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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W43
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W43
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43
管理番号 1344942 
審判番号 不服2018-1726 
総通号数 227 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-07 
確定日 2018-10-02 
事件の表示 商願2016-101347拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,平成28年9月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5376767号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 チャイナバル(標準文字)
指定役務 第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」
登録出願日 平成22年5月31日
設定登録日 平成22年12月17日
(2)登録第5376768号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 chaina baru(標準文字)
指定役務 第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」
登録出願日 平成22年5月31日
設定登録日 平成22年12月17日
以下,これらをまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,文字の先端を鋭くした特徴ある書体にて,「チャ伊ナバル」の文字を横書きし,構成中の「伊」の文字の前後を「“」及び「”」の引用符を用いて強調し,デザイン化した構成からなるものである。
そして,「チャ伊ナバル」の文字は,片仮名と漢字を組み合わせてなる点に特徴を有するものであり,該文字は,辞書等に掲載の無い語であって,本願の指定役務の分野において,特定の意味合いをもって普通に使用されているという事情も見いだせないものである。
してみれば,本願商標は,その構成文字に相応して「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は,「チャイナバル」の片仮名を標準文字で表してなるところ,構成中の「チャイナ」の文字は,「中国,中国風。」を意味する語として広く知られている語であり,「バル」の文字は,「スペイン式の飲食店。」(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を意味する語であって,飲食物の提供の分野においては,近年,飲食店のジャンルを表す語として使用されている(甲1)ことからすると,引用商標1は,全体として「中国風のスペイン式飲食店」のごとき漠然とした意味合いを想起させる場合もあるというのが相当である。
してみれば,引用商標1は,その構成文字に相応して「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じるとまではいい難いものの,「中国風のスペイン式飲食店」程の漠然とした意味合いを想起させるものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は,「chaina baru」の欧文字を標準文字で表してなるところ,構成中の「chaina」及び「baru」の文字は,辞書等に掲載の無い語であって,引用商標2の指定役務の分野において,特定の意味合いを有する語として知られているという事情も見いだせないものであるから,「chaina baru」の欧文字は,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものとみるのが相当である。
そして,通常,我が国においては,特定の意味合いを有さない欧文字を称呼するときには,英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であることからすれば,引用商標2は,「チャイナバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標1との類否について
本願商標と引用商標1との類否について検討すると,両者は,外観において,「伊」と「イ」の文字の相違,「“」及び「”」の引用符の有無,及び構成文字の書体の相違において明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。
次に,称呼においては,本願商標及び引用商標1から生じる称呼は,共に「チャイナバル」であるから,称呼上,同一である。
そして,観念においては,本願商標は,特定の観念を生じないものである一方,引用商標1は,「中国風のスペイン式飲食店」程の漠然とした意味合いを想起させるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはない。
そうすると,本願商標と引用商標1は,「チャイナバル」の称呼を共通にするとしても,外観において顕著に相違し,明確に区別できるものであって,観念においても相紛れるおそれのないものである。
そして,その称呼の共通性が,顕著に相違する外観の印象を凌駕するものとはいい難いことから,これらを総合して考察すれば,両商標は,役務の出所の誤認混同を生ずるおそれのない,互いに非類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2との類否について
本願商標と引用商標2との類否について検討すると,両者は,外観において,その構成態様に明らかな差異を有するものであるから,外観上,判然と区別できるものである。
次に,称呼においては,本願商標及び引用商標2から生じる称呼は,共に「チャイナバル」であるから,称呼上,同一である。
そして,観念においては,いずれも特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。
そうすると,本願商標と引用商標2は,「チャイナバル」の称呼を共通にするとしても,観念において比較することができず,外観において明らかな差異を有するものであり,その称呼の共通性が,明らかに相違する外観の印象を凌駕するものとはいい難いことから,これらを総合して考察すれば,両商標は,役務の出所の誤認混同を生ずるおそれのない,互いに非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,指定役務の類否について判断するまでもなく,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって,本願商標を,商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本願商標


審決日 2018-09-20 
出願番号 商願2016-101347(T2016-101347) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W43)
T 1 8・ 263- WY (W43)
T 1 8・ 261- WY (W43)
最終処分 成立  
前審関与審査官 清川 恵子 
特許庁審判長 冨澤 美加
特許庁審判官 鈴木 雅也
真鍋 恵美
商標の称呼 チャイナバル 
代理人 特許業務法人日誠国際特許事務所 

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