することができず、その外観においては、両者は、顕著な差異があるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品が類似するものであるとしても、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願商標を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩については、原本参照。)

別掲2 引用商標1

別掲3 引用商標2

審決日 2018-12-28 
出願番号 商願2017-40818(T2017-40818) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W0728)
T 1 8・ 262- WY (W0728)
T 1 8・ 261- WY (W0728)
最終処分 成立  
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 浜岸 愛
榎本 政実
商標の称呼 エヌデイケイ、エヌ 
代理人 磯野 富彦 

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