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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1343215 |
異議申立番号 | 異議2017-900389 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-12-27 |
確定日 | 2018-07-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5986987号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5986987号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5986987号商標(以下「本件商標」という。)は、「AGEST」の欧文字を横書きしてなり、平成29年3月29日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,歯磨き,香料,薫料」及び第5類「サプリメント」を指定商品として、同年9月22日に登録査定、同年10月6日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する商標は、次のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5473310号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「PERFECT AGEST」の欧文字及び「パーフェクトエイジスト」の片仮名を二段に書してなるもの 登録出願日:平成23年8月18日 設定登録日:平成24年2月24日 指定商品:第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」 (2)登録第5709682号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「DERMA AGEST」の欧文字及び「ダーマ エイジスト」の片仮名を二段に書してなるもの 登録出願日:平成26年5月15日 設定登録日:平成26年10月10日 指定商品:第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」 以下、引用商標1と2をまとめていうときは、「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第10号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標と引用商標1の類否について 本件商標は、「AGEST」の欧文字からなり、「エイジスト」及び「エージスト」の称呼を生じる。これに対し、引用商標1は、欧文字の「PERFECT AGEST」及び片仮名の「パーフェクトエイジスト」からなるが、商標を構成する「PERFECT」、「パーフェクト」の部分は、商品の品質、品位を示す用語として普通に使用されているものであるから、商標の自他商品識別機能を有する要部は、「AGEST」、「エイジスト」である。 したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼及び外観において共通する類似のものである。 また、本件商標と引用商標1は、その指定商品も同一又は類似のものである。 イ 本件商標と引用商標2の類否について 本件商標は、「AGEST」の欧文字からなり、「エイジスト」及び「エージスト」の称呼を生じる。これに対し、引用商標2は、欧文字の「DERMA AGEST」及び片仮名の「ダーマ エイジスト」からなるが、商標を構成する「DERMA」の部分は、「皮膚」の意味を有する英語、ドイツ語であるので、商品の品質、用途を示す用語として普通に使用されているものであるから、商標の自他商品識別機能を有する要部は、「AGEST」、「エイジスト」である。 したがって、本件商標と引用商標2とは、称呼及び外観において共通する類似のものである。 また、本件商標と引用商標2は、その指定商品も同一又は類似のものである。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について 本件商標は、申立人(旧社名:株式会社ドクターシーラボ)の業務に係る商品を表示する需要者の間に広く認識されている引用商標1と類似しているので、商標法第4条第1項第10号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「AGEST」の欧文字を書してなるところ、該文字は、一般の辞書等に掲載がなく、これに接する需要者は、本件商標を造語よりなるものと認識、理解するとみるのが相当であるから、本件商標は、特定の観念を生じないものである。 そして、欧文字からなる商標を称呼する場合には、我が国において親しまれた英語における発音に倣って称呼するとみるのが相当であるから、本件商標は、その構成文字に相応して、「エイジスト」の称呼を生じるものである。 イ 引用商標1 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「PERFECT AGEST」の欧文字と「パーフェクトエイジスト」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、各段の構成文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体に表されており、また、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを表したものと容易に理解し得るものであって、上下段それぞれの構成文字に相応して生じる「パーフェクトエイジスト」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標1の構成中、前半の「PERFECT」及び「パーフェクト」の文字が、「完全な。欠点のない。」等を意味する語であるとしても、引用商標1の構成及び生じる称呼からすると、これに接する需要者は、殊更、「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分のみに着目することはなく、引用商標1を一体不可分の造語よりなるものと認識、理解するとみるのが相当である。 そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「パーフェクトエイジスト」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。 なお、申立人は、引用商標1の構成中の「PERFECT」及び「パーフェクト」の文字部分は、本件商標の指定商品との関係では、「パーフェクト化粧品」の分野が存在しており、商品の品質、効能を誇示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことから、それを除く「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分が自他商品識別力を有するものである旨主張する。 しかしながら、「パーフェクト化粧品」の分野の存在についての申立人の主張は、インターネットでの「パーフェクト化粧品」の文字で検索した結果(甲6)をもって該分野が存在しているとするものであり、その内容をみると、商品名に「パーフェクト」の文字を有する化粧品が存在することは確認できるものの、「パーフェクト化粧品」といった分野の存在を裏付ける証拠は見いだせず、これをもって本件商標の指定商品との関係において、「PERFECT」及び「パーフェクト」の文字が、直ちに具体的な商品の品質、効能を表すものとはいい難い。また、他に引用商標1から、「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせないから、申立人の主張は採用できない。 ウ 引用商標2 引用商標2は、前記2(2)のとおり、「DERMA AGEST」の欧文字及び「ダーマ エイジスト」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、各段の構成文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体に表されており、また、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを表したものと容易に理解し得るものであって、上下段それぞれの構成文字に相応して生じる「ダーマエイジスト」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標2の構成中、前半の「DERMA」及び「ダーマ」の文字が、ギリシャ語「derma」に由来する「皮膚」を意味する英語「derma」(ダーマ)であるとしても、引用商標2の構成及び生じる称呼からすると、これに接する需要者は、殊更、「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分のみに着目することはなく、引用商標2を一体不可分の造語よりなるものと認識、理解するとみるのが相当である。 そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「ダーマエイジスト」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。 なお、申立人は、引用商標2の構成中の「DERMA」及び「ダーマ」の文字部分は、化粧品業界において、肌用化粧品の商品名に広く用いられており、商品の品質、用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことから、それを除く「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分が自他商品識別力を有するものである旨主張する。 しかしながら、上記主張の証拠として提出された刊行物提出書が添付された2件の審査例(甲7、甲8)によっては、本件商標の登録査定時において、「DERMA」及び「ダーマ」の文字が、本件商標の指定商品との関係において、商品の品質、用途を表すものと認識されているという実情があると認めるに足りない。また、他に引用商標2から、「AGEST」及び「エイジスト」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせないから、申立人の主張は採用できない。 エ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とは、構成態様及び構成文字数において明らかに相違するものであるから、外観において、相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「エイジスト」の称呼と引用商標1及び2から生じる「パーフェクトエイジスト」及び「ダーマエイジスト」の称呼とは、語頭における「パーフェクト」及び「ダーマ」の音の有無に差異を有するものであるから、称呼において、相紛れるおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、非類似の商標というのが相当である。 オ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本件商標の指定商品中の第3類「せっけん類,化粧品,歯磨き,香料,薫料」と引用商標1の指定商品中の第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び引用商標2の指定商品中の第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」とは、同一又は類似の商品である。 カ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について 上記(1)のとおり、本件商標と引用商標1とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件について判断するまでもなく、同号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第10号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-07-18 |
出願番号 | 商願2017-42106(T2017-42106) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W03)
T 1 652・ 25- Y (W03) T 1 652・ 263- Y (W03) T 1 652・ 261- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 和田 恵美 |
特許庁審判長 |
大森 健司 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 小松 里美 |
登録日 | 2017-10-06 |
登録番号 | 商標登録第5986987号(T5986987) |
権利者 | 株式会社MEJ |
商標の称呼 | エージスト、アジェスト、アゲスト |
代理人 | 大津 洋夫 |