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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201421754 審決 商標
不服20196392 審決 商標
不服201421668 審決 商標
不服201511739 審決 商標
不服201416636 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W43
管理番号 1344043 
審判番号 不服2017-17711 
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-30 
確定日 2018-08-29 
事件の表示 商願2016- 62892拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「世界之名物 日本料理」の文字を標準文字で表してなり、第43類「日本料理の提供」を指定役務として、平成28年6月9日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『世界之名物 日本料理』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『世界』の文字は『地球上すべての地域・国家。』、『名物』の文字は『その土地で名高い産物。名産。』、『日本料理』の文字は『日本の風土で独自に発達した料理。和食。』をそれぞれ意味し、全体としては『世界の名物である日本料理』程度の意味合いを認識させるものである。そして、ウェブサイト情報によると、『世界の名物』であることを謳った料理が紹介されている実情がある。そうすると、出願人が本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、世界の名物である日本料理が提供されていることを看取するにとどまることから、本願商標は、顧客の吸引、提供促進等のための役務の宣伝広告の一種として認識、理解されるというのが相当であり、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができず、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「世界之名物 日本料理」の文字からなるところ、その構成中に1文字程度の間隔があることから、「世界之名物」の文字と「日本料理」の文字からなるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中の前半の「世界之名物」の文字は、「世界」の文字が「地球上の人間社会のすべて」の意味を、「之」の文字が「格助詞『の』に当たる助字」の意味を、「名物」の文字が「評判のもの」の意味を有する語として知られており、また、後半の「日本料理」の文字は、「日本で発達した伝統的な料理」の意味を有する語として一般に知られているものである(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第7版」)。
そうすると、本願商標は、その構成中に1文字程度の間隔があるとしても、その構成文字全体から、「世界の名物である日本料理」程の意味合いを理解させるものである。
また、「世界の名物」の文字が、原審で示した事実のほか、各種の料理を紹介するウェブサイトにおいて、以下のように使用されている事実がある。
<インターネット情報>(下線は合議体が付与。)
(1)「近畿日本ツーリスト」のウェブサイトにおいて、「世界の名物/グルメ旅」の記載がある。
(http://shop.knt.co.jp/holiday/sys/contents.asp?f=meibutsu/index_d.html)
(2)「太平洋フェリー」のウェブサイトにおいて、「世界の名物料理がからあげに!?」の記載がある。
(http://www.taiheiyo-ferry.co.jp/senpaku/2018springfair/index.html)
(3)「TABIPPO.NET」のウェブサイトにおいて、「個性重視!世界の名物料理10選」の記載がある。
(http://tabippo.net/famous-food/)
(4)「ウレぴあ総研」のウェブサイトにおいて、「【肉】一度食べればやみつきに!『世界の名物料理』が食べられる厳選5店【都内】」の記載がある。
(http://ure.pia.co.jp/articles/-/28135?page=2)
(5)「Travelzaurus.com」のウェブサイトにおいて、「【絶品!】グルメな方必見!世界の名物料理5選!」の記載がある。
(https://travelzaurus.com/%E3%80%90%E7%B5%B6%E5%93%81%EF%BC%81%E3%80%91%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%81%AA%E6%96%B9%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%90%8D%E7%89%A9%E6%96%99%E7%90%865%E9%81%B8%EF%BC%81/)
(6)「NAGOYA DIAMOND DOLPHINS」のウェブサイトにおいて、「世界の名物料理をアレンジした創作おつまみで乾杯!東区泉のBar『Trippin’Spice』」の記載がある。
(https://nagoya-dolphins.co.jp/archives/blog/22162/)
(7)「株式会社オールアバウト」のウェブサイトにおいて、「女性なら絶対食べたい!世界のコラーゲン料理4選」の見出しの下、「美肌や健康を気づかう女性ならチェックしておきたい世界の名物コラーゲン料理を紹介します。」の記載がある。
(https://allabout.co.jp/gm/gc/460406/)
(8)「リビングひろしま.com」のウェブサイトにおいて、「世界の名物料理が一堂に『ワールドビュッフェ』」の記載がある。
(http://www.livinghiroshima.com/?cn=110901)
してみれば、本願商標をその指定役務である「日本料理の提供」に使用しても、これに接する需要者は、「世界の名物である日本料理」であるという役務の特徴を簡潔に表した宣伝文句であるキャッチフレーズとして認識するにとどまるものであるから、本願商標は、役務の出所識別標識としては機能しないというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標の特徴はその構成に見られ、『世界之名物』の語の後に1文字程度のスペースを置いて『日本料理』の語を表記しており、『世界之名物』としての『日本料理』であることを崇高に謳う一種の造語からなるキャッチフレーズである。・・・本願商標のキャッチフレーズは『日本料理』を強調するため『世界之名物』の用語を先行させ、一拍の間を置くため両用語の間にあえてスペースを入れる構成をしており、普通一般に使用される表現形態ではなく、一種の造語として認識されるものと思料する。」旨主張し、審決例(甲17、甲18)を挙げている。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおり、「世界の名物である日本料理」程の意味合いを理解させるものであって、「世界の名物」の文字が、各種料理を紹介する際に使用されている実情があることからすると、これに接する需要者は、一種の造語として認識するというよりは、役務の特徴を簡潔に表した宣伝文句であるキャッチフレーズとして認識するものとみるのが相当である。
また、請求人の挙げた審決例は、いずれも本願商標とは商標の構成態様や使用する商品、役務が異なり、事案を異にするものというべきであるから、本願商標についての上記判断が左右されるものではない。
(2)請求人は、「本願商標は出願人により古くから使用されてきており、その間に同業者間であっても真似されたことのなかった経緯がある。企業の理念を一貫して主張してきた出願人グループ独自のキャッチフレーズであると言える。」旨主張している。
しかしながら、請求人の上記主張が、仮に本願商標が使用による識別力を獲得したものとの趣旨であるとしても、請求人の提出した、ウェブサイトの写し(甲3、甲4、甲14、甲15)、新聞記事(甲5、甲16)、書籍、雑誌類(甲6?甲12)からは、請求人が「世界之名物 日本料理」の語を使用していることはうかがい知ることができるものの、ウェブサイトの紹介記事は、どの程度の需要者が閲覧したのか不明であり、新聞記事はわずか2紙であり、書籍、雑誌類については、頒布部数、頒布先、頒布方法などが明らかではない。
そうすると、本願商標は、これが使用された結果、全国的に周知であるとはいい難く、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとなっているとは認められない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-05-21 
結審通知日 2018-06-08 
審決日 2018-06-20 
出願番号 商願2016-62892(T2016-62892) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石塚 文子野口 沙妃 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 木住野 勝也
小俣 克巳
商標の称呼 セカイノメーブツニッポンリョーリ、セカイノメーブツニホンリョーリ、セカイノメーブツ 
代理人 染谷 伸一 

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