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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3233 審判 査定不服 観念類似 登録しない W3233 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3233 |
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管理番号 | 1344981 |
審判番号 | 不服2018-835 |
総通号数 | 227 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-01-22 |
確定日 | 2018-09-27 |
事件の表示 | 商願2016-78504拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第32類及び第33類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年7月7日に登録出願、その後、本願の指定商品については、当審における同30年2月23日受付の手続補正書により、第32類「ビール」及び第33類「洋酒,果実酒,酎ハイ」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、次の3件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1574850号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TRADITION」の文字を横書きしてなり、昭和51年12月14日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年3月28日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成15年7月9日に、その指定商品を第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (2)登録第2421143号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TRADITION」の文字及び「トラディション」の文字を二段に横書きしてなり、昭和63年11月9日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年6月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同15年9月17日に、その指定商品を第32類「ビール」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (3)登録第4838842号商標(以下「引用商標3」という。)は、「トラディション」の文字及び「Tradition」の文字を二段に横書きしてなり、平成16年7月2日に登録出願、第29類「タンパク質・ミネラルを主原料とする錠剤状・粒状・顆粒状・粉末状・ゲル状・ゼリー状・液状・チュアブル・シロップ・カプセル状・球状・スティック状・ビスケット状・ペースト状の加工食品,ファットスプレッド,マーガリン,食用油脂からなるクリーム,その他の食用油脂,妊産婦用粉ミルク,成人用粉ミルク,コンパウンドクリーム(乳脂肪及び植物脂肪からなるクリーム),その他の乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,スープ,カレー・シチュー又はスープのもと,パスタソース,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として、同17年2月10日に設定登録され、その後、同26年10月21日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標1及び引用商標3との類否について 本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1及び引用商標3の指定商品と同一又は類似の商品は全て削除され、引用商標1及び引用商標3の指定商品と類似しない商品になった。 したがって、引用商標1及び引用商標3を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。 (2)本願商標と引用商標2との類否について ア 本願商標は、別掲のとおり、紺色及び灰色で着色した楕円に重ねたように黄色の星形図形を組み合わせてなるもの(当該楕円の内側及び星形図形の中心部は白抜きで表されている。)と、その下方に、ゴシック体による黒色の「TRADITION」の文字を配してなるところ、当該図形部分と文字部分とは、それぞれの構成態様及び配置によれば、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。 また、本願商標の構成中、上記楕円と星形図形との組合せからなる図形部分は、その構成態様から特定の意味合いを想起させるとはいい難いものである一方、「TRADITION」の文字部分は、「伝統」等を意味する英語からなるものであり、両者の間に、それぞれを分離して観察することが不自然というべき特段の事情は見いだせない。 さらに、本願商標の構成中の「TRADITION」の文字は、上記のとおり、「伝統」等を意味する英語であるものの、本願の指定商品との関係において、その取引者、需要者が商品の品質等を具体的に表したものと認識すると認めるに足る事実は見いだせない。 この点につき、請求人は、甲第4号証ないし甲第6号証を挙げて、「TRADITION」の語は、取引の現状を踏まえれば、商品の製法や品質を表示するものと認識されることから、本願商標の構成中の「TRADITION」の文字は、識別力がないか又は識別力が極めて薄弱のものと判断されるべきである旨主張するが、請求人が挙げる甲各号証からは、アルコール飲料等について、その名称やラベルにおいて「Tradition(トラディション)」の語が用いられる場合があることや、それが伝統的製法によって製造される場合があるといったことが見受けられるものの、それらをもって、本願の指定商品に係る取引者、需要者が、当該「Tradition(トラディション)」の語を商品の品質等を具体的に表したものと認識するとまでは認められない。 上記したことを踏まえれば、本願商標は、その構成中、記憶に残りやすい文字で表された「TRADITION」の文字部分が分離して観察され、強く支配的な印象を与えるものといえるから、当該文字部分を引用商標2と比較して、商標の類否を判断することが許されるとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、その構成中の「TRADITION」の文字部分に相応して、「トラディション」の称呼を生じ、「伝統」の観念を生じるものである。 イ 引用商標2は、前記2(2)のとおり、「TRADITION」の文字及び「トラディション」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中、下段に位置する「トラディション」の文字は、上段に位置する「TRADITION」の文字の読みを片仮名表記したものといえ、また、当該「TRADITION」の文字は、上記アにおいて述べたとおり、「伝統」等を意味する英語からなるものである。 したがって、引用商標2は、「トラディション」の称呼を生じ、「伝統」の観念を生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標2とを比較すると、本願商標の構成中の「TRADITION」の文字は、引用商標2の構成中の「TRADITION」の文字と同一であるから、外観上、共通する部分があり、また、両商標は、「トラディション」の称呼及び「伝統」の観念を同一とするものである。 してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観において共通する部分を有し、称呼及び観念を同一とするものであるから、これらを総合勘案すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 また、本願の指定商品は、引用商標2の指定商品中の第32類「ビール」及び第33類「洋酒,果実酒」と同一又は類似する商品である。 (3)請求人の主張について 請求人は、登録商標であっても、登録後に識別力を喪失したと考慮される商標は、同一の語を含む後願商標を形式的類否判断で拒絶すべきではないとする事例として甲第2号証を挙げつつ、引用商標2の構成中の「TRADITION」の文字については、それが登録された時代とは異なり、取引の現状においては、識別標識として認識して取引されているとは考えられないから、引用商標2を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとすることは適切でない旨主張する。 しかしながら、請求人が甲第2号証において示す事例に係る商標は、本願商標とは別異のものであるから、本願商標についての判断が当該事例において示された判断の影響を受けることはなく、また、引用商標2の構成中の「TRADITION」の文字が、取引の現状を踏まえてもなお、取引者、需要者をして、商品の品質等を具体的に表したものと認識されるとまでは認められないこと、上記(2)のとおりである。 そして、本願商標が、引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるか否かは、本願商標が同号にいう「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品又はこれに類似する商品について使用をするもの」との要件を満たすものであるか否かに基づき判断すべきところ、引用商標2が、本願商標の先願に係る他人の登録商標であり、かつ、本願商標と類似する商標であって、本願の指定商品と同一又は類似する商品を指定商品とするものであることは、前記2(2)及び上記(2)のとおりであるから、本願商標は、当該要件を満たすものというべきである。 したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。 (4)まとめ 以上によれば、本願商標は、引用商標2と類似する商標であり、かつ、引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品に使用をするものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標(色彩については、原本参照のこと。) |
審理終結日 | 2018-07-25 |
結審通知日 | 2018-07-30 |
審決日 | 2018-08-10 |
出願番号 | 商願2016-78504(T2016-78504) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W3233)
T 1 8・ 263- Z (W3233) T 1 8・ 262- Z (W3233) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 真鍋 恵美、駒井 芳子 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
石塚 利恵 田中 敬規 |
商標の称呼 | トラディション |
代理人 | 特許業務法人松田特許事務所 |