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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 125
管理番号 1346845 
審判番号 取消2017-300544 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-07-26 
確定日 2018-11-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第2595977号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第2595977号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2595977号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,1991年(平成3年)2月7日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成3年8月7日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同5年11月30日に設定登録され,その後,同17年1月19日に指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
本件審判の請求の登録日は,平成29年8月8日である(以下,本件審判の請求の登録前3年以内を「本件要証期間」という。)。

2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 国内における使用者の不在
被請求人の提出する証拠からは,本件商標については,日本国内における商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが存在せず,本件商標権者は在外者である。また,被請求人が商品販売を主張するウェブサイトも,サーバーは英国に設置されていることは,URLの表示から明らかである。
加えて,個人輸入者は,単なる需要者であって,専用使用権者や通常使用権者ではない。
そうすると,本件商標については,そもそも日本国内における使用主体がいないから,商標法第50条第2項本文の要件を充足しない。
イ 被請求人のウェブサイトの存在をもって,国内における本件商標の使用の立証にはならないこと
(ア)被請求人のウェブサイトでは,極めて多数の企業の商品が販売されており(乙2),本件商標権者の商品のみを扱っているわけではない。このようなウェブサイト中のコンタクト先の住所が本件商標権者と一致するとしても,また,仮に当該ウェブサイトを本件商標権者が運営しているとしても,それは英国にそのようなウェブサイトがあるというにとどまり,日本において本件商標が使用されていることとは無関係である。
(イ)仮に,「NO FEAR」の文字を被服等に付したとしても,それは英国における行為であって,本件商標の日本国内での使用の立証にはならない。
(ウ)被請求人により使用が主張されている商標(乙4の1・2,乙5)は,本件商標とは同一ではなく,社会通念上同一でもない。
(エ)乙第2号証の1ないし乙第9号証は,全て英語のみで表示され,商品代金の決済もポンドである。したがって,たとえ日本から商品の注文ができたとしても,それは,インターネットの性格上,世界各地からアクセスが可能であることによるもので,日本国内における商業活動をしているということもできず,宣伝,広告的なホームページということはできない。
なお,世界のいずれかの国にネットショッピングのホームページが開設されれば,当該ホームページに掲載される全ての商品及び商標について,同ページを通じて商品配送できる全ての国における商標の使用になるというのは広範に過ぎ,我が国の商標法の意義を没却する。
(オ)個人輸入者の輸入行為は,日本国内における商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれの行為にも該当せず,また,個人輸入者の輸入行為をもって,本件商標が日本国内において使用されているとはいえない。
そして,英国で販売された商品を,たまたま日本人が購入したとしても,その譲渡行為は英国で行われており,日本における譲渡行為とはいえない。
この点,被請求人も,商標法第2条第3項第2号の使用行為に当たる旨の主張はしていない。
そうすると,被請求人の,日本を出荷対象エリアとして,本件商標を付した被服等を販売しているため,本件商標の使用に当たる旨の主張の意味が不明である。
仮にこれが,被請求人のウェブサイトによって,被服等を英国において販売していることを,本件商標の日本国内における使用であると主張しているのであれば,その主張は失当である。
他方,本件商標権者が英国に開設されたウェブサイトを通じて商品を販売し,当該商品を日本に出荷することが可能であること,その結果として,個人輸入者が,それぞれ「ズボン」及び「帽子」を各1点輸入したことから,本件商標が日本国内で使用されていると主張するのであれば,被請求人の独自の理論というほかない。審判決例によれば,個人輸入者の輸入行為は,日本国内における商標権者等の行為ではなく,その商標が日本国内において使用されているともいえないとされる(甲3,6?9)。
本件における個人輸入者の輸入行為は,日本国内における商標権者の行為ではなく,本件商標が日本国内において使用されているとはいえない。
(カ)被請求人の提出する証拠は,乙第6号証を除いて,日付が不明,又は本件要証期間外の証拠である。
(キ)乙第6号証は,被請求人が自ら作成した資料であり,全く客観性がない。このような資料は誰でも作成し得るもので,実際に商品が発送されたか否かも,これに対応する注文書や受領書もないため,不明である。
なお,仮に乙第6号証が真正に成立したものであっても,これは,個人輸入者宛てに商品を出荷したこと(被服等を英国において譲渡したこと)を表すにすぎず,個人輸入者は,商標権者でも使用権者でもないから,日本国内での本件商標の使用を立証するものではない。
(3)請求人は,更なる弁駁をしない旨,また,被請求人による本件についての書面審理の希望について,異議なく了承する旨を述べている。

3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の第25類「被服」への使用
ア 本件商標権者は,「PULP」のウェブサイト及び「SPORTS DIRECT.COM」のウェブサイトを通じて,ブランド名を「NO FEAR」とする被服等を販売している(乙2)。両ウェブサイトのコンタクト先は,本件商標権者の住所と同じである(乙3)。
そして,本件商標権者は,自己の販売する被服等に「NO FEAR」の文字を付している(乙4)。
また,本件商標権者は,被服等に関する広告,価格表又は取引書類に「NO FEAR」の文字を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に「NO FEAR」の文字を付して電磁的方法により提供している(乙5)。
イ 本件商標は,「NO/FEAR」の文字を二段書きで表示した構成態様からなる。
一方で,本件商標権者が,被服等に付しているのは「NO FEAR」の文字であり(乙4),被服等に関する広告,価格表若しくは取引書類に付しているのは「NO FEAR」の文字(以下,これらをまとめて「使用商標」という。)である(乙5)。
使用商標は,いずれも「NO FEAR」の文字であり,その使用は,本件商標の使用に該当する。
ウ 「被服」は,本件商標の第25類の指定商品に含まれる。
エ 本件商標権者が,被服等に「NO FEAR」の文字を付す行為は,商品に標章を付するものであり,商標の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
また,本件商標権者が,被服等に関する広告,価格表若しくは取引書類に「NO FEAR」の文字を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に「NO FEAR」の文字を付して電磁的方法により提供する行為は,商品に関する取引書類等に表層を付して頒布等するものであり,商標の使用に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
オ 本件商標権者は,「PULP」のウェブサイトを通じて,平成28年6月13日に,出荷先の住所を北海道苫小牧市とする「ズボン」の注文を受け,実際に出荷している(乙6,7)。
また,本件商標権者は,「SPORTS DIRECT.COM」のウェブサイトを通じて,平成29年4月18日に出荷先住所を愛知県名古屋市とする「帽子」の注文を受け,実際に出荷している(乙6,8)。
「PULP」のウェブサイトでは,日本へ出荷する場合の費用が示されており,出荷対象エリアに日本を含んでいる(乙9)。
このように,本件商標権者は,ウェブサイトを通じて,日本を出荷対象エリアとして,「NO FEAR」を付した被服等を販売していることから,同ウェブサイト上での,被服等に関する「NO FEAR」の使用は,本件商標の使用に当たる。
(2)まとめ
以上のとおり,本件商標は,その指定商品について,日本国内において,本件要証期間内に,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者により使用されていたものであり,本件審判の請求は理由がない。
(3)被請求人は,上記答弁により主張立証を尽くしており,更なる証拠等を提出する準備はない旨,また,本件について書面審理を希望する旨を述べている。

4 当審の判断
(1)証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
ア イギリス国所在の「This is Pulp」が運営する「PULP」のウェブサイトとされる画面は,全て英語で表示され,「No Fear FZ Hoody Junior Boys」の項に,別掲2のとおり,「NO」及び「FeAR」の文字を図案化し,上下二段に表した商標(以下「使用商標1」という。)を付した「上着」の写真が,「?13.99」の価格とともに掲載されており(乙3の1,4の1),「No Fear Animal Mitt Inf81」の項に,別掲3のとおり,使用商標1を表示した「手袋」の写真が,「?5.99」の価格とともに掲載されている(乙4の2)。
また,「PULP」のウェブサイトとされる画面には,日本向けの配送料が「?15.00から」と記載されている(乙9)。
イ イギリス国所在の「SportsDirect.com」が運営する「SPORTS DIRECT.COM」のウェブサイトの写し(平成29年11月14日印刷)は,全て英語で表示され,「No Fear/Boost Ski Pants Mens」,「No Fear/Powder Ski Jacket」,「No Fear/Powder Ski Jacket Girls」及び「No Fear/Core YD Jacket Mens」の項に,「スキーパンツ」,「スキージャケット」及び「ジャケット」の写真が,それぞれ「?39.99」の価格とともに掲載されている(乙3の2,5)。
ウ 「PULP」における「注文書」,「注文処理書」,「出荷処理書」の写しとされる文面は,全て英語で記載されるとともに,品目「No Fear RW BTK Short In63 Light Wash 5-6 Yrs」,商品番号「640289/90/155」とする商品を含む,日本の北海道の顧客からの注文の処理過程が示されている(乙7の1?3)。
エ 「SPORTS DIRECT.COM」における「注文書」,「注文処理書」,「出荷処理書」の写しとされる文面は,全て英語で記載されるとともに,品目「No Fear Keno 2 Sn 63 Grey Mens」,商品番号「392173/02/050」とする商品を含む,日本の愛知県の顧客からの注文の処理過程が示されている(乙8の1?3)。
オ インターネットによる日本への出荷履歴一覧として提出された「国及びブランドのインターネットセールス」と題する書面には,「thisispulp.co.uk」の支店において,注文日を平成28年6月13日とする,商品番号「64028990155」の商品について,「日本」を仕向先とする注文があったこと,そして,「sd.com App」の支店において,注文日を平成29年4月18日として,商品番号「39217302050」の商品について,「日本」を仕向先とする注文があったことが記録されている(乙6)。
(2)判断
ア 上記(1)アの「PULP」の画面は,使用商標1を付した商品「上着,手袋」について,「No Fear」の文字(以下「使用商標2」という。)を含む商品名を表示した広告であることが確認できるが,そのウェブサイトへの掲載時期が不明で,その他に掲載の事実や時期を示す証拠もないことから,本件要証期間内に電磁的方法により提供されていた広告と認めるには足りない。
また,上記(1)イの「SPORTS DIRECT.COM」のウェブサイトは,使用商標2を商品名として表示した商品「スキーパンツ,スキージャケット,ジャケット」の広告であることが確認できるが,その印刷日は要証期間の経過後のものであり,その他に本件要証期間内において掲載されていたことを示す証拠もない。さらに,同ウェブサイトの運営主体である「SportsDirect.com」が本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかであることを裏付ける証拠はないから,本件商標権者(又はその使用権者)により,本件要証期間内に上記広告が電磁的方法により提供されていたと認めるに足りない。
加えて,上記「PULP」の画面及び「SPORTS DIRECT.COM」のウェブサイト(以下「本件ウェブサイト等」という。)は,いずれも英語で表示され,価格についてもポンド表記のものであり,「PULP」の画面に日本向けの配送料の目安を記載しているとしても,また,本件ウェブサイト等に関連して日本への輸出実績があったとしても(下記イを参照),日本の顧客に向けた商品の広告とは直ちに理解できないから,本件ウェブサイト等に係る広告を日本国内における使用に該当するものと認めることはできない。
イ 上記(1)オの日本への出荷履歴一覧は,上記(1)ウ及びエに掲げる商品,つまり使用商標2を商品名中に含む商品の取引記録であるとしても,当該一覧の作成者及び作成日も不明であり,その信憑性も薄いばかりか,当該一覧は,イギリス国から日本への輸出に関する注文処理の内部記録と理解できても,日本国内における取引記録とはいえない。また,上記(1)ウ及びエに掲げる商品に,使用商標2が付されているか否かは,提出された証拠からは明らかではない(乙7の4,8の4)。
さらに,上記(1)ウ及びエの注文書等の取引書類からは,当該取引書類が日本に送付された日付は明らかでなく,そこに記載された取引が,上記(1)オの出荷履歴一覧に記載された取引に相当するか否かは,商品の商品番号及び仕向地(JAPAN)等の一致のみから推認できないから,当該取引書類が,当該一覧に記載された日付において,我が国の取引者に頒布又は電磁的方法により提供されたと認めることもできない。
したがって,提出された証拠によっては,本件商標権者(又はその使用権者)が,日本国内において,使用商標2を付した商品を販売,引渡し,又は使用商標2を商品名中に含む商品に関する取引書類を頒布又は電磁的方法により提供したとは認めるに足りない。
ウ 上記のとおり,本件商標と使用商標1及び2との社会通念上の同一性,また,本件商標の指定商品とその使用に係る商品の同一性を検討するまでもなく,本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件要証期間内に日本国内において,本件商標,使用商標1又は2を使用していたと認めるに足りる証拠がない。
(3)被請求人の主張
ア 被請求人は,本件商標権者は被服等に「NO FEAR」の文字を付した旨(商標法第2条第3項第1号)を主張する。
しかしながら,本件商標権者が別掲2及び別掲3に掲げる商品を製造した場所,日時などを示す具体的な証拠の提出はないため,その主張は根拠を欠くものである。
イ 被請求人は,本件商標権者は,北海道小牧市及び愛知県名古屋市の顧客から注文を受け,ズボン又は帽子を出荷しており,これが本件商標の使用に当たる旨を主張する。
しかしながら,被請求人の主張する行為は,上記(2)イのとおり,イギリス国における日本への商品の輸出行為にすぎず,本件商標権者(又はその使用権者)が,日本国内においてした商標の使用行為ではないことは明らかであるから,その主張は採択できない。
(4)まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2



別掲3




審理終結日 2018-06-26 
結審通知日 2018-06-28 
審決日 2018-07-10 
出願番号 商願平3-83975 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (125)
最終処分 成立 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 1993-11-30 
登録番号 商標登録第2595977号(T2595977) 
商標の称呼 ノーフィアー 
代理人 朝倉 美知 
代理人 前田 大輔 
代理人 鳥海 哲郎 
代理人 田中 克郎 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 小林 彰治 
代理人 中村 知公 
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