• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W3233
管理番号 1346879 
審判番号 不服2018-1164 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-29 
確定日 2018-11-28 
事件の表示 商願2015-15726拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「桜」の漢字を標準文字で表してなり,第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」及び第33類「洋酒,果実酒,酎ハイ,麦芽及び麦を使用しないビール風味のアルコール飲料,麦芽または麦を使用したビール風味のアルコール飲料(ビール,ビール風味の麦芽発泡酒を除く。),中国酒,薬味酒,梅酒」を指定商品として,平成27年2月20日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,『桜』の文字を標準文字で表してなるところ,桜には,観賞用だけでなく食用として栽培されている品種もあり,その桜の花や葉が食されていたり,花びらから抽出したエキスが食品の風味付けや香り付けに使用されていたりする実情がある。そして,近年においては,本願指定商品との関係においても,例えば,桜の花又は葉を漬け込んだ商品や桜のエキスを使用することで桜の風味付けをした商品など,桜を原材料に使用した各種商品が製造及び販売されている事実が認められる。そうすると,『桜』の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者は,その商品が『桜を原材料に使用してなる商品』あるいは『桜の風味又は香りを有する商品』であることを認識するにすぎないから,本願商標は,単にその商品の品質,原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 事実認定
(1)平成27年10月15日付け,同月22日付け及び同29年3月15日付け刊行物等提出書並びに原審で示した証拠によれば,以下の事実が認められる。
ア 「東武サウスヒルズ中標津店」のウェブサイト(http://www.kk-to-bu.co.jp/southhills/real-time-news/2015-02-13-231852/)には,「東武オリジナル ピンクの発泡酒『桜どらふと』入荷しました!」の見出しの下,「原料に桜を使った発泡酒で,日本では初めてのものです。毎年皆様から好評を頂いている季節限定の商品です。色もシャンパンのロゼのようなきれいなピンク色です。『桜どらふと』の原料は麦芽と桜の花,それと少し紅芋の澱粉を使用しています。」との記載がある。
イ 「六花酒造株式会社」のウェブサイト(http://www.joppari.com/product/item_402.html)には,「さくらリキュール ひとひら180ml」の商品説明に「オオヤマザクラの実から抽出したエキスをベースにつくられた,新しい『さくらのお酒 ひとひら』。」との記載があり,原材料の項には「大山桜エキス・クエン酸・果糖」との記載がある。
ウ 「KALDIニュース」のウェブサイト(http://kaldi.co.jp/kaldinews/newitem/drink/sakura_wine.php)には,「咲くらのワイン(さくらの花びら入りワイン)」の商品説明に「ロゼワインにさくらの花を浸した香りのあるフルーティーで飲みやすい甘口のワインです。/国産で食用の八重桜を使用しています。」との記載がある。
エ 「Dover-和酒 桜-」のウェブサイト(http://www.dover.co.jp/popup.php?prdid=6012210070)には,商品「ドーバー 和酒 桜」の商品説明に「桜リキュールに仕上げました。桜の美しい彩りと馥郁たる大島桜の葉の香りが,心和むひとときを演出します。」との記載がある。
オ 「株式会社横倉本店」のウェブサイト(http://www.yokokura-uc.jp/%E5%95%86%E5%93%81%E6%83%85%E5%A0%B1/...)には,商品「まほろば歳時記 梅桃桜」の商品説明に「栃木県産の白加賀梅を漬け込んだ梅酒に,山梨県産の桃(白鳳など)の果汁と,静岡県産伊豆地方の大島桜から抽出された桜のエキスを絶妙なバランスでブレンドしたちょっと贅沢な『和のリキュール』です。」との記載がある。
カ 「サントリーリキュール ジャポネ〈桜〉」のウェブサイト(http://products.suntory.co.jp/d/4901777055773)には,商品情報として「小田原の『八重桜』の花と,伊豆の『大島桜』の葉を漬け込んだ,桜の浸漬酒がベースの日本オリジナルのリキュール。桜餅を思わせる独特の甘みと,春の訪れを連想させる豊かな香りが特長です。」との記載がある。
キ 「『カクテルツアーズ』〈桜モヒート〉春季限定新発売 2013.12.24 ニュースリリース」のウェブサイト(http://www.suntory.co.jp/news/2013/11935.html)には,「●〈桜モヒート〉春季限定新発売」/〈モヒート〉をベースに桜のお酒※2を加えることで,桜の香りがやさしく広がる爽やかな味わいに仕上げました。」との記載,及び「※2 桜の花の浸漬酒・桜の葉の蒸留酒」との記載がある。
ク 「富澤商店」のウェブサイト(http://www.tomizawa.co.jp/shop/g/g01017200/)には,商品「ドーバー さくらリキュール」の原材料名の項に「桜葉(国産),酒精,グラニュ糖,香料」等との記載がある。
ケ 「ランキングシェア」のウェブサイト(http://www.rankingshare.jp/rank/qjwjjfyije)には,「お花見で飲みたい春&桜のワイン10選」の見出しの下,第1位に「カフェドパリ 桜の香り 春季限定750ml」及び第2位に「SAKURAのワイン(さくらのワイン)」が掲載され,後者の説明に「春限定の可憐で可愛らしい八重桜(食用)が2輪ワイン中に入った『SAKURAのワイン』桜の季節にぴったりな淡いピンク色のロゼワイン。さくらの花を浸したフローラルな香りとフルーティーで軽く飲みやすい甘口のワインです。」との記載がある。
コ 「サンクトガーレン」のウェブサイト(http://www.sanktgallenbrewery.com/about/pressrelease/20160218.html)には,「桜の花と葉をつかった桜餅風味ビール『サンクトガーレン さくら』2016年2月25日より春限定発売」の見出しの下,商品概要の原材料の項に「麦芽,ホップ,桜(花と葉)」との記載がある。
サ 「神奈川新聞2010年(平成22年)5月14日」には,「大岡川の『桜』特産品に」の大見出しの下,「弘明寺 桜ビール」の項に「昨春,散った桜の花びらを集め,新潟県の地ビールメーカーに醸造を依頼。・・・ほのかな桜の香りと,無ろ過ならではの飲み応えのあるビールが完成した。」との記載がある。
シ 「オエノングループ」のニュースリリースのウェブサイト(http://www.oenon.jp/news/2011/20110223_956.html)には,「“日本の四季を楽しむお酒”桜焼酎『桜かれん』新発売/季節限定!シャトーカミヤの桜酵母と伊豆産大島桜の葉を使用」(2011年2月23日)の見出しの下,「【茨城県牛久市】の桜の花から分離した桜酵母と伊豆産大島桜の葉を使用した“桜づくし”の焼酎です。」との記載がある。
ス 「やたがらす 株式会社北岡本店オンラインショップ」のウェブサイト(http://www.kitaoka-honten.com/d/142)には,「さくらさらさら 180ml」の紹介に「ボトルの中で花咲く,あなただけの桜。桜の香りただよう甘酸っぱい桜入りリキュール。」との記載がある。及び原材料の項に「醸造アルコール,・・・桜花」等との記載がある。
セ 「お野菜たっぷり/らでぃっしゅレシピ」のウェブサイト(http://www.radishbo-ya.co.jp/shop/commodity/radish/2014034/00/0641/)には,商品「桜の花びら入り極甘口ワイン/五一わいん 花びら」の商品説明に「八重桜の花びらが,ほんのりピンクのスリムなボトルの中にひらひらと舞う様子は,お祝いの席を華やかに。」との記載がある。
ソ 「じゃらんnet」のウェブサイト(http://www.jalan.net/yad316232/topics/entry0003338305.html)において,「天空海遊の宿 末広」の項の「★春ドリンクフェア『桜酒フェア2015』開催!」の見出しの下,商品「さくら KIRA KIRA」の商品説明に「“ひと目千本”と詠われた,桜の名所『奈良吉野』の桜花が三輪入った綺麗なお酒。天然の桜花の香り豊かに,ほのかに甘酸っぱく,飲みやすい醸造アルコールベースのリキュールです。」,及び商品「ロリアン さくらのワイン」の商品説明に「ロゼワインにさくらの花を浸した,香りあるフルーティーな甘口ワインです。食用国産“八重桜”をそのままワインに入れた珍しい一本です。」との記載がある。
タ 「古屋酒造店」のウェブサイト(http://www.miyamazakura.com/shop/products/detail.php?product_id=25)において,商品「桜一花(さくらひとはな)リキュール」の商品説明に「本物の桜の花が一輪咲いたブランデーベースのリキュール 華やかな桜の香りとスッキリと甘酸っぱい味わいをお楽しみください」との記載がある。
チ 「ジャパニーズジン:世界へ ユズや桜『和の味わい』 高級酒の市場,6年で倍」(2017年10月4日 毎日新聞 東京朝刊 7頁)の見出しの下,「サントリースピリッツも,グループのビームサントリーと共同開発した『ROKU(ロク)』(同4000円)を7月に発売,9月からドイツや東南アジアなど9カ国で売り出している。桜の葉や煎茶,ユズなど6種類の素材で,桜の香りやユズの風味を引き出した。」との記載がある。
(2)上記(1)の認定事実によれば,本願商標の指定商品(ただし,第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を除く。)を取り扱う業界においては,桜の香りや風味付けのために,原材料の一として,桜の花・葉・エキス又は酵母を使用したアルコール飲料が製造・販売されており,そのような桜に関する原材料を用いた商品を「桜(さくら,SAKURA)」の文字だけで簡略化して「桜(さくら)リキュール」,「桜ビール」,「桜モヒート」,「SAKURA(さくら)のワイン」,「桜焼酎」及び「桜酒」などと表記して,商品の説明ないし宣伝広告等していることが認められる。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,上記第1のとおり,「桜」の漢字を標準文字で表してなるものである。
そして,「桜」の文字は,「バラ科サクラ属の落葉高木または低木の一部の総称。樹皮は咳止薬(桜皮仁)に用いるほか曲物まげものなどに作り,花の塩漬は桜湯,葉の塩漬は桜餅に使用。」(広辞苑第6版)の意味を有する語として広く一般に知られているものである。
また,上記1(2)のとおり,本願商標の指定商品(ただし,第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を除く。)を取り扱う業界においては,桜の香りや風味付けのために,原材料の一として,桜の花・葉・エキス又は酵母を使用したアルコール飲料が製造・販売されており,そのような桜に関する原材料を用いた商品を「桜(さくら,SAKURA)」の文字だけで簡略化して「桜(さくら)リキュール」,「桜ビール」,「桜モヒート」,「SAKURA(さくら)のワイン」,「桜焼酎」及び「桜酒」などと表記して,商品の説明ないし宣伝広告等していることが認められる。
そうすると,標準文字からなる本願商標は,これをその指定商品(ただし,第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を除く。)について使用する場合には,これに接する取引者,需要者は,特定の出所に係る商品であると認識するというよりは,当該商品には桜の花・葉・エキス又は酵母といった桜に関する原材料が使用されており,桜の香りや風味付けがなされている商品であると認識するにとどまるというべきである。そして,上記1(2)のとおり,「桜」の文字は,上記指定商品の取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるといえるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではない。
したがって,本願商標は,上記指定商品の原材料,品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎず,商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は,「桜」の単独文字では,商品の品質表示として使用されていないから,本願商標は指定商品の品質表示には当たらない旨主張する。
しかしながら,上記1(2)の認定事実によれば,桜の香りや風味付けのために,原材料の一として,桜の花・葉・エキス又は酵母を使用したアルコール飲料が製造・販売されており,そのような桜に関する原材料を用いた商品を「桜(さくら,SAKURA)」の文字だけで簡略化して「桜(さくら)リキュール」,「桜ビール」,「桜モヒート」,「SAKURA(さくら)のワイン」,「桜焼酎」及び「桜酒」などと表記して,商品の説明ないし宣伝広告等していることが認められるから,「桜」の文字が単独で商品の品質表示として使用されているか否かは,上記2の認定を左右するものでない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-09-26 
結審通知日 2018-10-01 
審決日 2018-10-16 
出願番号 商願2015-15726(T2015-15726) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W3233)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大島 康浩大澤 恒介 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
庄司 美和
商標の称呼 サクラ、オー 
代理人 特許業務法人松田特許事務所 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ