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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W2535 審判 一部申立て 登録を維持 W2535 審判 一部申立て 登録を維持 W2535 |
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管理番号 | 1333431 |
異議申立番号 | 異議2017-900218 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-07-03 |
確定日 | 2017-10-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5937100号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5937100号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5937100号商標(以下「本件商標」という。)は、「ATOMIC HEAT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年10月25日に登録出願、第25類「下着,ワイシャツ類,えり巻き,靴下,手袋,保温用サポーター,マフラー,運動用特殊衣服」及び第35類「下着・ワイシャツ類・えり巻き・靴下・手袋・保温用サポーター及びマフラーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる下着・ワイシャツ類・えり巻き・靴下・手袋・保温用サポーター及びマフラーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同29年3月15日に登録査定、同月31日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5365039号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年8月28日に登録出願、第9類「眼鏡,保護眼鏡,サングラス,運動用保護ヘルメット」、第18類「かばん類,袋物,カード入れ,パス入れ,チケット入れ,携帯用化粧道具入れ」、第25類「被服(和服を除く。)及び運動用特殊衣服(スキー用及びスノーボード用の被服並びに運動用防護衣服を含む。),運動用特殊靴,帽子,手袋,ヘッドバンド,スカーフ,スキー靴及びスノーボード靴並びにそれらの部品」及び第28類「スポーツ用プロテクター(肘又は膝用)」を指定商品として、同22年10月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号に基づき、取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べた。 本件商標は、標準文字の欧文字が横書きされてなる「ATOMIC HEAT」である。すなわち、本件商標は、標準文字からなる「ATOMIC」と、同じく標準文字からなる「HEAT」が1文字分の空白を隔てて配列されたものとなっている。このため、本件商標からは、「ATOMIC」の文字部分から「アトミック」の称呼が単独で生ずることは明らかである。 他方、引用商標は、横書きの「ATOMIC」の欧文字がデザイン化されたものであるから、「アトミック」の称呼が生ずるものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、共に「アトミック」の称呼を生ずることが明らかであるから、その称呼において類似する商標である。 そして、本件商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品が、引用商標における指定商品として含まれている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して商標登録されたものである。 4 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、「ATOMIC HEAT」の欧文字からなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字全体から生じる「アトミックヒート」の称呼は、格別冗長なものではなく、無理なく一連に称呼できるものである。 また、本件商標は、その構成中の「ATOMIC」の文字と「HEAT」の文字の間に1文字程度のスペースがあるとしても、いずれか一方の文字部分を強調するような構成態様ではなく、「ATOMIC」の文字は、「原子の、原子力の」等の意味を有し、「HEAT」の文字は、「熱さ、温度、興奮」等の意味を有する語(いずれも「新英和・和英中辞典」株式会社研究社)であって、該「ATOMIC」及び「HEAT」の文字部分が、本件商標の指定商品及び指定役務の品質及び質を表すとはいえないものであり、両文字を比較しても、識別力について軽重の差は認められないものであるから、本件商標は、その構成全体をもって、一体不可分のものとして看取されるものである。 そして、本件商標全体としては、具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いことから、これに接する需要者は、本件商標の構成文字全体をもって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解するというのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「アトミックヒート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲のとおり、赤色の「ATOMIC」の欧文字をややデザイン化した斜体の文字で横書きしてなるところ、該文字は、「原子の、原子力の」等の意味を有する語として一般に知られている英語といえるものであるから、その構成文字に相応して「アトミック」の称呼を生じ、「原子の、原子力の」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、外観においては、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両商標は、その全体の文字構成及び「HEAT」の文字の有無などにおいて、明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「アトミックヒート」の称呼と引用商標から生じる「アトミック」の称呼とは、その音構成及び音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別されるものである。 そして、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「原子の、原子力の」の観念を生じることから、両商標は、観念上、類似しないものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標)(色彩は原本参照。) |
異議決定日 | 2017-09-28 |
出願番号 | 商願2016-118588(T2016-118588) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
Y
(W2535)
T 1 652・ 261- Y (W2535) T 1 652・ 262- Y (W2535) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐藤 松江 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
木住野 勝也 榎本 政実 |
登録日 | 2017-03-31 |
登録番号 | 商標登録第5937100号(T5937100) |
権利者 | 株式会社フジワラ |
商標の称呼 | アトミックヒート、アトミック、ヒート |
代理人 | 井内 龍二 |
代理人 | 特許業務法人綾船国際特許事務所 |
代理人 | 高田 一 |