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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W09
管理番号 1337133 
審判番号 取消2017-300117 
総通号数 219 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-03-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-02-15 
確定日 2018-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第5645954号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5645954号商標の指定商品中、第9類「プリンター,イメージスキャナー,液晶プロジェクター,電子複写機,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,ファクシミリ,テレビジョン受像器,携帯電話機,音楽再生プレーヤー,電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5645954号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成25年5月24日に登録出願、第9類「プリンター,イメージスキャナー,液晶プロジェクター,電子複写機,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,ファクシミリ,テレビジョン受像器,携帯電話機,音楽再生プレーヤー,電気通信機械器具」を含む第9類、第11類、第12類、第16類、第17類、第19類、第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同26年1月31日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成29年3月1日にされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「プリンター,イメージスキャナー,液晶プロジェクター,電子複写機,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,ファクシミリ,テレビジョン受像器,携帯電話機,音楽再生プレーヤー,電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁の理由
(1)乙第1号証及び乙第2号証
被請求人の提出する乙各号証は、具体的にどのような内容の書類であるのか、答弁書中において明示されているとは言い難いが、乙第1号証及び乙第2号証は、これらの書類の記載内容より推測するに、被請求人の行う予定であった認証事業に関連する資料と思われるところ、これらの中の4カ所に本件商標が記載されているものの、提出された乙第1号証ないし乙第10号証を通じ本件商標が表示されているのは上記4カ所のみである。
しかし、乙第1号証の表紙には「試行期間(予定):2014年1月?2014年5月事業開始(予定):2014年6月」と記載され、本件商標に係る被請求人の認証事業の開始予定時期及び試行期間の予定時期が示されているのみである。また、第6頁には「検討経過」の項目に「2011年3月 構想スタート」「2012年7月? プロジェクトチームによる検討」「2014年1月?2014年5月 試行期間」と記載されている。
これらの記載より、乙第1号証は、被請求人の認証事業が検討段階・開始前の段階にあったことを示すにとどまり、当該事業が開始されたことを示唆する記載は見当たらない。
次に、乙第2号証を見ると、その表紙には「2014年6月予定」と記載されており、乙第1号証と同様、被請求人の認証事業が開始される前の予定段階であったことを示しているにすぎない。
また、第9頁の「(1)認証審査料」の項目において「1通あたり XXXXX円」、「(2)現地確認審査料」の項目において「現地確認審査料(XXXXX円)」、第10頁の「表1 認証登録料(年間)」の項目において「使用料(別途消費税)XXXXX円」、同頁の「振込先」の項目において「普通預金口座 NO.ダミーXXXXXXX」の各記載が認められる。
これらの記載は、被請求人の認証事業に係る各種手数料の具体的金額及びその振込先が未決定であったことを表すものであり、当該事業が計画・予定段階であったことを示す証左と考える。
以上のとおり、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標に係る被請求人事業が開始されたことを証するものではなく、当該事業が予定・計画段階にあったことを示すにすぎないものと言える。したがって、本件商標が、被請求人の認証事業に実際に使用されたことを示すものではなく、また、本件商標を使用した商品の製造・販売等を行ったことを示すものでもない為、本件商標の現実の使用についての証拠とは言えない。同様に、本件商標を使用した商品に関係する取引書類とみることもできない。
よって、乙第1号証及び乙第2号証によっては、商標法上の商標の使用があったとは言えない。
(2)乙第3号証
乙第3号証は、その内容より推測するに、被請求人が行う予定であった認証事業の概要を表した資料であると思われるが、本件資料には、本件商標及び日付が記載されていないため、証拠能力はない。
なお、本件資料中の「2.模擬審査へのご協力のお願い」にて、「本認証事業の運用開始に先立ち、認証スキームにおける課題・問題点の洗い出しや、制度全般へのご要望を承ることを目的として、模擬審査へのご協力をお願いしています。」、「模擬審査の審査結果は、本認証事業の運用開始後、本申請を行う際に援用できるものとします。」といった記載が認められるから、被請求人の認証事業が、実際に開始される前の段階にあったことは明らかである。
(3)乙第4号証ないし乙第9号証
被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証の使用日を明らかにするための証拠として「ヒアリングメモ」と称する乙第4号証ないし乙第9号証を提出している。
これらの資料についても、答弁書では具体的には明らかにされていないが、当該資料中の記載内容から推測するに、被請求人が自身の認証事業に関する意見を各団体から聴取した際に作成した覚書と思われる。
そうとすれば、被請求人自身が作成した内部資料にすぎず、証拠としての客観性を欠き、証拠能力は弱い。
また、乙第4号証では「打合せ目的 上記事業計画(案)に対するご意見を伺うこと、ご協力をいただくこと」と記載されており、乙第5号証ないし乙第9号証では「試行事業(模擬審査)への協力について」の記載が見られる。
これらの記載は、被請求人の認証事業が未だ「計画(案)」段階にあり、「試行事業(模擬審査)」への協力を仰いでいたことを示しているのみである。少なくとも、乙第4号証ないし乙第9号証において、被請求人の認証事業が開始され、かつ当該事業に本件商標が使用されたことを示す記載は認められない。
なお、答弁書の主張より、被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を、乙第4号証ないし乙第9号証に記載された日時に使用した旨、主張している。
しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証が本件商標の使用の事実を示すものでないことは、既に述べたとおりである。更に言えば、乙第4号証ないし乙第9号証は、被請求人の事業が未だ予定・計画段階であったことを示す資料にすぎない点で、乙第1号証及び乙第2号証と共通するものである。
したがって、乙第1号証、乙第2号証及び乙第4号証ないし乙第9号証をもって、商標法上の商標の使用があったとは言えない。
(4)乙第10号証
答弁書によると、乙第10号証は、被請求人の認証事業に、第9類「プリンター,イメージスキャナー,液晶プロジェクター,電子複写機,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,ファクシミリ,テレビジョン受信機,携帯電話機,音楽再生プレーヤー,電気通信機械器具」を含むことを明らかにする目的で提出されたとのことである。
しかし、例え被請求人の認証事業が上記商品を対象としていたとしても、これらの商品との関係で本件商標が実際に使用されたことを示す如何なる証拠も提出されておらず、更に言えば、乙第10号証には本件商標も記載されていないのであるから、実質的な証拠能力は認められない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠は、被請求人の認証事業との関係で、本件商標が使用されたことを証するものとは言えない。そればかりか、提出された証拠は、被請求人の認証事業が開始前の段階であったことを示すにすぎず、当該事業が開始されたこと、及び本件商標が当該事業に現実に使用されたことを示す証拠は皆無である。
これらの証拠に基づき検討すれば、被請求人の認証事業は、予定・計画の段階にはあったものの、何らかの理由で計画が頓挫し、未だ当該事業は開始されていないものと考えるのが、妥当かつ合理的な判断であると思料する。
したがって、本件商標が本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、その請求に係る指定商品について使用されていた事実は証明されていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、要旨以下のように述べ、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
本件審判の請求に係る指定商品を含む指定商品について、予告登録前3年以内に日本国内において、商標権者である被請求人が本件商標を使用している。
証拠として「グリーン購入法特定調達物品『判断の基準』への適合に係る認証事業について」及び「グリーン購入法特定調達物品『判断の基準』への適合認証のてびき」を示す。
また、本証拠の使用日を明らかにするため、ヒアリングメモを証拠として示す。
認証事業に、第9類「プリンター,イメージスキャナー,液晶プロジェクター,電子複写機,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,ファクシミリ,テレビジョン受信機,携帯電話機,音楽再生プレーヤー,電気通信機械器具」を含むことを明らかにするため、グリーン購入法「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」を証拠として示す。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、「グリーン購入法特定調達物品『判断の基準』への適合に係る認証事業について」と題するプレゼン資料のプリントと思しきものであるが、その表紙には「試行期間(予定):2014年1月?2014年5月」及び「事業開始(予定):2014年6月」、その右下に「2014年1月」及び「(公財)日本環境協会」と表示されている。また、5ページ目の下段には、「個別商品」と記載された立方図形に付された吹き出し内に、本件商標並びに「20XX年度」及び「グリーン購入法適合」の文字が表されており、その下に「『適合』の認証を受けた製品の専用表示を開発。」、「『文言』による表示のほか、ロゴマークも創設。」との記載があり、6ページ目には、「検討経緯」として「2014年1月?2014年5月 試行期間」との記載がある。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、「グリーン購入法特定調達物品『判断基準』への適合認証のてびき」と題する資料のコピーと認められるところ、その表紙には、本件商標、「【2014年6月予定】」及び「公益財団法人 日本環境協会」の表示があり、「認証申請の手続き」中の「6.グリーン購入法『適合』の表示方法」の「6-4.表示できる文言およびロゴマーク」の項中に、「(2)専用ロゴマーク『gマーク(グリーン購入法適合認証マーク)』」として、本件商標が表示されているが、本資料の作成日等の記載は無い。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、「『グリーン購入法適合認証事業』について」と題する資料であるところ、「1.事業の概要」及び「2.模擬審査へのご協力のお願い」を内容とするものであり、「《本件の担当》」として被請求人の担当者が表示されている。なお、作成日等の記載は無い。
(4)乙第4号証ないし乙第9号証について
乙第4号証ないし乙第9号証は、乙第1号証及び乙第2号証の使用日を明らかにするとして提出されたヒアリングメモとのことであるが、それらの作成日は2014年3月から同年5月となっているものの、その内容は、「グリーン購入法認証事業に関するご意見伺い」として、打合せ目的が「上記事業計画(案)に対するご意見を伺うこと、ご協力をいただくこと」(乙4)、「信頼性確保GL認証事業に関するヒアリング」として、打合せ目的が「事業に関するご意見、試行事業(模擬審査)への協力について」(乙5)及び「G法適合認証事業に関するヒアリング」として、打合せ目的が「事業に関するご意見、試行事業(模擬審査)への協力について」(乙6?9)とあり、また、各ヒアリング対象の事業が「案」又は「試行」の段階であることが理解される内容のメモが記載されている。また、乙第4号証ないし乙第9号証中に、本件商標の表示はない。
(5)乙第10号証について
乙第10号証は、被請求人の認証事業に請求に係る指定商品が含まれることを明らかにすることを目的として提出された「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」と題する資料であって、その表紙に「平成29年2月」の表示が、4ページ目には、プリンター等の請求に係る商品を含む各種商品が記載されているが、その記載以外、本件商標の表示やこれらの商品への本件商標の使用に関する記載は見当たらない。
2 判断
(1)上記1からすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)前である2014年1月において、「グリーン購入法適合認証事業」なる事業を2014年6月から行うことを予定し、該事業の適合認証マークとして本件商標を採用する予定であったこと(乙2)が推認できる。
また、該事業を行うに当たって2014年1月から同年5月を試行期間として各企業の担当者に試行事業への参加を呼びかけていた(乙5?9)ことも推認される。
しかし、提出されている資料は、該事業が「案」、「予定」又は「試行」の段階のものであって、要証期間内に該事業が開始され、本件商標が請求に係る指定商品に使用した事実を証明するものは見当たらず、作成時期を「平成29年2月」とする乙第10号証においても、本件商標がどの商品にどのように使用されたかについて明らかにする証拠とはなっていない。
そうすると、被請求人の提出した証拠によっては、要証期間内において、商標法第2条第3項各号に係る本件商標の使用があったということはできない。
(2)なお、審判長は、請求人提出の弁駁に対する意見及び既に提出の乙各号証以外の証拠方法の提出を求める旨の審尋を行ったところ、被請求人からは、「本審判において使用の事実に関する証拠をこれ以上提出する予定はない。」旨の回答があった。
3 むすび
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)(色彩については、原本を参照。)




審理終結日 2017-10-26 
結審通知日 2017-10-31 
審決日 2017-11-20 
出願番号 商願2013-39256(T2013-39256) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W09)
最終処分 成立 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 大森 友子
今田 三男
登録日 2014-01-31 
登録番号 商標登録第5645954号(T5645954) 
商標の称呼 ジイ 
代理人 志賀 正武 
代理人 眞島 竜一郎 
代理人 恩田 俊郎 
代理人 村山 靖彦 
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