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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25
管理番号 1335234 
審判番号 取消2014-300978 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-12-05 
確定日 2017-12-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4737519号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4737519号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成15年4月28日に登録出願、第25類「運動靴,その他の履物,運動用特殊靴,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服」を指定商品として、同年12月26日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、同26年12月25日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何らの意見も述べていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品中「運動靴」について、本件審判の予告登録日の前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)に日本国内において使用している。
(1)本件商標を使用している者
被請求人の子会社である「ブルックス・スポーツ株式会社」(以下「ブルックス・スポーツ社」という。)は、2012年(平成24年)1月5日に成立し(乙1)、その発行済み全株式は、会社設立の発起人である「丹羽一彦」氏が所有していたが、同年1月16日に被請求人に譲渡された(乙2)。
ブルックス・スポーツ社は被請求人の子会社であるため、本件商標に係る商標権について、使用を許可され、使用する権利を有している。
次に、カスタムプロデュース株式会社(以下「カスタムプロディース社」という。)は、被請求人の日本における販売総代理店であり、本件商標を使用する権利を有している。
ビジネスワイヤ・ジャパン株式会社のニュースリリース配信において、「ブルックス・スポーツ、世界第2位のランニング用品市場にRun Happy精神を届ける」の記事が記載され、世界第2位のランニング用品市場である日本に初のアジア子会社のブルックス・スポーツ社を設立すると被請求人が発表したことが報道された。既述のとおり、ブルックス・スポーツ社は被請求人の子会社である。さらに、カスタムプロデュース社(CPI)と提携する被請求人は、業界屈指の顧客サービスへのこだわりと独自の「Run Happy(楽しく走る)」アプローチを2012年に日本市場にもたらす旨が報道された(乙3)。カスタムプロデュース社(CPI)は、被請求人のパートナーであり、販売総代理店で、商標の使用が許諾されている。
そして、このプレスリリース元となる英語版は、被請求人のウェブサイトにおいて、記載されている(乙4)。
さらに、商標「BROOKS」に関する日本語のウェブサイトは、カスタムプロデュース社により、運営され、オンラインショップは2014年10月からオープンしている(乙5)。
(2)本件商標の使用の態様
本件商標の使用権者は、本件商標を、その製造・販売に係る製品及びそのカタログ・取引書類等に、明記している。
ア 乙第6号証及び乙第8号証は、使用権者のカスタムプロデュース社の制作した運動靴に関するカタログ「FOOTWEAR CATALOG Spring 2012」及び「RISE ABOVE THE RUN/BROOKS CATALOG FALL 2014」であり、同カタログの表紙及びカタログ中の靴の横側に、本件商標が明示されている。
イ 乙第7号証及び乙第9号証は、2012年2月26日及び2014年6月24日付け株式会社キングプリンターズ発行の請求書であり、該請求書に記載されているように、上記アのカタログは、カスタムプロデュース社が株式会社キングプリンターズに印刷を注文したものである。
ウ 乙第10号証は、使用権者のブルックス・スポーツ社が、販売総代理店のカスタムプロデュース社に宛てた合計請求書の写しである。この請求書には、本件商標が使用されている。
例えば、同合計請求書の品番には、売上日の2012年3月1日のライン番号1に「1101081D336」(Pure Coect)とあり、ライン番号3ないし9に「1101131D692」(Ravea 3)とある。
上記請求書中の「1101081D336」の品番の商品は、乙第6号証のカタログの表紙の次の頁の「PURECONECTION」の項目中に「MENS/1101081D336」に記載があり、該靴の横側に、本件商標が明示されている。また、「1101131D692」の品番の商品は、乙第6号証のカタログの4頁目の「RAVENNA 3」の項目中に「MEN/1101131D692」の記載があり、該靴の横側に、本件商標が明示されている。
エ 乙第11号証及び乙第12号証は、使用権者のカスタムプロデュース社の制作した運動靴に関するカタログ「RISE ABOVE THE RUN/BROOKS独自の加速するクッション」(2014年2月発行)及び「BROOKS FOOTWEAR & APPRAREL Fall 2013」(2013年1月発行)であり、同カタログの表紙及びカタログ中の靴の横側に、本件商標が明示されている。
オ 以上のとおり、使用権者は、本件商標を、その製造・販売に係る「運動靴」に関するカタログ・取引書類に使用している。
(3)本件商標の使用の時期
使用権者が、本件商標を要証期間内に使用していたことは、乙第6号証ないし乙第12号証の発行された日付が、要証期間内であることから明らかである。
乙第7号証は、乙第6号証のカタログに関して2012年2月26日付けで発行された請求書であり、乙第6号証は、2012年の春のカタログである。
乙第9号証は、乙第8号証のカタログに関して2014年6月24日付けで発行された請求書であり、乙第8号証は、2014年の秋のカタログである。
乙第10号証は、本件商標を使用した運動靴に関する取引書類であり、売上日は2012年(平成24年)3月1日となっている。
乙第11号証のカタログは、2014年2月発行、乙第12号証のカタログは、2013年1月発行である。
したがって、本件商標が要証期間内に我が国において使用されていたことは明らかである
(4)本件商標と使用に係る商標との社会通念上の同一性
カタログの表紙や請求書に表示された使用に係る商標は、本件商標と形状は同一であり、使用に係る商標は、黒く塗りつぶしたもの及び白抜きにしたものとがあるが、本件商標と社会通念上同一ものである。
さらに、使用に係る商標は、靴の横に付している場合、色付で使用しているものがあるが、色彩を本件商標と同一にするものとすれば本件商標と同一の商標であると認められるものであるから、当該使用に係る商標と本件商標とは、同一と認められるものである(商標法第70条第1項)。
(5)まとめ
以上のとおり、使用権者は、日本国内において、要証期間内に、本件商標と同一の商標を本件審判の請求にかかる指定商品中の「運動靴」について使用している。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第3号証は、2012年2月5日付けのビジネスワイヤ・ジャパン株式会社のニュースリリースであるところ、「ブルックス・スポーツ、世界第2位のランニング用品市場にRun Happy精神を届ける」の見出しの下、米国ワシントン州のブルックス・スポーツが、(a)日本にアジア初の子会社ブルックス・スポーツ社を設立すると発表したこと、(b)カスタムプロデュース社(CPI)と提携していること、(c)カスタムプロデュース社が日本でのパートナーであること等が記載されている。
また、被請求人によれば、カスタムプロデュース社は、被請求人の日本における販売総代理店である。
(2)乙第8号証は、カタログであるところ、その表紙の右下に「BROOKS」、「CATALOG FALL 2014」の表示があり、該「BROOKS」の文字の左側には、ブーメラン様の白抜きの図形(以下「使用商標」という。)の表示があり、カタログの2葉目から5葉目には、商品「運動靴」が掲載されている。また、その5葉目の下部には、「お問い合わせ」として、電話番号や時間帯などが記載され、「カスタムプロデュース株式会社 千葉県我孫子市我孫子1-10-2YSビル2F」の記載があり、さらに、その右下には「2014.6」の表示がある。
2 判断
(1)本件商標の使用者について
被請求人は、カスタムプロデュース社と提携していること、及びカスタムプロデュース社は、被請求人の日本国内における販売総代理店であることからすれば、カスタムプロデュース社は、本件商標の通常使用権者というのが相当である。
(2)使用行為及び使用時期について
カタログには、その表紙に使用商標が表示されており、商品「運動靴」が掲載されている。また、その5葉目に、問い合わせ先として、カスタムプロデュース社の名称及び住所並びに「2014.6」の表示があることから、該カタログは、カスタムプロデュース社が取り扱う商品のカタログであって、2014年(平成26年)6月に発行したものと認められる。
そして、カスタムプロデュース社は、被請求人の日本における販売総代理店であり、カタログの問い合わせ先として記載されていること、及び該カタログの表紙に「CATALOG FALL 2014」と表示されており2014年秋の商品カタログであることからすれば、カスタムプロデュース社は、該カタログを、それが発行された2014年(平成26年)6月頃から秋にかけて頒布したと推認できる。
そして、2014年6月は要証期間内である。
(3)使用商品について
カスタムプロデュース社が、使用商標を付したカタログに掲載した商品「
運動靴」は、請求に係る指定商品に含まれる商品である。
(4)使用商標について
本件商標は、別掲のとおり、ブーメラン様の線書き図形からなるものであり、使用商標はブーメラン様の白抜き図形からなるものであるところ、これらは、線書きであるか白抜きであるかに差異を有するが、その態様を同じくするものであるから、本件商標と使用商標は社会通念上同一のものというのが相当である。
(5)上記(1)ないし(4)によれば、通常使用権者であるカスタムプロデュース社は、要証期間内にその請求に係る指定商品に含まれる「運動靴」に関する広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布した(商標法第2条第3項第8号)というのが相当である。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内において通常使用権者がその請求に係る指定商品に含まれる商品について本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2016-07-22 
結審通知日 2016-07-26 
審決日 2016-08-09 
出願番号 商願2003-34647(T2003-34647) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y25)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 大森 健司
中束 としえ
登録日 2003-12-26 
登録番号 商標登録第4737519号(T4737519) 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 特許業務法人 有古特許事務所 
代理人 三上 真毅 
代理人 藤倉 大作 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 辻居 幸一 

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