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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025
管理番号 1335235 
審判番号 取消2014-300976 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-12-05 
確定日 2017-12-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4168371号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4168371号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成7年8月4日に登録出願、第25類「被服(ゴルフ専用のものを除く。),ガーター(ゴルフ専用のものを除く。),靴下止め(ゴルフ専用のものを除く。),ズボンつり(ゴルフ専用のものを除く。),バンド(ゴルフ専用のものを除く。),ベルト(ゴルフ専用のものを除く。),運動靴(ゴルフ専用のものを除く。),その他の履物(ゴルフ専用のものを除く。),運動用特殊衣服(ゴルフ専用のものを除く。),運動用特殊靴(ゴルフ専用のものを除く。)」を指定商品として、平成10年7月17日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成26年12月24日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、甲第1号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人(商標権者)は、本件商標を請求に係る指定商品中「運動靴」について、本件審判の予告登録日の前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)に日本国内において使用している。
(1)本件商標を使用している者
商標権者の子会社であるブルックス・スポーツ株式会社(以下「ブルックス・スポーツ社」という。)は、2012年1月5日に成立し(乙1)、その発行済み全株式は、会社設立の発起人が所有していたが、同月16日に商標権者に譲渡された(乙2)。ブルックス・スポーツ社は商標権者の子会社であるため、本件商標に係る商標権について、使用を許可され、使用する権利を有している。
次に、カスタムプロデュース株式会社(以下「カスタムプロデュース社」という。)は、商標権者の日本における総販売代理店であり、本件商標を使用する権利を有している。
ビジネスワイヤ・ジャパン株式会社のニュースリリースにおいて、世界第2位のランニング用品市場である日本に初のアジア子会社のブルックス・スポーツ社を設立すると商標権者が発表したことが報道された。上述のとおり、ブルックス・スポーツ社は商標権者の子会社である。さらに、カスタムプロデュース社と提携する商標権者は、業界屈指の顧客サービスへのこだわりと独自の「Run Happy(楽しく走る)」アプローチを2012年に日本市場にもたらす旨が報道された(乙3)。カスタムプロデュース社は、商標権者のパートナーであり、総販売代理店で、商標の使用が許諾されている。
そして、このプレスリリース元となる英語版は、商標権者のウェブサイトにおいて記載されている(乙4)。
さらに、商標「BROOKS」に関する日本語のウェブサイトは、カスタムプロデュース社により、運営され、オンラインショップは2014年10月からオープンしている(乙5)。
(2)本件商標の使用の態様
本件商標の使用権者は、本件商標を、その製造・販売に係る製品及びそのカタログ・取引書類等に明記している。
乙第6号証は、使用権者のカスタムプロデュース社の制作した運動靴に関するカタログであり、同カタログの表紙・裏表紙及びカタログ中の靴の中敷きに、本件商標が明示されている。
乙第7号証の注文確認書に記載されているように、当該カタログは、カスタムプロデュース社が、2013年7月27日に印刷注文したものであり、同年8月13日に出荷された。
乙第8号証は、使用権者のブルックス・スポーツ社が、総販売代理店のカスタムプロデュース社に宛てた合計請求書の写しである。この請求書の品番の商品は、乙第7号証(審決注:「第6号証」の誤記と認められる。)のカタログ中に記載があり、その中敷きには、本件商標が使用されている。
以上のとおり、使用権者は、本件商標を、その製造・販売に係る「運動靴」に関するカタログ・取引書類に使用している。
(3)本件商標の使用の時期
通常使用権者が、本件商標を要証期間内に使用していたことは、乙第6号証ないし乙第8号証の記述により、これらが発行された日付が要証期間内のものであることから、明らかである。
(4)本件商標と使用に係る商標との社会通念上の同一性
使用に係る商標は、色付で使用しているが、当該使用に係る商標と本件商標とは、同一と認められる。
(5)まとめ
以上のとおり、使用権者は、日本国内において、要証期間内に、本件商標と同一の商標を本件審判の請求にかかる指定商品中の「運動靴」について使用している。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)商標権者は、米国におけるランニング用品を取り扱う法人であり(乙3)、また、ブルックス・スポーツ社は、平成24年1月5日に設立された(乙1)後、商標権者の完全子会社となったことが認められる(乙2)。
(2)乙第6号証は、「ランニング用シューズ」のカタログ(以下「本件カタログ」という。)であるところ、本件カタログの表紙には、赤色と濃紺に色分けされた本件商標と同一の構成態様からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されているものであり、その末頁には「2014SSコレクション」、「カスタムプロデュース株式会社」の表示、その住所及び連絡先の記載が認められる。そして、本件カタログに掲載されたランニング用シューズの中敷きにも、使用商標が付されていることを認めることができる(以下「使用商品」という。)。
(3)乙第8号証は、ブルックス・スポーツ社が、カスタムプロデュース社宛に発行した「合計請求書」であり、2014年2月24日に、本件カタログに掲載された商品番号と一致する商品が納品されていることが認められる。
(4)カスタムプロデュース社について、2012年2月5日付けのニュースリリース(乙3)によれば、商標権者が、カスタムプロデュース社と提携することが報道されている。
2 判断
(1)商標権者の子会社、ブルックス・スポーツ社は、商標権者が提携したカスタムプロデュース社に、2014年2月24日、使用商品を納品したことが認められることからすると、使用商標が付された使用商品は、ブルックス・スポーツ社により、日本国内に輸入されたものとみるのが相当である。また、ブルックス・スポーツ社が商標権者の完全子会社であることからすると、商標権者が、ブルックス・スポーツ社を介して、使用商標が付された使用商品を輸入したものとみることができる。
そして、使用商標は、色彩を本件商標と同一にすれば、本件商標と同一の商標といえることから、使用商品には、本件商標が使用されているものと認められる。
したがって、商標権者は、要証期間内である2014年2月頃、本件商標が付された使用商品「ランニング用シューズ」を輸入したといえるものであって、前記「ランニング用シューズ」は、本件審判請求に係る指定商品中、「運動靴(ゴルフ専用のものを除く。)」の範疇に属する商品と認められる。
(2)カスタムプロデュース社の本件カタログに表示された「2014SSコレクション」及び上記1(3)の事実を合わせて考慮すると、本件カタログは、2014年版であり、カスタムプロデュース社は、本件カタログを、遅くとも2014年当初には頒布したものと推認することができる。
そして、カスタムプロデュース社の本件カタログには、使用商標が表示されていることから、上記(1)と同様に、この本件カタログには、本件商標が使用されているものと認められる。また、商標権者は、2012年2月にカスタムプロデュース社と提携したことを公表していることから、商標権者は、カスタムプロデュース社の本件商標の使用について、黙示的に許諾していたとみて差し支えないものであり、カスタムプロデュース社は、本件商標の通常使用権者であるといえる。
したがって、本件商標の通常使用権者であるカスタムプロデュース社は、要証期間内である2014年当初、「ランニング用シューズ」に係る本件カタログに本件商標を付して頒布したものといえるものであって、「ランニング用シューズ」は、本件審判請求に係る指定商品中、「運動靴(ゴルフ専用のものを除く。)」の範疇に属する商品である。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、商標権者及び通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標



審理終結日 2016-10-26 
結審通知日 2016-10-31 
審決日 2016-11-17 
出願番号 商願平7-80974 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 堀内 仁子
小松 里美
登録日 1998-07-17 
登録番号 商標登録第4168371号(T4168371) 
商標の称呼 ブルックス 
代理人 松尾 和子 
代理人 辻居 幸一 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 三上 真毅 
代理人 中村 稔 
代理人 藤倉 大作 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 

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