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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 
審判 一部申立て  登録を維持 
審判 一部申立て  登録を維持 
管理番号 1340389 
異議申立番号 異議2017-900360 
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-11-27 
確定日 2018-05-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5977337号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5977337号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5977337号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成29年1月10日に登録出願,第18類「キーケース(革製品),ブリーフケース(革製品),家具用張り革,革ひも,革製のかばん及び財布,革製のゴルフバッグ用タグ,革製の旅行用スーツケース,革製ケース,革製箱,擬革,擬革製容器,原革,かばん類,袋物,三つ折札入れ,薄く折りたためる札入れ,ファニーパック,小銭入れ,名刺ケース,革製キーケース,キーケース,ブリーフケース型の書類かばん,バックパック型ブリーフケース,ブリーフケース,かばん金具,がま口口金,蹄鉄,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」及び第25類「スーツ,礼装用ズボン,礼服,オーバーコート,レインコート,織物製ワイシャツ類及びアンダーシャツ,ニットシャツ,ワイシャツ類及びシャツ,セーター,カジュアルズボン,ショートパンツ及びショーツ,ティーシャツ,被服,革製被服,スカーフ,ストール,マフラー,帽子,ドレスシャツ,ネックウエア,ポケットスクエア,ベルト,ソックス,メリヤス下着,メリヤス靴下,ジーンズ地の被服,履物,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年8月15日に登録査定,同年9月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は,以下の2件の登録商標(以下,これらの商標をまとめて「引用商標」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4880939号商標(以下「引用商標1」という。)は,「JOSEPH」の文字を標準文字で表してなり,平成17年2月4日に登録出願,第18類「革及び模造の皮,トランク,旅行用バッグ,ハンドバッグ,肩掛けベルト,ブリーフケース,スーツケース,財布,その他のかばん類,傘,ステッキ」を指定商品として,同年7月15日に設定登録されたものである。
(2)登録第5188173号商標(以下「引用商標2」という。)は,
「JOSEPH」の文字を標準文字で表してなり,平成19年10月9日に登録出願,第25類「被服,仮装用衣服」を指定商品として,同20年12月12日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品中,第18類「キーケース(革製品),ブリーフケース(革製品),家具用張り革,革ひも,革製のかばん及び財布,革製のゴルフバッグ用タグ,革製の旅行用スーツケース,革製ケース,擬革,原革,かばん類,袋物,三つ折札入れ,薄く折りたためる札入れ,ファニーパック,小銭入れ,名刺ケース,革製キーケース,キーケース,ブリーフケース型の書類かばん,バックパック型ブリーフケース,ブリーフケース,皮革」及び第25類「スーツ,礼装用ズボン,礼服,オーバーコート,レインコート,織物製ワイシャツ類及びアンダーシャツ,ニットシャツ,ワイシャツ類及びシャツ,セーター,カジュアルズボン,ショートパンツ及びショーツ,ティーシャツ,被服,革製被服,スカーフ,ストール,マフラー,帽子,ドレスシャツ,ネックウエア,ポケットスクエア,ソックス,メリヤス下着,メリヤス靴下,ジーンズ地の被服」(以下「申立商品」という。)について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は,横書きにした欧文字「JOSEPH」及び「ABBOUD」を横並び左右に配し,その間に白黒の斜め縞模様を内側に含む菱形図形を配してなる商標であり,第18類「キーケース(革製品)」等,第25類「スーツ」等を指定商品とするものである。
(2)引用商標について
引用商標1は,標準文字にて欧文字「JOSEPH」を書したものであり,第18類「革及び模造の皮」等を指定商品とするものである。
引用商標2は,標準文字にて欧文字「JOSEPH」を書したものであり,第25類「被服」を指定商品とするものである。
(3)本件商標と引用商標の対比
本件商標は,その構成中,「JOSEPH」と「ABBOUD」の文字部分は同じサイズの同書体で書されているものの,商標全体が横に長く,菱形図形が2つの文字部分を区切るように中央に置かれているため,文字部分と図形部分の3要素は視覚上それぞれ別の部分として認識され,それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
また,欧文字「JOSEPH」は,英語等の外国語における男性の名前を意味する語として比較的よく知られており,英語での称呼「ジョセフ」が自然に生じ,本件商標の構成において,「JOSEPH」の文字部分は,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分といえる。
欧文字「ABBOUD」については,人名ではあるものの,日本の需要者,取引者においては馴染みのない語であるため,特定の意味を有しない造語と認識されるものと考えられ,称呼としては英語風の読みの「アブード」,「アバウド」やローマ字読みの「アボード」が生じ,本件商標の構成において「ABBOUD」の文字部分も,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分といえる。
本件商標は,全体を一体として認識される一方,識別力を有する文字部分同士の結びつきや図形部分を含む3要素の結びつきの弱さから,「JOSEPH」と「ABBOUD」の文字部分も単独で商品の出所識別標識として機能し得る。そのため,全体からの称呼「ジョセフ アブード」等のほか,各々の文字部分の称呼「ジョセフ」と「アブード」等も生じる。
さらに,本件商標は,「JOSEPH」の文字部分が左に配され,称呼も観念も需要者に認識されやすいものの,「ABBOUD」の文字部分は右に配され,称呼も観念も需要者には馴染みのないものであるから,「JOSEPH」は記憶に残るが,「ABBOUD」は記憶に残りにくいと考えられる。文字列は通常左から読まれるものである上,右側に配された「ABBOUD」が一般に馴染みがなく記憶に留めにくい用語であることにかんがみると,本件商標より「JOSEPH」部分が要部として抽出され,「ジョセフ」とのみ称呼される可能性が十分にある。
一方,引用商標は,その構成文字に相応して自然に「ジョセフ」の称呼が生じる。
そして,本件商標と引用商標を比較すると,外観は異なるものの,生じ得る称呼「ジョセフ」において共通する。また,本件商標において強く支配的な印象を与える要部である「JOSEPH」と引用商標の「JOSEPH」は,同一の欧文字で構成されており,男性の名前という観念も同一である。したがって,本件商標は,引用商標と類似する商標である。
(4)指定商品の類否について
申立商品は,引用商標1に係る第18類の指定商品「革及び模造の皮,旅行用バッグ,ハンドバッグ,その他のかばん類」及び引用商標2に係る第25類の指定商品「被服」と同一又は類似する。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標は,別掲のとおり,白と黒の斜め縞模様を施した菱形図形を中心とし,該図形とほぼ高さを揃えて,左側に「JOSEPH」の文字を,右側に「ABBOUD」の文字を,いずれも同じ書体及び大きさで横書きし,その右側の文字部分の末尾「D」の右横には小さな黒丸を付してなるところ,全体としてまとまりのよい印象を与えるものである。
また,本件商標の構成中,「JOSEPH」及び「ABBOUD」の文字部分は,図形部分を挟んで左右に配置されているものの,同じ書体,同じ大きさで,ほぼ高さを揃えて配置されているため,全体としてまとまりのよい印象を与えるものである。そして,両文字部分ともに直ちに特定の意味合いを認識させる語ではなく,結合しても成語となるものでもないし,その構成文字全体から生じる「ジョセフアブード」の称呼は,全体で7音構成と格別冗長でもなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
そのため,本件商標は,いずれかの文字部分のみを分離して観察することが,取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していないともいえず,いずれかの文字部分のみが強く支配的な印象を与えるものでも,出所識別標識としての称呼,観念が生じないというものでもないから,本件商標と引用商標の類否の検討においては,本件商標の構成全体から生じる称呼及び観念等をもって類否を検討すべきといえる。
そして,本件商標の図形部分からは,特定の称呼及び観念は生じない。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応して「ジョセフアブード」の称呼のみが生じ,特定の観念は生じない。
イ 引用商標は,「JOSEPH」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は直ちに特定の意味合いを認識させる語ではなく,当該文字に相応して,「ジョセフ」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標を比較すると,その外観において,図形部分の有無及び構成文字全体が相違するため,「JOSEPH」の文字部分の構成文字が共通するとしても,それぞれの外観は明瞭に相違する。また,称呼においては,「ジョセフ」の語頭3音を共通にするとしても,語尾の「アブード」の音の有無に差異があり,全体の音数及び構成音が明らかに相違するため,両者の語調,語感は著しく異なるもので,互いに聞き誤るおそれはない。また,両商標はいずれも特定の観念を生じないため,観念において比較することはできない。
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標とはいえないから,これらを総合的に考察しても,出所の誤認混同を生じるおそれはなく,類似する商標ではない。
(2)申立人の主張について
申立人は,本件商標は,図形部分,「JOSEPH」及び「ABBOUD」の文字部分の結びつきの弱さから,それぞれ単独で商品の出所識別標識として機能し得るもので,中でも,左側に配され,記憶に残る「JOSEPH」の文字部分は,本件商標の要部として抽出され,「ジョセフ」とのみ称呼される旨を主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本件商標のような構成においては,いずれかの文字部分のみを分離して観察することが,取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していないともいえず,いずれかの文字部分のみが強く支配的な印象を与えるものでも,出所識別標識としての称呼,観念が生じないというものでもないから,本件商標と引用商標の類否の検討においては,本件商標の構成全体から生じる称呼及び観念等をもって類否を検討すべきといえる。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標ではないから,本件商標の申立商品と引用商標の指定商品について比較するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標の申立商品に係る登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)

異議決定日 2018-05-07 
出願番号 商願2017-1104(T2017-1104) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y ()
T 1 652・ 261- Y ()
T 1 652・ 263- Y ()
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 謙司 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小出 浩子
阿曾 裕樹
登録日 2017-09-01 
登録番号 商標登録第5977337号(T5977337) 
権利者 ジェイ エイ アパレル コーポレイション
商標の称呼 ジョセフアブード、ジョセフ、アブード 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 阿部 達彦 
代理人 久保 怜子 

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