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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09
管理番号 1335222 
審判番号 取消2016-300783 
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-11-07 
確定日 2017-11-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第4664978号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4664978号商標(以下「本件商標」という。)は、「flowPoint」の欧文字を横書きしてなり、平成13年7月31日に登録出願、第9類「理化学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」並びに第6類及び第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同15年4月18日に設定登録がされ、その後、同25年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の予告登録日は、平成28年11月22日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標に係る第9類「全指定商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、甲第1号証を提出している。
本件商標は、その指定商品中、第9類「全指定商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用されていないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 被請求人について
被請求人は、世界最大の国際企業であるゼネラル・エレクトリック・カンパニイ(General Electric Company)のヘルスケア事業を行う関連会社であり、医療用機械器具の開発・製造・輸出・輸入・販売・サービスのほか、バイオテクノロジー関連機器、病院情報システム等の医療機器やネットワークやソフトウェアの保守など、非常に幅広い分野の商品を扱う企業である(乙1)。
2 本件商標の使用について
被請求人及び被請求人の通常使用権者は、以下の各証拠に示すとおり、本件商標を付した商品であって、第9類の指定商品に属する商品を、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において販売している。
(1)商品カタログ
乙第2号証は、被請求人製品マニュアルである。乙第2号証の表紙には、本件商標が付されている。被請求人製品は、乙第2号証に示されているとおりの商品であり、筐体(Chassis)、バルブ(Valves)、オペレーターインターフェイス(Operator interface)、電源ケーブル(Power Cord)及び接続ケーブル(Valve Cable)から構成されている。ここでいう、オペーレーターインターフェイス(Operator interface)とは、Hand-held terminal(手持ち端末)やRemote Computer(リモートコンピューター)など、被請求人製品の利用者が必要情報を入力することにより筐体を操作するためのものを示している。また、これらは、単体でも販売されている。
したがって、被請求人の製造販売する製品は、本件商標に係る第9類の指定商品に属する商品であるといえる。
乙第2号証は、本件商標に係る前の商標権者であるアプライド プレシジョン インコーポレイテッドにより作成されている。アプライド プレシジョン インコーポレイテッドは、かつて、被請求人の子会社であったが(乙3)、その後、被請求人に合併されるとともに、本件商標に係る商標権が被請求人へと移転されている。加えて、被請求人製品は、2011年に乙第2号証が製品マニュアルとして発行されて以降、現在に至るまで、その製品仕様等についての変更を行っていない。
したがって、被請求人は、2011年以降現在も、乙第2号証を被請求人の製品マニュアルとして継続して使用し続けている。このことは、後述する乙第6号証ないし乙第8号証からも明らかであるから、これらを鑑みると、被請求人が、第9類の指定商品に属する商品に本件商標を付し、本件審判請求の登録前3年以内に使用していることは明らかである。
(2)商品写真
乙第4号証及び乙第5号証は、現在販売されている被請求人製品に、本件商標が付されていることを示す写真である。乙第4号証は、被請求人製品の筐体に、本件商標が付されていることを示している。また、乙第5号証は、被請求人製品のバルブに、本件商標が付されていることを示している。
したがって、乙第4号証及び乙第5号証からも、被請求人が、第9類の指定商品に属する商品に本件商標を付し、本件審判請求の登録前3年以内に使用していることは明らかである。
(3)注文書
ア 乙第6号証ないし乙第8号証は、複数の日本企業によって作成された被請求人製品を注文するための注文書であり、被請求人製品が日本で販売されていることを示す書類である。乙第6号証及び乙第7号証は、平成28年5月27日付け及び同年6月14日付けにて株式会社テクノ・スズタが、被請求人製品を注文し、納入先であるエピクルー株式会社に被請求人製品を納品したことを示している。また、乙第8号証は、平成28年7月18日付けにて、堤化学株式会社が被請求人製品を注文し、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が、納入先である株式会社アルファウェーブに被請求人製品を納品したされたことを示している。
乙第6号証ないし乙第8号証の注文書の宛先である、GEヘルスケア・ジャパン株式会社は被請求人の日本法人である。また、被請求人とその日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社との関係は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社の会社案内(乙9)からも明らかである。
したがって、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が乙第6号証ないし乙第8号証による受注及び納品のために行った本件商標の使用は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が被請求人より黙示の許諾を受け、その使用を行っていたと考えるのが相当であるから、GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、被請求人の通常使用権者であるといえる。
イ 乙第6号証ないし乙第8号証は、商品コードとして、「53-71050-000」「53-14630-003」及び「53-146400-000」の数字が記載されている。これらの商品コードを乙第2号証中のTable12に記載されているPart Numberと照合すると、「53-710150-000」の商品コードは「Packaged flowPoint Valve」を、「53-14630-003」は、「flowPoint Control Chassis,3-Chamber (6-valve)」、「53-146400-000」は「Packaged flowPoint Valve」を示すものであると確認できる。
したがって、乙第6号証ないし乙第8号証の注文書では、下記の商品が株式会社テクノ・スズタ又は堤化学株式会社より注文され、注文書記載の納品先であるエピクルー株式会社又は株式会社アルファウェーブに納入されていることを示している。
ウ 乙第6号証ないし乙第8号証は、いずれも、平成28年に株式会社テクノ・スズタ又は堤化学株式会社により発行された書類であるから、被請求人から黙示の許諾を受けた通常使用権者たるGEヘルスケア株式会社が、第9類の指定商品に属する商品に本件商標を付し、本件審判請求の登録前3年以内に使用していることは明らかである。
3 まとめ
以上より、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいてその登録を取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 使用の事実について
被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、「被請求人ホームページ抜粋」の写しとするものであり、その1枚目ないし3枚目の下部中央には、それぞれ、「(C)(「(C)」の表示は、「C」の文字を丸で囲ったものである。以下同じ。)2017 General Electric Company doing business as GE Healthcare」の記載があり、同3枚目には、「Contact Us」として、「GE Healthcare Bio-Sciences」、「United States of America」、「Postal Address」及び「100 Results Way\Marlborough MA 01752」の記載がある。
(2)乙第2号証は、「被請求人の製品マニュアル」の写しとするものであり、その1枚目には、「flowPoint(R)(「(R)」の表示は、「R」の文字を丸で囲い、「t」の文字の右肩に小さく表示されているものである。以下同じ。)」、「Automated Flow Control System\Operator’s Manual\Revision D」及び「applied\precision」の記載があり、同2枚目には、「flowPoint(R) Flow Control System Operator’s Manual」、「(C) 2001-2011 Applied Precision,Inc.」、「Applied Precision,Inc.\1040 12th(『th』の文字は右肩に小さく表示されている。) Avenue NW\Issaquah, WA 98027」等の記載があり、同7枚目には、「SYSTEM DESCRIPTION」として、「System Components」の表示と共に、「・The Control chassis provides remote flow regulation by transmitting command and control signals to the remote-controlled valves.\・Valves adjust the gas flow as commanded.\・The Operator interface issues commands to the control chassis, which in turn performs the valve adjustment. The operator interface can be a hand-held terminal, remote computer, or analog interface.」との記載があり、同8枚目には、「Table 1. Components of a Three-Chamber System」として、「Component」の欄に「Hand-Held Terminal」等と、また、「Manufacturer Information」として、「flowPoint is manufactured by:\Applied Precision,Inc.」等の記載があり、同14枚目には、「Connecting the Hand-Held Terminal」として、「Connect the hand-held terminal to the control chassis with the control chassis powered down.」との記載及び「Hand-Held Terminal」がケーブルにより「Control chassis」に接続されることを示す図が表示され、同36枚目には、「REPLACEMENT PARTS LIST\Table 12. Replacement Parts and Part Numbers」として、「Part Description」の欄に「Hand-Held Terminal, with Cable and Bracket」と、当該「Hand-Held Terminal, with Cable and Bracket」の「Part Number」の欄に「53-146400-000」の記載がある。
(3)乙第3号証は、「アプライド プレシジョン インコーポレイテッドが被請求人の子会社であったことを示すホームページ」の写しとするものであり、その1枚目には、「2011年11月22日」、「GEヘルスケア(本社:英チャルフォント セントジャイルズ・・・)傘下のアプライド・プレシジョン社」、「GEヘルスケアについて\米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア」の記載があり、同2枚目には、「アプライド・プレシジョン社(GEヘルスケア子会社)について\1986年に設立されたアプライド・プレシジョン社は、ライフサイエンス産業とOEM市場での革新的な画像・測定・分析システムの提供において主導的な役割を果たしています。・・・アプライド・プレシジョン社の買収により、GEヘルスケアは製薬及びライフサイエンス研究における製品及びサービスを拡大することができます。」の記載がある。
(4)乙第7号証は、「平成28年6月14日付けの株式会社テクノ・スズタからの注文書」の写しとするものであり、その左肩上部に、「宛先:GEヘルスケア・ジャパン(株) 御中」の記載、同右肩上部に、「発注日 平成28年6月14日\株式会社テクノ・スズタ 商品センター」の記載、同中央の表に、「メーカー名/商品コード」欄の「GEヘスルケア\53-146400-000」、それに対応する「商品名\規格」欄の「0500-01073 HAND CNTLR PKG FLWP」、同じく「数量」欄の「1」及び「納品先/単価」欄の「エピクルー株式会社 本社」の記載、また、右下部に手書きで「即出荷 池田 6/15」の記載がある。
(5)乙第9号証は、「GEヘルスケアジャパン株式会社の会社案内」の写しとするものであり、その1枚目には、「GEヘルスケア・ジャパン 会社案内」、「GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、・・・米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門の中核を担うグローバル企業として、国内に開発・製造から営業・サービスまで一貫して抱える優位性を活かし、1982年の創業以来30年にわたって、社会が抱える医療課題を解決する先進的な製品・サービスを国内のみならず、全世界に発信しています。・・・GEグループの『healthymagination(ヘルシーマジネーション)』のビジョンのもと、・・・世界各国に発展していくことを目指しています。」及び「2015/4」の記載がある。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品及び本件使用商標について
乙第2号証において、同2枚目の、「flowPoint(R) Flow Control System Operator’s Manual」(審決参考和訳:flowPoint(R) 流体制御システムオペレーターマニュアル)、「(C) 2001-2011 Applied Precision,Inc.」及び「Applied Precision,Inc.」の記載、同7枚目の「・Valves adjust the gas flow as commanded.」(審決参考和訳:バルブは指示により気流を調節する。)の記載、並びに同8枚目の「flowPoint is manufactured by:\Applied Precision,Inc.」(審決参考和訳:flowPointはアプライド プレシジョン インコーポレイテッドにより製造されている。)の記載から、乙第2号証は、アプライド プレシジョン インコーポレイテッドが2001年から2011年用に作成した、同社の商品である気流制御システムに関する操作マニュアル(以下「操作マニュアル」という。)であると認められる。
また、乙第2号証には、同7枚目に、「SYSTEM DESCRIPTION」(審決参考和訳:システム説明)として、「System Components」(審決参考和訳:システムの構成)の表示と共に、「・The Control chassis provides remote flow regulation by transmitting command and control signals to the remote-controlled valves.\・・・\・The Operator interface issues commands to the control chassis, which in turn performs the valve adjustment. The operator interface can be a hand-held terminal, remote computer, or analog interface.」(審決参考和訳:コントロール筐体は遠隔操作されるバルブに指示制御信号を送ることにより遠隔で流体を制御する。\・・・\・オペレーターインターフェイスは、バルブ調節を順番に行うコントロール筐体に指示を出す。オペレーターインターフェイスには、手持ち端末、リモートコンピュータ又はアナログインターフェイスが用いられる。)の記載、同8枚目に、「Table 1. Components of a Three-Chamber System」として、「Component」の欄に「Hand-Held Terminal」(審決参考和訳:手持ち端末)の記載、同36枚目に、「REPLACEMENT PARTS LIST\Table 12. Replacement Parts and Part Numbers」(審決参考和訳:交換用部品\テーブル12. 交換用部品及び部品番号)として、「Part Description」(審決参考和訳:部品説明)の欄に「Hand-Held Terminal, with Cable and Bracket」(審決参考和訳:ケーブル及びブラケット付き手持ち端末)と、その「Part Number」(審決参考和訳:部品番号)の欄に「53-146400-000」の記載があることからすれば、該システムの交換用部品として、コントローラー筐体に指示を送る手持ち端末(「以下「手持ち端末」という。)が使用されており、この「手持ち端末」の部品番号は、「53-146400-000」である。併せて、乙第7号証の「注文書」において、上記商品コード「53-146400-000」及び商品名等を用いて注文がされていることから、「手持ち端末」が独立して商取引されていることが認められる。
次に、上記操作マニュアル(乙2)の1枚目には、「flowPoint(R)」の文字が表示されているところ、該文字の態様は、その構成中の「flow」の文字部分を細字で、同「Point」の文字部分を太字で、また、両文字をスペースを設けることなく右斜体で表されていることから、本件商標と同一の商標であるといえる。
また、交換用部品である「手持ち端末」は、本件審判請求に係る指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品である。
そうすると、「手持ち端末」は、気流制御システムの交換用部品として、それ自体独立して商取引されることは上記のとおりであるところ、該システムを販売するに際して、操作マニュアルが添付、頒布されることが推認されるものであり、該システムに関する操作マニュアルに表示された本件商標は、同操作マニュアル内に掲載されている商品である「手持ち端末」の出所を表示するための商標として使用されているというのが相当である。
(2)使用者について
本件商標は、その商標登録原簿を徴するに、平成26年3月28日受付で、アプライド プレシジョン インコーポレイテッド(住所:アメリカ合衆国 ワシントン州 98027-8929 イサッカー トゥエルフス アベニューノースウエスト 1040、以下「前商標権者」という。)から被請求人へ一般承継により移転されている。
そして、前記1(3)で述べた乙第3号証の記載によれば、2011年(平成23年)11月22日において、前商標権者は、米ゼネラル・エレクトリック社(以下「GE社」という。)のヘルスケア事業部門を担うGEヘルスケアの子会社であったということができる。
また、乙第1号証は、その3枚目に「GE Healthcare Bio-Sciences」、「United States of America」、「Postal Address」及び「100 Results Way\Marlborough MA 01752」の記載があることから、被請求人のホームページと認められるところ、該書証における1枚目ないし3枚目の「2017 General Electric Company doing business as GE Healthcare」の記載から、GE社は、2017年(平成29年)において、GEヘルスケアと称して事業を行っている旨を被請求人のホームページで表示していることが認められる。
一方、2015年(平成27年)4月に作成されたGEヘルスケア・ジャパン株式会社の「会社案内」(乙9)によれば、同社は、同月頃には、GE社のヘルス事業部門の中核を担い、日本国内のみならず世界的に活動するグローバル企業であったといえる。
また、被請求人は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社が被請求人の子会社である旨主張している。
そうすると、被請求人の主張及び提出された証拠を総合的に勘案すれば、少なくとも、被請求人及びGEヘルスケア・ジャパン株式会社は、共にヘルス事業を行う、GE社を親会社とするグループ企業であると認められることから、遅くとも平成27年4月以降、GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、本件商標の使用について、被請求人から黙示の許諾を受けていた通常使用権者であるとみて差し支えないものである。
(3)使用時期及び使用場所について
「注文書」(乙7)は、その左肩上部に、「宛先:GEヘルスケア・ジャパン(株) 御中」の記載、同右肩上部に、「発注日 平成28年6月14日\株式会社テクノ・スズタ 商品センター」の記載、同中央の表に、「メーカー名/商品コード」欄の「GEヘスルケア\53-146400-000」、「商品名\規格」欄の「0500-01073 HAND CNTLR PKG FLWP」、「数量」欄の「1」及び「納品先/単価」欄の「エピクルー株式会社 本社」の記載、また、右下部に手書きで「即出荷 池田 6/15」の記載があり、この記載中の商品コード「53-146400-000」に対応する商品は、操作マニュアル(乙2第36枚目)の「REPLACEMENT PARTS LIST」に照らせば、上記(1)で述べたとおり、「手持ち端末」である。
そうすると、通常使用権者であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社は、平成28年6月14日に株式会社テクノ・スズタ商品センターから「53-146400-000」の商品コードを有する「手持ち端末」等についての注文を受け、翌15日以降にエピクルー株式会社本社へ出荷、納品したと推認できるものであり、上記の日付は、要証期間内のものである。
また、操作マニュアル(乙2)は、英文によるものであるが、該マニュアルが2001年(平成13年)から2011年(平成23年)に前商標権者によって作成されたこと、前商標権者から被請求人への本件商標権の一般承継が要証期間内の平成26年3月28日であること、及び日本国内企業から通常使用権者であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社に宛てた交換用部品の注文書(乙7)からすれば、前商標権者が気流制御システム全体の操作マニュアルとして作成したものであって、該システムの販売の際に添付して頒布され、該システムの日本国内の購入者は、交換用部品の購入の際に操作マニュアル内に記載された各交換用部品の商品コードを参照して注文を行っていると推認されることから、被請求人の商品は2011年(平成23年)の操作マニュアル発行以降にその仕様が変更されておらず、本件商標権の一般承継後も英文である操作マニュアルが継続して使用され続けているという被請求人の主張は不自然ということはできない。
(4)小括
以上を総合すると、平成28年6月頃に、本件商標の通常使用権者であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社が、本件商標と同一の商標を本件審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品「手持ち端末」について、その商品及び当該商品が部品として組み込まれた気流制御システムと共に頒布される商品の操作マニュアルに付して、日本国内で頒布していたというべきである。
そうすると、通常使用権者の上記行為は、「商品・・・に関する・・・取引書類に標章を付して・・・頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が、請求に係る指定商品に含まれる商品「手持ち端末」について本件商標の使用をしていたことを証明したといえる。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-06-12 
結審通知日 2017-06-16 
審決日 2017-06-27 
出願番号 商願2001-69698(T2001-69698) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z09)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 藤田 和美
酒井 福造
登録日 2003-04-18 
登録番号 商標登録第4664978号(T4664978) 
商標の称呼 フローポイント 
代理人 藤倉 大作 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 辻居 幸一 
代理人 松尾 和子 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 苫米地 正啓 
代理人 一色国際特許業務法人 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 

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