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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W2535
審判 一部申立て  登録を維持 W2535
審判 一部申立て  登録を維持 W2535
管理番号 1331487 
異議申立番号 異議2017-900062 
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-23 
確定日 2017-08-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5902588号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5902588号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5902588号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,平成28年7月8日に登録出願,第14類「身飾品」,第16類「印刷物,カタログ」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として,同年11月16日に登録査定され,同年12月2日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第788852号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおり,2012年(平成24年)8月13日に国際商標登録出願(事後指定),第25類「Clothing, footwear, headgear.」を指定商品として,平成25年8月30日に設定登録され,現にその商標権は有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するのであるから,同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品について
申立人の引用商標に係る指定商品は,本件商標の第25類の指定商品「被服」および「履物」と抵触(類似)関係にあり,また,第35類の指定役務「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」および「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と抵触(類似)関係にある。
2 本件商標と引用商標について
本件商標において左から2番目の真ん丸の上方に横に短い棒線がある表現においてもアルファベットの「O」の字を意識したものであることは認識することは可能である。しかし,左から5番目の真ん丸において,真ん丸線の太さに比して極めて細い線を真ん丸線上に左上方から右下方に短く表した線を表した態様において,これをどう称呼するか,かなりの迷いが一般取引者,需要者の間に生ずると見るのが自然である。
これをアルファベットの「Q」の字を意識したものと一般取引者,需要者に客観的に認識されると把えることにはかなり無理があると考え,あえてアルファベットの「オー」と読めといわれればそのように読めるし,「キュー」と読めといわれればそのように読めるといった程度でしかない態様の表現である。
5番目の表現が文字か図形かはっきりしない態様において,一般取引者,需要者は左から5番目の表現を無視して「JOHA」のみを称呼することも迅速性が要求される商取引の実際において十分に考えられる。そして「JOHA」は英語の発音の知識に基づいて一般的には「ジョハ」という称呼をもって商取引に資されるものである。
このように本件商標からは,「ジョハオ」,「ジョハキュウー」の他に「ジョハ」の称呼をもって商取引に資される場合も十分にある。申立人の引用商標「JOHA」は,一般的には「ジョハ」という称呼をもって商取引されるものである。本件商標が「ジョハ」と称呼される場合も十分に考えられる以上,申立人の引用商標「JOHA」とは,称呼を同一にする類似商標にあたる。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は,別掲1のとおりの構成からなり,金色の「JOHAQ」(「O」の文字の上に長音記号「-」を有する。以下同じ。)の欧文字を横書きしてなるところ,その構成態様は,同書,同大,同間隔で一連一体に表示されている。
また,該文字は,辞書等に載録されている語ではなく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。
そして,欧文字からなる造語の場合は,我が国で一般的に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるのが自然であるところ,「O」の文字の上にある記号は,ローマ字の表記において長音を表す記号であるから,該「O」の文字は,「オー」と長音を伴って発音するとみるのが相当である。
してみれば,本件商標は,その構成文字に相応するローマ字の読みに倣って「ジョーハキュー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
なお,申立人は,「5番目の表現が文字か図形かはっきりしない態様において,一般の取引者,需要者は,左から5番目の表現を無視して,『JOHA』のみを称呼することも迅速性が要求される商取引の実際において十分に考えられる。そして『JOHA』は英語の発音の知識に基づいて一般的には『ジョハ』という称呼をもって商取引に資されるものと考える。」旨を主張している。
しかしながら,本件商標は,「JOHAQ」と書してなる構成文字において,その語尾の「Q」の文字が,ややレタリングされているとしても,十分に欧文字の「Q」と読めるものであり,前の4文字が欧文字であることからすれば,該「Q」の部分も当然,欧文字とみるのが自然であるところ,「Q」の文字は,「広辞苑(第六版)株式会社岩波書店」によれば「キュー」と発音すると記載されており,さらに,「O」の文字の上に長音記号があることを合わせて鑑みると,本件商標からは,ローマ字の読みに倣って「ジョーハキュー」の称呼を生じるというのが相当である。
2 引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,「JOHA」(「J」の文字がやや図案化されている。)の欧文字を横書きしてなるところ,該文字は,辞書等に載録されている語ではなく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語というべきである。
してみれば,引用商標は,その構成文字に相応して「ジョハ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
3 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は,それぞれ上記のとおりの構成からなるところ,その構成文字中,「O」の文字の上にある長音記号「-」及び「Q」の文字の有無において明らかに相違するものであるから,外観上,相紛れるおそれはない。
また,本件商標から生じる「ジョーハキュー」の称呼と引用商標から生じる「ジョハ」の称呼とを比較すると,5音又は2音という比較的短い音構成において,長音の有無や「キュー」の音の有無において明らかに相違するものであるから,両者は,それぞれを一連に称呼しても,互いに聴き誤るおそれはなく,称呼上,明確に聴別することができるものである。
さらに,観念においては,本件商標と引用商標からは特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標:色彩については、原本参照。)



別掲2(引用商標)



異議決定日 2017-08-15 
出願番号 商願2016-73807(T2016-73807) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W2535)
T 1 652・ 263- Y (W2535)
T 1 652・ 262- Y (W2535)
最終処分 維持  
前審関与審査官 寺澤 鞠子馬場 秀敏 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 真鍋 恵美
榎本 政実
登録日 2016-12-02 
登録番号 商標登録第5902588号(T5902588) 
権利者 株式会社三越伊勢丹
商標の称呼 ジョハク、ジョハキュウ 
代理人 木戸 一彦 
代理人 木戸 良彦 
代理人 福田 秀幸 

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