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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z25
管理番号 1341214 
審判番号 取消2017-300306 
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-05-09 
確定日 2018-05-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第4435334号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4435334号商標(以下「本件商標」という。)は,「ワールドバランス」の片仮名と「WORLD BALANCE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり,平成12年1月11日に登録出願,第25類「靴類」を指定商品として,同年11月24日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成29年5月23日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人提出の審判事件答弁書に対して,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は,本件商標をブランド名として使用し,本件商標を使用した靴を平成12年頃から現在に至るまで継続して販売しており,本件審判の請求の登録前3年(以下「本件要証期間」という。)以内においても,日本国内で複数の靴に本件商標を使用している。
2 具体的な使用の事実
(1)被請求人は,昭和33年10月に設立され,2度の商号変更がされて現在に至るもので,照明器具の設計・製造事業,靴の企画開発・販売事業などを行う法人である(乙1)。
(2)被請求人は,本件商標を使用した靴の企画開発を行い,中国の製造メーカーにて製造し,小売は行わず,卸売により販売している。
卸売先の一例としては,株式会社丸大(以下「丸大」という。)である(乙2)。丸大は,amazonや楽天(店舗名:BOBANTENNA)などのウェブサイトで,「WORLD BALANCE」を付した靴を小売販売している(乙3)。
(3)丸大が楽天の店舗「BOBANTENNA」で販売する「BRAND:WORLD BALANCE(ワールドバランス)/MODEL:WB1800」,「同/MODEL:WB1700」及び「同/MODEL:WB1820」の靴には,ベロに上下二段で「WORLD」及び「BALANCE」の欧文字が表示されていて,インソールに横書きで「WORLD BALANCE」の欧文字が表示されている。そして,「MODEL:WB1800」の購入者のレビューページを見ると,購入者が「2017年3月6日」に投稿しており,この靴が遅くとも平成29年3月6日より現在に至るまで,楽天で販売されていることがわかる。
また,これらの靴は,同時にamazon(店舗名:株式会社丸大)でも販売されていることがわかる(乙3)。
(4)丸大は,被請求人の靴を小売する一方,同じく靴の小売を行う株式会社ザカモア!(以下「ザカモア」という。)に卸売販売もしている(乙4)。そして,ザカモアは,「靴のニシムラ」の名称を用いて,amazonや楽天などのウェブサイトで,「WORLD BALANCE」を付した靴を小売販売している(乙5)。
(5)「WORLD BALANCE」(WB228)の商品名の「靴」には,ベロに上下二段で「WORLD」及び「BALANCE」の欧文字が表示されていて,インソールとタグには横書きで「WORLD BALANCE」の欧文字が表示されている。また,この靴の靴箱には,上面と側面に横書きで「WORLD BALANCE」の欧文字が表示されている(乙6)。
(6)上記したWB228等の「靴」は,いずれも被請求人が企画開発を行い,中国の製造メーカーに外注して製造し,日本に輸入し,丸大に販売したものである。
そして,WB228の靴について,被請求人が丸大からの発注を受け,被請求人が中国の製造メーカーに発注し,中国の製造メーカーが船積みして輸出し,丸大に納品されるまでの証拠を示す(乙7)。なお,WB1700及びWB1800の靴についても同様である(乙8)。
WB228の靴に係る証拠(乙7)から,WB228の靴は,発注から納品に至るまで,いずれも本件要証期間内に行われたものであって,日本国内で被請求人が本件商標を商品「靴」に使用していたことは明白である。
3 本件商標と使用商標との社会通念上の同一性
本件商標は,「ワールドバランス」の片仮名と「WORLD BALANCE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ,両文字からは,同一の「世界均衡」の観念を生じるものである。そして,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと認められるものであるに対し,靴に付されている商標「WORLD BALANCE」の欧文字は,本件商標中の「WORLD BALANCE」の欧文字部分と同一のつづりからなり,「ワールドバランス」の称呼を生じるものである。
したがって,「ワールドバランス」と「WORLD BALANCE」とは同一の称呼及び観念を生ずるもので,本件商標と靴に使用されている商標とは社会通念上同一と認められる商標であることは明白である。
4 むすび
以上によれば,被請求人は,本件要証期間内に日本国内で,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付した靴を丸大へ販売したことは明らかである。そして,上記の使用行為は,商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを引き渡しする行為」に該当する。また,靴は,本件審判の取消請求に係る指定商品である第25類「靴類」に属する商品である。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,次のとおりである。
(1)乙第6号証は,平成29年7月4日に撮影し印刷されたとする「靴」及び靴の包装箱の写真(画像)である。
当該「靴」には,ベロ(タン)部分に「WORLD」と「BALANCE」の欧文字が上下二段に,インソール(中敷き)部分に「WORLD BALANCE」の欧文字が横一連に表示され,また,「WORLD BALANCE」の欧文字が横一連に表示されたタグ並びに「神戸インターナショナル株式会社」及び「神戸市中央区京町83番地」と表示されたタグが付されている(1葉目?4葉目)。
当該「靴」の包装箱には,側面部及び蓋部に「WORLD BALANCE」の欧文字が横一連に表示され,さらに側面部には「NO.」の欄に「WB228」の表示がある(1葉目,5葉目?7葉目。以下,当該靴,タグ及び包装箱に表示された,上下二段に表示された「WORLD」と「BALANCE」の欧文字及び横一連に表示された「WORLD BALANCE」の欧文字を併せて「使用商標」という。)。
(2)乙第7号証の1葉目は,「神戸インターナショナル(株)」に宛てた平成28年10月4日付けの「(株)丸大発注書」と題する書面であり,その表中には,「メーカー名」の欄に(「神」及び「(株)」の文字は一部が確認できない。)の記載,「商品名・カラー」の欄に「WB-228 CML」「WB-228 BLK」の記載及び「発注NO」欄に「4654」の記載がある。
また,下方の中央部には「ブランド WORLD BALANCE」の記載があり,その右に「合計数 1176足」の記載がある。
(3)乙第7号証の4葉目ないし6葉目は,「Kobe International Corp.」から「GOLD FANCY HOLDINGS LIMITED」に宛てた平成28年11月2日付けの商品「WB228 WORLD BALANCE」についての注文書であり,かかる商品については,平成29年1月17日付けで請求書が発行され(同7葉目),包装されて(同8葉目及び9葉目),同月21日に,「GOLD FANCY HOLDINGS LIMITED」から「Kobe International Corp.」に納品された(同10葉目)。
(4)乙第7号証の11葉目は,「神戸インターナショナル株式会社」(神戸市中央区京町83番地 三宮センチュリービル 6F)から「株式会社丸大」に宛てた平成29年2月6日付けの「納品書(控)」であり,その「スタイルNo./商品名/御発注書No.」の欄に「WB228 MNES SHOES」,「4654」の記載,及び「数量」の「合計」欄に「1,176」の記載がある。
2 上記1によれば,以下のとおり判断できる。
(1)本件商標の使用について
名古屋市中区在の「株式会社丸大」(丸大)は,平成28年10月4日に,品番が「WB228」の商品「靴」(乙6の靴を含む。以下「本件商品」という。)1,176足を,本件商標権者に注文したものであり,これを受けた本件商標権者は,かかる商品について,同年11月2日に「GOLD FANCY HOLDINGS LIMITED」に発注し,平成29年1月21に納品を受け,その後,本件要証期間に含まれる同年2月6日に丸大に納品した。
(2)使用商標及び本件商品について
平成29年2月6日に,本件商標権者が丸大に納品した本件商品は,(靴の)ベロに「WORLD」と「BALANCE」の欧文字が上下二段に表示され,インソール及びタグに「WORLD BALANCE」の文字が横一連に表示され,かつ,「WORLD BALANCE」の欧文字が表示された包装箱に入れられていたと推認できる。
そして,本件商品「靴」は,本件審判の請求に係る指定商品である第25類「靴類」に含まれることは明らかである。
(3)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性について
本件商標は,上記第1のとおり,「ワールドバランス」の片仮名と「WORLD BALANCE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ,上段の片仮名部分は,下段の欧文字部分の読みを表したものと理解されるものである。
使用商標は,上記1(1)のとおり,上下二段に表示された「WORLD」と「BALANCE」の欧文字及び横一連に表示された「WORLD BALANCE」の欧文字からなるものであるから,当該欧文字は,本件商標の「WORLD BALANCE」の欧文字と綴りを同一にするものであって,本件商標と同様に,「ワールドバランス」の称呼を生ずるものである。
以上を総合勘案すれば,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(4)小括
上記のとおり,本件商標権者は,本件要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品「靴」及びその包装に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して引き渡したものであり,かかる行為は,商標法第2項第3項第2号にいう「商品及び商品の包装に標章を付したものと引き渡しする行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において,本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-12-25 
結審通知日 2018-01-05 
審決日 2018-01-17 
出願番号 商願2000-766(T2000-766) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 田村 正明
平澤 芳行
登録日 2000-11-24 
登録番号 商標登録第4435334号(T4435334) 
商標の称呼 ワールドバランス 
代理人 鳥巣 実 
代理人 中嶋 慎一 
代理人 小暮 君平 

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