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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25
審判 査定不服 観念類似 登録しない W25
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W25
審判 査定不服 外観類似 登録しない W25
管理番号 1342171 
審判番号 不服2017-650033 
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-23 
確定日 2018-04-19 
事件の表示 国際商標登録第1291041号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第25類「Belts[clothing];clothing;clothing of leather;money belts[clothing].」を指定商品として,2015年(平成27年)11月12日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,以下の(1)及び(2)のとおり認定,判断し,本願を拒絶した。
(1)本願商標は,登録第586670号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似であって,その登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
そして,引用商標は,別掲2の構成からなり,昭和35年7月18日に登録出願,第17類「被服」を指定商品として,同37年5月11日に設定登録され,その後,5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,また,平成15年3月19日に指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)本願商標は,その構成中に,イタリアの都市名である「FIRENZE」の欧文字を有するから,本願商標をその指定商品中の「イタリア製以外の商品」に使用するときには,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,上段部分に,横幅が縦幅に比較して2倍以上の長さの大文字の中に一文字のみ小文字で表されてはいるものの,「M」「i」「R」「A」「Y」の欧文字5文字を表したものと無理なく看取される文字(以下「『MiRAY』の文字」という。)を上端と下端をそろえて近接して配し,下段部分に,「FIRENZE」の文字を,上段の文字に比較してかなり小さく,通常用いられるゴシック体の活字をもって等間隔に横書きして配置した構成からなるものである。以上により,本願商標は,特徴のある書体をもって大きく顕著に表されている「MiRAY」の文字部分が,外観上,看者に強く支配的な印象を与えるものといえる。
そして,本願商標は,下段部分の「FIRENZE」の欧文字が,「フィレンツェ(イタリア中部トスカナ州の州都)」の意味を表す語として,広く一般に親しまれていることから,本願の指定商品との関係において,商品の産地,販売地を表したものとして認識させるものであり,自他商品の識別標識として機能を有しないものである一方,上段部分の「MiRAY」の文字は,辞書等に載録されている既製の語とは認められず,特定の意味を有することはない一種の造語として看取,理解されるものであるから,自他商品の識別に当たっては,その構成中の「MiRAY」の文字部分に着目し,それをもって取引に資する場合も少ないとみるのが相当である。
また,一般的には,特定の意味合い又は特定の読みを想起しないつづりの欧文字に接する取引者,需要者は,我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ,本願商標の上段中の「MiRAY」の文字は,その構成中「Mi」の文字部分より「ミ」の称呼を生じ,「RAY」の文字部分より「レイ」の称呼を生じることから,本願商標全体としての「ミレイフィレンツェ」の称呼が生じるほか,「MiRAY」の文字部分に相応する「ミレイ」の称呼をも生ずるものであって,特定の観念を生じないものというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,「MILAY」の欧文字を上段に大きく表し,「ミレー」の片仮名を下段に小さく表したものを,上下二段に横書きしてなるものである。
一般に,欧文字と仮名文字とを併記した構成の商標において,その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは,仮名文字部分より生ずる称呼が,その欧文字部分より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そして,上段に大きく表された「MILAY」の欧文字は,辞書等に載録されている既製の語とは認められず,特定の意味を有することはない一種の造語として看取,理解されるものであるから,その構成文字に相応して「ミレイ」の称呼を生じるものであるが,引用商標構成中の下段に小さく「ミレー」と表されており,「ミレイ」の音における「レイ」を構成する母音はしばしば長音化され「レー」と発音することがあることからすれば,「ミレー」の片仮名が「MILAY」の読みを特定したものと無理なく認識できるから,本件商標の称呼は基本的には「ミレー」であると認めることができる。
してみれば,引用商標は,この構成に応じて「ミレー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに,本願商標を構成する「MiRAY」の欧文字と引用商標の「MILAY」の欧文字とは,2文字目を構成する「i」の文字が,大文字及び小文字の相違はあるとしても,5文字中,3文字目を構成する「L」と「R」の差異以外,そのつづりを同一にするものであるから,外観上近似した印象を与えるものである。
また,本願商標から生ずる「ミレイ」の称呼と引用商標から生ずる「ミレー」の称呼とを比較するに,両者は共に3音という短い音数で,語頭における2音「ミレ」の語を共通にし,末尾において,「イ」と「レ」の音を長く引き延ばして発する長音文字「ー」に違いを有するものである。
しかして,本願商標において相違する語尾音の「イ(i)」の音は,前音「レ(re)」の母音(e)と緊密に融合して「レ(re)」の長音に近似する音となるものであるのに対し,引用商標において相違する語尾の長音(ー)は,前音「レ(le)」の音の長音であるから,両者はそれぞれを一連に称呼するときは音調,音感が近似し,称呼上,相紛らわしいものである。
そして,本願商標と引用商標とは,共に特定の観念を生じないものであるから,両者は,観念上比較することができない。
そうすると,本願商標と引用商標とは,観念上比較できないとしても,称呼において紛らわしいものであって,外観においても近似した印象を与えるものであるから,両商標は,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 指定商品の類否について
本願商標に係る指定商品は,前記1のとおりであるところ,その指定商品中「clothing;clothing of leather」(参考訳:被服,皮革製被服)は,引用商標に係る指定商品の「被服」と同一又は類似する商品であるといえる。
オ 小括
以上によれば,本願商標は,引用商標と類似する商標であって,その指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は,上記(1)アのとおり,その構成中に小さく「FIRENZE」の欧文字を表してなるところ,該文字は我が国においてはイタリア中部の都市「フィレンツェ」を表すものとして一般によく知られ,親しまれているものである。
してみれば,「FIRENZE」の文字を含む本願商標を,その指定商品中「イタリア製の商品」以外の商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者をして,該商品があたかも「イタリア製」の商品であるかのごとく商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は,本願商標の商標法第4条第1項第16号該当性について,「FIRENZE」という単語は,英語の「FLORENCE」のイタリア語名であり,「FLORENCE」の単語はイタリアの都市名のほかにも女の子の名前の意味もあるから,「FIRENZE」の文字を含むからといって,かかる文字が直ちにイタリアの都市名を想起させるとはいえず,同号に該当しない,また,例え,仮に「FIRENZE」がイタリアの都市名のみを意味するものであっても,指定商品に「被服」を有し「FIRENZE」の文字を含むものであって,「イタリア製の被服」といったように「イタリア製の」という限定の付されていない登録例が複数存在するにもかかわらず,本願商標を登録しないとすれば,公平の観点からも,著しく不合理である旨主張する。
しかしながら,本願商標の構成は,「MiRAY」の文字と「FIRENZE」の文字とからなる結合商標であるところ,一般にこのような構成において,大きく表された強い識別力を有する部分の下部に小さく表された地名の意味を有する単語はその商品の産地等を表すことは一般的であり,そして,「FIRENZE」はイタリア有数の都市名であり,例えば,「コンサイス外国地名事典」(株式会社三省堂書店発行)において,「フィレンツェ Firenze」の見出し語の下,「イタリア中部の名称。【別称】フローレンスFlorence(英)。(1)イタリア中部,トスカナ州北東部の県。県都フィレンツェ。・・・モロッコ革製造・靴・陶器・繊維・科学・精密機械工業が発達。古代エトルリア人が建設。ローマ化後発展。中世には毛・絹織物工業で繁栄し,共和制都市国家となる。・・・」との記載もあり,古くから本願の指定商品の産地・販売地として知られていることからすれば,本願商標構成中の「FIRENZE」の文字部分は,イタリア有数の都市名であることを認識し,本願商標の指定商品がイタリア製の商品であることを,容易に想起させ,上記(2)のとおり,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるとするのが相当である。
また,請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張しているが,本願商標が商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるか否かの判断は,登録査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準として商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人があげた登録例は,いずれも本願商標とは構成等を異にし,かつ,本件の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから,請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当するものであるから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審決日 2017-12-07 
国際登録番号 1291041 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W25)
T 1 8・ 261- Z (W25)
T 1 8・ 272- Z (W25)
T 1 8・ 262- Z (W25)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 大森 友子
網谷 麻里子
商標の称呼 ミレーフィレンツェ、ミレー 
代理人 石原 進介 
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