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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
管理番号 1346908 
異議申立番号 異議2018-900241 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-08-31 
確定日 2018-12-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第6049193号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6049193号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6049193号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成29年6月24日に登録出願、第10類「人体に超音波エネルギーを与えた後、人体からの超音波エコー信号を計測し、計測データをメモリー及びハードディスク等の記録装置に記録でき、有線または無線通信により液晶ディスプレイ等の表示装置への表示ができる医療用断層撮影装置」を指定商品として、同30年4月18日に登録査定、同年6月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6039691号商標(以下「引用商標」という。)は、「WITH」の欧文字を標準文字により表してなり、平成29年3月17日に登録出願、第10類「医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」を指定商品として同30年4月27日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)称呼について
本件商標は欧文字表記で「WiZ」と書してなる商標であるところ、この態様より「ウイズ」、「ウィズ」の自然的な称呼が生ずる(甲3?甲8)。
一方、引用商標は、この態様から「ウイズ」、「ウィズ」の自然的な称呼が生ずることから、本件商標は、引用商標と同一の称呼が生ずる称呼上類似する商標である。
(2)現実の取引における使用について
本件商標の権利者は現在、超音波画像診断装置に本件商標を使用しているところ、読み方を「ウィズ」と限定している(甲9)。
そして、この「ウィズ」という称呼は、引用商標から極自然に生ずる称呼であり、この点からも称呼上類似するものといわざるを得ない。
さらに、商品の観点からは、「超音波画像診断装置」は医師向けの医療用機械器具であり、引用商標の指定商品である「医療用機械器具」と取引者、需要者、流通経路を共通にするため、現実の取引現場で出所の混同を生じる恐れは極めて高い。
(3)外観について
本件商標と引用商標の外観を比較すると、それぞれも構成文字の語頭から「WI」の文字を共通にし、「Z」と「TH」の2文字しか相違しない。
これらの相違が外観観察に与える影響はさほど大きいとはいえず、互いに商標を構成する文字が3、4文字であるところ、そのうち2文字までが共通し極めて相紛らわしいことから、外観上も両商標は類似する。
(4)指定商品の比較
本件商標の指定商品は、医療用機械器具に含まれる商品であることは明白であり(甲10)、指定商品の比較でも引用商標と類似する関係となる。
(5)総合観察
以上を考慮すると、互いに類似の称呼が生じ、さらに外観上も類似しているため、各要素を総合的に考慮すると、本件商標は引用商標と類似する。
そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
2 原審における判断の瑕疵について
本件商標は、審査段階で同一の称呼が生ずる商標を先願として商標法第4条第1項第11号の拒絶理由通知が通知されているところ(甲11)、本件商標の先願として引用商標が存在していたことは明白な事実であることから引用されて然るべきであるにもかかわらず、引用されていないのは、審査において何らかの事情により見落としが生じたものと理解せざるを得ない。
以上を考慮すると、審査段階における手続上の瑕疵であると思われ、このような瑕疵ある査定は是正されるべきである。
3 むすび
本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件登録商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲のとおり、やや図案化した「WiZ」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ウィズ」の称呼を生じ、また、該文字は、辞書に採録されておらず、特定の意味を有する語として一般に知られているものでもないことから、造語として認識され、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「WITH」の欧文字を標準文字により表してなるところ、該文字は、「と共に」等の意味の英語として、その文字の綴りを含めて一般に知られた語であることから、引用商標は、その構成文字に相応して「ウィズ」の称呼を生じ、「と共に」程の観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用商標の外観について比較すると、それぞれ上記のとおりの構成態様からなるものであるところ、両商標は、その構成文字において、図案化の有無、小文字の混在の有無、3文字目以降の「Z」と「TH」の綴りの差異を有するものである。そして、本件商標と引用商標とは、それぞれ3文字と4文字という少ない構成文字数であること並びに引用商標が、その綴りを含めて一般に知られた英語であることから、前述の両商標の差異が、両商標の外観全体及ぼす影響は大きいものといえ、これより、本件商標と引用商標とは、外観上、相紛れるおそれはない。
次に、称呼については、本件商標と引用商標との称呼については、両商標は「ウィズ」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「と共に」ほどの観念を生じるものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
これより、本件商標と引用商標とは、称呼において共通するものの、その外観及び観念について相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合的に勘案すれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 請求人の主張
請求人は、本件商標の審査時においてした、商標法第4条第1項第11号の拒絶理由通知に、引用商標が引用されていなかったことは、審査段階における手続上の瑕疵である旨を主張する。
しかしながら、審査の課程において、審査官の判断により本件審判の引用商標を引用しなかったこと、あるいは審査官が拒絶の理由が発見できなかったことは、手続上の瑕疵にあたらないから、この主張は採用できない。
そして、本件商標と引用商標とが非類似の商標であることは、上記1のとおりである。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標



異議決定日 2018-11-26 
出願番号 商願2017-91596(T2017-91596) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W10)
T 1 651・ 262- Y (W10)
T 1 651・ 261- Y (W10)
最終処分 維持  
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 田中 幸一
榎本 政実
登録日 2018-06-08 
登録番号 商標登録第6049193号(T6049193) 
権利者 有限会社MIZOUE PROJECT JAPAN
商標の称呼 ウイズ、ダブリュウアイゼット 
代理人 小川 雅也 

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