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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05
管理番号 1345005 
審判番号 不服2017-10670 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-18 
確定日 2018-09-26 
事件の表示 商願2015-70941拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「酵素漢方」の文字を標準文字で表してなり、第5類「サプリメント,漢方薬,酵素を主原料とする栄養補助食品,酵素を主原料とする液状・粉末状・錠剤状・粒状・顆粒状・ペースト状・カプセル状・ゼリー状・タブレット状の加工食品,酵素分解物を主原料とする栄養補助食品,酵素分解物を主原料とする液状・粉末状・錠剤状・粒状・顆粒状・ペースト状・カプセル状・ゼリー状・タブレット状の加工食品,漢方生薬を主原料とする栄養補助食品,漢方生薬を主原料とする液状・粉末状・錠剤状・粒状・顆粒状・ペースト状・カプセル状・ゼリー状・タブレット状の加工食品,植物を主原料とする栄養補助食品,植物を主原料とする液状・粉末状・錠剤状・粒状・顆粒状・ペースト状・カプセル状・ゼリー状・タブレット状の加工食品」を指定商品として、平成27年7月24日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『細胞内で作られ、生体内のほとんどの化学反応の触媒の働きをする、たんぱく質を主体とする高分子化合物。』の意味を有する『酵素』の文字と、『中国から伝わった医術。』の意味を有する『漢方』の文字とを、標準文字により一連に書してなるものであるところ、その構成中、『酵素』について、本願の指定商品を取り扱う業界においては、その健康効果や美容効果に着目され、様々な酵素が配合された商品が取引されている実情が認められ、また、『漢方』について、漢方医学に使用する漢方薬・漢方製剤を単に『漢方』と称し、商品の紹介や販売等が行われている実情が認められ、医薬品でない商品(サプリメント等)についても、漢方薬の原料となる生薬が配合された商品が多数販売され、それらについて『漢方』の語が使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標は、これを本願の指定商品中の『酵素を配合した漢方薬,酵素及び漢方薬の原料となる生薬を配合したサプリメント・栄養補助食品』等、『酵素漢方』の文字に照応する商品に使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願の指定商品中、『酵素漢方』の文字に照応する商品(例えば、上記「酵素を配合した漢方薬,酵素及び漢方薬の原料となる生薬を配合したサプリメント・栄養補助食品」)以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「酵素漢方」の文字を標準文字で表してなるものであり、第5類に属する「サプリメント,酵素を主原料とする栄養補助食品,漢方生薬を主原料とする栄養補助食品」等を指定商品とするものである。
ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原審における拒絶理由通知において示したとおり、酵素の健康効果や美容効果が着目されて、それを配合した商品が取引されていたり、漢方医学に使用する漢方薬や漢方製剤を単に「漢方」と称して、商品の紹介や販売等が行われていたり、医薬品ではない商品(サプリメント等)についても、漢方薬の原料となる生薬が配合された商品が多数販売され、それらについて「漢方」の語が用いられているといった実情があるほか、別掲のとおり,酵素及び漢方薬の原料となる生薬を配合した商品について、それらが配合されていることを表すため、その商品説明等において、「酵素」の語や「漢方」又はそれに通じる「和漢」といった語を用いることが一般的に行われている。
そうすると、本願商標は、その指定商品との関係においては、取引者、需要者をして、商品の品質を表すものとして一般に広く用いられている「酵素」の語と「漢方」の語とを組み合わせてなるものであり、その構成全体をもって商品が酵素及び漢方の原料となる生薬を配合してなるものであること、すなわち、商品の品質を表したものと認識される場合も少なくないとみるのが相当である。
してみると、「酵素漢方」の文字を標準文字で表してなる本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきものであるから、商標法第3条第1項第3項に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、仮に、需要者が本願商標から「酵素を配合した漢方薬」なる概念を想起したとしても、請求人が提携先と共同開発した技術を用いずに酵素成分が有効に漢方に配合されることはなく、原審において示された「酵素を配合した漢方薬」あるいは「酵素及び漢方薬の原料となる生薬を配合した商品」は、成立自体が不可能であり、需要者による「酵素を配合した漢方薬」あるいは「酵素及び漢方薬の原料となる生薬を配合した商品」の観念自体が存在し得ない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう「商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するか否かは、当該商標の構成態様及び指定商品に基づき、当該商標が使用される商品に係る取引の実情等を考慮した上で、取引者、需要者がそれを商品の品質を表示したものであろうと認識するか否かについて個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標は、上記(1)のとおり、その構成態様並びに指定商品及びそれを取り扱う業界における取引の実情等を総合勘案すれば、取引者、需要者が商品の品質を表示してなるものと認識するというべきものであるから、請求人による上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて、「KONEYA ダイエット 酵素サプリ 60粒」の見出しの下、「商品の情報」の項に、「酵素・漢方・マグネシウム配合のダイエットサプリ」との記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B07BXS5HCG/)
(2)「なちゅら本舗」のウェブサイトにおいて、「ウエイトナチュラ+」の見出しの下、「男女兼用ポジティブ体型サプリ」、「ウェイトナチュラ+は、自然の恵みから人の体を優しく育くむための和漢・酵素・ビタミンの働きをギュギュッと凝縮!!」及び「■和漢 人参・陣皮・生姜」、「■酵素(消化酵素) プロテアーゼ・マルターゼ・アミラーゼ・ラクターゼ・セルラーゼ・リパーゼ・スクラーゼ」との記載がある。
(http://natulahonpo.com/products/weightnatula/)
(3)「太っちょ.com」のウェブサイトにおいて、「体型で悩むのはもう終わり!?理想の体型を目指すあなたへ?」の見出しの下、商品「プルエル」について、「7つの消化酵素+7つの漢方」、「含有漢方 ウイキョウチョウジ桂皮金時生姜生姜カンゾウアカメガシワ」及び「使用者の約92%が体重の増加を実感したと評判のプルエル。その太る実感を支えているのは7種類の酵素と7種類の漢方です。プルエルには炭水化物・たんぱく質・脂質の吸収を助けてくれる酵素が含まれているので、酵素の働きによって食べたものの消化・吸収を手助けしてくれるのです。」との記載がある。
(http://太っちょ.com/pluel/)

審理終結日 2018-07-10 
結審通知日 2018-07-23 
審決日 2018-08-10 
出願番号 商願2015-70941(T2015-70941) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 林 悠貴和田 恵美小田 昌子 
特許庁審判長 田中 敬規
特許庁審判官 中束 としえ
松浦 裕紀子
商標の称呼 コーソカンポー 
代理人 友野 英三 

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