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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W41
管理番号 1347802 
審判番号 取消2018-300139 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-03-07 
確定日 2018-12-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5598607号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5598607号商標の指定役務中、第41類「パーティの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5598607号商標(以下「本件商標」という。)は、「プロム」の片仮名を標準文字で表してなり、平成24年12月13日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,通信を用いて行う映像又は画像の提供,映画の上映・制作又は配給,通信を用いて行う音楽又は音声の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,パーティの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として、同25年7月12日設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年3月20日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成27年3月20日から同30年3月19日までを、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中「パーティの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」(以下「取消請求役務」という。)について継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、当該指定役務についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人が提出した審判事件答弁書及び証拠によっては、被請求人が本件商標を使用した事実は証明されていない。
(1)第一に、被請求人の提出した証拠は客観性に欠けるものである。
乙第2号証(被請求人が作成したマニュアル)及び乙第4号証(被請求人から依頼人への請求書及びその翻訳)はいずれも被請求人が作成したものであって、これを依頼人又はイベント関係者などの他者が確かに受領したかどうかは明らかにされていない。また、乙第3号証に関しては、第三者の作成したものではあるが、この証拠に商標「プロム」の記載はない。
被請求人が主張するイベントは、乙第4号証の請求金額からもこれが非常に大きなイベントであったことがわかる。しかも、インターコンチネンタル東京ベイのような大きなホテル等を会場として使用しており、参加者以外にも多くの人員がこのイベントに関わったことも明らかである。
そうであれば、このイベントの開催までに、被請求人と依頼人やイベント参加者、イベント関係者とのやりとりの書面が多数存在するはずであり、これらの書面にはイベント名称である「プロム」が記載されているはずである。また、これだけの規模のイベントであれば参加者のためのパンフレットなども作成されているはずであり、イベント名もそこに印刷されているのが普通である。さらに、大きなイベントでは、通常、看板や垂れ幕などにイベント名称が表示されるはずであり、その写真を撮影しておくのが普通である。
しかしながら、このような証拠は一切提出されておらず、本件商標が使用されている証拠として被請求人が提出したのは、被請求人が作成したものであって、いくらでも書換え可能なマニュアル(乙2)及び請求書の控(乙4)のみである。
したがって、被請求人が提出した証拠は客観性に欠けており、これらの証拠によってその使用が証明されたとはいえない。
(2)さらに、本件商標が使用されている証拠として提出された乙第2号証及び乙第4号証は、以下の理由から、真正な証拠とはいえないものである。
ア 第一に、このイベントの名称は、下記に証明するとおり、実際には「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」である。
その証拠として、株式会社ジェイブのウェブサイトの「業務実績」のページを提出する(甲3の1)。なお、株式会社ジェイブは「JAPAN VISITORS BUREAU」の商標を使用しているだけでなく、会社概要(甲3の2)によれば大阪本社の住所は被請求人の過去の住所(甲4)と一致している。さらに、株式会社ジェイブの求人情報(甲5)によれば、代表者も同一であり、これらの事実から、両社は実質的に同一又は深い関連を有する会社であると考えられる。
この株式会社ジェイブの業務実績のページ(甲3の1)には、2017年の実績として「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE(東京・鬼怒川 5月24日?27日)」と記載されており、被請求人が本件商標を使用したと主張するイベントと、日程及び場所が完全に合致する。
さらに、被請求人が乙第3号証として提出した請求書の「品名」の欄に「YPO様夜間貸切イベント代 前受金として」という記載があることや、乙第2号証のマニュアルにおいて第11頁の「LANYARD(NAME PLATE)」と記された名札を示す写真にもYPOという表示があること、第13頁の「1F YPO控え室」の記載、第14頁の左上の「ステッカー『YPO-ロゴ』」の記載等々、乙第2号証のマニュアルの随所に「YPO」の記載があることから考えて、これが国際的な若手経営者団体である「YPO」(YOUNG PRESIDENT’S ORGANIZATION)のイベントであることは明らかである。
なお、YPOの団体を説明する資料として、YPOのウェブサイトのトップページ(甲6の1)及びその北アジア地区会(North Asia Region)のページ(甲6の2)を挙げるが、ここで紹介されている者は、乙第2号証のマニュアル第32頁において挨拶を行う「北アジア地区会長」のN氏と一致している。また、甲第6号証の1、甲第6号証の2の第3頁に示される当該団体の三角形のロゴマークが、乙第2号証の第1頁左下や、同号証第11頁のネームプレートの写真にも表示されていることからも、この団体のイベントであることが裏付けられる。
さらに、このイベントでは、乙第2号証のマニュアル第34頁に記載されているとおり、2017年5月24日にU氏による基調講演が行われているが、U氏は翌日の日付で、ソーシャル・ネットワーキング・サービス「twitter」において「経営者団体YPOの北アジア会議」で行った基調講演に言及している(甲7)。
そして、U氏の講演が小池都知事の前座であったことも述べられているが、東京都のウェブサイトにおいて公表されている小池都知事の2017年5月24日のスケジュール(甲8)には、16時から「ホテルインターコンチネンタル東京ベイ」において「講演(YPO North Asia Regional Conference)」と記載されている。場所が「ホテルインターコンチネンタル東京ベイ」であること、時間が16時からであることも、乙第2号証のマニュアル第38頁の特別講演の記載と一致している。
また、乙第2号証のマニュアルでは一部参加者が「鬼怒川金谷ホテル」に宿泊したことが記載されているが(第2頁他)、当該ホテルでのイベントについて記載されたウェブページ(甲9)において、「YPO Conference“Undiscovered Japan”」と紹介されている。
このように、被請求人が本件商標を使用したと主張するイベントの名称が「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」であることは疑いようもない。
イ しかしながら、乙第2号証のマニュアルの進行台本によれば、司会者の喋る内容が詳細に記されているところ、一度も「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」あるいは「YPO北アジア地区会議」などのイベント名称は口にされていない。例えば、乙第2号証の第28頁によれば、司会者は単に「皆さま本日は、『プロム』にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。」とのみ挨拶している。「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」は、このイベントにおいて、参加者の属する団体や集まった目的を示す、何より重要な語といえるところ、これを全く口にしないのは不自然極まりない。進行台本のこの部分は本当は「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」であったものを「プロム」に差替えたのでは、という疑いを持たざるを得ない。
もちろん、会議のサブタイトルやテーマとして、正式名称以外の他の名称をも併せて使用することはあり得る。実際、鬼怒川金谷ホテルでのイベント紹介記事(甲9)では「YPO Conference“Undiscovered Japan”」というサブタイトルが用いられ、U氏のtwitter(甲7)でも同じテーマ「Undiscovered Japan」が用いられている。しかしながら、このような場合はあくまで「併記」されるのであり、「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」を一切使用せずに「プロム」のみを用いることはまずあり得ないと思われる。
ウ また、乙第2号証の進行台本において、司会者が当該イベントを「プロム」と呼ぶ台詞が記載されている頁において、いずれの行も妙に文字数が少なくなっている。
これは、もともと「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」又は「YPO北アジア地区会議」のような名称が記載されていたところを「プロム」の3文字に差し替えたために、その行の文字数が不自然に少なくなったのではないか、と考えざるを得ない。
エ さらに、このような経済界のリーダーシップを担う経営者達が集う会議において、会議の正式名称である「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」を全く使用せずに、代わりに「プロム」という米国の高校卒業パーティを想起させるような名称を使用するというのはイメージ的にもそぐわず、不自然である。
オ また、乙第4号証の請求書においても、YPO北アジア地区会又はその関係者宛ての請求書であると思われるが、この正式名称「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」に全く言及せずに、単に件名が「RE:PROM」と記載されているのも、非常に疑わしい。
カ そして、当該イベントに参加したU氏のtwitter(甲7)、小池都知事のスケジュール表での記載(甲8)、鬼怒川金谷ホテルでのイベント関係者のブログ(甲9)のいずれもが、被請求人がイベント名称であると主張する「プロム」の語を一切使用していない。
その他、請求人が行ったインターネット検索においては、これだけ大きなイベントであるにも関わらず、このイベントの名称が「プロム」であることを示すような事実は見当たらなかった。
キ 以上のとおり、本件商標を使用している証拠として被請求人が提出した乙第2号証及び乙第4号証はいずれも被請求人が作成したものであって改竄可能なものであるところ、イベントの正式名称である「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」が一切使用されていないことや、「プロム」の文字の表示位置が不自然であること等から、その信憑性は極めて低いものである。
(3).むすび
上述のとおり、被請求人が提出した証拠は客観性に乏しく、また信憑性の極めて低いものであるから、当該証拠によって被請求人が本件商標を要証期間内に使用したと認めることはできない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 被請求人は、イベントの企画、立案、事務局業務、当日運営など、イベントに関する事業を主たる業務の一つとして位置付けている。
被請求人は、ある国際的な団体の事務局の担当者から、アジアにおける会員を対象とした大規模なイベントを開催するので、そのイベントの開催全般に渡り企画・運営するよう依頼を受ける。その際に被請求人が使用した商標が「プロム」である。
(1)乙第2号証は、被請求人が依頼を受けてイベント「プロム」の企画、運営、開催した際に、被請求人が依頼人に提供したイベントの運営用のマニュアルである。当該マニュアルにはイベント全般にわたる詳細な工程、注意事項及び司会進行に関する台本が記載されている。
(2)これによると、イベントは「2017年5月24日」及び「2017年5月26日」の両日に開催されており、いずれも要証期間内ということになる。
また、その内容が被請求人によって作成されたイベントの運営用のマニュアルであることに鑑みれば、その性質上、作成とほぼ同時期に依頼人である事務局の担当者に提供されたと判断するのが自然である。
なお、当然のことながら商標法第50条第3項に規定される、いわゆる「駆け込み使用」に該当するものでもない。
(3)本件商標は片仮名文字「プロム」であるところ、実際に使用された商標を検討すると、イベントの運営用のマニュアルからは、「プロム」の文字を独立して認識することができる態様で各所に記載されており、イベントの進行による要所には必ず「プロム」の文字が使用されている。
また、台本部分においても一貫して全てのページにおいて「プロム 進行台本」と右上に記載されおり、運営用のマニュアルが「プロム」という名称のイベントを進行するための台本としての役割を有している事実が分かる。
加えて、司会者は、実際のイベント会場においてもオープニングのあいさつで「皆さま本日は、『プロム』にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。」というセリフを発しており、同趣旨のセリフはその後も多数使われている。出席者全員が注目を集める司会のセリフ、特にオープニングのあいさつにおいて「プロム」という名称が使用されたことにより、実際に行われたイベントにおいても、出席者は自らが出席したイベントが「プロム」という名称で開催されたことを十分に認識することができている。
したがって、イベントの開催において実際に使用されている商標は本件商標と同一の「プロム」であるということができる。
(4)さらに、5月24日のイベント会場、ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区)及び5月26日のイベント会場、日光江戸村(栃木県日光市)はいずれも日本国内である。
(5)加えて、商標法第2条第3項第3号は、「使用」について、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為と規定している。
イベントを運営する際に使用されるマニュアルも役務の提供を受ける者、つまり依頼人である事務局の担当者にとっては、役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に該当するため、標章「プロム」が記されたイベントの運営用のマニュアルを依頼人に提供したという被請求人の行為は、商標の使用に該当する。
2 乙第3号証及び乙第4号証は、上記イベントの開催によって費用の支払いが生じている事実を証明するための資料である。
(1)乙第3号証は最終日のイベント会場となった「日光江戸村」を運営する株式会社時代村から、被請求人へのイベント開催における場所代の前金の請求書である。被請求人がイベントを開催するために日光江戸村を使用する計画であったことが品名から確認することができる。
(2)乙第4号証はイベント終了後に被請求人から依頼人へ宛てたイベント開催において発生した費用の請求書及びその翻訳である。1頁目の費用詳細の内訳の中には、初日のイベント会場となった「インターコンチネンタルホテル東京ベイ」の使用料、初日に行われた観光汽船「ホタルナ」の使用料が含まれていることが確認できる。また、2頁目には乙第3号証における「日光江戸村」の使用料が内訳に含まれていることが確認できる。
なお、各イベント会場及び観光汽船によるクルージングが計画されていたことは、乙第2号証からも確認することができる。
(3)乙第2号証だけではイベントの運営用のマニュアルの中で被請求人の名称を確認することができないため、イベント開催における被請求人の関与を明確には確認することができない。
しかし、乙第3号証及び乙第4号証には被請求人の名称「株式会社ジャパンビジターズビューロー」及び「Japan Visitors Bureau Corp.」が明記されている。つまり、乙第2号証、乙第3号証及び乙第4号証を総合的に考察すれば、被請求人が乙第2号証に記載されるイベントの運営用マニュアルを使用して実際にイベントを企画、運営、開催した結果、乙第3号証及び乙第4号証に記載された費用が発生したと判断するのが自然である。
(4)最後に、請求書に記載されている日付は乙第3号証が平成29年(2017)5月22日、乙第4号証が平成29年(2017)6月9日であり、イベント「プロム」が開催された日程とも符合し、いずれも要証期間内である。
3 上述のとおり、本件審判については、要証期間内に日本国内において商標権者である被請求人がその請求に係る役務について登録商標を使用していることは明白である。

第4 当審の判断
1 被請求人提出の証拠について
(1)乙第2号証は、被請求人が依頼を受けて企画、運営、開催したと主張するイベント「プロム」(平成29年5月24日及び26日開催)の運営用のマニュアルの写しであり、表紙に「『プロム』パーティ-MANUAL-」と表示されている他、26頁(進行台本)に「プロム 2017」、29頁に「プロム Welcome Party【PART-1】」、36頁に「プロム Welcome Party【PART-2】」、44頁に「プロム Welcome Party【PART-3】」、48頁に「プロム Welcome Party【PART-4】」、50頁に「プロム Farewell Party【PART-1】」及び61頁に「プロム Farewell Party【PART-2】」等の記載があり、28頁、31頁、37頁、43頁、45頁、62頁、75頁及び76頁には、司会者のアナウンスとして「皆さま本日は、『プロム』にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。」「皆さん本日は、『プロム』にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。」等の記載がある。
(2)乙第3号証は、平成29年5月22日付けの株式会社時代村から被請求人宛ての請求書の写しであり、品名の欄には「YPO様夜間貸切イベント代 前受金として」の記載があり、金額の欄には「¥3,000,000」の記載がある。
(3)乙第4号証は、被請求人から依頼人(依頼人名が記載されているとおぼしき部分にはマスキングがなされている。)への英語による請求書及びその翻訳の写しであり、右上部には、「9-Jun-17」の表示があり、明細表の左上部には、「RE:PROM(訳:「RE:プロム全体費用内訳」)の記載がある。
2 判断
(1)被請求人が企画、運営、開催したイベントについて
被請求人は、平成29年5月24日にホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて開催され、同月26日には日光江戸村において開催された国際的な団体のアジアにおける会員を対象とした大規模なイベント(以下「本件イベント」という。)を企画、運営、開催したものであり、本件イベントの名称「プロム」を運営用のマニュアル(乙2)に使用したと主張している。
しかしながら、本件イベントは、請求人の提出した証拠(甲3の1、甲6?甲9)及び請求人の主張を併せてみると、国際的な若手経営者団体である「YPO」(YOUNG PRESIDENT’S ORGANIZATION)に係る「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」という名称をもって開催されていたものと認められる。
したがって、被請求人が企画・運営・開催したイベントの名称が「プロム」である旨の主張は採用することができない。
(2)イベントの運営用のマニュアルについて
被請求人が本件商標の使用の証拠として提出した本件イベントの運営用のマニュアル(乙2)には、上記1(1)のとおり、「プロム」の文字が記載されているものの、被請求人が企画、運営、開催した本件イベントは、「YPO NORTH ASIA REGIONAL CONFERENCE」という名称であったというべきであって、かつ、当該マニュアルが、本件イベント開催当時、使用されていたものであるのかも客観的に把握することができない。
したがって、乙第2号証によっては、被請求人が要証期間内に日本国内において、取消請求役務について、本件商標を使用していたものと認めることはできない。
(3)請求書について
乙第3号証の請求書には、本件商標は表示されていない。
また、乙第4号証の請求書にも、翻訳中の一部には「プロム」の文字があるとしても、これをもって、本件商標が使用されていたということはできない。
したがって、乙第3号証及び乙第4号証によっては、被請求人が要証期間内に日本国内において、取消請求役務について、本件商標を使用していたものと認めることはできない。
(4)その他の証拠について
本件イベントのような大規模なイベントの企画、運営、開催を請け負うに当たっては、契約書等の取引書類が存在するものと思われるが、被請求人からは、当該書類は提出されていない。
また、本件イベントのような大規模なイベントにおいて、通常、作成されると思われる、参加者配布用のパンフレット・スケジュール表・式次第、あるいは、本件イベント開催当日の写真等の本件イベントの開催の事実を証する証拠の提出もされていない。
その他、取消請求役務のいずれかについて、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用されていたことを示す証拠の提出はない。
なお、審判長は、被請求人に対し、請求人提出の弁駁書の主張に対する意見及び既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行ったところ、被請求人からは、所定の期間内に何らの応答もなかった。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求役務のいずれかについて本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、結論掲記の役務について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-10-12 
結審通知日 2018-10-16 
審決日 2018-10-30 
出願番号 商願2012-101364(T2012-101364) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W41)
最終処分 成立 
前審関与審査官 稲村 秀子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2013-07-12 
登録番号 商標登録第5598607号(T5598607) 
商標の称呼 プロム 
代理人 杉本 明子 
代理人 都築 健太郎 
代理人 大森 亜子 
代理人 平野 泰弘 
代理人 秋和 勝志 
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