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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X18
管理番号 1338359 
審判番号 取消2016-670040 
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-12-13 
確定日 2017-12-27 
事件の表示 上記当事者間の国際登録第978731号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第978731号商標(以下「本件商標」という。)は,「SWISSGEAR」の欧文字を横書きしてなり,2008年(平成20年)8月20日に国際商標登録出願,第9類,第12類,第14類,第16類,第18類,第20類,第22類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成22年5月14日に設定登録されたものである。
その後,2013年(平成25年)11月18日付けで本権の登録の一部抹消が国際登録簿に記録された結果,その指定商品については,第18類「All-purpose dry bags,luggage,backpacks,daypacks,duffel bags,utility bags,shoulder bags,casual bags,briefcases,non-motorized wheeled packs,cosmetic cases sold empty and toiletry cases sold empty,travel bags,small personal leather goods,namely,wallets,and shaving bags sold empty,umbrellas and name and calling card cases,cosmetic cases sold empty,toiletry cases sold empty,luggage tags,waistpacks,bags worn on the body,business cases,travel bags,all-purpose personal care bags,small personal leather goods,namely,billfolds,credit card cases,neck and necklace wallets,all aforesaid goods are produced based on design approved in Switzerland.」のほか,第9類,第16類,第20類,第22類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品となり,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判の請求の登録は,平成28年12月20日である。
第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第18類「全指定商品」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第18類「全指定商品」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対して弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のとおり主張し,乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
1 本件商標は,請求に係る指定商品について,審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という場合がある。)に日本国内において使用されていた。
(1)被請求人は,本件商標を使用したリュックサック,旅行かばん,ショルダーバッグ,財布等の種々の商品の製造販売を行っている。それらの商品は,米国,欧州,及び日本を含むアジアの国々において,小売店舗やインターネットによる通信販売によって販売されている。
(2)被請求人は,遅くとも2015年から,オンライン店舗「SWISSGEAR」(以下「本件オンライン店舗」という。)を運営しており,本件商標の使用権者である「Group III International」社を通じ,本件商標を使用したかばん類・袋物等の通信販売を行っている(乙1)。本件商標は,本件オンライン店舗において取り扱われているほぼ全ての商品の商品名として使用されている(乙2)。
本件オンライン店舗は,主に米国の需要者を対象とするが,米国以外に居住する需要者からの注文に対応するための国際配送用の専用連絡先を備えている。日本の需要者は,チェックアウト(清算)時に国際配送が必要な旨のボタンを選択するだけで,被請求人の商品を購入すること,また,東京都内に所在する専用窓口へ電話し,注文に関する質問を行うことが可能である(乙3)。
被請求人は,少なくとも要証期間である2016年3月4日時点において,本件オンライン店舗を通じて,リュックサック,旅行かばん,ショルダーバッグ,財布等の種々のかばん類・袋物等の商品の販売を行い,又はそれらの商品に関する広告を行ったことが明らかである(乙4)。
そして,これらの商品は,本件商標の第18類に係る指定商品のうち,少なくとも「luggage,backpacks,daypacks,shoulder bags,wallets,all aforesaid goods are produced based on design approved in Switzerland.」に相当するものである。
また,本件商標は,それらの商品名として,また本件オンライン店舗の名称として使用されているから,これらの商品の販売又は商品に関する広告について使用されている。
したがって,本件商標は,被請求人によって,第18類に係る指定商品について要証期間に使用されたことが明らかである。
(3)被請求人の商品は,本件オンライン店舗によって需要者へ直接販売されるだけでなく,「Amazon,co.jp」や「楽天市場」などの他のオンライン店舗を通じての中間流通業者を介した通信販売が行われている。
乙第6号証は,インターネット検索エンジン「Google」を用いた,2014年1月1日から2016年8月31日の間に掲載されたウェブサイトに関する「swiss gear バッグ」のキーワードによる検索結果の写しである。乙第6号証の検索結果のうち,上から5件目は,オンライン店舗「Amazon.co.jp」における「SwissGear スイスギア トラベルギアScanSmart バックパック1900」なる名称の商品(以下「本件バックパック」という。)の販売ページである(乙7)。本件バックパックは,本件商標の第18類「backpacks」に相当するものである。また,商品名に「SwissGear」「スイスギア」の文字が使用されており,肩紐部に「SWISSGEAR」のロゴが付されていることから,本件商標が使用されていることが明らかである。
当該販売ページには製造者の記載はないが,本件バックパックと全く同一の商品が本件オンライン店舗においても販売されているように(乙8),この製品は,被請求人の製造に係る商品である。当該販売ページ(乙7)に,「並行輸入品」,「アメリカのフロリダより私が責任を持ち発送します」等の記載があることから,本件バックパックは,被請求人が米国で販売した商品が,日本へ並行輸入されたものであることが分かる。
乙第9号証は,「Wayback Machine」において閲覧可能な,乙第7号証に係るウェブサイトの2015年8月27日付保存記録の写しであり,要証期間に乙第7号証に係るウェブサイトが存在していたことを示している。なお,乙第9号証には商品の写真が表示されていないが,同一のウェブサイトであることに変わりはない(品名「SwissGear スイスギアトラベルギア ScanSmart バックパック1900」,商品サイズ「21x47x38cm」,メーカー型番「SA1900」,ASIN番号「B007R6JPC4」等が一致している。)。
また,乙第10号証は,「Wayback Machine」において閲覧可能な,乙第9号証に係るウェブサイトの,要証期間に含まれる2015年9月14日付の保存記録の写しである。乙第9号証及び乙第10号証から,要証期間において,本件バックパックが被請求人によって製造されており,また,それが並行輸入されて日本での販売に供されていたことが分かる。
そうすると,本件バックパックは,中間流通業者を介して日本国内での販売に供されたものであるといえる。
知財高判平成24年(行ケ)第10310号審決取消請求事件と本件とを比較すると,本件商標権者は外国法人である点,及び商品が外国より並行輸入されている点において相違する。しかし,「商品を製造した者が,自ら直接消費者に対して販売する態様が一般的であるとはいえず,むしろ,中間流通業者が介在した上で,消費者に販売することが常態であるといえる」という取引の実情は本件においても同様である。
被請求人は,本件オンライン店舗を通じて日本の需要者への商品の販売を実際に行っているだけでなく,日本の需要者の電話連絡のための専用窓口を日本国内に備えており,本件商標を使用した商品を直接日本に流通させる意思を有していることは客観的に明らかであり,単に第三者がたまたま日本国内で被請求人に係る商品を販売しているにすぎないような事案とは大きく異なる。そのため,上記判旨を本件について適用することについて何ら問題はない。
2 以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求に係る指定商品について,要証期間に日本国内において使用されたものである。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人が提出した乙各号証によれば,以下のとおりである。
(1)スイス在の本件商標権者は,リュックサック,旅行かばん,ショルダーバッグ,財布等の商品について,自ら製造販売を行っている者であり,本件商標権者の当該商品は,世界中の複数の企業が,本件商標権者のライセンスを受けて製造している(乙1?乙3)。
そして,本件商標権者は,自身が運営するオンライン店舗において,「SWISSGEAR」と表示して,デイパック,バックパック,キャリーバッグ,ビジネスバッグ,鞄,財布等を販売している(乙1,乙2,乙4)。
(2)「SWISS GEAR」と表示された本件商標権者のウェブサイトには,「SWISSGEAR 1900SCANSMART」及び価格の記載とともに,本件バックパックが掲載されている(乙2の1葉目)。
(3)本件商標権者の取扱いに係る本件バックパック(乙2)と同種の商品は,「Amazon」のウェブサイトにおいて,「SwissGear スイスギアトラベルギア ScanSmart バックパック1900」の表示及び「価格:¥14,980」の記載とともに商品の画像が掲載され,「カートに入れる」と表示され,「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2014/8/31」と記載された(乙7)。
そして,上記の本件バックパックは,2015年8月27日に,「Amazon」のウェブサイトにも掲載された(乙9)。
2 上記1によれば,以下のとおり,判断できる。
スイス在の本件商標権者は,自己の製造に係る本件バックパックの販売に関する広告を,「Amazon」のウェブサイトに掲載したものであり,商品「バックパック」は,本件審判の請求に係る指定商品中,第18類「backpacks(produced based on design approved in Switzerland)」と認められる。
そして,本件バックパックの販売に関する広告に使用された商標「SwissGear」の欧文字は,本件商標とつづりを同じくするものであるから,本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものであり,本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
また,本件バックパックに関する「Amazon」のウェブサイトに記載された「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2014/8/31」及び2015年8月27日は,要証期間に含まれる。
以上によれば,本件商標権者は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,その請求に係る指定商品中,第18類「backpacks(produced based on design approved in Switzerland)」に関する広告に,本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を付したものと認められる。
本件商標権者による上記行為は,本件審判の請求に係る指定商品についての商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定商品について,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって,本件商標の登録は,取消請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2017-11-17 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X18)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清川 恵子有水 玲子 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 小林 裕子
平澤 芳行
登録日 2008-08-20 
商標の称呼 スイスギア、ギア 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 

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