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審決分類 |
審判 判定 その他 属する(申立て成立) W30 |
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管理番号 | 1344118 |
判定請求番号 | 判定2018-600017 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標判定公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 判定 |
2018-05-17 | |
確定日 | 2018-08-31 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5883054号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | 商品「たこ焼き」に使用するイ号標章は、登録第5883054号商標の商標権の効力の範囲に属する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5883054号商標(以下「本件商標」という。)は、「たこ焼工房」の文字を標準文字により表してなり、平成28年4月22日に登録出願、第30類「たこ焼き,たこ焼きソース,たこ焼き用の粉」及び第41類「たこ焼きに関する知識の教授,たこ焼きに関するセミナー・研修会・講習会の企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同年9月16日に設定登録されたものである。 第2 イ号標章 被請求人が商品「たこ焼き」について使用する標章(以下「イ号標章」という。)は、別掲1のとおりの構成からなる「蛸焼工房」の文字部分である。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 判定請求の必要性 請求人は、本件商標の商標権者であるが、被請求人が、商品「たこ焼」に、イ号標章を使用をしていること(甲1、甲2)について、平成30年2月9日付けで、被請求人に対し、本件商標の商標権を侵害するものである旨の警告を発した(甲3)。 その後、被請求人は、イ号標章の使用が本件商標の商標権を侵害しない旨の回答を、平成30年3月6日付けで行った(甲4)。 そこで、請求人は、本件商標の商標権の効力の範囲について、判定を特許庁に求めることにした。 2 イ号標章の説明 被請求人は、平成11年1月頃から、イ号標章を付した看板やショーウィンドウを持つ店舗において、商品「たこ焼」を販売しており、その範囲は、愛知・岐阜・静岡・三重・京都・滋賀の各府県にわたるものである(甲1、甲2)。 なお、請求人は、平成9年頃から商品「たこ焼」について、本件商標の使用を開始し、その後も継続して使用し、現在に至っている。 3 イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明 本件商標は、「たこ焼工房」の文字を書してなるものであるから、これより「タコヤキコウボウ」の称呼及び「たこ焼を作る工房」の観念が生じるものである。 他方、イ号標章は、「蛸焼工房」の文字を書してなるものであるから、これより「タコヤキコウボウ」の称呼及び「たこ焼を作る工房」の観念が生じるものである。 また、本件商標とイ号標章の外観における相違点は、前者が「たこ焼」と表示する部分を後者が「蛸焼」と表示していることであるが、「蛸」の文字は、頭足類タコ目の軟体動物の総称を漢字で表記する際に用いられるものであり、商品「たこ焼」の漢字表記にも「蛸焼」の文字が使用される(甲5)ことからすれば、「蛸焼」の文字は、商品「たこ焼」の漢字表記にすぎないため、外観も類似するといえる。 したがって、本件商標とイ号標章とは、「タコヤキコウボウ」の称呼及び「たこ焼を作る工房」の観念を共通にし、外観も類似することから、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあり、類似の標章というべきである。 そして、本件商標に係る指定商品中、第30類「たこ焼き」とイ号標章の使用商品「たこ焼」とは、同一の商品である。 以上のとおり、イ号標章は、本件商標と類似する標章であり、その使用商品と本件商標の指定商品も同一の商品であるから、被請求人が商品「たこ焼」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、本判定請求に対し、何ら答弁していない。 第5 当審の判断 1 本件商標とイ号標章について 本件商標は、前記第1のとおり、「たこ焼工房」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成文字に相応して、「タコヤキコウボウ」の称呼を生じ、「たこ焼きを作る工房」といった観念を生じるものである。 他方、イ号標章は、別掲のとおりの構成からなる「蛸焼工房」の文字であるところ、その構成中、「蛸」の文字は、頭足類タコ目の軟体動物の総称である「たこ」の漢字表記であることから、その構成文字に相応して、「タコヤキコウボウ」の称呼を生じ、「たこ焼きを作る工房」といった観念を生じるものである。 したがって、本件商標とイ号標章とは、文字種、字体の相違など、外観において異なるものの、称呼及び観念を同一にする、類似のものというのが相当である。 2 本件商標の指定商品とイ号標章を使用する商品について (1)甲第1号証の写真は、被請求人の「蛸焼工房植田店」の店舗写真とされるものであるところ、これには、イ号標章が表示された看板及び「注文口は外側です。」の文字が記載された表示板が写っており、また、「たこ焼き」の写真の下に「たこ焼き」の文字及びその代金が写っている。 そして、甲第2号証は、職権による調査によれば、株式会社三光食品のウェブサイトであるところ、これには、その1/9ページに、店舗写真が掲載されており、当該写真には、イ号標章が表示された看板及び「たこ焼き」の写真が写っている。また、蛸焼工房メニューのページに掲載された店舗写真には、イ号標章を表示した看板が写っており、さらに、そのメニュー中には、「たこやき」の記載がある。 加えて、甲第2号証の2/9ページには、事業所名として「株式会社三光食品」、住所として「愛知県岡崎市大和町字塗御堂22-1」の記載があるところ、上記記載は、被請求人の名称及び住所と同一である。 (2)上記(1)によれば、被請求人は、イ号標章を商品「たこ焼き」の看板に使用していることが認められる。 そして、当該商品は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第30類「たこ焼き」と同一の商品である。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標とイ号標章とは、類似のものであり、イ号標章の使用に係る商品「たこ焼き」は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第30類「たこ焼き」と同一の商品である。 したがって、被請求人が商品「たこ焼き」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。 よって、結論のとおり判定する |
別掲 |
別掲(イ号標章) |
判定日 | 2018-08-21 |
出願番号 | 商願2016-46024(T2016-46024) |
審決分類 |
T
1
2・
9-
YA
(W30)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大島 康浩 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 大森 健司 |
登録日 | 2016-09-16 |
登録番号 | 商標登録第5883054号(T5883054) |
商標の称呼 | タコヤキコーボー |
代理人 | 安達 友和 |
代理人 | 茅島 真吾 |