• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2017650003 審決 商標
不服20179050 審決 商標
不服20151139 審決 商標
不服20179049 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 無効としない W3637
管理番号 1334470 
審判番号 無効2015-890094 
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-11-17 
確定日 2017-11-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第5675530号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5675530号商標(以下「本件商標」という。)は,「音楽マンション」の文字を標準文字により表してなり,平成25年5月9日に登録出願,第36類「建物の管理,建物の貸与,建物の売買,建物又は土地の情報の提供」及び第37類「建設工事,建設工事に関する助言」を指定役務として,同26年5月20日に登録査定,同年6月6日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
(1)甲第1号証(1989年4月10日付け朝日新聞夕刊)
音楽マンションの用語の意味は,甲第1号証には,記事の見出しとして「音楽マンション」という語が普通名称的に用いられている。また,音楽マンションとは,「近所に気がねせず,思う存分,楽器練習」ができるマンションであるという品質等が紹介されている。
(2)甲第2号証(2002年8月7日付け日経産業新聞12ページ)
甲第2号証には,請求人である株式会社リブランが,「遮音性に優れた音楽マンションを本格展開する」旨が記載されている。そして,この音楽マンションは,「隣室への音漏れを60?65デシベル減らすことができ,ピアノを演奏しても隣室では人間のささやき声程度にしか聞こえない」という品質等を備えていることが紹介されている。
この甲第2号証の内容から音楽マンションは,近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができる品質等を備えたマンションを示すものであることは明らかである。
(3)甲第3号証(2004年4月13日付け住宅新報のコラム「大言小語」)
甲第3号証には,コンセプトマンションの1つとして,「音楽マンション」が示され,それは,ほとんど普通名称的に使用されている。また,この記事の中にいろいろなコンセプトが紹介されているが,そのほとんどが,コンセプトだけで内容をある程度把握できるものばかりである。このような中で,音楽マンションといえば,楽器等の音対策がされた品質等を備えたマンションであることも容易に推測できる。
(4)甲第4号証(2000年4月1日発行新建築第210ページ)
甲第4号証には,音楽マンションとは,音対策が十分にされ,近所に気がねせず,思う存分,楽器練習ができる品質等が備わっているマンションであることが詳細に紹介されている。
(5)甲第5号証(2008年3月発行音響技術43?47ページ)
甲第5号証には,音を楽しむ空間というコンセプトで音楽マンションが紹介されている。そこには各部屋に遮音効果が優れた音楽室を備える構造が紹介されている。
(6)甲第6号証(平成12年度のグッドデザイン賞の賞状)
甲第6号証は,請求人である株式会社リブランが「音楽マンション」についてグッドデザイン賞を受賞したときの賞状である。この賞状には「音楽マンション」が普通名称的に使用されている。
(7)甲第7号証(請求人である株式会社リブランが商標「音楽マンション」を出願したときの拒絶理由通知書及び拒絶査定謄本)
請求人は,2002年に商願2002-073996である「音楽マンション」を出願したが,甲第7号証に示す拒絶理由通知書(甲7の1)が通知され,その出願は最終的に拒絶査定(甲7の2)になっている。
そして,上記拒絶理由通知書では,「1989.04.10 大阪夕刊 12項 朝日新聞」(本件の甲1の1)を参考例にしながら,次のような主張がされた。すなわち,「音楽の演奏が可能なマンション」のキャッチフレーズ的意味合いを認識させるに止まる「音楽マンション」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから,これを本願指定商品(役務)に使用しても,これに接する需要者は,上記品質に係る関係の商品(役務)であると認識するにとどまり,需要者が何人かの業務に係る商品(役務)であるかを認識することができないものと認める,というものであった。
このような拒絶理由のもとで,甲第7の2号証に示すように拒絶査定の判断がされたものである。
そして,上記商願2002-073996の拒絶査定の当時と,本件商標の登録時との間で,1989年4月10日付け朝日新聞夕刊に記載された「音楽マンション」に対する社会的認識が変化しているとは考えられない。
(8)総括
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に違反してされたものであるから,同法第46条第1項第1号により,無効とすべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)「音楽マンション」が被請求人によって創作された造語か否か
創作とは,新しいものを創り出すことである。しかし,甲各号証からも明らかなように,「音楽マンション」という用語は,本件商標にかかわる商標登録出願の前に,すでに頻繁に用いられていたもので,創作とはいい得ないこと明らかである。例えば,甲第1号証ないし甲第6号証からも,「音楽マンション」という概念が一般に用いられていること明らかである。これに対して被請求人は,例えば甲第1の1号証に対して答弁書4ページの第12行ないし第15行で次のように主張している。「・・・これは単にマンションのオーナーの思いをいっているだけであって,当該記事見出しが,このマンションをどのような品質を備えたマンションとして捉えて「音楽マンション」と表現しているのか定かではない。」と主張している。
しかし,新聞の見出しが,特定の個人の思いをいっているだけとは,証拠認定の論理に飛躍がありすぎ,一般常識では考えられない。また,この朝日新聞の記事は,記事の内容からして,「音楽マンション」という概念のマンションが販売されたという事実を報道するためのもので,「音楽マンション」というタイトルは記事内容を端的に示すものととらえるのが無理のない解釈である。
そして,上記甲第1号証ないし甲第6号証及び新たに提出した甲第8号証ないし甲第10号証のそれぞれに「音楽マンション」という用語が用いられている。しかも,これら甲各号証に示された「音楽マンション」は,音楽を演奏できるマンションを意味していることは明らかである。
したがって,音楽マンションという用語は被請求人が創作したものでもなく,今までにはない造語でもない。もし,甲号証の存在にもかかわらず,「音楽マンション」は,被請求人が創作したもので,造語であるとするなら,すべての甲号証との対比の中で,造語である旨を具体的に論証すべきである。また,被請求人は,「音楽」と「マンション」とは別の概念であり,それらを結合したものは造語であると主張している。しかし,「音楽マンション」という用語が甲各号証に多数掲載されている以上,「音楽」と「マンション」とを結合した「音楽マンション」が,造語とはいい得ないこと明らかである。
(2)被請求人の自白の事実
被請求人は,「本件商標は,かかる音楽との関連性が『暗示』される・・・」と述べている。つまり,被請求人は,「音楽マンション」は,指定役務である「建物の管理」等との関係で,音楽に関連性を有する建物の管理等を暗示するものであることを認めたことになる。
なお,被請求人は,「音楽」と「マンション」との関連性について,答弁書の第3ページで「例えば,『音楽の演奏が可能なマンション』『音楽がBGMとして流れているマンション』『有線放送で音楽が聴けるマンション』『音楽の生演奏が聴けるマンション』『音楽の定期演奏会が開催されるマンション』『音楽家が暮らすマンション』『音楽を習うことができるマンション』『音楽ホールや音楽スタジオを併設するマンション』『音楽を配信するマンション』『音楽を聴かせた建材を用いたマンション』『音楽のように心地よく,軽やかなイメージのマンション』『オーディオマニア向けのマンション』『音楽一家の家族向けのマンション』『音楽交流のためのマンション』等の複数の意味合いを連想し得るものである。」と主張している。
しかし,「音楽マンション」が上記のマンションを連想させること自体,本件商標が,まさに商標法第3条第1項第6号に該当する識別力のない商標といえる証左である。特に,本件商標の指定役務は,第36類「建物の管理,建物の貸与,建物の売買,建物又は土地の情報の提供」及び第37類「建設工事,建設工事に関する助言」であって,「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」の管理等を指定役務にしているわけではない。
したがって,音楽と関連する建物の管理等が連想されれば,商標法第3条第1項第6号に該当し,当該商標の識別力が否定されることになる。上記のことからも明らかなように,被請求人は,本件商標には識別力がないことを自ら認めていることになる。
(3)被請求人の識別力に関する認定の誤り
被請求人は,答弁書第4ページ第13行ないし第20行で「当該記事見出しが,このマンションをどのような品質を備えたマンションとして捉えて『音楽マンション』と表現しているのか定かではない。 ・・・よって,甲第1号証では,『音楽マンション』の文字が『近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション』を示す普通名称として使用されているとは言えない。」と主張している。
しかし,請求人は,「本件商標」が普通名称であると主張しているのではない。あくまでも,商標法第3条第1項第6号に該当する旨を主張しているのであって,この点において被請求人の主張は明らかに誤りである。
また,商標法第3条第1項第6号は,「需要者が何人かの業務にかかわる商品又は役務であることを認識できない商標」に該当するか否かを問題にしているのであって,指定役務の品質を問題にしているのでもない。
さらに,被請求人は,答弁書第4ページ第18行ないし第20行で「『音楽マンション』の文字が『近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション』を示す普通名称として使用されているとは言えない。」と主張している。しかし,識別力の有無を判定するときに,使用の事実など問題にならない。
したがって,前記した被請求人が指摘したように,本件商標が,建物との間で音楽との関連性が「暗示」されれば,本件商標は,需要者が何人かの業務にかかわる役務であることを認識できない商標といえるとともに,本件商標は商標法第3条第1項第6号に該当する商標である
(4)商標法第3条第1項第6号の認定と法的安定性の確保
被請求人は,「出願商標が何であれ・・・・登録商標の効力には影響がないことはいうまでもないことである。」と主張している。
しかし,請求人は,先願権の存否を問題にしているのではない。商標法第3条第1項第6号の適用については,社会的な価値観あるいは認識の変化がない限り,先例が尊重されるべきである旨を主張しているだけである。特に,識別力がないと判定された商標は,その時点で,先願商標の有無にかかわらず,独占性が否定され,万人が通常のビジネスを行う上で,自由使用領域にある商標として認められたものである。
このように,一端,自由使用領域にあるものと認められた商標について,後日,商標権が認められれば,ビジネスの自由が阻害されることになり認められるべきではない。特に,独占権というのは,国民の基本的人権である自由を犠牲にして成り立つものであるから,独占権は,国民の自由とのバランスの中で,公平に判定されなければならない。
このような観点からすると,一端,自由使用領域にあると認められた商標は,当該商標について,社会的な価値観の変化あるいは認識の変化がない限り,独占権として認められるべきではない。ひるがえって,本件商標は,甲第7号証の3からも明らかなように,請求人が2002年に特許庁に出願した商標(以下「請求人商標」という)と同一である。しかも,この請求人商標は,甲第7の1号証および甲第7の2号証からも明らかなように,商標法第3条第1項第6号に該当するものとして拒絶査定になったものである。
(5)「音楽マンション」についての価値観あるいは認識の変化について
本件商標の登録時よりさかのぼること25年前である1989年にすでに「音楽マンション」という用語が使用されている(甲1)。この記事内容からみれば,「音楽の演奏が可能なマンション」という認識を読取ることができる。そして,甲第4号証(2000年発行)及び甲第6号証(2000年受賞),甲第2号証(2002年発行),甲第3号証(2004年発行),甲第5号証(2008年発行)のそれぞれに,「音楽マンション」という用語が使用されており,それらは,すべて「音楽の演奏が可能なマンション」であることは容易に想定できるものである。
このように長きにわたって使用されてきた「音楽マンション」が,近年,「音楽の演奏が可能なマンション」という概念を含まなくなったという価値観の変化や認識の変化をもたらす社会的な現象もない。
なお,被請求人からは,上記甲第4号証(2000年発行)及び甲第6号証(2000年受賞),甲第2号証(2002年発行),甲第3号証(2004年発行),甲第5号証(2008年発行)のそれぞれの年代から,本件商標の査定時である2014年5月21日までの間に,「音楽マンション」の概念が変化したという立証もなされていない。また,甲第7の1号証,甲第7の2号証及び甲第7号証の3にかかわる商標登録出願の指定役務は第36類のみであるが,第37類の建設工事及び建設工事に関する助言に関しても,音楽の演奏が可能なマンションの建設工事及びその助言としてとらえることができる。
したがって,第37類についても商標法第3条第1項第6号の規定に該当すること明らかである。上記したように,本件商標である「音楽マンション」を本件指定役務に使用しても,これに接する需要者は,「音楽の演奏が可能なマンション」を連想し,需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものと認められる。
以上のとおり,商標法第3条第1項第6号の認定については,社会的な価値観の変化あるいは認識の変化がない限り,先例が尊重されるべきであり,その先例に反する認定は,国民の自由を阻害することになり,商標法秩序を著しく阻害するものである。
(6)新たに提出した証拠である甲第8号証ないし甲第13号証について
ア 甲第8号証ないし甲第10号証について
これら甲第8号証ないし甲第10号証は,すべて請求人が提供する音楽マンションについてのものであるが,商標法第3条第1項第6号は,識別力を失う要因が何であるかを問題にするものではない。客観的に識別力の有無が判断されるものである。したがって,甲第8号証ないし甲第10号証が,請求人が関係したものであっても,「音楽マンション」が識別力を失った要因になることは当然である。
イ 甲第8号証について
甲第8号証は,請求人である株式会社リブランが定期的に発行している「Publicity News」のうち,2002年5月ないし2003年4月までのニュースをまとめたものである。この甲第8号証の第21ページには,「リブラン音楽マンションを本格展開」という日本経済新聞の2002年8月29日の記事が掲載されている。この甲第8号証の記事内容と,2002年8月7日付け日経産業新聞の記事である甲第2号証の記事内容とからも明らかなように,「音楽マンション」を総称的に使用しながら,請求人が管理するマンションを「ミュージション」として説明している。
ウ 甲第9号証について
甲第9号証は,請求人が定期的に発行している「Publicity News」のうち,2004年4月ないし2005年3月までのニュースをまとめたものである。そして,甲第9号証の第24ページには,雑誌「Forbes/Japan」の2005年2月号の記事が掲載されている。記事には,「自宅で音楽を楽しみたい人のためのマンションを提供」というタイトルがあり,その上段右から第3行から第4行に「音楽マンション『ミュージション』」という記載がある。
これは音楽マンションという記載によって,建物が音楽を楽しみたい人のためのマンションであることを一般的に示しながら,当該マンションが,請求人が管理するマンションであることを示す「ミュージション」という商標を使用して,その特異性を説明している。
また,甲第9号証の第30ページには「PIPERS」の記事が掲載されている。なお,「PIPERS」とは,株式会社杉原書店が発行する管楽器専門の雑誌である。この「PIPERS」の記事には,その左欄に請求人が「ミュージション」というマンションを販売している旨が記載され,その中欄に「こうした『音楽マンション』が発売されるのは極めて珍しい」といった内容が記載されている。この記事でも,「こういった音楽マンション」といった使い方をして,「音楽マンション」を総称的に使用し,総称的な音楽マンションと,請求人が管理するマンションである「ミュージション」とを区別して,請求人が管理するマンションの特異性を説明している。
さらに,甲第9号証の第34ページには,写真の右側に「音楽マンション」の文字がある。そして,請求人が管理するマンションには「ミュージション」という商標を使用して,他の音楽マンションと識別できるようにしている。
エ 甲第10号証について
甲第10号証は,請求人である株式会社リブランの代表取締役鈴木雄二の著書で2011年2月28日発行の「満室賃貸革命」である。甲第10号証の目次における第2章ないし第4章にかかわる部分に「音楽マンション」という語が頻繁に出てくる。ただし,この著書では,音楽マンションと請求人が管理する「ミュージション」とをはっきりと区別して使用している。また,甲第10号証の第50ページには,「私が提案するのが,音楽マンション『ミュージション』です」とある。このような使い方は,「音楽マンション」を当該マンションの総称として使用し,著者が提案するのは「ミュージション」であることを示している。そして,第50ページ,第51ページには「ミュージション」の命名の由来等が詳しく書かれている。さらに,第54ページ,第55ページにも「音楽マンション」を総称的に使用し,「ミュージション」を商標的に使用することによって,両者を区別している。そして,甲第10号証では,一貫して「音楽マンション」と「ミュージション」とを明確に区別し,請求人が管理するマンションには「ミュージション」を使用し,総称的には「音楽マンション」を使用している。過去において,このような使い方をされているということは,少なくとも,甲第10号証を手にした読者は,「音楽マンション」は,「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」であり,その中で「ミュージション」は請求人が管理する特異性を持ったマンションであるという認識を持つはずである。
オ 甲第11号証について
甲第11号証は,2004年5月20日に発行された小学館の雑誌「DIME」の第33ページにある記事である。この記事は,第9号証の第34ページで紹介されているものである。
カ 甲第12号証について
甲第12号証は,2010年6月2日に発行された季刊雑誌「Home Theater」である。この雑誌の第158ページ,第159ページに,「ミュージション野方」の記事が掲載されている。この記事の中でも「リブランさんが川越や新江古田で管理・展開している音楽マンションの“ミュージション”を知りました。」とある。このように,実際のオーナーも「音楽マンション」は総称的に使用し,「ミュージション」は個別のマンション名として,区別して使用していることが明らかであり,社会的にも音楽マンションの概念が認知されているものといえる。
キ 甲第13号証について
甲第13号証は,2010年12月13日発行の「全国賃貸住宅新聞」である。この新聞の第12面に「遮音性能に優れた音楽マンション」の見出しがあり,遮音性能に優れたマンションの総称として「音楽マンション」が使用されている。そして,記事の中では「ミュージション川越」「ミュージション志木」というように,請求人が管理するマンション名として「ミュージション」が使用されている。新聞の読者は,「音楽マンション」は,遮音性能にすぐれたマンションを総称するものであり,その中で「ミュージション」は請求人が管理する特異性を持ったマンションであるという認識を持つはずである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 本件商標について
本件商標は,「音楽マンション」の文字を同書同大等間隔で横一列に,いずれの文字も軽重の差がなく,一体不可分に書した構成からなるものであって,広辞苑第六版(株式会社岩波書店・発行)によると,本件商標中,前段の「音楽」については「音による芸術」を意味する語,後段の「マンション」については「中高層の集合住宅」を意味する語としての記載がある(乙1)。
そうであれば,本件商標からは,「音による芸術と何らかの関連性のあるマンション」という観念が生じる。すなわち,「音楽」と「マンション」との関連性において,本件商標からは,例えば,「音楽の演奏が可能なマンション」,「音楽がBGMとして流れているマンション」,「有線放送で音楽が聴けるマンション」,「音楽の生演奏が聴けるマンション」,「音楽の定期演奏会が開催されるマンション」,「音楽家が暮らすマンション」,「音楽を習うことができるマンション」,「音楽ホールや音楽スタジオを併設するマンション」,「音楽を配信するマンション」,「音楽を聴かせた建材を用いたマンション」,「音楽のように心地よく,軽やかなイメージのマンション」「オーディオマニア向けのマンション」,「音楽一家の家族向けのマンション」,「音楽交流のためのマンション」等の複数の意味合いを連想し得るものである。
本件商標は,かかる音楽との関連性が「暗示」されるものの,「音楽マンション」の語が指定役務との関係において,直ちに特定の意味合いを持って親しまれ,特定の役務の質,特性等を具体的に表示するものとして,一般に理解されているとは認め難いものである。特に,請求人が主張するように「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」を示すものとして一般に知られている事実はなく,請求人の提出した証拠には,これを客観的に立証する証拠はないといわざるを得ない。
なお,本件商標が自他役務識別力を有する点については,審査においても,商標法第3条第1項第6号違反の拒絶理由通知(乙2の2)に対する意見書において,詳細に主張している(乙2の3)。本件商標は,この主張が認められて登録されている(乙2の1,乙2の4)。
2 請求人提出の証拠について
(1)請求人は,「音楽マンション」の語が「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができる」という品質を備えたマンションを示すものとして普通名称的に使用されていると主張し,その証拠として,甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
甲第1号証は,1989年4月10日付け朝日新聞夕刊(甲1の1,甲1の2)であり,確かに,記事の見出しとして「音楽マンション」の文字が使用されている。しかし,このマンションは「演奏サロン,レッスン室完備,各室ピアノ付きという完全防音女子の学生専用のマンション」とのことであり,「各部屋は…(中略)…,その一角に完全防音,ピアノ備え付けのカプセルを使っている。…(中略)…仲間同士のミニコンサートやイベントなどを多目的に利用できるサロンには最高級のフルコンサート・ピアノやチェンバロがある。」という特徴を有するこのようなマンションを,記事見出しの12語という語数制限の中で表現すると「音楽マンション」になったにすぎない。
この点,同じ記事中にある写真に付された説明文には,「オープンした女子学生専用の“ミュージックマンション”」と記載されていることからも,「音楽マンション」が普通名称的に使用されてはいないことが推察できる。
なお,この記事中には「『近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習を』と,音楽家夫婦が建設した。」とあるが,これは単にマンションのオーナーの思いをいっているだけであって,当該記事見出しが,このマンションをどのような品質を備えたマンションとして捉えて「音楽マンション」と表現しているのか定かではない。すなわち,「仲間同士の音楽を通じたふれあいができるマンション」なのか,「レッスン室完備のマンション」なのか,「各室ピアノ付きマンション」なのか,「完全防音のマンション」なのか,あるいは,それらすべてを備えたマンションなのかが不明である。よって,甲第1号証では,「音楽マンション」の文字が「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」を示す普通名称として使用されているとはいえない。
(2)また,甲第3号証には,「音楽マンション」の語が,2004年4月13日号の週間新聞・住宅新報のコラム「大言小語」中に使用されている。ここでは「マンションのコンセプト化が進んでいる。ペットマンション,音楽マンション,…(中略)…など続々と登場。現代社会の多様性を感じさせる」と記載があるだけであって,「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」を示す普通名称として使用されているとはいえない。また,このコラムも厳密な語数制限の中で,できるだけ多くの種類のマンションを列挙するために選択された表現にすぎないものである。
(3)その他,甲第2号証及び甲第4号証ないし甲第6号証は,請求人自身が扱っている「ミュージション」という名の特定のマンションについて使用されているものである。ここでは,「音楽マンション」を「遮音性に優れた」マンション(甲2),「ほとんど音を通さない,音楽家と鑑賞者,および一般人が同居する」マンション(甲4),「音大生,音楽愛好家向けの」マンション(甲5)として記載されている。
また,甲第6号証には,甲第4号証でタイトルとして使用されている「川越の音楽マンション」の文字が記載されているだけであり,普通名称というより,「埼玉県川越市脇田本町23-12」にある,請求人の扱うマンションを特定するために記載されている。よって,これらの証拠によっては,「音楽マンション」が「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」を示す普通名称として使用されているとはいえない。
(4)以上のとおり,甲第1号証ないし甲第6号証では「音楽マンション」が,それぞれ別個の品質を指して使用されており,特定の役務の質,特性を具体的に有する普通名称として使用されているとは認められない。ましてや,請求人自身の使用以外の証拠は,甲第1号証及び甲第3号証のみであるから,この程度の用例をもって,「音楽マンション」が「近所に気兼ねなく,思う存分,楽器の練習ができるマンション」という請求人が主張するような意味合いを認識させるものとして,取引者・需要者に知られるに至っているものとは認められない。
(5)なお,請求人は,過去において「音楽マンション」の文字を商標登録出願したが,審査において拒絶査定になったとして,拒絶理由通知書(甲7の1)及び拒絶査定謄本(甲7の2)を提出している。しかしながら,請求人は,過去に「音楽マンション」の文字を出願したというだけであって商標登録願が提出されていないので,出願された商標及び指定役務が特定できず被請求人は答弁できない。
出願商標が何であれ,商標登録出願においては,拒絶査定によって出願権が残らないものであるから,先出願の審査は後出願の審査に影響を及ぼさないものである。請求人が出願した商標がどのような審査を受けたとしても,本件商標の効力には影響がないことはいうまでもないことである。
3 被請求人による本件商標の使用
(1)被請求人は,昭和39年8月7日設立(明治45年創業)の株式会社であって,住宅・店舗をはじめとする建物の建設を行うことを目的とした会社であり,「ものづくりにかけた100年」の表題によるウェブページの会社案内(乙3)及びウェブページによる会社概要(乙4)において,本件商標「音楽マンション」の文字を使用している。
(2)本件商標は,被請求人によって,登録査定時は基より,現時点においても継続して使用されているものである。
本件商標は,登録査定(発送日)がなされた平成26年5月20日において,「音楽マンション『Adagio Oji(アダージョ王子)』自宅で楽器演奏を満…」の広告(乙5),「音楽マンション『Sinfonia(シンフォニア)』入居者同士の交流も生ま…」の広告(乙6),「音楽マンション『ヴィラ アンダンティーノ』本格レンタル音楽スタジオ…」の広告(乙7)が被請求人において使用されていた。
これら乙第5号証ないし乙第7号証の使用は,本件商標が,自他役務識別力を有する商標として使用されていたことが確認できるものであり,しかも,これらは現時点においても継続して使用されている。
被請求人が,現時点で本件商標を使用している事例を示せば,「自宅で楽器演奏を満喫できる賃貸住宅『音楽マンション』」のウェブ広告(乙8),「『音楽マンション』第6弾・第7弾連続完成!見学会を開催 高い遮音性と音響性能を両立・音楽家向けのコミュニティづくりもサポート」のウェブ広告(乙9)がある。
(3)なお,被請求人は,本件商標の価値を保全するため,同一又は類似商標を使用していた事業者に対して,当該同一又は類似商標の使用の中止を求めるとともに使用商標を変更させた事例がある。
被請求人は,従来から「音楽マンション」を使用していた進和建設工業株式会社に対して使用中止を求める書簡(乙10)を送付したところ,同社はそれまで使用していた「音楽マンション」の名称(乙11の1)を変更し,2015/11/20には,新たな名称「音楽家マンション」(乙11の2)を使用するようになった。
(4)さらに,インターネット検索サイトにて「音楽マンション」の語を検索した結果を乙第12号証として提出する。「音楽マンション」と記載のあるウェブページ中で,○1は全て被請求人の使用であり,○2は被請求人の使用である。また,○3は乙第10号証,乙第11号証の1,乙第11号証の2としてあげた進和建設の使用である。ただし,ウェブページ中では,乙第11号証の2にあるように「音楽家マンション」に商標を変更しているが,検索ワードとして「音楽マンション」が残っているものと推察される。このように,被請求人と請求人以外に「音楽マンション」を使用している例は見当たらず,「音楽マンション」が普通名称として使用されている事実はない。
なお,「音楽マンション」の文字が,普通名称として使用された事実がないことは,従来から,建築業界及び不動産業界においては,「演奏が可能な物件」に対して「楽器相談可の物件」,「楽器可・相談OKの賃貸物件」といった用語が使用されていたことからも容易に理解することができるものである。この点,日本を代表する複数の不動産物件検索サイトでも確認できる(乙13の1ないし乙13の5)。業界では,通常,「楽器の演奏が可能」等の表現を用いており,「音楽の演奏が可能」という表現はされていない。
本件商標は,「楽器の演奏」が近隣住民との騒音トラブルの元になりうるというマイナスイメージから,「楽器」を「音を出す器具」としてとらえた「楽器可」,「楽器相談」等の表現がされることが通常であるのに対し,「音楽」という芸術そのものを表すプラスのイメージを持つ語と「マンション」の語を組み合わせるという,新しい着想をもって創作された造語といえるものであって,自他役務の識別機能を有するものである。
上記で明らかなように,「音楽マンション」が普通名称化している事実はなく,本件商標は一種の造語として認識されるものであって,自他役務の識別標識として機能するものである。
4 結論
以上述べたとおり,本件商標は,「音楽」及び「マンション」の文字が全体としてまとまりよく結合されたものであって,被請求人によって創作された一種の造語として理解することができるものであり,また,建築業界並びに不動産業界及び広く一般社会において,本件商標が普通名称として使用された事実はなく,自他役務の識別機能を具備するものであると認められるものである。

第4 当審の判断
請求人は,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する旨主張しているので,以下,検討する。
1 証拠(甲各号証)について
(1)甲第1号証について
甲第1号証の新聞記事には,「女子学生に音楽マンション」(甲1の1)及び「女子学生用の音楽マンション,京都に誕生」(甲1の2)の見出しのもと,「演奏サロン,レッスン室完備,各室ピアノ付きという完全防音の女子学生専用のマンションが10日,京都市の中心部にオープンした。『近所に気がねせず,思う存分,楽器練習を』と,音楽家夫妻が建設した。『ここから1人でも立派な音楽家が出てくれれば』と期待をふくらませている。」の記載がある。
また,甲第1の1号証の新聞記事の写真の左には「オープンした女子学生専用の“ミュージックマンション”」との説明がされている。
(2)甲第2号証について
甲第2号証の新聞記事には,「賃貸マンション,音漏れ大幅削減 リブラン 音楽愛好家向け」の見出しのもと,「不動産開発のリブランは遮音性に優れた『音楽マンション』を本格展開する。・・・隣室への音漏れを60?65デシベル減らすことができ,ピアノを演奏しても隣室では人間のささやき声程度にしか聞こえないという。」の記載がある。
(3)甲第3号証について
甲第3号証の新聞の「大言小言」のコラム欄には,「マンションのコンセプト化が進んでいる。ペットマンション,音楽マンション,学生マンション,高齢者向けマンション・・・デザイナーズマンションなど続々と登場。・・・」の記載がある。
(4)甲第4号証について
甲第4号証の雑誌には,「川越の音楽マンション」のタイトルのもと,「・・・部屋は・・ほとんど音を通さない。かくして音楽家と鑑賞者,および一般人が同居する音楽マンションができ上がった。」の記載がある。
なお,この記事には,末尾に「設計 建築 手塚貴晴+手塚由比 手塚建築研究所」の表示がされている(この点,下記「(6)甲第6号証について」を参照)。
(5)甲第5号証について
甲第5号証の雑誌には,「2.音を楽しむ空間 2.6音楽家,音大生向け音楽マンション」のタイトルのもと,「・・・以下に,これらの音楽マンションの音響計画とその音響特性について紹介する。」として当該マンショの概要説明がされている。
なお,この記事の冒頭部分には,「『ミュージション川越』(企画,販売:(株)リブラン)」の記載がある。
(6)甲第6号証について
甲第6号証には,「平成12年度 グッドデザイン賞」,「川越の音楽マンション」,「受賞企業 株式会社リブラン」,「設計 手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所+AOI設計」の表示がされている。
(7)甲第8号証について
甲第8号証の冊子には,「リブラン音楽マンションを本格展開」のタイトル及び,「音漏れの大幅削減に成功!今後は分譲タイプも開発」の副題のもと,「リブランは2000年3月に建設した「ミュージション川越」が常にほぼ満室状態と好評なので,遮音性に優れた「音楽マンションを本格展開することになった。・・・」の記載があり,裏表紙には,請求人である「株式会社リブラン」の記載がある。
(8)甲第9号証について
甲第9号証の冊子の24ページには,「自宅で音楽を楽しみたい人のためのマンションを提供」のタイトルのもと「自宅スタジオの遮音性能は,コンサートホール並み。24時間,隣家に気がねなく楽器の演奏が楽しめる音楽マンション『ミュージション』。」の記載があり,また,30ページには,「管楽器も24時間練習OK!プロスタジオ並の音楽室を備えた分譲マンションが登場・・・・・」の見出しのもと,「・・・・(株)リブラン(本社・東京都板橋区)が,その名も「ミュージション」として発売する・・・・,こうした「音楽マンション」が発売されるのは極めて珍しい。」の記載があり,裏表紙には,請求人である「株式会社リブラン」の記載がある。
(9)甲第10号証について
甲第10号証には,請求人の代表取締役である鈴木雄二氏の著書である書籍「満室賃貸革命」の題号のもと,「1-9 生き残るのは特定の人々の心を確実につかむもの」の見出しにおいて,「・・・そんな尖った魅力を持つマンションとして私が提案するのが,音楽マンション『ミュージション』です。」の記載がある。
(10)甲第11号証について
甲第11号証の雑誌には,「ライフスタイルにフィットする付帯設備が充実」のタイトルのもと,「音楽マンション」の見出しのもと,「ミュージション志木(リブラン) 03年2月完成 現在入居可」及び「その他,周囲に気兼ねせず,いつでも楽器を演奏したい音楽好きのために,全戸遮音構造を採用した『ミュージション』(音楽ホール併設の分譲もあり)・・・・」の記載がある。
(11)甲第12号証について
甲第12号証の雑誌には,「映画と音楽を愛する人のための,快適賃貸空間ミュージジョン野方を訪ねる」のタイトルのもと159ページに,「・・・リブランさんが川越や新江古田で管理・展開している音楽マンションの“ミュージジョン”を知りました。遮音性能が高い上に,・・・」の記載がある。
(12)甲第13号証について
甲第13号証の新聞記事には,「遮音性能に優れた音楽マンション」のタイトルのもと「リブラン(東京都板橋区)が企画・管理を行う「ミュージジョン」は,全戸遮音構造で,時間や周りを気にせず部屋で音楽を楽しむことができる。」の記載がある。
2 「音楽マンション」の語の自他役務の識別性について
本件商標は,「音楽マンション」の文字からなるところ,その構成中前半の「音楽」の文字は,「音による芸術,拍子,音色,ミュージック」等を意味する語であり,後半の「マンション」の文字は,「中高層の集合住宅」等を意味する語である(乙1)。
そして,「音楽」の文字と「マンション」の文字を一連に結合した「音楽マンション」の文字は,その構成文字全体から,特定の意味合いを有しないものであって,一種の造語として理解されるものというのが相当である。
また,請求人の提出した証拠においては,「音楽マンション」の文字を見いだすことができるものの,「音楽マンション」というような一定の質,内容が特定されるような建造物は,建物の種類として普通に存在しているものではなく,音響性能に特化したもののたとえとして用いられる場合がほんの数例見て取れるにすぎないものである。
そして,該文字全体が本願の指定役務である「建物の管理,建物の貸与,建物の売買,建物又は土地の情報の提供」及び「建設工事,建設工事に関する助言」について,その役務の質等を表す表示として使用されている事実,あるいは,該文字全体が自他役務の識別標識として機能しないとするような事実は,請求人の提出した全証拠からは見いだすことができないものである。
そうすると,本件商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識し得ないとすべき理由を見いだすこともできないから,自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。
したがって,本件商標は,これをその指定役務に使用しても,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標ということはできず,商標法第3条第1項第6号に該当しない。
3 請求人の主張について
請求人は,「本件商標が,建物との間で音楽との関連性が『暗示』されれば,本件商標は,需要者が何人かの業務にかかわる役務であることを認識できない商標といえると共に,本件商標は商標法第3条第1項第6号に該当する商標である。」旨主張している。
しかしながら,上記のとおり,本件商標は,その指定役務について,役務の質等を表す表示として使用されている事実,あるいは,該文字全体が自他役務の識別標識として機能しないとするような事実は,請求人の提出した全証拠からは見いだすことができないものである。
さらに,前記1の甲第2号証,甲第4号証ないし甲第6号証,甲第8号証ないし甲第13号証は,請求人のマンションに係るもの,又は,請求人の関係者に係るものと推認されるから,これらの甲各号証をもって,「音楽マンション」の語が,一般に使用されているということはできないものである。
そして,甲第1号証及び甲第3号証において,請求人以外の第三者がマンションの名称に「音楽マンション」の語を使用しているとしても,この程度の件数の使用例をもってしては,「音楽マンション」の語が,何人かの業務に係る役務であることを認識することができないといえるほど,取引者・需要者の間において,一般に使用されているとすることはできないというべきである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第6号に違反してされたものではない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第6号に該当するとはいえないから,同法第46条第1項により,無効とすることはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-04-28 
結審通知日 2016-05-09 
審決日 2016-07-04 
出願番号 商願2013-34466(T2013-34466) 
審決分類 T 1 11・ 16- Y (W3637)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
榎本 政実
登録日 2014-06-06 
登録番号 商標登録第5675530号(T5675530) 
商標の称呼 オンガクマンション、オンガク 
代理人 川端 佳代子 
代理人 中山 清 
代理人 大渕 美千栄 
代理人 嶋 宣之 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ