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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W25
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W25
管理番号 1345004 
審判番号 不服2018-1802 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-08 
確定日 2018-10-19 
事件の表示 商願2017-16065拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,サスペンダー,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,平成29年2月13日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5903287号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成28年6月23日に登録出願,第25類「ネクタイ,マフラー,ベルト」を指定商品として,同年12月9日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,左側に王冠状の図形を配し,その右側に,「La Ducale」の欧文字を筆記体で書し,その直下に,「ラデュカル」の片仮名を小さく書してなるものである。
そして,本願商標構成中の図形部分は,王冠状図形であるとしても,我が国において特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,その構成から直ちに特定の称呼及び観念は生じないものである。
一方,本願商標構成中の文字部分のうち,欧文字部分については,同じ書体,同じ大きさで表されており,視覚上一体的に看取されるところ,構成中の「La」の語は,フランス語(クラウン仏和辞典第6版 三省堂),又はイタリア語(伊和中辞典第2版 小学館)の定冠詞であり,「Ducale」の語は,「公爵の」等を意味するフランス語(前掲書),又はイタリア語(前掲書)と認められる。
そして,「Ducale」が「公爵の」等の意味を有するフランス語又はイタリア語であるとしても,我が国において一般に馴染みのある語と認め難いことから,この文字に接する取引者,需要者が直ちに上記意味合いを理解するとはいい難く,このことに加えて,本願商標の欧文字部分の構成等に照らせば,これに接する取引者,需要者は,殊更「Ducale」の欧文字部分のみに着目するというよりは,「La Ducale」の欧文字全体をもって不可分一体の造語として認識するのが自然である。
また,片仮名部分については,辞書等への載録がなく,特定の意味合いで認識されているとは認められないものであるが,片仮名部分は,上段の欧文字部分の読みを表したものと無理なく理解できるから,本願商標の文字部分からは,その構成文字に相応して「ラデュカル」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというべきである。
そうすると,本願商標は,その構成中,図形部分と文字部分とが,外観上分離して看取し得るものであり,また,称呼上及び観念上の繋がりもないことから,両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されている事情は見いだせないものであるから,それぞれが独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
以上よりすると,本願商標は,その構成中,「La Ducale」の欧文字と「ラデュカル」の片仮名の文字部分を要部として抽出し,他人の商標と比較して,商標の類否を判断することが許されるものである。
したがって,本願商標は,その構成文字の要部の一つとして認識される「La Ducale」及び「ラデュカル」の文字部分に相応して,「ラデュカル」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,「DUCALE」の欧文字を書してなるところ,該文字は,本願商標と同様に「公爵の」等を意味するフランス語,またはイタリア語であるが,我が国において一般に馴染みのある語とはいえないことから,該文字からは,ローマ字読み風の「ドゥカレ」,英語読み風の「ドゥケイル」,「ダケイル」,「デューカル」と読まれる場合のいずれもあり得ると解され,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の文字部分と引用商標の外観においては,両者は欧文字のつづりを共通するものの,語頭における「La」の文字及び片仮名の有無,並びに書体に明らかな差異を有するものであるから,見誤ることはなく,外観上相紛れるおそれはないものである。
さらに,本願商標の文字部分と引用商標の称呼及び観念を比較すると,本願商標から生じる「ラデュカル」の称呼と,引用商標から生じる各称呼とは,比較的短い音数にあって,最も聴取しやすい語頭音における「ラ」の音の有無という顕著な差異を有するものである。さらに,引用商標をローマ字読み風にした「ドゥカレ」の称呼とは,「カ」以外の称呼が,英語読み風にした「ドゥケイル」,「ダケイル」の称呼とは,「ル」以外の称呼もそれぞれ異なっており,「デューカル」の称呼とは長音「ー」の有無という差異をも有するものであって,両商標をそれぞれ称呼するときは,その語調・語感が相違し,明瞭に聴別できるものである。また,両者は,特定の観念は生じないものであるから,観念において比較することができない。
そして,本願商標の図形部分と,引用商標を比較すると,両者の外観は,その構成要素(図形と文字)が明らかに異なる上,前者からは特定の称呼及び観念を生じない一方,引用商標は,「ドゥカレ」,「ドゥケイル」,「ダケイル」又は「デューカル」の称呼を生じるものであり,特定の観念を生じないため,両者は外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはない。
そうすると,本願商標の文字部分,図形部分と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観において判然と区別し得るものであり,称呼においても相紛れるおそれはないものであるから,これらを総合的に勘案すると,両商標を同一又は類似の商品に使用したとしても,相紛れるおそれのない,非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標とは,同一又は類似する商標ではないため,その指定商品について比較するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標)


審決日 2018-10-03 
出願番号 商願2017-16065(T2017-16065) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W25)
T 1 8・ 262- WY (W25)
T 1 8・ 261- WY (W25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 平澤 芳行
瀬戸 俊晶
商標の称呼 ラデュカル、ラドゥカーレ、デュカル、ドゥカーレ 
代理人 福島 三雄 

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