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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W18
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W18
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W18
管理番号 1331317 
審判番号 不服2017-1365 
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-01-31 
確定日 2017-08-04 
事件の表示 商願2014-34181拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第18類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成26年4月30日に登録出願されたものである。
その後,本願の指定商品は,原審における平成26年12月1日付けの手続補正書により,第18類「かばん金具,皮革製包装用容器,かばん類,袋物」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(3)のとおりであり,それぞれ,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第314669号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,昭和13年1月13日に登録出願,第58類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同14年3月24日に設定登録され,その後,5回にわたり,商標権の存続期間の更新登録がされ,また,平成21年4月8日に,指定商品を第18類「柳ごうり,竹ごうり,柳製バスケット,とう製バスケット,あけび製バスケット」のほか,第8類,第11類,第16類,第19類,第20類,第21類,第28類及び第34類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2560190号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成2年8月2日に登録出願,第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同5年7月30日に設定登録され,その後,2回にわたり,商標権の存続期間の更新登録がされ,また,同15年8月20日に,指定商品を第18類「かばん類,袋物」のほか,第18類,第21類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第5165081号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,平成19年8月16日に登録出願,第6類「その他の金属製金具」及び第18類「かばん類,財布,その他の袋物,皮革製包装用容器」のほか,第6類,第9類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第24類,第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同20年9月5日に設定登録されたものである。
以下,引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,黒塗りで肉太の円図形及びその中心に小さな円(黒塗りで表された外側の円図形の太さに対し,白抜きされた内側の円図形の部分は,1.5倍ほどの太さで表されている。以下「本願図形部分」という。)を表し,本願図形部分の右に「gram」の欧文字を配した構成からなるところ,本願図形部分と文字部分とは,視覚上分離して観察されるものであり,それぞれの部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そして,構成中の本願図形部分は,特定の称呼及び観念を生じないものであり,また,「gram」の文字部分は,「グラム(質量の単位)」の意味を有する語(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第二版)であるから,本願商標は,構成中の「gram」の文字部分から,「グラム」の称呼を生じ,「グラム(質量の単位)」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は,別掲2のとおり,黒塗りで肉太の円図形及びその中心に小さな円(黒塗りで表された外側の円図形と,白抜きされた内側の円図形の部分は,同じ太さで表されている。以下「引用1図形部分」という。)を表し,引用1図形部分の左に「水」,右側に「日」の文字をそれぞれ配してなるところ,引用1図形部分と文字部分は,視覚上分離して観察し得るものであり,それぞれの部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そして,その構成中の引用1図形部分は,特定の称呼及び観念を生じないものであり,また,「水」及び「日」の文字部分については,日本語の縦書きは右から左方向に書き進むものであって,引用商標1の登録出願時においては,横書きであっても右から左方向に書き進む場合もあり,「日水」の漢字を表したものと理解,把握させるものいうことができるから,引用商標1は,「日水」の漢字から,「ニッスイ」の称呼を生じ,該文字は,特定の意味合いを認識させることのない一種の造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は,別掲3のとおり,黒塗りで肉太の円図形及びその中心に表された小さな円(黒塗りで表された外側の円図形と,白抜きされた内側の円図形の部分は,同じ太さで表されている。)からなるところ,これからは,特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は,別掲4のとおり,上段に青塗りの肉太の円図形及びその中心に赤塗りで小さな円(青塗りで表された外側の円図形と,白抜きされた内側の円図形の部分は,同じ太さで表されている。以下「引用3図形部分」という。)を表し,その右に,青色の「ROYAL」の欧文字を表し,下段に青色の「AIR FORCE」の欧文字を表してなるところ,引用3図形部分と文字部分とは,視覚上分離して観察されるものであり,それぞれの部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そして,構成中の引用3図形部分は,特定の称呼及び観念を生じないものであり,他方,「ROYAL AIR FORCE」の文字部分は,「英国空軍」を意味する語(前掲書)であることから,引用商標3は,構成中の「ROYAL AIR FORCE」の文字部分から「ロイヤルエアフォース」の称呼を生じ,「英国空軍」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 外観について
(ア)本願商標と,引用商標1とを比較するに,本願商標は,別掲1のとおり,本願図形部分とその右に「gram」の欧文字を表した構成からなるのに対し,引用商標1は,別掲2のとおり,引用1図形部分の左に「水」及び右に「日」の文字を表してなるものであるから,それらの構成中に表された文字及び構成の態様が明確に相違し,十分に区別できるものである。
そして,本願図形部分と,引用1図形部分及び引用商標2(別掲3)とを比較するに,黒塗りで,肉太の円図形及びその中心に円を表している点で共通するものの,本願図形部分は,黒塗りの外側の円図形に対し,白抜きされた内側の円図形が1.5倍ほどの太さで表されていることにより,黒塗りの中心の円が小さく表されている印象を与えるのに対し,引用1図形部分及び引用商標2は,黒塗りの外側及び白抜きされた内側の円図形が同じ太さで表され,黒塗りの円を中心にまとまりよい印象を与えるものであるから,比較的簡潔な構成からなるこれらの図形においては,当該差異がこれに接する者に与える影響は,小さいものとはいえず,本願図形部分と,引用1図形部分及び引用商標2とを,時と処を異にして離隔的に観察した場合も,外観において相紛れるおそれはないものである。
(イ)本願商標と,引用商標3とを比較するに,本願商標は,本願図形部分とその右に「gram」の欧文字を表した構成からなるのに対し,引用商標3は,別掲4のとおり,色彩を用いて,上段に引用3図形部分と,その右に「ROYAL」の欧文字を表し,下段に「AIR FORCE」の欧文字を表してなるものであるから,それらの構成中に表された文字,色彩の有無及び構成の態様が明らかに相違し,明確に区別できるものである。
そして,本願図形部分と引用3図形部分とを比較しても,形状において上記(ア)に記載と同様の差異を有することに加え,色彩においても,本願図形部分が黒色で表されているのに対し,引用3図形部分は外側の円が青色で表され,中心の円が赤色で表されていることから,外観上,相紛れるおそれはないものである。
イ 称呼について
本願商標は,「グラム」の称呼を生じるのに対し,引用商標1は「ニッスイ」の称呼を生じ,引用商標3は,「ロイヤルエアフォース」の称呼を生じるものであるから,本願商標と引用商標1及び3とは,称呼において相紛れるおそれはない。
また,引用商標2は,特定の称呼を生じないから,本願商標と比較することができず,両商標は,称呼において類似するものとはいえない。
ウ 観念について
引用商標1及び2は,特定の観念を生じないものであるから,本願商標と比較することができず,また,引用商標3は,「英国空軍」の観念を生じるものであるから,「グラム(質量の単位)」の観念を生じる本願商標とは,観念において相紛れるおそれはない。
エ 小括
上記アないしウのとおり,本願商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれからみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


別掲4(引用商標3。色彩については原本を参照されたい。)


審決日 2017-07-25 
出願番号 商願2014-34181(T2014-34181) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W18)
T 1 8・ 263- WY (W18)
T 1 8・ 262- WY (W18)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡辺 悦子南 めぐみ 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 平澤 芳行
小林 裕子
商標の称呼 オオグラム、オグラム、グラム 
代理人 大坪 勤 

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