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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W18 審判 査定不服 外観類似 登録しない W18 |
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管理番号 | 1346878 |
審判番号 | 不服2017-18380 |
総通号数 | 229 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-01-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-12-11 |
確定日 | 2018-11-28 |
事件の表示 | 商願2016-71843拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「寿司バック」の文字を標準文字で表してなり,第18類「かばん類,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,ハンドバッグ,ボストンバッグ,トートバッグ,リュックサック,バックパック,袋物,買物袋,車付き買物袋,巾着,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として,平成28年7月4日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5292705号商標(以下「引用商標」という。)は,「SUSHI PACK」の欧文字を標準文字で表してなり,平成21年11月11日に登録出願,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」並びに第9類,第24類,第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし,平成20年6月11日に登録出願された商願2008-045531に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同22年1月8日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は,上記1のとおり,「寿司バック」の文字を標準文字で表してなるところ,文字種の違いから「寿司」の語と「バック」の語とを組み合わせたものと容易に看取,把握されるといえるものであって,これより「スシバック」の称呼を生じる。 そして,本願商標中,「寿司」の文字部分は,「『鮨』の当て字であって,酢と調味料とを適宜にまぜ合わせた飯に,魚介類・野菜などを取り合わせたもの。」(広辞苑第6版)の意味を有する語である。また,同「バック」の文字部分は,本来,「背。背中」(前掲書)の意味を有する語であるが,他方,我が国では,「袋,鞄」の意味を有する「バッグ(bag)」の語と混同して「バック」と発音・表記されることもしばしばあるというのが実情である。 そうすると,本願商標における後半の「バック」の文字部分は,その指定商品中「かばん類,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,ハンドバッグ,ボストンバッグ,トートバッグ,リュックサック,バックパック,袋物,買物袋,車付き買物袋,巾着」との関係においては,「袋,鞄」の意味合いで認識されることも少なくないといえるから(現に,請求人自身も,審判請求書において「本願商標登録出願に係る『寿司バック』はお寿司に係る(あるいはお寿司に関係した)袋・鞄等の観念を生じさせ得るのに対して…」と主張している。),前半の「寿司」の文字部分に比べて,自他商品の識別標識としての機能は弱いものといえる。 したがって,本願商標は,その構成中「寿司」の文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,当該文字部分に相応した「スシ」の称呼及び「鮨(寿司)」の観念をも生じ得る。 (2)引用商標 引用商標は,上記2のとおり,「SUSHI PACK」の欧文字を標準文字で表してなるところ,「SUSHI」と「PACK」との間には1文字分の空白の存在することから,両語を組み合わせたものと容易に看取,把握されるといえるものであって,これより「スシパック」の称呼を生じる。 そして,引用商標中,「SUSHI」の欧文字部分は,「鮨(寿司)」の語をローマ字で表記したものと容易に想起させるものである。また,同「PACK」の欧文字部分は,「包み,荷物,リュックサック」(株式会社大修館書店発行「ジーニアス英和辞典 第5版」)の意味を有する英語である。 そうすると,引用商標における後半の「PACK」の欧文字部分は,その指定商品中,第18類「かばん類,袋物」との関係においては,前半の「SUSHI」の欧文字部分に比べて,自他商品の識別標識としての機能は弱いものといえる。 したがって,引用商標は,その構成中「SUSHI」の欧文字部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,当該文字部分に相応した「スシ」の称呼及び「鮨(寿司)」の観念をも生じ得る。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標の要部である「寿司」の文字部分と引用商標の要部である「SUSHI」の文字部分とを対比するに,両者は,文字種(漢字と欧文字)が異なり外観において相違するものの,商取引の実際においては,漢字で表した商標を欧文字で表記するなど,相互に置き換えた表記も一般的に行われていること,及び両者は,標準文字で表され平易な書体からなるものであることから,両者における外観上の相違は,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえない。 また,両者から生じる称呼及び観念は,いずれも「スシ」の称呼及び「鮨(寿司)」の観念であるから,同一である。 そうすると,本願商標と引用商標との各要部は,外観が相違するとしても,称呼及び観念が同一であるから,互いに紛れるおそれのある類似の商標といえる。したがって,本願商標と引用商標とは,類似する商標である。 そして,本願商標の指定商品中「かばん類,折りかばん,肩掛けかばん,手提げかばん,ハンドバッグ,ボストンバッグ,トートバッグ,リュックサック,バックパック,袋物,買物袋,車付き買物袋,巾着」は,引用商標の指定商品中,第18類「かばん類,袋物」と同一又は類似の商品である。 (4)請求人の主張について 請求人は,本願商標と引用商標との称呼の違いは「バック」と「パック」であって,この違いは,「バ」と「パ」とを比較する場合よりも,発音性が一層強調されるから,聴者にとって,日本語の発音上,かなり異なった聞こえ方をするものである旨主張している。 しかしながら,上記(3)のとおり,本願商標と引用商標とは,要部観察において,外観が相違するとしても,「スシ」の称呼及び「鮨(寿司)」の観念が同一であるから,互いに類似する商標というべきである。 よって,請求人の上記主張は採用できない。 (5)まとめ 以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり,審決する。 |
審理終結日 | 2018-09-26 |
結審通知日 | 2018-10-01 |
審決日 | 2018-10-16 |
出願番号 | 商願2016-71843(T2016-71843) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W18)
T 1 8・ 262- Z (W18) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 謙司 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
田村 正明 庄司 美和 |
商標の称呼 | スシバック |
代理人 | 友野 英三 |