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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20196052 審決 商標
不服20186893 審決 商標
不服201520434 審決 商標
不服20179999 審決 商標
異議2016900059 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項14号 種苗法による登録名称と同一又は類似 登録しない W25
管理番号 1346128 
審判番号 不服2018-3425 
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-09 
確定日 2018-11-08 
事件の表示 商願2017-11978拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第18類及び第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし,平成29年2月6日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同29年7月13日付けの手続補正書をもって,第25類「被服,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,別掲のとおり,五つのハート型の輪郭図形を,W字型に交差するように組み合わせてなる図形からなるところ,これは,国際オリンピック委員会(IOC)及びその下部組織である各国オリンピック委員会により開催される競技大会を示す著名な標章である『五輪旗』と,「ハート」と「円」という差異は有するものの,その図形の配置を同じくし,構成全体として,当該五輪旗を容易に想起する商標と認められ,当該五輪旗と類似する商標と判断するのが相当であり,当該五輪旗は公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する著名な標章と類似の商標であるから,商標法第4条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,同じ大きさのハート形の輪郭図形を上段に3個及び下段に2個配置し,下段の2個は上段中央のハート形の左下及び右下に,上段のハート形と交差するように逆台形図形状に配して表されたものであり,特定の称呼及び観念を生じないものである。
(2)オリンピック・シンボル(五輪マーク)について
オリンピック・シンボル(五輪マーク)は,別掲2のとおり,同じ大きさの輪(円輪郭図形)を上段に3個,下段に2個配置し,下段の2個は上段中央の輪の左下及び右下に,上段の輪と交差するように逆台形図形状に配して表されたもの(以下「五輪マーク」という。)であって,単色又は左から順に青,黄,黒,緑,赤で表されるものが該当する(オリンピック憲章 国際オリンピック委員会 https://www.joc.or.jp/olimpism/charter/pdf/olimpiccharter2017.pdf)。そして,「五輪マーク」は,国際機関である国際オリンピック委員会が主催して,4年ごとに行われる国際スポーツ競技大会(オリンピック)のシンボルマークとして使用されている,公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものであることは,当庁において顕著な事実である。
(3)本願商標と「五輪マーク」の類否について
本願商標と「五輪マーク」を対比すると,両者は,同じ大きさの5つの輪郭図形を上段に3個及び下段に2個配置し,下段の2個は上段中央の形状の左下及び右下に,上段の形状と交差するように逆台形図形状に配して表された点において共通にするものであり,相違するところは,本願商標が「ハート型(輪郭図形)」より構成されるのに対して,「五輪マーク」は「輪(円輪郭図形)」より構成されたものである点にすぎない。
そうすると,本願商標と「五輪マーク」とは,本願商標が特定の称呼及び観念を生じないから,称呼及び観念において比較することができないとしても,両者の共通点よりみて,構成の軌を一にするものと看取され,外観上近似した印象を与えるものであって,「五輪マーク」が著名であることにも照らせば,本願商標に接した需要者は,著名な「五輪マーク」を想起,連想するというのが相当である。
したがって,本願商標は,国際オリンピック委員会行う競技大会のシンボルマークとして著名な標章「五輪マーク」と,類似するものといわなければならない。
(4)請求人の主張に対し
請求人は,登録第4783515号商標が本願商標とほぼ同形態(五つのハート型図形の結合図形)であって,「五輪マーク」が古くから著名となっていたにもかかわらず,当該商標が商標法第4条1項第6号に該当しないものと判断されたことからすると,本願商標も同様に登録されるべき旨主張する。
しかしながら,本願商標とほぼ同形態の商標の出願登録が認められた例があったとしても,過去にされた審査例等は具体的,個別的な判断が示されているのであって,仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても,具体的事案の判断にあたっては,過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきであり,本願商標が同号に該当するか否かの判断に際して,そのような登録例に拘束されるべき理由はないから,請求人の主張は採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名な標章「五輪マーク」と類似の商標であるから,商標法第4条第1項第6号に該当する。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(五輪マーク)
(1)単色


(2)色彩あり


審理終結日 2018-08-28 
結審通知日 2018-09-04 
審決日 2018-09-25 
出願番号 商願2017-11978(T2017-11978) 
審決分類 T 1 8・ 21- Z (W25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 庄司 美和
早川 文宏
代理人 白川 孝治 

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