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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W30
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30
審判 査定不服 観念類似 登録しない W30
管理番号 1346040 
審判番号 不服2018-587 
総通号数 228 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-01-17 
確定日 2018-10-22 
事件の表示 商願2016-114852拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「抹茶,抹茶を使用した菓子,抹茶を使用したおやき,抹茶を使用したアイスクリーム,抹茶を使用したパフェ,茶,茶を使用した菓子,茶を使用したおやき,茶を使用したアイスクリーム,茶を使用したパフェ」を指定商品として、平成28年10月18日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1704883号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「わびすけ」
指定商品 第30類「茶」
第32類「清涼飲料,果実飲料」
登録出願日 昭和57年6月1日
設定登録日 昭和59年7月25日
書換登録日 平成16年8月25日
(2)登録第4575309号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「わびすけ」及び「侘助」の各文字を二段書きしてなるもの
指定商品 第30類「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピ
ザ,ホットドッグ,ミートパイ」を含む、第29類及び第3
0類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成13年6月26日
設定登録日 平成14年6月7日

以下、上記引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、4つの緩やかな弧線を組み合わせてなる略楕円形の二重線と、その内側の中央に大きく顕著に表された「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものを配し、さらに、その上方に、にわかに特定の意味合いを想起されることのない図形を、その下方に、当該二段書きしてなる文字に比して小さく表された「108」、「Matcha」及び「Saro」の各文字を三段書きしてなるものを、それぞれ配してなるものであるところ、その構成全体をもって特定の意味合いを想起させるなどとはいえず、また、その構成中、略楕円形の二重線部分は、その形状に照らせば、さほど特徴のない単なる輪郭線として看取、把握されるものといえるし、さらに、略楕円形の内側に配されている上記図形部分及び各文字部分は、それぞれの構成態様に照らせば、そのいずれか又は全部が一体不可分のものとして看取、把握されるとはいい難い。
そうすると、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、その中央に大きく顕著に表されている「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものに注目することも少なくないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中の「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものが、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、それを抽出した上で、引用商標との比較をし、本願商標と引用商標との類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成全体に相応する「ワビスケヒャクハチマッチャサロ」の称呼を生じるほか、その構成中の「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものに相応する「ワビスケ」の称呼を生じるものであり、また、その構成全体から特定の観念を生じるとはいえないものの、当該二段書きしてなるものは、そこから生じる「ワビスケ」の称呼とあいまって、「(椿の一品種である)わびすけ(侘助)」の観念を生じるといえるものである(「広辞苑 第7版」、株式会社岩波書店発行)。
イ 引用商標
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「わびすけ」の文字からなるものであり、また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「わびすけ」及び「侘助」の各文字を二段書きしてなるものであるから、引用商標は、その構成文字に相応する「ワビスケ」の称呼及び「(椿の一品種である)わびすけ(侘助)」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否
(ア)商標の比較
本願商標は、上記アのとおり、その構成中の「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものを抽出した上で、それと引用商標とを比較して、本願商標と引用商標との類否を判断することが許されるものであり、それに相応して、「ワビスケ」の称呼及び「(椿の一品種である)わびすけ(侘助)」の観念を生じるのに対し、引用商標はその構成文字に相応する「ワビスケ」の称呼及び「(椿の一品種である)わびすけ(侘助)」の観念を生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観上、前者が「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるもの、後者が「わびすけ」の文字からなるもの又は「わびすけ」及び「侘助」の各文字を二段書きしてなるものであって、文字構成において区別し得る差異があるが、いずれも「ワビスケ」の称呼及び「(椿の一品種である)わびすけ(侘助)」の観念を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観は相違するものの、称呼及び観念を同一とするものであるから、両商標の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(イ)指定商品の比較
本願の指定商品及び引用商標の指定商品は、それぞれ、前記1及び2のとおりであるところ、本願の指定商品中の第30類「抹茶,茶」は、引用商標1の指定商品中の第30類「茶」と同一又は類似する商品である。
また、本願の指定商品中の第30類「抹茶を使用した菓子,抹茶を使用したおやき,抹茶を使用したアイスクリーム,抹茶を使用したパフェ,茶を使用した菓子,茶を使用したおやき,茶を使用したアイスクリーム,茶を使用したパフェ」は、引用商標2の指定商品中の第30類「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」と類似する商品である。
エ 小括
上記アないしウによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標について、その構成要素が全て同色をもって表されており、かつ、その構成中の「WABI」、「SUKE」の文字部分と他の構成部分との面積は同等であって、当該文字部分が他の構成部分と比べて目立つわけではないことなどから、これに接する取引者、需要者をして、それぞれの構成が相互に深く関連する一体的な図形と認識、理解されるものであるし、請求人自身も、その構成全体を一体として使用することを企図しており、当該文字部分を分離するなどして使用することはない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成態様を鑑みれば、その構成中の「WABI」及び「SUKE」の各文字を二段書きしてなるものが、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるし、本願商標について、当該二段書きしてなるものを分離して観察することが、取引上、不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとみるべき事情も見いだせない。
また、仮に、本願商標の使用について、請求人が主張するような企図があるとしても、それが、本願商標に接する取引者、需要者が受ける上記の強く支配的な印象に影響を及ぼすとはいい難い。
したがって、上記請求人による主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(本願商標)

審理終結日 2018-08-23 
結審通知日 2018-08-24 
審決日 2018-09-11 
出願番号 商願2016-114852(T2016-114852) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W30)
T 1 8・ 262- Z (W30)
T 1 8・ 261- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 田中 敬規
特許庁審判官 中束 としえ
有水 玲子
商標の称呼 ワビスケイチマルハチマッチャサロ、ワビスケヒャクハチマッチャサロ、ワビスケ、ワビ、スケ、イチマルハチマッチャサロ、ヒャクハチマッチャサロ、マッチャサロ、サロ 
代理人 内島 裕 

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