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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y05
管理番号 1330201 
審判番号 取消2016-300500 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-07-22 
確定日 2017-06-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第1720077号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第1720077号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハーモニー」の文字と「HARMONY」の文字とを上下二段に書してなり、昭和56年11月30日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年10月31日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年11月16日に、指定商品を第1類「植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成28年8月4日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、該商品(第5類「薬剤」)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである旨述べ、証拠方法として,甲第1号証を提出した。
なお、請求人は、後記第3の被請求人の答弁に対し、弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 使用の事実
(1)商標の使用者
本件商標権者は、平成7年(1995年)8月4日付けで、丸和バイオケミカル株式会社(以下「丸和バイオケミカル」という。)と本件商標の使用許諾の契約をしており(乙第1号証)、その後、該契約の有効期間は、現在まで継続している(乙第2号証、乙第3号証)。
したがって、丸和バイオケミカルは、本件商標の通常使用権者である。
なお、乙第1号証の契約書において「甲」とされている藤沢薬品工業株式会社(以下「藤沢薬品」という。)は、契約締結時の本件商標の登録名義人であり、その後、本件商標に係る商標権は、一般承継により、本件商標権者に移転登録されている(登録日:平成19年10月23日)。
(2)使用に係る商品及び商標並びにそれらの使用時期
ア 上記(1)に述べた契約に基づく使用許諾に係る商品は、本件審判の請求に係る指定商品「薬剤」に含まれる「農業用除草剤」(以下「本件使用商品」という。)である(乙第1号証)ところ、丸和バイオケミカルは、現に、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標を本件使用商品に使用している(乙第4号証ないし乙第7号証)。
イ 丸和バイオケミカルが販売する商品のカタログ(乙第4号証ないし乙第6号証)の表紙には、「製品ごあんない」又は「product guide」の文字とともに、「2014」、「2015」及び「2016」と表示されており、また、該カタログの奥付には、「2013年10月現在の登録内容」、「2014年10月現在の登録内容」及び「2015年10月現在の登録内容」を記載していることが明示されていることから、該カタログは、それぞれ、2014年、2015年及び2016年における商品カタログであって、各年の販売に係る製品が掲載されたものであることが明らかである。
そして、上記カタログの目次には、「ハーモニー細粒剤F」及び「ハーモニー75DF水和剤」の記載があり、それぞれの該当ページには、それらの記載及び「ハーモニー(R)」の表示がある。
したがって、本件商標と社会通念上同一と認められる商標は、2014年から現在に至るまで継続して、本件使用商品に使用されている。
ウ 丸和バイオケミカルの商品リーフレット(乙第7号証)には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ハーモニー」及び「ハーモニー75DF水和剤」の表示があり、また、「(2016年2月現在)」の記載があることから、2016年2月時点のリーフレットであることが分かる。
2 むすび
以上によれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件審判の請求に係る指定商品について、通常使用権者である丸和バイオケミカルにより使用されてきたものであるから、本件商標について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないとする請求人の主張は、失当である。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
(1)乙第1号証は、藤沢薬品を「甲」とし、丸和バイオケミカルを「乙」として、平成7年(1995年)8月4日に締結された「商標『ハーモニー』に関する通常使用権許諾契約書」(写し)であり、その第1条第1項には、本件使用商品(丸和バイオケミカルがデュポン株式会社から購入したDPX-M6316及びDPX-16を活性成分として販売する、農薬取締法に基づいて登録される適用作物(麦、牧草及びイグサ)に用いられる農業用除草剤としての細粒剤)について、甲が、乙に対し、該契約書に甲及び乙が調印した日から平成12年(2000年)9月30日までの期間、日本全国において、本件商標に係る商標権について通常使用権を許諾する旨定められている。
また、上記契約書の第1条第2項には、通常使用権の許諾期間について、乙が、甲に対し、該期間の満了日の6月前までに文書をもって延長を希望したときは、該期間を5年間延長でき、以後更に期間を延長する場合も、同様とする旨規定されている。
なお、当審において職権をもって調査したところ、上記契約が締結された当時の本件商標に係る商標権の登録名義人は、藤沢薬品であったことが認められる。
(2)乙第2号証は、本件商標権者を「甲」とし、丸和バイオケミカルを「乙」として、平成22年(2010年)8月4日に締結された「覚書」(写し)であり、その第1条には、甲と乙が、上記(1)において述べた契約書(以下「原契約」という。)第1条第1項の規定による通常使用権の期間を平成22年(2010年)10月1日から平成27年(2015年)9月30日まで延長することに合意する旨定められている。
なお、上記覚書には、甲が、ゼファーマ株式会社と第一三共ヘルスケア株式会社の合併により平成19年(2007年)4月1日付けで設立された会社であって、同日付けでゼファーマ株式会社の原契約上の地位を承継したものである旨記載されているところ、当審において職権をもって調査した結果、本件商標に係る商標権は、藤沢薬品からゼファーマ株式会社へ一般承継により移転(平成16年11月30日登録)された後、ゼファーマ株式会社から本件商標権者へ一般承継により移転(同19年10月23日登録)されたことが認められる。
(3)乙第3号証は、本件商標権者を「甲」とし、丸和バイオケミカルを「乙」として、平成27年(2015年)3月24日に締結された「覚書」(写し)であり、上記(2)において述べた覚書と同様に、甲と乙が、原契約第1条第1項の規定による通常使用権の期間を2020年9月30日まで延長することに合意する旨定められている。
(4)乙第4号証ないし乙第6号証は、それぞれ、丸和バイオケミカルの商品カタログ(2014年版ないし2016年版)の抜粋(写し)であるところ、該カタログには、「除草剤」として、「ハーモニー細粒剤F」及び「ハーモニー75DF水和剤」が掲載されている。
そして、「ハーモニー細粒剤F」の特長等を記載したページには、冒頭部に「ハーモニー細粒剤F」(「ハーモニー」の文字部分は、「細粒剤F」の文字部分に比して、太線で、かつ、大きく表されており、さらに、「ニ」に続く長音「ー」の上方に「(R)」(○の中に「R」の文字を配してなる記号)が表されているもの。)の標章が表示されており、該商品が、「ハーモニー75DF水和剤」を細粒剤化したものであって、麦作及びいぐさ用の除草剤である旨の記載がある。
また、「ハーモニー75DF水和剤」の特長等を記載したページには、冒頭部に「デュポンハーモニー75DF水和剤」(「デュポン」の文字部分は、極めて小さく表されており、また、「ハーモニー」の文字部分は、「75DF水和剤」の文字部分(「75DF」の文字と「水和剤」の文字とは上下二段に、かつ、その高さが「ハーモニー」の文字の高さと揃うように表されている。)に比して、太線で、かつ、大きく表されており、さらに、「ニ」に続く長音「ー」の上方に「(R)」(○の中に「R」の文字を配してなる記号)が表されているもの。)の標章が表示されており、該商品が、米国デュポン社が開発したスルホニルウレア系の除草剤であって、麦作や牧草地等に用いる除草剤である旨の記載がある。
(5)乙第7号証は、丸和バイオケミカルの「ハーモニー75DF水和剤」の商品リーフレット(写し)であるところ、その表面には、大書された「信頼の牧草向け除草剤」の文字や「デュポンハーモニー75DF水和剤」の標章(上記(4)において述べた商品カタログの特長等を記載したページの冒頭部に表示されているものと同様の構成態様からなるもの。)の表示とともに、平成28年(2016年)2月現在の農林水産省へ登録している適用内容(牧草部分抜粋)を示す表示等があり、また、裏面には、該商品が対象とする主な雑草一覧の表示等がある。
(6)上記(1)ないし(5)において述べたことを総合勘案すると、本件商標権者から本件商標に係る商標権について通常使用権を許諾された丸和バイオケミカルは、本件審判の請求の登録前3年以内に、自己の業務に係る農業用除草剤である「ハーモニー細粒剤F」及び「ハーモニー75DF水和剤」について、商品カタログ又は商品リーフレットを作成したことが認められる。
そして、上記「ハーモニー細粒剤F」及び「ハーモニー75DF水和剤」の各商品名の構成中、「細粒剤」及び「水和剤」の各文字部分は剤形を、「F」及び「75DF」の各文字部分は品番等といった一種の記号又は符号を、それぞれ表してなるものといえるから、該商品名において、自他商品識別機能を果たし得るのはいずれも「ハーモニー」の文字部分とみるのが相当である。
また、上記商品カタログにおける商品の特長等を記載したページ及び商品リーフレットの表面に表示された「ハーモニー細粒剤F」及び「デュポンハーモニー75DF水和剤」の各標章については、上述のとおり、その構成中の「ハーモニー」の文字部分が顕著に表されている上、「細粒剤」及び「水和剤」の各文字部分は剤形を、「F」及び「75DF」の各文字部分は品番等といった一種の記号又は符号を、それぞれ表してなるものといえるから、これに接する取引者、需要者をして、該「ハーモニー」の文字部分が分離、抽出され、独立して自他商品識別機能を果たし得るとみるのが相当である。
そうすると、本件商標に係る商標権の通常使用権者である丸和バイオケミカルが農業用除草剤について使用する商標は、「ハーモニー」の文字からなるものといえる。
(7)小括
本件商標は、前記第1のとおり、「ハーモニー」の文字と「HARMONY」の文字とを上下二段に書してなるものであるところ、いずれの文字も「和声。調和。」といった意味を有する外来語及び英語として一般に広く知られており、同一の称呼及び観念を生じるものである。
他方、本件商標に係る商標権の通常使用権者である丸和バイオケミカルの使用に係る商標は、上記(6)のとおり、「ハーモニー」の文字からなるものである。
そうすると、上記丸和バイオケミカルの使用に係る商標は、本件商標の構成中の上段部分と同一のつづりからなり、同一の称呼及び観念を生じるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
また、丸和バイオケミカルの使用に係る農業用除草剤は、本件商標の指定商品中の第5類「薬剤」の範ちゅうに属するものと認められる。
してみれば、本件商標に係る商標権の通常使用権者である丸和バイオケミカルは、本件審判の請求の登録前3年以内に、その請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用(商標法第2条第3項第8号にいう行為)をしたと認められる。
2 むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、その請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-01-24 
結審通知日 2017-01-27 
審決日 2017-02-07 
出願番号 商願昭56-99332 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y05)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 松浦 裕紀子
田中 敬規
登録日 1984-10-31 
登録番号 商標登録第1720077号(T1720077) 
商標の称呼 ハーモニー、ハルモニー 
代理人 谷山 尚史 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
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