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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
管理番号 1329332 
異議申立番号 異議2016-900399 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-19 
確定日 2017-06-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5881845号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5881845号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5881845号商標(以下「本件商標」という。)は、「AI inside」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年3月28日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」及び第42類「電子計算機を用いて行うデータ処理,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、同年9月1日に登録査定、同月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下に掲げるとおりである。
(1)登録第5042114号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成18年1月5日
設定登録日:平成19年4月20日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第5296055号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:INTEL INSIDE(標準文字)
登録出願日:平成21年3月10日
設定登録日:平成22年1月22日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第5777817号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成26年10月7日
設定登録日:平成27年7月10日
指定商品 :第9類、第10類、第14類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第4222888号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:THE COMPUTER INSIDE
登録出願日:平成8年10月17日(優先権主張1996年5月2日)
設定登録日:平成10年12月18日
指定商品 :第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
抹消登録日:平成21年8月19日
(5)登録第4233497号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:THE COMPUTER INSIDE
登録出願日:平成8年10月17日(優先権主張1996年5月2日)
設定登録日:平成11年1月22日
指定商品 :第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
抹消登録日:平成21年10月14日
(6)登録第4492276号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:THE JOURNEY INSIDE(標準文字)
登録出願日:平成12年3月15日
設定登録日:平成13年7月19日
指定役務 :第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(7)登録第5651671号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:LOOK INSIDE(標準文字)
登録出願日:平成25年3月13日(優先権主張2013年1月31日)
設定登録日:平成26年2月21日
指定商品及び指定役務:第9類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(8)登録第5651672号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成25年3月13日(優先権主張2013年2月1日)
設定登録日:平成26年2月21日
指定商品及び指定役務:第9類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
なお、上記引用商標4及び引用商標5は、いずれも本件商標の登録出願前に存続期間の満了により商標権の抹消の登録がされているものであり、上記引用商標1ないし引用商標3及び引用商標6ないし引用商標8は、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、引用商標1ないし引用商標3及び引用商標6ないし引用商標8を一括して、単に「引用商標」ということがある。

3 登録異議の申立ての理由の要旨
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
申立人の「Intel INSIDE」を始めとする「○○INSIDE」の様式からなる商標(以下「『○○INSIDE』ファミリー商標」という。)は、申立人の商品を示す商標として周知著名であるが、インテル・インサイド・プログラムの表示としても周知著名である。
すなわち、半導体製品の分野では、「○○INSIDE」ファミリー商標が周知著名であることから、第三者が「○○INSIDE」の表示様式を用い、「○○INSIDE」の「○○」に何らかの表示を付加し使用した場合は、取引者、需要者は、頻繁に接する機会が多い「○○INSIDE」ファミリー商標の印象及び記憶に基づき、申立人の商標を連想し、申立人の商品若しくは役務であることを認識するおそれがある。また、第三者商標が「○○INSIDE」である場合、かかる第三者商標は、申立人が提供するインテル・インサイド・プログラムの対象商標であるとの印象を抱き、また、連想することは明らかである。
よって、本件商標は、正に「○○INSIDE」の様式を踏襲するものであるから、本件商標に接した取引者、需要者は、申立人の「○○INSIDE」ファミリー商標を連想し、共通する印象を抱くものである。
したがって、本件商標は、申立人の「Intel INSIDE」及び「○○INSIDE」ファミリー商標に類似する商標である。
次に、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との関係について検討する。
本件商標の第9類及び第42類の商品及び役務は、引用商標1ないし引用商標3、引用商標7及び引用商標8の第9類の商品に類似し、第9類の商品と設計上、使用上、取引上密接な関係にある役務であり、かつ、取引者、需要者を共通にするから、区分の相違に拘わらず、お互いに類似する商品及び役務の関係にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、CPUなど半導体の製造販売を主たる業務とするが、事業の多角化の一環として、AI、すなわち、人工知能を利用する技術の開発を進めており、申立人のテクノロジー及びプログラムを活用し、AIの可能性を引き出し、ビジネスや社会により大きな影響を与えるようサポートすることをモットーに、AI関連事業を進めている(甲7)。
また、申立人は、社内AIソリューション強化のためにAI研究及び開発の先駆的企業であるNervana Systemsを買収することを決定した。Nervana Systemsは、2年前に誕生したAIスタートアップ企業であり、「Nervana Cloud」と呼ばれるクラウドベースのフルスタック機械学習プラットフォームを提供している。また、Pythonを使いNeonと呼ばれるAIのためのフレームワークを構築し、AI開発者のためのライブラリセットを提供している(甲7)。
さらに、これらAI関連事業は、第三者であるメディアが多数取り上げるところとなり、申立人のAI事業への進出は、すでに周知な事実となっている(甲8)。
したがって、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合は、「○○INSIDE」ファミリー商標の様式と同商標は共通することから、申立人の本件商標の指定商品及び指定役務の分野における周知著名な「Intel INSIDE」及びその他の「○○INSIDE」ファミリー商標のシリーズ商標であると取引者、需要者が理解することが明らかである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、申立人の前述のAI事業の存在を感知し、「AI inside」から、申立人の周知著名な商標を想起し、申立人が提供する指定商品及び指定役務であると誤認混同を生じるおそれがあり(狭義の混同)、また、申立人の子会社若しくは関連会社の商品・役務であると、間接的に混同を生じるおそれがある(広義の混同)。
また、本件商標は、引用商標の名声、評判にフリーライドし、引用商標の唯一性、すなわち、「○○INSIDE」ファミリー商標の、申立人が創作し、使用を継続していることを指標するものである唯一性を、稀釈化するものでもある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標1ないし引用商標3は、本件商標の登録出願前から、本件商標の指定商品と同一又は類似若しくは密接に関連する商品に使用されていたものである。本件商標の商標権者が、本件商標の登録出願時に、申立人の商標として世界的に広く知られている引用商標1ないし引用商標3について不知であったとは考え難い。ましてや、本件商標の商標権者は、AI技術の研究開発型企業であることに鑑みれば、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3及び「○○INSIDE」ファミリー商標が獲得している世界的な名声と顧客吸引力にフリーライドし、これにより、本件商標の商標権者の市場参入を容易化し、不当に商業的利益を得んとする意図が窺える。
それのみならず、本件商標は、引用商標の出所表示力を稀釈化して、引用商標のブランド価値を低下させ、申立人の商標の資産価値を毀損するものである。引用商標に関する「○○INSIDE」の方式に立つ商標は、英文法の観点よりみても文法法則から外れた特異な表示形式であり、極めて独創性の高い標章である。
このような状況の下で、取引者、需要者に申立人を容易に連想、奇想させる本件商標を申立人と無関係の本件商標の商標権者が使用すれば、申立人の業務に係る商品と強く結合している引用商標の出所表示力が稀釈化され、これにより、世界的な著名商標である引用商標のブランド価値が低下し、申立人の資産に重大な損害を及ぼすことは避けられない。
かかる事情から、本件商標は、申立人の周知著名な引用商標1ないし引用商標3及び「○○INSIDE」ファミリー商標の名声を利用する、不正の目的をもって商標を使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
申立人の提出する証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人は、1968年に米国で創業された世界最大の半導体製品メーカーであり、1970年に世界初のICメモリー、1971年に世界初のマイクロプロセッサを開発、製品化し、1991年以降、申立人の製造に係るマイクロプロセッサが搭載されたパソコン等を消費者が容易に認識できるようにするため、「Intel Inside」の文字を含むロゴを採用している。そして、10年後には、世界中で2,700社のコンピューター・メーカーにこのロゴが採用され、また、“Intel Inside”のサウンドロゴもテレビやラジオを通じて、世界中のどこかで5分に1回の割合で流れるようになっている(甲6)。
また、申立人の2015年通年の売上高は554億ドルであり、この業績は、インテルが進化し、また、その戦略が順調に進んでいることを示しているとされ(甲4)、インターブランド社による2016年度の「Intel」のブランド評価額は、369.52億米ドルで、順位は第14位である(甲5)。
さらに、申立人は、人工知能を利用する技術の開発を進めており、申立人のテクノロジー及びプログラムを活用している(甲7)。また、2016年8月18日付け日本経済新聞には、「インテル、AIサービス向けチップ実用化 17年にも」の見出しのもと、「米インテルは・・・来年にも人工知能(AI)を使ったサービス向けに最適化したチップを実用化すると発表した。」との記載がある(甲8)。
なお、申立人が2,700社のコンピューター・メーカーに採用されていると主張する申立人の商標(甲6第10頁)は、「intel inside」の文字を含むものではあるが、それらは引用商標のいずれとも完全に一致するものではなく、申立人の会社概要等を掲載した冊子及びインターブランド社のホームページには、引用商標1、引用商標3及び引用商標8から「inside」及び「Look Inside」の文字を省いた構成からなる標章が確認できるものの、引用商標と同一の構成からなる商標は見いだせない(甲5、甲6)。
イ 上記アの事実によれば、「intel」の文字は、本件商標の登録出願前から、世界的な半導体メーカーである申立人を表示するものとして広く認識されていたものといえるから、それ自体が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであり、また、「intel inside」の文字についても、本件商標の登録出願時には既に、申立人の製造に係るマイクロプロセッサ等の商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえるものである。
しかしながら、提出された証拠からは、申立人が「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した標章を使用した事実が見いだせないことはもとより、「inside」の文字が「内側の、内部に」の意味を有する一般的な英単語であることからすると、「intel」以外の文字と結合した「○○inside」との構成からなる商標は、これに接する取引者、需要者が直ちに申立人の主張する「○○INSIDE」ファミリー商標と理解し、併せて申立人の製造に係る商品を表示するものとして理解、認識するとまではいえない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「AI inside」の文字を標準文字で表してなるところ、まとまりよく一体に構成されているばかりでなく、その構成中、「AI」の文字は、その指定商品及び指定役務との関係から「人工知能(Artificial Intelligence)」を表す略語として、「inside」の文字は、「内側の、内部の」の等の意味を有する語として一般に知られているから、本件商標の全体の文字からは、「人工知能の内側」程の観念が生じることも少なくないというべきである。
そうすると、本件商標は、「AI」の文字部分と「inside」の文字部分とが分離して観察され、さらに、「inside」の文字部分のみが看者の注意を強く惹くというようなものではなく、全体をもって一つの標章として認識し把握され、「エイアイインサイド」の一連の称呼のみを生ずるものというのが自然である。
イ 引用商標は、上記2のとおり、略楕円の中に「intel」の文字を表示し、その下部に「inside」(引用商標1及び引用商標3)又は「Look Inside」(引用商標8)の文字を配した構成からなるもの、また、「INTEL INSIDE」(引用商標2)、「THE JOURNEY INSIDE」(引用商標6)及び「LOOK INSIDE」(引用商標7)の各文字を標準文字により表してなるものである。
そして、引用商標1ないし引用商標3の構成文字である「intel inside」又は「INTEL INSIDE」の文字は、上記(1)のとおり、申立人の製造に係るマイクロプロセッサ等の商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものであること、「intel」の文字部分が、申立人を表示するものとして広く認識され、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えることからすれば、引用商標1ないし引用商標3からは、その構成文字全体から「インテルインサイド」の、又は「intel」及び「INTEL」の文字部分から「インテル」の称呼を生じることはあっても、単に「インサイド」の称呼は生じないものというべきである。
そうすると、引用商標1ないし引用商標3は、該構成文字に相応して「インテルインサイド」の称呼を生じ、「インテル・コーポレーションが製造した商品が内蔵されたもの」の観念を生じ、又は、「インテル」の称呼を生じ、「インテル・コーポレーション」の観念が生じるというべきである。
また、引用商標6は、「THE JOURNEY INSIDE」の文字を標準文字でまとまりよく表されているところ、その構成中の「THE JOURNEY」の文字は「旅行」の意味を有する英語であるものの、商標全体として、親しまれた意味合いを想起するものとはいい難いことから、特定の意味合いを想起しない造語として認識されるとみるのが相当であって、これより、引用商標6は、該文字に相応して、「ザジャーニーインサイド」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
引用商標7は、「LOOK INSIDE」の文字を標準文字でまとまりよく表されていることから、構成文字全体から「ルックインサイド」の称呼及び「内側を見よ。」の観念を生ずるものである。
さらに、引用商標8は、該構成文字全体に相応し、「インテルルックインサイド」の称呼を生じ、略楕円の中に、申立人を表示するものとして広く認識され、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「intel」の文字を有することから、該文字部分より「インテル」の称呼及び「インテル・コーポレーション」の観念が生じ、単に「インサイド」の称呼は生じないものというべきである。
ウ そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものといえる。
また、本件商標から生ずる「エイアイインサイド」の称呼と引用商標から生ずる「インテルインサイド」、「インテル」、「ザジャーニーインサイド」、「ルックインサイド」又は「インテルルックインサイド」の称呼とは、明らかに構成音を異にし、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が明らかに異なり、明瞭に聴別することができるものである。
さらに、本件商標は、「人工知能の内側」程の観念が生じる一方、引用商標1ないし引用商標3は「インテル・コーポレーションが製造した商品が内蔵されたもの」、引用商標7は「内側を見よ。」及び引用商標8は「インテル・コーポレーション」の観念が生じ、また、引用商標6は特定の観念を生じないものであるから、本願商標と引用商標とは、観念において相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
「intel inside」の文字は、上記(1)のとおり、申立人の製造に係るマイクロプロセッサ等の商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、「インテルインサイド」又は「インテル」の称呼を生じることはあっても、単に「インサイド」の称呼は生じないものである。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、非類似の商標であり、相紛れるおそれのない別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定商品又は指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は引用商標を連想又は想起するとはいえず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
なお、本件商標が「○○inside」の表示形式を有する商標であるとしても、「○○inside」という構成の商標が、申立人の主張する「○○INSIDE」ファミリー商標と理解させ、かつ、申立人の製造にかかる商品又は役務であると誤信するおそれを生じさせるほどの強い出所識別機能を有しているとまでは認められないことは前述のとおりである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであること、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用しても引用商標や申立人を連想、想起するようなことがないことは前述のとおりである。
これより、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声及び信用力にフリーライドするものとはいえず、その他、不正の目的があることも見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1(引用商標1)


2(引用商標3)


3(引用商標8)



異議決定日 2017-05-30 
出願番号 商願2016-34765(T2016-34765) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W0942)
T 1 651・ 222- Y (W0942)
T 1 651・ 271- Y (W0942)
T 1 651・ 262- Y (W0942)
T 1 651・ 263- Y (W0942)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
登録日 2016-09-16 
登録番号 商標登録第5881845号(T5881845) 
権利者 AI inside株式会社
商標の称呼 エイアイインサイド、アイインサイド、インサイド 
代理人 伊藤 孝太郎 
代理人 中村 知公 
代理人 前田 大輔 
代理人 安高 史朗 
代理人 朝倉 美知 

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