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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09 |
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管理番号 | 1343077 |
審判番号 | 取消2017-300728 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-09-25 |
確定日 | 2018-07-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4622791号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4622791号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成13年4月18日に登録出願、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同14年11月22日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、平成29年10月10日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同26年10月10日から同29年10月9日までの期間を、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、 審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判請求書において、要旨次のように述べた。 本件商標は、その指定商品中、第9類のいずれの指定商品についても、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何らの意見も述べていない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を、答弁書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。 1 答弁の理由 被請求人は、本件商標を第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、下記のように使用しているので、その証拠を提出する。 (1)乙第1号証 乙第1号証は、「みんなが欲しかったFP3級の教科書 問題集」というDVDの映像であって、その2頁目には、本件商標とほぼ同一の商標が記載されている。 (2)乙第2号証 ア 乙第2号証の1及び2は、それぞれ「みんなが欲しかったFP3級の教科書問題集」のDVDの外箱の表と裏であって、その裏側には、発行者「TAC株式会社出版事業部」と記載されているので、本件商標は、被請求人自身で使用していることがわかる。 (3)乙第3号証 乙第3号証は、乙第2号証のDVDの外箱の内側の写真で、「みんなが欲しかったFPの教科書 問題集」と記載されているDVDが写っている。 (4)乙第4号証 乙第4号証は、DVDのパンフレットであって、「みんなが欲しかったFP3級の教科書 問題集」が、2015年7月上旬に発行されると記載されている。 2 商標の同一性 乙第1号証に表示されている商標は、左側の樹のマークの内側にわずかに黄色い色が施されているだけで、本件商標と社会的に同一といえるものである。 3 商品表示性 乙第1号証では、本件商標は、当該DVD中に映像として表示されているので、乙第1号証における本件商標の使用は、「録画済ビデオディスク」という「商品・・・に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第1号)に当たる。 4 独立の商品性 乙第1号証の「みんなが欲しかったFP3級の教科書 問題集」は、講師の講義を録画したDVDを販売して、それを購入者が視聴するだけの内容であり、それ以外に教室などでの授業はなく、その教材でもない。また、この料金は、フルパックで9,800円、教科書・問題集なしパックで7,300円と記載されている。 5 要証期間内の頒布について 乙第2号証の1には、平成(審決注:「20」の誤記。)「15?16年度」とあり、乙第2号証の2には、「2015年7月20日 初版第1刷発行」とあるので、乙第1号証は、要証期間内に頒布されものであるといえる。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠及びその主張について (1)乙第1号証について 乙第1号証は、被請求人の答弁書によれば、「みんなが欲しかったFP3級の教科書 問題集」のDVDのDisc1の映像を画面として印刷した写真であるとされるものであり、その2葉目の写真には、赤色の正方形の中に木と思しき黄色に縁取られた白抜きの図形とその右に赤色で「資格の学校」の文字と「TAC」の欧文字を上下二段に横書きに配した構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。 また、4葉目の写真には、右上段に「’15-’16年版」、その下に「みんなが欲しかった!/FPの教科書DVD/3級」の記載があり、5葉目の写真には、右上段に「Disc1」、その左側に「はじめに/試験のアウトライン/今回の学習内容」の記載、その下に「CHAPTER/01/ライフプランニングと資金計画」の見出しの下、「01 FPと倫理/02 ライフプランニングの手法」等の記載、6葉目の写真には、右上段に「Disc1」、その左側に「今回の学習内容」の記載、その下に「CHAPTER/02/リスクマネジメント」の見出しの下、「01 保険の基本/02 生命保険」等の記載がある。 さらに、11葉目の写真には、右上段に「’15-’16年版」、その下に「みんなが欲しかった!/FPの教科書DVD/3級/END」の記載があり、12葉目の写真には、「制作・著作/TAC株式会社」の記載がある。 (2)乙第2号証について 乙第2号証の1は、DVDの外箱(表)の写真であり、その外箱には、右上段に「’15年9月、’16年1月・5月月試験対応/’15-’16年版」、下段に「みんなが欲しかった!/FPの教科書問題集DVD3級」の記載がある。 乙第2号証の2は、DVDの外箱(裏)の写真であり、その外箱には、上部に「定価:本体8,000円(税別)」の記載、下部に「INDX/Disc1」、「ライフプランニングと資金計画/リスクマネジメント」の記載がある。 また、その下部には、「2015-2016年版 みんなが欲しかった!/FPの教科書・問題集DVD3級」の記載があり、その下に、「2015年7月20日 初版第1刷発行」、及び「発行所 TAC株式会社 出版事業部」の記載がある。 2 上記1によれば、以下の事実が認められる。 (1)被請求人であるTAC株式会社は、「’15-’16年版 みんなが欲しかった! FPの教科書問題集DVD3級」の表題が付いたDVD(以下「使用商品」という。)を2015年7月20日に発行した。 また、使用商品の外箱の裏面には、「Disc1」の見出しとして「ライフプランニングと資金計画」「リスクマネジメント」の表示がある(乙2)。 (2)乙第1号証のDisc1の映像を画面として印刷した写真には、DVDの内容に入る前の写真に使用商標(別掲2)が表示されており、4葉目の写真には、「’15-’16年版」、「みんなが欲しかった!/FPの教科書DVD/3級」のタイトルの表示があり、5,6葉目のDVDの内容を示す写真には、「ライフプランニングと資金計画」、「リスクマネジメント」のタイトルの表示と具体的な学習内容が記載されており、最後の写真には、被請求人が制作したことを示す「制作・著作/TAC株式会社」の表示がある(乙1)。 以上のことから、使用商品に表示されている表題と、乙第1号証のDisc1の画面の写真に表示されているタイトルは、ほぼ同じであり、また、使用商品の外箱の裏面のDisc1の見出しと、乙第1号証のDisc1の内容を示す写真に記載されているタイトルの表示は同じであるから、乙第1号証のDisc1と乙第2号証の使用商品のDisc1は、同一のものであると認められる。 (3)してみれば、被請求人は、2015年7月20日の発行日以降、使用商標が表示される該使用商品を「定価:本体8,000円(税別)」で販売したとこが推認できる。 3 上記1及び2によれば、以下のように判断できる。 (1)使用商標の使用者について 被請求人(商標権者)は、使用商品のDisc1の画面上に、使用商標及び被請求人の会社名を表示していることから、使用商品のDisc1の画面に表示された使用商標の使用者は、被請求人であると認められる。 (2)使用期間について 使用商品の外箱の裏面(乙2の2)には、「2015年7月20日 初版第1刷発行」とあることから、使用商品は、2015年7月20日に発行されたものであり、上記日付は、要証期間内である。 (3)使用商標が本件商標と社会通念上同一であるかについて 使用商品のDisc1の画面には、上記1(1)のとおり使用商標が表示されているところ、本件商標は、前記第1のとおり、赤色の正方形の中に木と思しき白抜きの図形とその右に赤色で「資格の学校」の文字と「TAC」の欧文字を上下二段に横書きに配した構成からなる商標であるから、使用商標と本件商標は、構成する色彩にわずかな差異はあるものの図形部分及び文字部分とも同一であるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 (4)使用商品について 被請求人(商標権者)は、使用商品の画面上に、本件商標と社会通念上同一の商標を使用し、その使用商品は、本件商標の指定商品である「録画済みのビデオディスク及びビデオテープ」の範ちゅうに含まれる商品(録画済みDVD)であると認められる。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば、本件商標の使用者である被請求人(商標権者)は、要証期間である2015年7月20日に本件審判の請求に係る指定商品「録画済みのビデオディスク及びビデオテープ」の範ちゅうに含まれる「録画済みのDVD」に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標が表示される使用商品を販売したものと推認することができる。 そして、上記の使用行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に・・・標章を付したものを譲渡・・・する行為」に該当するものである。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定商品中の「録画済みのDVD」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標:色彩については、原本を参照。) 別掲2(使用商標:色彩については、乙第1号証を参照。) |
審理終結日 | 2018-05-15 |
結審通知日 | 2018-05-17 |
審決日 | 2018-06-01 |
出願番号 | 商願2001-35795(T2001-35795) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 金子 尚人 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
大森 友子 榎本 政実 |
登録日 | 2002-11-22 |
登録番号 | 商標登録第4622791号(T4622791) |
商標の称呼 | シカクノガッコータック、タック、テイエイシイ、シカクノガッコー |
代理人 | 林 栄二 |
代理人 | 名越 秀夫 |
代理人 | 小野寺 隆 |
代理人 | 正林 真之 |