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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W10
審判 全部申立て  登録を維持 W10
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審判 全部申立て  登録を維持 W10
管理番号 1346902 
異議申立番号 異議2018-900162 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-23 
確定日 2018-12-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第6033639号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6033639号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6033639号商標(以下「本件商標」という。)は、「PYKES PEAK」の文字を標準文字により表してなり、平成30年1月11日に登録出願、第10類「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」を指定商品として、同年3月13日に登録査定、同年4月6日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項柱書、同法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されているものであるので、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証を提出した。
1 引用商標
申立人が、本件登録異議申立の理由として引用する登録第5961513号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成29年2月6日に登録出願、第28類「運動用サポーター、運動用具」を指定商品として、同29年7月7日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
2 商標法第3条第1項柱書について
本件商標は、自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標でないことが明らかなため、商標法第3条第1項柱書の要件を満たしていない。
3 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標に類似する商標であり、「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」は申立人の商品を異なる表現で表したに過ぎないため、商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と類似し、「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」については実際に商標権者が使用している商品を見ると、引用商標が指定している「運動用サポーター」に含まれる商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
5 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人が運動用サポーターに使用している引用商標と類似しており、「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」は、運動用サポーターと似た商品のため、本件商標は引用商標と誤認・混同を生じ、商榛法第4条第1項第15号に該当する。
6 商標法第4条第1項第19号について
商標権者は、申立人が商標権を有していること、運動用の首用サポーターに引用商標を使用していることを知りながら、商品の文言を変えて第10類の商品を指定し、申立人の商品の賑売を排除するために権利化していることから、明らかに不正な目的で権利化したものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項柱書について
(1)商標法第3条第1項柱書は、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。」と規定し、登録出願に係る商標が、その出願人において、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」であることを商標の登録要件の一つとして定めているところ、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」とは、現に行っている業務に係る商品又は役務について、現に使用している場合に限らず、将来行う意思がある業務に係る商品又は役務について将来使用する意思を有する場合も含むものと解される。
そこで、上記した商標法第3条第1項柱書の要件を具備しているかについて検討する。
(2)商標権者が、本件商標の商標登録出願に係る手続において提出した平成30年1月16日付け早期審査に関する事情説明書(甲4)及び当審における職権調査によれば、該早期審査に関する事情説明書の「1.商標の使用者」の欄には、「出願人」と記載され、「2.商標の使用に係る商品名(役務名)」の欄には、「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」と記載されていることが確認される。
また、同早期審査に関する事情説明書には、「5.商標の使用の事実を示す書類」として、「出願人が、管理・運営を行う、商品の販売用ウェブサイト『GR』のトップページ、特定商取引法に関する表記ページ及び商品紹介ページのコピー(抜粋)」が添付されており、当該書類からは、「首サポータ」の商品画像と「PYKES PEAK 首サポーター ネックレスト 軽量 ソフトフリーサイズ 男女兼用」の記載及び「磁気によりツボを刺激して血行を良くしコリを緩和します。・・・・こちらのサポーターは、首への負担を減らし、痛みを和らげるためのサポーターです。」との記載を確認することができる。
してみると、商標権者は、本件商標の登録出願時には、本件の指定商品に係る業務を行っているということができるものであるから、本件商標の登録査定時に、商標権者が本件申立てに係る指定商品について、現に行っているか又は行う予定があるかについて、格別に合理的疑義があったものと認めることはできないものである。
そして、仮に現在において、商標権者が本件商標をその指定商品について使用をしていないとしても、将来においてまで使用する意思が全くないとはいい難いものであり、また、申立人が提出した証拠からは、商標権者が将来においても本件商標を使用する意思がないものとみるべき具体的な証拠は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとはいえない。
2 商標法第4条第1項第10号について
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び主張については、以下のとおりである。
(ア)申立人は、国内において引用商標を付した運動用サポーターを販売していると主張し(甲6?甲9)、首用サポーターについては、2017年8月から2018年2月の6ケ月で約4,500個を仕入れており(甲15?甲18)、また、親指サポーターを12,856個売り上げているとしている(甲19)。
しかし、その数は決して多いとはいえないし、甲第6号証ないし甲第8号証に表示されているその他のサポーターについての仕入れ個数、売り上げ個数は、不明である。
(イ)また、引用商標の使用開始時期及び使用期間、使用地域、あるいは、引用商標の付された商品の宣伝広告の回数や宣伝広告費の額といったものを定量的に確認できる客観的な資料は提出されていないから、引用商標の周知著名性の程度を推し量ることはできない。
(ウ)さらに、その他、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国及び外国において、特定の者の業務に係る具体的な商品を表示するものとして、周知著名性を獲得していたと認めるに足りる証拠を見いだすこともできない。
イ 上記アによれば、申立人は、首用サポーター、親指サポーター、その他のサポーターに引用商標を付して販売していることは認められるが、その数は多いとはいえず、また、宣伝広告の回数及びその額も不明である。
その他、引用商標が我が国及び外国において周知著名性を獲得したと認めるに足りる証拠の提出もない。
したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の使用に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られていたと認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標について
ア 本件商標について
本件商標は、「PYKES PEAK」の文字を書してなるところ、該文字は、同書、同大で視覚上まとまりよく一体に表されているものであって、該文字から生ずる「パイケスピーク」又は「パイクスピーク」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。
また、本件商標の構成中の「PYKES」の文字は、辞書等に載録のない文字であり、「PEAK」の文字が、「山頂、絶頂、最高点」等の意味を有する親しまれた英単語であるとしても、そのいずれかの文字部分が看者の注意を強く引くことはなく、相互に意味上の関連性も認められないから、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識されるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「パイケスピーク」又は「パイクスピーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、黒塗り長方形の中に、「PYKES PEAK」の欧文字を白抜きした構成からなるところ、該文字部分は、本件商標と同じつづりであるから、上記アと同様に「パイケスピーク」又は「パイクスピーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否を検討すると、外観においては、本件商標は、「PYKES PEAK」の文字を書してなるものであり、引用商標は、黒塗りの長方形内に、「PYKES PEAK」の文字を白抜きで書してなるものであるから、両者は、いずれも「PYKES PEAK」の同じつづりの文字を書したものであり、外観上、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、本件商標及び引用商標からは、「パイケスピーク」又は「パイクスピーク」の同一の称呼を生じるものである。
さらに、観念においては、両商標からは、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、外観において近似し、称呼を共通にするものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であると認められる。
(4)本件商標の指定商品と、引用商標の使用に係る商品との類否について
本件商標の指定商品は、「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」という、「磁気によりツボを刺激してコリを緩和するという治療用の首サポーター」(甲3)であり、一方、引用商標の使用に係る商品中、「ばね指、腱鞘炎、突き指、手首固定、関節症、捻挫、親指付け根の骨折、脱臼等の際に親指を固定し、負担をサポートする親指サポーター」(甲6、甲7)及び「むち打ち、ねんざ、神経圧迫、ヘルニア、寝違え、術後の固定など、首への負担を減らし、痛みを和らげるための首サポーター」(甲9)(以下、これらの商品をまとめて「申立人商品」という。)は、いずれも「治療用の補助器具」であるから、本件商標の指定商品と申立人商品は、治療用の器具であり、用途、需要者等を共通にする同一又は類似の商品ということができる。
したがって、本件商標の指定商品と申立人商品とは、類似の商品というべきものである。
(5)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものというためには、引用商標が、本件商標の出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていなければならないとするところ、引用商標は、上記(1)のとおり、我が国において、本件商標の登録出願時及び登録査定時における周知性を獲得していたものと認めることはできないものであるから、上記(3)及び(4)のとおり、本件商標と引用商標とが同一又は類似の商標であり、本件商標の指定商品と申立人商品とが類似するとしても、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標について使用をするものということはできない。
したがって、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、前記2(3)のとおり、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であると認められる。
(2)本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品との類否について
本件商標は、第10類「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」を指定商品とするところ、これは、首の治療等の際に使用するための商品であり、一般に、医療用品、医薬品等を取扱う店舗で販売される商品である。
これに対し、引用商標の指定商品中の第28類「運動用サポーター」は、運動に用途が限定され、専ら各種の運動をする際に限って使用する商品であって、スポーツ用品を取り扱う専門の店舗で販売される商品である。
そうすると、本件商標の指定商品である第10類「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」と、引用商標の指定商品中の第28類「運動用サポーター」とは、用途及び販売場所を異にし、かつ、「首用の治療用具」は、首への負担軽減、治療等の目的で使用される、治療用の補助器具であり、その需要者は、首の凝り、痛み等の治療を必要とする者であるのに対し、「運動用サポーター」は、各種のスポーツを行う際に限って使用され、需要者は、各種のスポーツを行う者であるから、両商品は、需要者の範囲も異なるものといえる。
また、本件商標の指定商品である「磁気による保温効果を有する首用の治療用具」と、引用商標の指定商品中の「運動用具」とは、明らかに類似しない商品といえるものである。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、非類似の商品というべきものである。
なお、申立人は、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、類似する商品である旨主張しているが、上記のとおり、両商品は、その用途、販売場所、需要者等を異にする類似しない商品とみるのが相当であるから、その主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、同一又は類似の商標であるとしても、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号について
商標法第4条第1項第15号は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、取引者、需要者の利益を保護することを目的とするものであるから、保護されるべき商標が周知著名であることを要すると解される(知的財産高等裁判所 平成18年12月19日判決 平成18年(行ケ)第10106号)ところ、上記2(1)の認定によれば、引用商標は、我が国において本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知著名性を獲得していたものと認めることはできない。
そうすると、前記2(2)のとおり、引用商標が造語であって、独創性を有すると認められるものであり、かつ、前記2(3)及び(4)のとおり、本件商標と引用商標とが類似の商標であって、本件商標の指定商品と申立人商品とが類似するとしても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じるおそれはないものである。
その他、本件商標が出所の混同を生じるおそれがするというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第19号について
前記2(1)のとおり、引用商標が他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、前記2(3)及び(4)のとおり、本件商標と引用商標とが類似の商標であり、本件商標の指定商品と申立人商品とが類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第19号該当性の前提を欠くものといわなければならない。
その他、商標権者が、本件商標を不正の目的をもって使用していると認めるに足る証拠及び事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、引用商標の周知著名性へのただ乗りをし、不正の利益を得る目的等、不正の目的をもって使用されるものであるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものであり、同法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当しないものであって、同法第3条及び同法第4条1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標)


異議決定日 2018-11-21 
出願番号 商願2018-3016(T2018-3016) 
審決分類 T 1 651・ 18- Y (W10)
T 1 651・ 261- Y (W10)
T 1 651・ 264- Y (W10)
T 1 651・ 254- Y (W10)
T 1 651・ 25- Y (W10)
T 1 651・ 255- Y (W10)
T 1 651・ 222- Y (W10)
T 1 651・ 263- Y (W10)
T 1 651・ 262- Y (W10)
T 1 651・ 271- Y (W10)
最終処分 維持  
前審関与審査官 久木田 俊池田 光治 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 大森 友子
薩摩 純一
登録日 2018-04-06 
登録番号 商標登録第6033639号(T6033639) 
権利者 株式会社グローバルロード
商標の称呼 パイケスピーク、パイクスピーク、パイケス、パイクス、ピーク 
代理人 古岩 信嗣 

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