• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W18
審判 査定不服 外観類似 登録しない W18
審判 査定不服 観念類似 登録しない W18
管理番号 1341250 
審判番号 不服2017-13020 
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-04 
確定日 2018-06-06 
事件の表示 商願2016-66880拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第18類「傘,テラス用傘,ガーデンパラソル,傘の骨,パラソルベース,傘カバー」を指定商品として,平成28年6月20日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下の引用商標1及び2を総称して「引用商標」ということがある。)。
(1)登録第89766号の1の2商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,大正6年8月25日登録出願,第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年12月11日に設定登録されたものであり,その後,平成20年2月20日に指定商品を第18類「傘金具,傘の骨,つえ金具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2210457号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,昭和56年3月11日登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成2年2月23日に設定登録されたものであり,その後,同23年11月9日に指定商品を第18類「傘並びにその部品及び附属品,ステッキ,つえ,つえ金具,ステッキ及びつえの柄」及び第25類「靴類(「靴合わせ釘・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,左側に,傘をさしたキツネの構図よりなる,輪郭を細線で簡潔に描いた図形を(以下「キツネ図形部分」という。),その右側には,その一部をわずかに重ねて横並びで,キツネ図形部分と同じ細線にて袋文字風に表した「FOX」の欧文字を肉太で大きく書し,その上に一部をわずかに重ねて,細字の筆記体で右上がりに表した「Hoyland」の欧文字を配置してなるところ,「FOX」の欧文字部分は「狐(キツネ)」の意味を有する,我が国でも比較的親しまれた英語を表してなるものと認識できるが(参照:「広辞苑 第6版」岩波書店発行),「Hoyland」の欧文字部分は,一般的な外国語辞書などには記載も見当たらない語であり,特定の意味合いを直ちに想起させるものではない(参照:「リーダーズ英和辞典」研究社発行;「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行)。
そして,本願商標の構成中,キツネ図形部分と「FOX」の欧文字部分は,一部をわずかに重ねて左右横並びでバランスよく配置されており,いずれも輪郭線でボリューム感をもって表されているため,視覚上まとまりのよい一体的な印象を与えるものである。しかも,キツネ図形部分は,傘をさしたキツネの構図よりなるが,当該構図中の傘の図は,その指定商品との関係においては商品を表したにすぎず,自他商品識別標識としては印象に残りにくい構成要素であり,当該構図中のキツネの図とその横に記載された「キツネ」の観念を生じる「FOX」の欧文字部分は観念上のつながりを有するものである。
一方で,本願商標の構成中,「Hoyland」の欧文字部分は,キツネ図形部分と「FOX」の欧文字部分とは近接又は一部が接して配置されているものの,それらの書体又は輪郭描写とは異なり,細字の筆記体で表されており,右上がりであることもあいまって,他の構成部分とは分離した印象を与えるものである。しかも,「Hoyland」の欧文字部分は,特定の観念を生じないため,キツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分との間に,観念上のつながりはない。
そうすると,本願商標は,キツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分は,その構成上及び観念上のつながりから,まとまりよく,一体的な印象を与える一方で,「Hoyland」の欧文字部分は,キツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分とは,構成上及び観念上も分離した印象を与えるものであって,両者はそれぞれ自他商品の識別力を有するものとみるのが相当であるから,これに接する取引者,需要者に,常に一体不可分のものであるとして認識されるとはいい難く,その構成中のキツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分を要部として抽出し,これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。
以上を踏まえると,本願商標は,要部であるキツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分に相応して,「フォックス」の称呼及び「キツネ」の観念が生じる。
イ 引用商標
引用商標は,いずれも「FOX」の文字を肉太の書体で横書きしてなるところ,それぞれの構成文字に相応して,「フォックス」の称呼及び「キツネ」の観念が生じる。
ウ 本願商標と引用商標の比較
本願商標の要部であるキツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分と引用商標を比較すると,それぞれ「フォックス」の称呼及び「キツネ」の観念において共通する。そして,外観においては,キツネ図形部分の有無及び欧文字の書体に差異があるものの,欧文字部分のつづりは共通する。
以上のとおり,本願商標は,その要部における引用商標との外観,称呼及び観念の共通性を総合的に勘案すれば,両商標は,同一又は類似の商品に使用されるときは,相紛らわしい類似する商標というべきである。
(2)本願商標と引用商標の指定商品の同一又は類似について
本願商標の指定商品は,引用商標1の指定商品「傘金具,傘の骨」と,引用商標2の指定商品「傘並びにその部品及び附属品」と同一又は類似するものといえる。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は,「FOX」の欧文字又はそれを含む商標登録例を多数提示し,称呼や観念が同一であっても,わずかな差異で識別は可能である旨を主張する。
しかし,上記(1)アのとおり,本願商標は,その構成中,キツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分を要部として抽出し,これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものであり,上記(1)ウのとおり,その要部と引用商標との比較において,外観,称呼及び観念の共通性を考慮すれば,図形部分の有無や書体の相違という差異があるとしても,互いに紛らわしい類似する商標というべきである。
イ 請求人は,本願商標の構成中,「Hoyland」の欧文字部分は造語であるため「FOX」の欧文字部分よりも識別力があること,キツネの図形部分にもオリジナリティがあるため十分に識別力があること,「Hoyland」の欧文字部分がキツネの図形部分とともに要部となること,「Hoyland」は地名を想起させ「Hoyland」と「FOX」の文字は,架空の場所に住んでいるキツネという一体的な観念を生じさせること,傘をさしたキツネの図形は当該観念と一体感があることなどを根拠に,本願商標は全体として一体であり,引用商標とは実質的には区別できる旨を主張する。
しかし,上記(1)アのとおり,本願商標の構成中,キツネ図形部分及び「FOX」の欧文字部分と「Hoyland」の欧文字部分とは,構成上及び観念上分離した印象を与えるものであるから,それぞれ自他商品の識別力を有するものとみるのが相当である。
そうすると,本願商標は,「Hoyland」の欧文字部分が本願商標の要部として認識されるとしても,全体として,常に一体不可分のものであるとして認識されるとはいい難い。
ウ 以上のとおり,請求人の主張はいずれも採用,採択できない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と類似し,その指定商品も,引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)



別掲2(引用商標1)



別掲3(引用商標2)




審理終結日 2018-01-04 
結審通知日 2018-01-09 
審決日 2018-01-23 
出願番号 商願2016-66880(T2016-66880) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W18)
T 1 8・ 263- Z (W18)
T 1 8・ 261- Z (W18)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
阿曾 裕樹
商標の称呼 ホイランドフォックス、ホイランド、フォックス、エフオオエックス 
代理人 新保 斉 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ