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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W41 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41 |
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管理番号 | 1331319 |
審判番号 | 不服2017-1207 |
総通号数 | 213 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-09-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-01-27 |
確定日 | 2017-07-10 |
事件の表示 | 商願2016- 12318拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ビーズステッチ」の文字を標準文字で表してなり、第41類「知識又は技芸の教授,美術品の展示,文化又は教育のための展示会の企画・運営」を指定役務として、平成28年2月4日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『ビーズステッチ』の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定役務に関する分野では、『針と糸でビーズを編む技法』を『ビーズステッチ』のように指称し、ビーズステッチを学ぶ講習会等が広く行われている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、出願人の提供に係る役務であることを理解するよりも、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまることから、本願商標は、自他役務を識別する標識としては機能し得ないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『ビーズステッチ』に関する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「ビーズステッチ」の文字からなるところ、その構成中の「ビーズ」の文字は、「室内装飾・婦人服飾・手芸品などに用いる、糸通し孔のついた小さな飾り玉。多くはガラス製で切子型・円型・管型などがあり、色彩は多様。南京玉。」の意味を有する語として、また、「ステッチ」の文字は、「裁縫・刺繍・編物などの針目。特に、刺繍の刺し方。また、飾り縫い。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)として、両語は、共にごく親しまれている語といえるものであるから、全体として、「糸通し孔のついた小さな飾り玉(ビーズ)を用いた刺繍の刺し方」程の意味合いを理解させるものである。 そして、本願の指定役務と関連する手芸に関する分野においては、「ビーズステッチ」の文字が、原審の拒絶理由通知書で示した使用例のほか、以下のインターネット情報のとおり使用されている実情がある。 <インターネット情報>(下線は合議体による。) ア 「トーホー株式会社」のウェブサイトにおいて、「ビーズステッチって?」の見出しの下、「アメリカでは『ビーズ織り機(Loom)』を使わないという意味で、『オフルーム(off-loom)』と呼ばれています。・・・針と糸によるビーズ編みも、それぞれの編み方に『?ステッチ』と名前がつけられています。そしてこれまで確たる名前のなかったこれらの総称を、日本ではテグス編みと区別して『ビーズステッチ』と呼ばれるようになりました。」の記載がある。 (http://www.toho-beads.co.jp/offloom/what/index.html) イ 「株式会社貴和製作所」のウェブサイトにおいて、「ビーズステッチに使う基本の材料・用具」の見出しの下、「ビーズ/ビーズステッチは基本的にどんなビーズでも使用できます。・・・ビーズ針/ビーズステッチ用の針は通常の針よりも細くて柔らかいのが特徴。・・・ビーズ糸/ビーズステッチには、表面がワックスコーティングされているナイロン製の糸がよく使われます。」、「テクニック1:ペヨーテステッチ」の見出しの下、「ビーズをレンガ模様のように互い違いに編む方法で、ビーズステッチの中でもっとも代表的な編み方。」の記載がある。 (http://www.kiwaseisakujo.jp/shop/e/esp3-5a/) ウ 「株式会社NHK文化センター」の「NHKカルチャー」のウェブサイトにおいて、「オフルームのチェコビーズアクセサリー」の見出しの下、「オフルーム(糸と針でビーズステッチをする)を中心に、多様なビーズを組み合わせたアクセサリーを作ります。」の記載がある。 (https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_427877.html) エ 「WASABI-Elisi」のウェブサイトにおいて、「和製ビーズで編む-paniのビーズステッチ教室」の見出しの下、「小さなビーズを針と糸で編み上げる小箱やアクセサリー。・・・講師:paniさん(ビーズステッチ作家)」の記載がある。 (http://wasabielisi.com/?mode=cate&cbid=2172835&csid=5) オ 「神戸新聞カルチャーKCC」のウェブサイトにおいて、「ビーズステッチ?針と糸を中心に色々なテクニックを学ぶ」の見出しの下、「アメリカで大人気の針と糸で編むビーズアクセサリー教室。」の記載がある。 (http://k-oc.jp/Course/Detail/01/14452011) カ 「M’s Beads」のウェブサイトにおいて、「Off-Loom<オフルーム技法>」の見出しの下、「オフルーム技法(ビーズステッチとも呼ばれます)とは、ビーズを織り機を使わず、針と糸でシードビーズなどを一粒一粒編み込む技法のこと。」の記載がある。 (http://r.goope.jp/msbeads/photo/album/398484) キ 「オフルームビーズワーク Sweet Pea」のウェブサイトにおいて、「オフルーム(off-loom)とは、糸と針でビーズを編む手法で、ステッチを使って作品を作ります。ビーズステッチと呼ばれている物と同じです。」の記載がある。 (http://www.sweetpeabeadwork.com/) ク 「beads-doll.com」のウェブサイトにおいて、「Off Loom?オフルーム?」の見出しの下、「最近日本では、ビーズステッチとして認知の広がりをみせているようです。・・・私は『パッチワーク通信社』から出ている『針と糸で編む ビーズステッチ』を愛用しています。」の記載がある。 (http://www.beads-doll.com/off%20loom.html) ケ 「クロバー株式会社」のウェブサイトにおいて、「針と糸でビーズを編む、ビーズステッチ専用の針です。/ビーズを編むときに。一度に多くのビーズを通せます。糸と針でビーズを編む、海外では一般的な技法です。ビーズ愛好家に新しい技法として、ビーズステッチが人気です。糸で編むので、仕上りも肌にしっとりなじむ優しい風合いになります。」の記載がある。 (http://www.clover.co.jp/cgi-bin/clover_search/syousai/index.html?hinnban=75485) コ 「JEUGIAカルチャーセンターイオンタウン千種」のウェブサイトにおいて、「針と糸で編む ビーズステッチ」の見出しの下、「針と糸を使って柔らかくしなやかなビーズアクセサリーを作ってみませんか。資格取得も可能です。」の記載がある。 (http://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_27-4096.html) 以上のとおり、上記したウェブサイトの記載からすると、「ビーズステッチ」の文字からなる本願商標は、ビーズを針と糸で編む技法の「オフルーム」と同じ意味合いで、同義語のような語として一般的に使用されているものである。 そうすると、本願商標は、「針と糸でビーズを編む技法」程の意味合いを認識させる語として理解されるものであって、普通に使用されているというのが相当である。 してみれば、本願商標を、その指定役務中の「針と糸でビーズを編む技法に関する知識又は技芸の教授,針と糸でビーズを編む技法による美術品の展示,針と糸でビーズを編む技法に関する文化又は教育のための展示会の企画・運営」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「針と糸でビーズを編む技法」に関する役務であることを表示するものとして理解するにすぎず、自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、本願商標は、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記以外の「知識又は技芸の教授,美術品の展示,文化又は教育のための展示会の企画・運営」に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、「『ビーズステッチ』は、本願出願人である株式会社オールアバウトライフワークスの造語であり、出願人が開催する講座の名称であり、遅くとも2005年6月以降、出願人による使用が継続されている。」旨を主張している。 しかしながら、 本願商標である「ビーズステッチ」の文字が、請求人に係る造語であることを証する証拠の提出はなく、また、「ビーズステッチ」の文字は、上記(1)のとおり、「針と糸でビーズを編む技法」程の意味合いを表す語として、本願の指定役務と関連する手芸に関する分野において、普通に使用されている実情があるものである。 してみれば、本願商標は、本願の指定役務中の「針と糸でビーズを編む技法に関する知識又は技芸の教授,針と糸でビーズを編む技法による美術品の展示,針と糸でビーズを編む技法に関する文化又は教育のための展示会の企画・運営」との関係においては、その役務の質を表す語として理解されるものというのが相当である。 したがって、請求人の主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-05-18 |
結審通知日 | 2017-05-19 |
審決日 | 2017-05-30 |
出願番号 | 商願2016-12318(T2016-12318) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W41)
T 1 8・ 272- Z (W41) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯田 亜紀 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 木住野 勝也 |
商標の称呼 | ビーズステッチ |
代理人 | 栗原 潔 |