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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20178831 審決 商標
平成27行ケ10158 審決取消請求事件 判例 商標
不服201511642 審決 商標
平成26行ケ10029審決取消請求事件 判例 商標

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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W10
管理番号 1335224 
審判番号 不服2017-4248 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-03-24 
確定日 2017-12-05 
事件の表示 商願2016-15442拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第10類「温熱治療用器具,医療用温熱療法用装置,医療用温熱用パッド,医療用機械器具」を指定商品として,平成28年2月12日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同年8月1日付け及び当審における同29年5月8日付けの手続補正書により,最終的に,第10類「トルマリンを使用した温熱治療用具,トルマリンを使用した医療用温熱用パッド」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第1335081号商標(以下「引用商標」という。)は,「ホットパック」の片仮名を横書きしてなり,昭和50年5月13日に登録出願,第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同53年6月21日に設定登録され,その後,3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,また,平成21年7月22日に指定商品を第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,橙色で配色された,頬を赤く染めた寝顔と思しき人の顔の図形(以下「顔図形」という。)及びその右側に顔図形と繋がるように雲と思しき図形(以下「雲図形」という。)を同色で配し,雲図形中に,ややデザイン化された橙色の縁取りをした白抜き文字で,「ホットパック」の片仮名及びその上段にやや小さく「トルマリン」の片仮名を配した構成からなるところ,これらの図形と文字とが全体としてまとまりよく一体的に表されているとともに,その構成中の「トルマリン」の片仮名と「ホットパック」の片仮名についても,その大きさを異にするものの,顔図形から繋がる雲図形内に配置されていることもあり,両者がまとまりよく一体的に表されている印象を与えるものであり,これより生じる「トルマリンホットパック」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
さらに,本願商標構成中の該文字部分についてみるに,「トルマリン」の文字は,「電気石」を意味する比較的よく知られた鉱物の名称であり,該鉱物は圧電性を有する特質がある。他方,「ホットパック」の文字は,「[hot pack]温湿布。痛みや腫れを取り去るための熱い布。」(三省堂株式会社「コンサイスカタカナ語辞典第4版」)の意味を有するものとして載録され,また,南山堂医学大辞典には,「温熱療法」の見出し語の下,「温熱を利用した物理療法には伝導熱を利用した温罨法。ホットパックhot pack,パラフィン浴paraffin bathなど,幅射熱を利用した赤外線照射,熱気浴(熱気療法)など,高周波を利用した超短波,極超短波などの電気療法,水治療法としての巻包法,圧注法,温浴などがある。・・・」との記載があり,さらに,別掲2のとおり,医療用機械器具を取り扱う業界において,「ホットパック」の文字が「患部を温める」商品として使用されている状況もうかがえる。
そうすると,「トルマリン」及び「ホットパック」の文字は,本願商標の指定商品との関係においては,共に商品の出所識別標識としての機能が極めて弱いというべきであり,両語間に軽重の差はない。
してみれば,本願商標は,「トルマリン」及び「ホットパック」の文字を一体的に,あるいは,図形部分を含めた構成全体をもって不可分一体のものとして看者に把握されるというべきであって,構成中の「ホットパック」の文字のみが独立して認識され,該部分から生ずる称呼,観念をもって商取引に資されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
したがって,本願商標から「ホットパック」の文字を分離,抽出し,その上で,本願商標と引用商標とが類似するものとして,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標(色彩については,原本参照のこと)


別掲2 「ホットパック」の文字の使用例(下線は合議体による。)
(1)2017年9月18日付け朝日新聞(大阪地方版/石川 23頁)に,「(里山暮らし)自家製小豆3年物 都会の冷え性対策に 萩のゆき /石川県」の見出しの下,「年に数日は我が家にもクーラーがあったらと思う暑い夏もいつの間にか過ぎてしまった。・・・『小豆や玄米でつくったホットパックをあてるとじわっと温めてくれていいんですよ』。知り合いの鍼灸(しんきゅう)院の先生が言っていた。鉄の粉や活性炭の入ったカイロは乾熱といって文字通り乾いた温かさだ。それに対して電子レンジで温めた小豆のホットパックは小豆に含まれた水分が湿熱となり、体内への熱伝導率がとても高くなり温熱療法に向くものらしい。・・・」との記載がある。
(2)2015年11月17日付け中日新聞(朝刊 22頁)に,「紙上診察室 高橋明子さん カルシウムがたまる肩の痛み 安静にした後、運動を」の見出しの下,「Q 左肩が激しく痛み、受診するとカルシウムがたまっているとのことで注射してもらいました。・・・激しい痛みが治まったら、ホットパックや入浴などの温熱療法や、肩の動きをよくしたり筋力を強化したりする運動療法などのリハビリを必要に応じて行います。・・・」との記載がある。
(3)2015年3月8日付け日刊スポーツ(東京日刊)に,「『薬物&物理』療法も/健康連載」の見出しの下,「膝の痛みでQOL(クオリティーオブライフ=生活の質)が悪くなってしまう変形性膝関節症。・・・◎物理療法 膝を温めたり冷やしたりして痛みを和らげる治療法で、中等度までの患者に効果がある。行われているのは『温熱療法』『電気療法』『光線療法』『寒冷療法』など。温熱療法はホットパックや超音波などで患部を温め、血流を良くすることで筋肉をほぐし、痛み物質の排せつを促進させる。」との記載がある。
(4)2014年9月20日付け産経新聞(大阪朝刊 27頁)に,「【『好き』がスキルに 専門学校から】河村医院・綿村礼さん(26)(上)」の見出しの下,「□柔道整復師■やりがいは患者さんの言葉 肩や腰、膝の痛みは、年齢を重ねるに連れて経験するつらい疾患。・・・施術は、牽引(けんいん)機で腰を引っ張ったり、ホットパックという患部を温める機械を使ったりして進む。脱臼の治療など時には力わざも必要だ。・・・」との記載がある。

審決日 2017-11-21 
出願番号 商願2016-15442(T2016-15442) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W10)
T 1 8・ 261- WY (W10)
T 1 8・ 262- WY (W10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加藤 百宇豊田 純一 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 網谷 麻里子
酒井 福造
商標の称呼 トルマリンホットパック、トルマリン、ホットパック、ホット、パック 
代理人 小野寺 隆 
代理人 関口 正夫 

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