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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X0709
管理番号 1330203 
審判番号 取消2016-300604 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-08-30 
確定日 2017-06-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5438243号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5438243号商標(以下「本件商標」という。)は、「SmartBonder」の欧文字を標準文字により表してなり、平成23年4月5日に登録出願、第7類「電子部品製造装置」及び第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年9月9日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録(予告登録)は、平成28年9月12日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その登録に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
2 弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標の使用について
(1)被請求人の事業について
被請求人は、電子部品製造装置を製造、販売しており、その中には、商品「ボンディング装置」も含まれる。
(2)被請求人の販売商品「ボンディング装置」について
ア 被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証の各図1ないし3で示されるように、商品「ボンディング装置」(以下「本件商品」という。)を、株式会社加藤電器製作所(宮城県宮城郡所在)(以下「加藤電器製作所」という。)、丸文株式会社(東京都中央区所在)(以下「丸文社」という。)、日本電産コパル株式会社(東京都板橋区所在)(以下「日本電産コパル社」という。)の各企業に対して営業提案している。
イ 上記アの営業提案日は、本件審判の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)である。
ウ 本件商品が第7類「電子部品製造装置」に該当することは明らかである。本件商品は、乙第1号証ないし乙第3号証の各図2に示されるように、半導体ウェハを細かく切り出した電子基板に対して、超音波ホーンを利用して、金属のバンプ(接点)を形成する電子部品製造装置である。
エ 乙第1号証ないし乙第3号証の各図2に示されるように、この種の装置は、必ず「デジタルカメラ」を搭載し、組み立て中のバンプやウェハを撮影して、画像処理によって各種制御を行う。したがって、本件商品は第9類「電気通信機械器具」にも該当することは明らかである。
オ 乙第1号証ないし乙第3号証の各図2で示されるように、電気信号で超音波振動する「超音波ホーン」を主要機器としている。さらに本件商品は、各種電子回路や制御装置、ディスプレイ、電子計算機、電子計算機用のプログラム等が搭載されている。したがって、本件商品は、第9類「電子応用機械器具及びその部品」にも該当することは明らかである。
(3)本件商標の使用について
ア 被請求人は、複数の企業に対して本件商標を営業提案する目的で、継続的に使用している。
イ 乙第1号証ないし乙第3号証において、各企業に対して商品説明を行う際に用いる図1のプレゼンテーション用の「ディスプレイ画面」には、右から二列目の二行目において、動画データと共に「スマートボンダ 2014年8月19日」と表示されており、そこに、過去に納入した電子部品製造装置の動作状況を撮影した動画データが配置されている。図2の説明資料では、その表紙のタイトルに「SmartBonder」と表記されている。各資料のフッターにも「SmartBonder」と表示されている。さらに図3のパンフレットでは、5ページ目の製品群における右から二列目の三行目に「スマートボンダ」と表示されており、被請求人の商品群の一つとして営業提案していることも明らかである。
(4)まとめ
以上述べたように、被請求人は、要証期間内に、本件商品に関する広告(販売促進資料)に、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを展示、頒布している。

第4 当審の判断
1 認定事実
証拠及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証ないし乙第3号証における証明書について
ア 乙第1号証の証明書は、2016年9月15日付けで加藤電器製作所が、商標権者に発行した証明書であるところ、該証明書には「私は2014年8月28日において、貴社代表取締役である栗原氏から、以下の方法により、電子部品製造設備(ボンディング装置)『スマートボンダー』製品提案を受けたことを約束します。」、「3)図3のとおり、製品一覧に『スマートボンダー』が含まれている会社案内の提供を受けた。」の記載があり、加藤電器製作所の住所、社名、担当者名の記載及び担当者の押印がされている。
イ 乙第2号証の証明書は、2016年9月15日付けで丸文社が、商標権者に発行した証明書であるところ、該証明書には「私は2014年8月25日において、貴社代表取締役である栗原氏から、以下の方法により、電子部品製造設備(ボンディング装置)『スマートボンダー』製品提案を受けたことを約束します。」、「3)図3のとおり、製品一覧に『スマートボンダー』が含まれている会社案内の提供を受けた。」の記載があり、丸文社の住所、社名、担当者名の記載及び担当者の押印がされている。
ウ 乙第3号証の証明書は、2016年9月15日付けで日本電産コパル社が、商標権者に発行した証明書であるところ、該証明書には「私は2015年9月8日において、貴社代表取締役である栗原氏から、以下の方法により、電子部品製造設備(ボンディング装置)『スマートボンダー』製品提案を受けたことを約束します。」、「3)図3のとおり、製品一覧に『スマートボンダー』が含まれている会社案内の提供を受けた。」の記載があり、日本電産コパル社の住所、社名、担当者名の記載及び担当者の押印がされている。
(2)乙第1号証ないし乙第3号証における図2について
乙第1号証ないし乙第3号証の各図2は商標権者が使用商品について顧客に説明する際に使用する説明資料とのことであるが、該説明資料の左上の図には「エレメントGGI実装/SmartBonder(ASFBS570)」及び商標権者の名称の記載が、右上の図には「1.ユニット詳細」のタイトルの下に「バンプボンダーとは? ウェハパターン上に金のバンプを形成する為のユニットです。・・・」の記載が、右下の図には「5.装置外観と構成」のタイトルの下に装置外観の写真が掲載されている。
(3)乙第1号証ないし乙第3号証における会社案内について
乙第1号証ないし乙第3号証の各図3は商標権者の会社案内であるところ、該会社案内の3葉目の右上には「半導体関連生産設備(IC LED)」の見出しの下に商標権者の取り扱いに係る機械の写真が複数掲載されており、その右から2列目、上から3段目には「スマートボンダ」の記載(以下「使用標章」という。)及び上記(2)の説明資料に掲載されている装置外観の写真と同じ写真が掲載されている。
2 判断
(1)使用商品について
上記1(2)及び(3)によれば、使用商品「ボンディング装置」は、半導体を製造するための装置の一種であることから、該商品は本件審判の請求に係る商品の「電子部品製造装置」の範疇の商品と認められる。
(2)使用標章について
上記1(3)の会社案内中に掲載された使用商品とともに表された使用標章「スマートボンダ」は、本件商標「SmartBonder」を、片仮名とローマ字の表示を相互に変更するものであって、その称呼及び観念を同一とするものであるから、使用標章は、本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
(3)会社案内について
上記1(3)の会社案内には、会社概要のほか、商標権者の取り扱いに係る商品を多数掲載してあることから、商品の広告の目的をも兼ね備えているものと認めて差し支えない。
また、該会社案内は、上記(1)のとおり、商標権者によって、いずれも要証期間内である2014年(平成26年)8月28日、同年8月25日及び2016年(平成28年)9月8日に、顧客である加藤電器製作所、丸文社及び日本電産コパル社に対して頒布されたものと認められる。
(4)小括
以上により、商標権者は、本件審判の請求に係る商品中に含まれる「電子部品製造装置」の範疇と認められる使用商品について、その広告を目的とした会社案内に、本件商標と社会通念上同一と認められる「スマートボンダ」の標章を付して、要証期間内に顧客に頒布したと認められ、当該行為は、商標法第2条第3項第8号に定める標章の「使用」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成26年8月及び同28年9月8日頃、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「電子部品製造装置」について、本件商標と社会通念上同一と認められる標章の使用を証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-04-21 
結審通知日 2017-04-27 
審決日 2017-05-09 
出願番号 商願2011-23911(T2011-23911) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X0709)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 冨澤 武志
田中 幸一
登録日 2011-09-09 
登録番号 商標登録第5438243号(T5438243) 
商標の称呼 スマートボンダー、スマート、ボンダー 
代理人 佐原 雅史 

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