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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1345055 
異議申立番号 異議2017-900381 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-12-20 
確定日 2018-10-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5990967号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5990967号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5990967号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成29年4月28日に登録出願,第25類「被服,運動用特殊衣服」を指定商品として,同年9月26日に登録査定,同年10月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1059991号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,昭和45年11月12日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同49年3月25日に設定登録,その後,平成17年2月23日に指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものであり,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
引用商標の「Lee」は,ジーンズ製品等の被服に関して極めて周知・著名となっている。
本件商標と引用商標は,それぞれ「被服」を指定商品としており,指定商品において抵触している。
称呼においては,引用商標からは,「リ-」という称呼が生じる。一方,本件商標は,「Lee」という欧文字と,「a」と「o」とを接合したようなデザイン(以下「本件デザイン」という。)とからなり,本件デザインの箇所からは称呼が生じることはなく,本件商標からは「リ-」という称呼が生じるから,本件商標と引用商標とは称呼において類似する。
外観においては,本件商標の本件デザインは商標として認識されるべき顕著性を有するものではないので,その要部は前半の「Lee」と読める個所にあるものと思料されるから,本件商標は外観においても引用商標と類似する。
観念においては,本件商標も引用商標も特定の観念を想起させるものではなく,比較すべくもない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性について
申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(1)「古着情報Webマガジン WEAR NEWS」(2017年5月3日)には,「ワークウェア出身,ファッション業界を制したジーンズブランドLee」の見出しの下,「リーバイス,ラングラーと並ぶ世界三大ジーンズブランドと呼ばれているLee(リ-)。リーバイスよりも前にジーパンを生み出したブランドとしても有名で,多くの愛用者がいる定番のジーンズブランドです。」,「世界的に有名なジーンズブランド『リ-(Lee)』はアメリカのカンザス州で創業しました。」,「日本への上陸は1970年代。日本でも人気のジーンズブランドとして地位を確立しています。」,「創業から現在まで一貫してデニムウェアを作り続けるリーは,誕生して数百年が経っても愛され続け,多くの有名人を虜にしています。」等と紹介されている(甲5)。
(2)「ジーパン(デニム)専門ページ PINTORU」のウェブサイトには,「リー(Lee)のジーパンを徹底解説」の見出しの下,「リーバイスよりも前にジーパンを生み出したブランドとして有名であり,日本においても,多くの愛用者を抱えるジーパンの定番ブランドと言えるでしょう。」等と紹介されている(甲6)。
(3)以上によれば,Leeが表示された申立人の業務に係るジーンズ製ズボンは,日本においては約50年近くの歴史があり,人気のジーンズブランドであるといえることから,引用商標は,申立人の業務に係る商品「ジーンズ製ズボン」を表示するものとして,本件商標の登録出願時(平成29年4月28日)には既に,我が国の被服を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることができ,その周知著名性は,本件商標の登録査定時(平成29年9月26日)においても継続していたものといえる。
2 本件商標と引用商標について
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,「Leea」の文字の下部を水平につなげ,その後に「o」ないし「D」(小文字と大きさをそろえてなる。以下同じ。)と思しき文字を,「a」と上部を水平につなげ,かつ,縦線部分で接合させた構成からなるものであって,全体として「Leeao」ないし「LeeaD」の文字をデザイン化して表してなるものと認識され得るものである。このように,本件商標の構成各文字は,互いに一部を接続させてまとまりよく一体的に表されているものであって,視覚上,「Lee」部分と「ao」ないし「aD」部分とに分離して認識され得るような構成からなるものとはいえない。また,本件商標は,その構成態様に照らせば,「ao」ないし「aD」部分が,特定の語義を有する単語又は商品の品番,規格等を表す記号若しくは符合として認識されるものでもないから,「Lee」の文字と「ao」ないし「aD」の文字との結合商標と認識されることもないというべきである。
そうすると,本件商標は,その構成全体をもって一体の商標とみるのが相当であるところ,これが「Leeao」と認識される場合には「リーアオ」の称呼が,また,「LeeaD」と認識される場合には「リード」又は「リーアド」の称呼が生じるものといえる。そして,本件商標は,いずれの文字に認識された場合であっても,特定の意味合いを生じない造語と解されるから,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,太字の「Lee」の欧文字をややデザイン化して表してなるところ,上記1のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品「ジーンズ製ズボン」を表示するものとして,我が国の被服を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されている商標と認められるから,これからは,「リー」の称呼を生じ,「申立人の業務に係るLeeブランド」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は,「Leeao」ないし「LeeaD」の文字をデザイン化して一体的に表されてなるものであるから,引用商標「Lee」とは,外観が明らかに相違する。
本件商標から生じる「リーアオ」,「リード」又は「リーアド」の称呼と,引用商標から生じる「リー」の称呼とは,明らかに相違する。
本件商標は,特定の観念が生じないのに対し,引用商標は,「申立人の業務に係るLeeブランド」の観念を生じるから,両商標は,観念において相紛れるおそれはない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,本件商標の指定商品中,第25類「被服」が,引用商標の指定商品と同一であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,第25類「被服」について,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから,その登録は,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標


別掲2 引用商標


異議決定日 2018-09-28 
出願番号 商願2017-66621(T2017-66621) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 平澤 芳行
田村 正明
登録日 2017-10-27 
登録番号 商標登録第5990967号(T5990967) 
権利者 株式会社絆工房
商標の称呼 リーアオ 
代理人 又市 義男 

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