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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2535
審判 全部申立て  登録を維持 W2535
審判 全部申立て  登録を維持 W2535
審判 全部申立て  登録を維持 W2535
管理番号 1334553 
異議申立番号 異議2016-900160 
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-06-16 
確定日 2017-07-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5835090号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5835090号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5835090号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成27年9月25日に登録出願、第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,帽子」及び第35類「ファッションショーの企画・運営(販売促進のためのもの),顧客管理,卸売店及び小売店の事業の管理,小売店のためのショーウィンドーの装飾,通信販売の受注管理及び発注管理,通信販売による被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,広告の代理,販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介,被服の販売の取次又は仲介」を指定商品及び指定役務として、同28年2月5日に登録査定、同年3月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1073689号商標(以下「引用商標」という。)は、「MO&Co.」の欧文字を横書きしてなり、2010年10月20日にPeople's Republic of Chinaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)3月28日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, namely, T-shirts, shirts, athletic uniforms, undershirts, underpants, dresses, pajamas; shoes; hats; shawls; hosiery; coats; belts (clothing); trousers; skirts; gloves (clothing); children's clothing; bathing suits; waterproof clothing; theatrical costumes; wedding dresses.」を指定商品として、平成23年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)商標法第4条1項11号について
ア 称呼について
本件商標は、「MIMO&CO」を書してなるものであるから、これより「ミモコ」の称呼を生じ、また、「&」で区切ったとしても、「ミモ アンド コ」の称呼を生ずる。他方、引用商標は、「MO&Co.」を書してなるものであるから、これにより「モコ」の称呼を生じ、また、「&」で区切ったとしても、「モ アンド コ」の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標は、共に「モコ」もしくは、「モ アンド コ」の称呼を生ずることが明らかであるから、その称呼において類似の商標である。よって、語数、語調、語感が類似して称呼上相紛れるものであり、これらは出所の混同が生じるものである。
イ 外観について
本件商標は、動物のような図及びデザインされた欧文字「MIMO&CO」からなるものである。他方、引用商標は、「MO&Co.」をデザインして書してなるものの、需要者が引用商標から抽出される外観は、造語である「MOCO」の単語であると想起するものである。
よって、本件商標と引用商標は外観上差異がなく、類似するものである。両商標を時と所を異にして観察した場合において、本件商標と引例商標は外観上識別することができず、取引上相紛れるものであり、これらは出所の混同が生じるものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標は、「MIMO&CO」及び「MO&Co.」で、「MO&CO」の特定の観念を生じるものであり、観念的に類似するものである。需要者をして、本件商標と引用商標から抽出される観念は同じものを想起するものである。そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条1項19号について
引用商標は、中華人民共和国その他の外国において広く認識されている。
申立人は、引用商標を2003年から使用しており、中国、香港、台湾、メキシコ、マレーシア、カナダ、南アフリカ、フランス、フィンランド、ニュージーランド、デンマーク、シンガポール、オーストラリア、イタリア等の40の国や地域において既に商標登録されている(甲1)。その他の多数の国や地域にも商標登録出願中である(甲2)。このように、申立人の引用商標は、中国をはじめ世界各国で商標登録されているか、又は登録出願中である。当該引用商標の指定商品は国際分類表第25類に属するものであり、世界中で権利を取得しているか、又は取得しようとしているものである。
日本においても、引用商標が付された商品がインターネットを中心に販売されており、引用商標が付された商品を容易に見いだすことができ、特にこの分野について有名な企業の商標と認識されている。
申立人は、2003年に被服等ファッションの専門メーカーとして中国において設立され、それらに関連する商品を、研究、開発、生産する、世界で著名な企業である(甲3)。申立人は、引用商標を2003年に独自に考案し、継続的かつ広範に使用してきた。引用商標が世界中に普及してきており、実質的な評判や高い信頼を得て、申立人が貿易を行っている世界各国や公共の間で周知、著名性を獲得するに至った。
このように、申立人は中国その他の外国において、引用商標を付した商品を多角的に販売しており、多くの需要者が引用商標を知るところである(甲4)。
以上のような事実からすれば、引用商標は、本件商標の出願日の時点で、申立人の業務にかかる商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及びその主張によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、引用商標を2003年から使用しており、中国、ニュージーランド、台湾等の諸外国に「MO&Co.」の欧文字の商標及び当該欧文字を含む商標を、商標登録又は商標登録出願している(甲1、甲2)。
(イ)甲第4号証は、引用商標「MO&Co.」を付した製品のインターネットでの販売案内とされるもので、これには、女性モデルの写真、店内に服をディスプレイした店舗の写真及びインターネットのウェブサイト等が確認できる。
イ 上記アによれば、申立人が「MO&Co.」の欧文字の商標及び当該欧文字を含む商標を世界各国で商標登録又は商標登録出願していること、及び申立人が「MO&Co.」の商標を商品「被服」に使用していることが認められる。
しかしながら、申立人が、甲第4号証において提出する証拠の女性モデルの写真、店内に服をディスプレイした店舗の写真及びインターネットのウェブサイト等は、その撮影日、作成日等が不明であるばかりでなく、申立人が、引用商標をその指定商品に使用して行う営業の規模(店舗数、営業地域、販売量等)、広告宣伝の方法、回数及び内容を確認できる具体的な証拠は提出されていない。
したがって、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、本件商標の登録出願時に、我が国、中国及びその他の外国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1号第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、赤色で、左向きの犬と思しきシルエットの図形と「Mimo&Co」の欧文字とを上下二段に表してなるところ、該図形部分と文字部分とは、これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせず、それぞれが独立して自他商品及び役務の識別機能を果たし得るものというべきである。
そして、その構成中の「Mimo&Co」の文字部分は、視覚上、赤色の同じ書体でまとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字に相応して生じる「ミモアンドコー」又は「ミモアンドシーオー」の称呼は、無理なく一連に称呼できるものである。
また、本件商標は、全体として特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められず、本件商標の文字部分である「Mimo&Co」の欧文字は、辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
してみれば、本件商標は、「ミモアンドコー」又は「ミモアンドシーオー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「MO&Co.」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、同じ書体で視覚上まとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字全体に相応して生じる「モーアンドコー」又は「エムオーアンドシーオー」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。
また、該文字は、その構成文字全体として、辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
してみれば、引用商標は、「モーアンドコー」又は「エムオーアンドシーオー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観においては、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、その全体の文字構成及び図形の有無などにおいて、明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、両者は、その音構成及び音数において、明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別されるものである。
そして、観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに区別し得るものであるから、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1号第19号該当性について
本件商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることができないものであり、また、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異の商標である。
さらに、申立人の提出に係る甲各号証をもってしても、商標権者が申立人の引用商標に化体した業務上の信用を利用して不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実を見いだすことができない。
そうすると、本件商標は、引用商標の出所表示機能を希釈化し、又は名声を毀損させるなどの不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標(色彩については、原本を参照。)



異議決定日 2017-06-30 
出願番号 商願2015-93111(T2015-93111) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W2535)
T 1 651・ 262- Y (W2535)
T 1 651・ 222- Y (W2535)
T 1 651・ 261- Y (W2535)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大房 真弓 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 木住野 勝也
榎本 政実
登録日 2016-03-18 
登録番号 商標登録第5835090号(T5835090) 
権利者 ベスティディトス エスエー
商標の称呼 ミモアンドカンパニー、ミモカンパニー、ミモ 
代理人 庄司 隆 

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