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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W10
審判 一部申立て  登録を維持 W10
審判 一部申立て  登録を維持 W10
管理番号 1329335 
異議申立番号 異議2016-900409 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-26 
確定日 2017-06-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5884046号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5884046号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5884046号商標(以下「本件商標」という。)は、「COAG.」の文字を横書きしてなり、平成28年4月7日に登録出願、第1類「化学品」及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同年8月31日に登録査定、同年9月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する商標は、以下の(1)ないし(5)の示すとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)国際登録第1218151号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SPRAY COAG」の文字を横書きしてなり、2014年4月8日にGermanyにおいてした商標の登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、2014年(平成26年)7月9日に国際商標登録出願、第10類「Surgical, medical, dental and veterinary instruments and apparatus and components thereof, included in this class; high frequency apparatus and instruments thereof for medical purposes, included in this class.」並びに第9類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年4月17日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第1218153号商標(以下「引用商標2」という。)は、「FORCED COAG」の文字を横書きしてなり、2014年4月8日にGermanyにおいてした商標の登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、2014年(平成26年)7月9日に国際商標登録出願、第10類「Surgical, medical, dental and veterinary instruments and apparatus and components thereof, included in this class; high frequency apparatus and instruments thereof for medical purposes, included in this class.」並びに第9類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年4月17日に設定登録されたものである。
(3)国際登録第1188911号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SOFT COAG」の文字を横書きしてなり、2013年8月16日にGermanyにおいてした商標の登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、2013年(平成25年)11月5日に国際商標登録出願、第10類「Surgical, medical, dental and veterinary instruments and apparatus and components thereof (as far as included in class 10); high frequency apparatus and instruments thereof for medical purposes (as far as included in class 10).」並びに第9類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年5月1日に設定登録されたものである。
(4)登録第4763482号商標(以下「引用商標4」という。)は、「TWIN COAG」の文字を標準文字で表してなり、2003年6月18日に「域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)」においてした商標の登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成15年12月4日に登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同16年4月9日に設定登録されたものである。
(5)登録第5395784号商標(以下「引用商標5」という。)は、「SWIFT COAG」の文字を横書きしてなり、平成22年7月29日に登録出願、第10類「医療用機械器具,手術用機械器具,歯科用機械器具,獣医科用機械器具」を指定商品として、同23年3月4日に設定登録されたものである。
以下、上記引用商標1ないし引用商標5をまとめて「引用商標」という場合がある。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第10類「医療用機械器具」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「COAG.」の文字からなり、「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「SPRAY COAG」の文字からなるところ、その構成中、「SPRAY」の文字から「スプレー」の称呼を生じ、「COAG」の文字から「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
しかし、上記「COAG」の文字は、特定の意味を有しない造語であるから、取引者、需要者がその称呼を直感的に認識することは困難である。
そうすると、引用商標1は、「スプレーコーグ」又は「スプレーコアグ」の一連の称呼を生じ難く、「スプレー」の称呼と「コーグ」又は「コアグ」の称呼とを生じると解するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標1とは、いずれも「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じることが明らかであるから、両商標は、称呼において類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似のものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「FORCED COAG」の文字からなるところ、その構成中、「FORCED」の文字から「フォースト」の称呼を生じ、「COAG」の文字から「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
しかし、上記「COAG」の文字は、特定の意味を有しない造語であるから、取引者、需要者がその称呼を直感的に認識することは困難である。
そうすると、引用商標2は、「フォーストコーグ」又は「フォーストコアグ」の一連の称呼を生じ難く、「フォースト」の称呼と「コーグ」又は「コアグ」の称呼とを生じると解するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標2とは、いずれも「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じることが明らかであるから、両商標は、称呼において類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標2の指定商品と同一又は類似のものである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、前記2(3)のとおり、「SOFT COAG」の文字からなるところ、その構成中、「SOFT」の文字から「ソフト」の称呼を生じ、「COAG」の文字から「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
しかし、上記「COAG」の文字は、特定の意味を有しない造語であるから、取引者、需要者がその称呼を直感的に認識することは困難である。
そうすると、引用商標3は、「ソフトコーグ」又は「ソフトコアグ」の一連の称呼を生じ難く、「ソフト」の称呼と「コーグ」又は「コアグ」の称呼とを生じると解するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標3とは、いずれも「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じることが明らかであるから、両商標は、称呼において類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標3の指定商品と同一又は類似のものである。
エ 引用商標4
引用商標4は、前記2(4)のとおり、「TWIN COAG」の文字からなるところ、その構成中、「TWIN」の文字から「ツイン」の称呼を生じ、「COAG」の文字から「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
しかし、上記「COAG」の文字は、特定の意味を有しない造語であるから、取引者、需要者がその称呼を直感的に認識することは困難である。
そうすると、引用商標4は、「ツインコーグ」又は「ツインコアグ」の一連の称呼を生じ難く、「ツイン」の称呼と「コーグ」又は「コアグ」の称呼とを生じると解するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標4とは、いずれも「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じることが明らかであるから、両商標は、称呼において類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標4の指定商品と同一又は類似のものである。
オ 引用商標5
引用商標5は、前記2(5)のとおり、「SWIFT COAG」の文字からなるところ、その構成中、「SWIFT」の文字から「スイフト」の称呼を生じ、「COAG」の文字から「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じるものである。
しかし、上記「COAG」の文字は、特定の意味を有しない造語であるから、取引者、需要者がその称呼を直感的に認識することは困難である。
そうすると、引用商標5は、「スイフトコーグ」又は「スイフトコアグ」の一連の称呼を生じ難く、「スイフト」の称呼と「コーグ」又は「コアグ」の称呼とを生じると解するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標5とは、いずれも「コーグ」又は「コアグ」の称呼を生じることが明らかであるから、両商標は、称呼において類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標5の指定商品と同一又は類似のものである。
(3)まとめ
以上によれば、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「COAG.」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、本件商標は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、「コアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「SPRAY COAG」の文字を横書きしてなるところ、「SPRAY」の文字と「COAG」の文字との間には半文字程度の間隙があるものの、両文字は、同じ書体及び大きさをもって表されていて、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものであり、また、その構成全体から生じると認められる「スプレーコアグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「SPRAY」の文字は、既成の英単語である一方、「COAG」の文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、引用商標1は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標1は、「スプレーコアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2
引用商標2は、前記2(2)のとおり、「FORCED COAG」の文字を横書きしてなるところ、「FORCED」の文字と「COAG」の文字との間には半文字程度の間隙があるものの、両文字は、同じ書体及び大きさをもって表されていて、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものであり、また、その構成全体から生じると認められる「フォーストコアグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「FORCED」の文字は、既成の英単語である一方、「COAG」の文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、引用商標2は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標2は、「フォーストコアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)引用商標3
引用商標3は、前記2(3)のとおり、「SOFT COAG」の文字を横書きしてなるところ、「SOFT」の文字と「COAG」の文字との間には半文字程度の間隙があるものの、両文字は、同じ書体及び大きさをもって表されていて、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものであり、また、その構成全体から生じると認められる「ソフトコアグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「SOFT」の文字は、既成の英単語である一方、「COAG」の文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、引用商標3は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標3は、「ソフトコアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(エ)引用商標4
引用商標4は、前記2(4)のとおり、「TWIN COAG」の文字を標準文字で表してなるところ、「TWIN」の文字と「COAG」の文字との間には1文字程度の間隙があるものの、両文字は、同じ書体及び大きさをもって表されていて、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものであり、また、その構成全体から生じると認められる「ツインコアグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「TWIN」の文字は、既成の英単語である一方、「COAG」の文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、引用商標4は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標4は、「ツインコアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(オ)引用商標5
引用商標5は、前記2(5)のとおり、「SWIFT COAG」の文字を横書きしてなるところ、「SWIFT」の文字と「COAG」の文字との間には1文字程度の間隙があるものの、両文字は、同じ書体及び大きさをもって表されていて、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものであり、また、その構成全体から生じると認められる「スイフトコアグ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、「SWIFT」の文字は、既成の英単語である一方、「COAG」の文字は、一般の辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを生じる語として知られているとも認められない。
そうすると、引用商標5は、これに接する者をして、特定の意味合いを想起させることのない一連一体の造語を表してなるものと看取、理解されるとみるのが相当である。
したがって、引用商標5は、「スイフトコアグ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
本件商標は、上記アのとおり、「COAG.」の文字からなるのに対し、引用商標1ないし引用商標5は、上記イのとおり、それぞれ、「SPRAY COAG」、「FORCED COAG」、「SOFT COAG」、「TWIN COAG」、「SWIFT COAG」の文字からなるところ、両商標は、「COAG」の文字は同じくするものの、他の文字の有無という顕著な差異を有するものであるから、外観上、相紛れるおそれはない。
(イ)称呼
本件商標から生じる「コアグ」の称呼と引用商標1ないし引用商標5から生じる「スプレーコアグ」、「フォーストコアグ」、「ソフトコアグ」、「ツインコアグ」、「スイフトコアグ」の称呼とは、いずれの比較においても、音構成及び音数に明らかな差異があるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
(ウ)観念
本件商標と引用商標1ないし引用商標5とは、いずれも特定の観念を生じないものであり、観念において比較することのできないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
エ 小括
上記ウによれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、本件申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-06-02 
出願番号 商願2016-40174(T2016-40174) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W10)
T 1 652・ 261- Y (W10)
T 1 652・ 263- Y (W10)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 尾茂 康雄
田中 敬規
登録日 2016-09-23 
登録番号 商標登録第5884046号(T5884046) 
権利者 協和メデックス株式会社
商標の称呼 コーグ、コアグ 
代理人 特許業務法人サンクレスト国際特許事務所 

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