• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
審判 一部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1346912 
異議申立番号 異議2018-900218 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-08-07 
確定日 2018-12-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第6046392号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6046392号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6046392号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年9月19日に登録出願、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同30年5月14日に登録査定され、同月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれも願書に記載のとおり、「澪」、「MIO」の文字からなるもの又は「澪」、「MIO」、「ミオ」若しくは「みお」の文字を構成中に含むものであり、それらの指定商品、登録出願日及び設定登録日はそれぞれの商標登録原簿に記載のとおりである。
また、引用商標の商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5452163号商標
(2)登録第5452164号商標
(3)登録第5492175号商標
(4)登録第5765517号商標
(5)登録第5771007号商標
(6)登録第5794237号商標
(7)登録第5794238号商標
(8)登録第5794240号商標
(9)登録第5794239号商標
(10)登録第5806709号商標
(11)登録第5806710号商標
(12)登録第5503921号商標
(13)登録第5930144号商標
(14)登録第5518126号商標
(15)登録第6006426号商標

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するので、その指定役務中「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件申立役務」という。)についての登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第110号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、周知・著名な「MIO」を想起させる「MiO」を要部とするものであるから、引用商標と類似する商標であり、本件商標の指定役務中、本件申立役務は、引用商標の指定商品と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の100%出資に係る子会社である宝酒造株式会社(以下「宝酒造」という。)の業務に係る商品「スパークリング清酒(発泡性清酒)」の商標として、本件商標の出願前には既に周知・著名となっていたものであるから、本件商標がその指定役務中、本件申立役務について使用された場合、これに接する取引者・需要者は、「MiO」の部分に着目し、周知・著名な宝酒造の「澪(MIO)」商標を直ちに想起して、当該役務があたかも「澪(MIO)」のシリーズ商品に係る役務であって宝酒造の業務に係る役務であるかのごとく誤認して取引に当たる蓋然性が極めて高く、役務の出所につき混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)申立人が提出した証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人の100%出資に係る子会社である宝酒造は、2011年6月21日に、「松竹梅白壁蔵『澪』スパークリング清酒」の先行販売を開始した(甲18、甲31)。
先行販売では、オンラインショップ及び全国の百貨店・料飲店において、サイズを300ml入りボトルに限定しての販売であったが、2013年9月17日より、一般の酒販店・コンビニ・量販店等、国内の全ルートに販売拡大し(甲18、甲34)、テレビCMの放送も開始した(甲53、甲55)。
さらに、2015年8月25日より、すっきりタイプの「松竹梅白壁蔵『澪』〈DRY〉スパークリング清酒」も発売した(甲35)。
イ 「松竹梅白壁蔵『澪』」については、300ml入りボトルの他、750ml入りボトル及び150ml入りボトルが発売され(甲32、甲33)、ギフトボックス入りセット商品(甲36、甲37)及び期間限定商品(甲38、甲40、甲42?甲45)の発売、限定デザインボトルの発売(甲39)、パッケージデザインのリニューアル(甲41)等、ラインナップを拡充させた。
ウ 「松竹梅白壁蔵『澪』」のボトル及びパッケージには、主として、登録第5492175号商標(別掲2)と酷似する商標が付されている(甲19?甲37)ほか、「澪」の漢字が付された上で、その振り仮名と容易に解される「みお」の文字及びそのローマ字表記である「MIO」の文字が付されている。
エ 株式会社インテージの調査によるSRI(全国小売店パネル調査:甲47)のうち、「発泡タイプ日本酒」について抽出した販売容量の拡大推計値データ(2015年1月1日?2016年12月31日集計)によると、「澪(MIO)」及び「『澪(MIO)』〈DRY〉」の販売容量の合計は、2015年で約2,956kl、2016年で約2,722klに達しており、「スパークリング清酒」における合計シェアは81.1%に達した(甲46)。
オ ダイヤモンド・フリードマン社発行の「チェーンストアエイジ」又は「ダイヤモンド・チェーンストア」に掲載の「注目カテゴリーランキング特集」の「酒類」に関する記事において、全国の食品スーパーマーケットのPOSデータの集計による売上シェアランキングに係る「日本酒」の売上ランキングに、「松竹梅白壁蔵澪スパークリング清酒300ml」が、2013年度下半期には14位(甲48)、2014年度上半期には9位(甲49)、2014年度下半期には9位(甲50)、2015年度上半期には14位(甲51)にランクインしたことが記載されている。
カ 2013年10月以降、「松竹梅白壁蔵『澪』」のイメージキャラクターには人気俳優を起用し、テレビCMの放送や新聞・雑誌・イベント広告物等への広告の掲載を行った(甲55?甲71)ほか、各種の宣伝・販売促進イベントを開催した(甲72?甲78)。
キ 「松竹梅白壁蔵『澪』」は、2012年に「第16回業務用加工食品ヒット賞」(日本食糧新聞社選定)における「選考委員会特別賞」、2013年に「2013小学館DIMEトレンド大賞」(小学館発行「DIME」誌選考)における「Suits賞」等の受賞歴がある(甲81?甲89)。
(2)引用商標の周知・著名性について
上記(1)からすれば、申立人の子会社である宝酒造が、2011年にスパークリング清酒として、「松竹梅白壁蔵『澪』」を発売以来、ラインナップの拡充・宣伝広告等の結果、スパークリング清酒の分野において、「澪」は相当程度知られているものといえる。
しかしながら、提出された証拠をみるに、当該商品のボトル、パッケージ、広告宣伝には、常に「澪」の漢字が付されているものであって、「MIO」の欧文字は、「澪」の振り仮名と容易に理解される「みお」の文字のローマ字表記として認識される程度に「澪」の漢字と共に付されているものといわざるを得ない。
そうすると、「澪」については、相当程度の周知性はうかがえるとしても、必ずしも、「MIO」の欧文字のみで、宝酒造の取扱いに係るスパークリング清酒を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとまでは認めることができない。
その他、本件申立役務との関係で、「MIO」の欧文字が、宝酒造の取扱いに係るスパークリング清酒を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認め得る証拠も見いだせない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
申立人は、本件商標の構成中、「MiO」の欧文字部分が要部となるものであることを前提として、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張しているので、まず、この点について検討する。
本件商標は、別掲1のとおり、構成中の「山」の文字を小篆風に表した「MiO山」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「ミオヤマ」又は「ミオサン」の称呼が生ずるものである。
そして、当該文字は、辞書等に掲載のないものであって、我が国において、親しまれた語ともいえないことから、特定の意味合いを生ずることのない一種の造語として認識されるものというべきである。
さらに、上記(2)のとおり、「MIO」の欧文字は宝酒造の取扱いに係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標と認めることはできないものであって、他に「MiO」の欧文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分の商標としてみるべきであり、本件商標からは、「ミオヤマ」又は「ミオサン」の称呼のみが生じ、特定の観念は生じないものというのが相当である。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「澪」、「MIO」の文字からなるもの又は「澪」、「MIO」、「ミオ」若しくは「みお」の文字を構成中に含むものであって、「澪」、「MIO」、「ミオ」又は「みお」が引用商標における自他商品識別標識としての機能を果たす部分であるとしても、本件商標は、その構成中の「MiO」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないものというのが相当であって、本件商標からは、「ミオヤマ」又は「ミオサン」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものであることよりすれば、本件商標と引用商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみても、本件商標は引用商標のいずれとも相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知・著名性について
前記(2)のとおり、引用商標を構成する「澪」の文字は、宝酒造の取扱いに係るスパークリング清酒を表示するものとして需要者の間に相当程度認識されているものと認められるものの、「MIO」の欧文字のみでは、宝酒造の取扱いに係るスパークリング清酒を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められないものである。
イ 本件商標と引用商標との類似性について
上記(3)において検討したとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
ウ 引用商標の独創性等について
「澪」の文字(語)は、「河・海の中で、船の通行に適する底深い水路。船の通った跡。航跡。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有する成語であるから、格別独創性が高いものとはいえず、「MIO」の欧文字は、特定の意味合いを有する英語ではないが、「澪」の読みである「みお」をローマ字表記したものと認識されることから、格別独創性が高いものともいえない。
また、「澪」は、宝酒造の取扱いに係るスパークリング清酒を表示するものとして需要者の間に相当程度認識されていると認められるとしても、宝酒造のハウスマークではない。
エ 本件申立役務とスパークリング清酒の間の関連性、需要者の共通性について
スパークリング清酒が本件申立役務に係る取扱商品であることから、当該商品の販売場所や需要者の範囲が、当該役務の提供場所や需要者の範囲と一致することも少なからずあるとみるのが相当である。
オ 出所の混同のおそれについて
上記アないしエのとおり、本件申立役務とスパークリング清酒の間の関連性が高く、その需要者の範囲を共通にするものであって、引用商標を構成する「澪」が宝酒造の業務に係る商品を表示するものとして本件商標の登録出願の日前から需要者の間に広く認識されているとしても、「MIO」の欧文字のみでは、宝酒造の取扱いに係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものとはいえず、「澪」が宝酒造のハウスマークでもないことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、本件商標の「MiO」の文字部分のみに着目するということもできない。
そして、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であることを総合的に判断すれば、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれを本件申立役務について使用しても、取引者、需要者は、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(宝酒造)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。


【別掲1】
本件商標


【別掲2】
登録第5492175号商標(色彩については、原本参照)

異議決定日 2018-12-06 
出願番号 商願2017-125101(T2017-125101) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W35)
T 1 652・ 261- Y (W35)
T 1 652・ 262- Y (W35)
T 1 652・ 263- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 杉本 克治澤藤 ことは 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 冨澤 美加
鈴木 雅也
登録日 2018-05-25 
登録番号 商標登録第6046392号(T6046392) 
権利者 松尾 巧
商標の称呼 ミオヤマ、ミオサン、ミオ、エムアイオオ、ヤマ、サン 
代理人 特許業務法人みのり特許事務所 
代理人 福田 旭洋 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ