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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
審判 全部申立て  登録を維持 W30
管理番号 1329324 
異議申立番号 異議2016-900230 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-08 
確定日 2017-06-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5847420号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5847420号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5847420号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、デザイン化した「天」の文字(以下「天図形」という。)を白抜きで表してなる紺色の矩形と筆書き風の「天のや」の文字を紺色で表してなるものであり、平成27年10月5日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,弁当,酒を使用したケーキ,たまご入りサンドイッチ,おはぎ,フレンチトースト」を指定商品として、同28年4月12日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。

第2 使用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標1ないし3(以下「使用商標1」ないし「使用商標3」という。)は、別掲2のとおり、(1)天図形を白抜きで表してなる赤色の矩形と筆書き風の「天のや」の文字を黒色で表してなるもの、(2)天図形を白抜きで表してなる紺色の矩形と筆書き風の「天のや」の文字を紺色で表してなるもの並びに(3)天図形を白抜きで表してなる黒色の矩形と上記(1)及び(2)の構成中の「天のや」の文字を縦書きで表示してなるものである。
以下、「使用商標1」ないし「使用商標3」をまとめて「使用商標」という場合がある。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。なお、枝番号の全てを引用するときは、以下、枝番号を省略して記載する。
1 本件商標と使用商標との類似性
本件商標(甲1)は、「天のや」の「天」の文字を独創的にデザインしたロゴと、屋号「天のや」を特徴的な書体で表した漢字及び平仮名で構成される外観態様より構成される。
一方、東京都港区麻布十番に所在する老舗の甘味処「AMANOYA(天のや)」(以下「老舗AMANOYA」という。)が使用する商標は、ホームページ(甲6)、商品の包装用紙(甲12の5)、店舗看板(甲10の2?甲10の5)等に表示されているように、老舗AMANOYAの屋号である「天のや」の文字と、「天」の文字を独創的にデザインしたロゴとから構成される。
両商標は、共に漢字と平仮名で「天のや」と表記することから、同じように「アマノヤ」と称呼されることは明らかである。また、両商標は、共に上記「天のや」の文字とともに、「天」の文字を同じようにデザインしたロゴを含むものであるため、外観上も相互に類似する。仮に、このロゴを含まない標章と本件商標とを比較した場合であっても、両者は同様の文字列「天のや」を含むものであるため、両商標は、称呼及び外観上相互に類似するものである。
2 老舗AMANOYAについて
老舗AMANOYAは、創業以来、天野家の一族により運営されてきており、本件商標権者は、創業家である天野家の許諾がないにもかかわらず、「天のや」の屋号及びロゴをそのまま用いた商標を出願し、商標登録を受けている。
老舗AMANOYAは、申立人の代表である「A」(以下「申立人代表」という。)(甲5)の祖母であるB(甲7)によって、昭和7年に大阪市南区長堀橋筋(現在の大阪市中央区宗右衛門町)に開業され、大阪界隈にて著名となった後、申立人代表の父である二代目C(甲7の1)を経て、平成14年8月に現在の東京都港区麻布十番に移転し今日に至る。この際の営業許可は二代目の長女である三代目のD(甲7の2)が受けている(甲8)。なお、申立人代表は、二代目の次女であり、家業である老舗AMANOYAの業務の一部を任されてきた立場にある。また、大阪から東京都港区への移転に際して、屋号の表記を「AMANOYA」としている。
さらに、老舗AMANOYAは、飲食の提供のみならず、食品の物販も行っており、大手デパート等への納品や通信販売など、多岐にわたり行ってきた(甲14?甲16)。
老舗AMANOYAは、大阪に店舗を構えていた頃から、数多くのテレビ番組(甲10)や雑誌・書籍(甲11)、インターネットメディア(甲12)、新聞広告(甲13)等にも度々取り上げられるなど、需要者において高く評価されており、著名の域にある。特に、老舗AMANOYAは、フランス法人ミシュラン社が発行する著名なグルメガイドブック「ミシュランガイド」の2015年度版及び2016年度版(甲11の7、甲11の8)においてビブグルマン(コストパフォーマスの高い料理)に認定されており、日本国内のみならず海外においても話題となっている。
3 本件商標権者について
本件商標権者は、平成19年2月に設立され、現在、東京都渋谷区広尾にて登記されている、衣料品、食料品・飲料品の販売等の企業である。現在の代表者はEである(甲3、甲4)。
4 商標法第4条第1項第7号について
甲第8号証の営業許可証等と、甲第3号証及び甲第4号証の履歴事項全部証明書等とからも明らかなように、本件商標権者は、老舗AMANOYAと何ら関係のない法人である。創業者である一代目Bないし三代目のDとのつながりはー切なく、大阪市中央区宗右衛門町ないし東京都港区麻布十番に関しても、何ら関係性は見当たらない。また、両者間における資本関係や業務上のつながりも一切ない。
また、本件商標の審査中に本件商標権者が提出した意見書(甲2)でも述べているように、老舗AMANOYAは、数多くのテレビ番組(甲10)や雑誌・書籍(甲11)、インターネットメディア(甲12)等にも度々取り上げられるなど、需要者において高く評価されており、著名の域にある。特に、老舗AMANOYAは、上述したとおり、著名なグルメガイドブック「ミシュランガイド」の2015年度版及び2016年度版においてビブグルマンに認定されており、日本国内のみならず海外においても話題となっている。
以上のとおり、本件商標は、老舗AMANOYAの著名性にあやかろうとする意図があり、他人の名声名誉にただ乗りする行為により出願されたものである。創業80年を越える老舗AMANOYAと無関係の第三者に登録を認めることは、一般的道徳観念に反して公正な競業秩序を害するとともに、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあり、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
5 商標法第4条第1項第10号について
上述したとおり、本件商標及び使用商標の両商標は、称呼及び外観上相互に類似するものである。
そして、老舗AMANOYAは、「天のや」又は「AMANOYA」の屋号及び使用商標を、創業以来飲食の提供場所である店舗の看板で使用するとともに、近年ではテレビやインターネットでも話題となった「たまごサンド」を代表とする食品(以下「使用商品」という場合がある。)についても使用し、2008年から全国各地に販売している(甲10?甲12)。老舗AMANOYAは、飲食の提供のみならず、食品の物販も行っており、大手デパート等への納品や通信販売など、多岐にわたり行ってきた(甲14?甲16)。
また、老舗AMANOYAは、その商標の使用において、「天のや」の文字及び「天」の文字のロゴを包装紙(甲12の5)等に大きくかつ繰り返して表示していることから、これに接する取引者、需要者は申立人の使用商標を認識することは明らかであり、このことは上記意見書においても本件商標権者が述べており、本件商標権者が使用商標を知らないということは考えられない。さらに、少なくとも2006年からは、ホームページ上においても、「天のや」の文字及び「天」の文字のロゴを掲示している(甲6)。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
6 商標法第4条第1項第15号について
上述したとおり、本件商標及び使用商標の両商標は、称呼及び外観上相互に類似するものである。
そして、老舗AMANOYAは、昭和7年に大阪の宗右衛門町で創業以来、店舗の看板や、商品「たまごサンド」等の食品について、「天のや」の屋号及び「天のや」の「天」の文字を独創的にデザインしたロゴを用いた商標を広く使用し今日に至っており、上述したとおり、各種のテレビ番組や雑誌・書籍、インターネットメディア等にも度々取り上げられるなど(甲10?甲12)、需要者において高く評価されている。
また、老舗AMANOYAは、飲食の提供のみならず、食品の物販も行っており、大手デパート等への納品や通信販売など、多岐にわたり行ってきた(甲14?甲16)。
そのため、本件商標の指定商品が属する分野の需要者は、「天のや」の文字、「天」の文字をデザインした図形を用いた本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、老舗AMANOYAの業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれがあることは明らかである。
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品等と出所混同を生じるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
7 商標法第4条第1項第19号について
(1)使用商標の著名性
上述したとおり、本件商標の審査中に本件商標権者が提出した意見書(甲2)でも述べているように、老舗AMANOYAは、数多くのテレビ番組(甲10)や雑誌・書籍(甲11)、インターネットメディア(甲12)等にも度々取り上げられるなど、需要者において高く評価されており、その「天のや」が長年にわたり屋号や看板に用いている「天のや」の文字及び「天」の文字を独創的にデザインしたロゴは、周知・著名な標章である。
特に、老舗AMANOYAは、上述したとおり、著名なグルメガイドブック「ミシュランガイド」の2015年度版及び2016年度版においてビブグルマンに認定されており、日木国内のみならず海外においても話題となっている。
また、老舗AMANOYAは、飲食の提供のみならず、食品の物販も行っており、大手デパート等への納品や通信販売など、多岐にわたり行ってきた(甲14?甲16)。
(2)不正の目的について
甲第8号証の営業許可証等と、甲第3号証及び甲第4号証の履歴事項全部証明書等とからも明らかなように、本件商標権者は、老舗AMANOYAと何ら関係のない法人である。
すなわち、本件商標権者は、創業者であるBないし三代目店主のDとのつながりは一切なく、大阪市中央区宗右衛門町ないし東京都港区麻布十番に関しても、何ら関係性は見当たらない。また、両者間における資本関係や業務上のつながりも一切ない。
本件商標は、老舗AMANOYAの著名性にあやかろうとする意図があり、他人の名声名誉にただ乗りする行為により出願されたことが推認される。このような老舗AMANOYAと何ら関係のない本件商標権者が、他人の周知・著名な使用商標と類似する本件商標を使用する行為は、「天のや」の著名性や、化体した信用に不当にフリーライドしようとするものというべきであり、商標法第4条第1項第19号の「不正の目的をもって使用する」行為に該当する。
特に、本件商標権者が本件商標の審査の過程で提出した意見書には本件商標権者のホームページが添付されており(甲4)、このホームページでは、老舗AMANOYAの店舗内の写真や看板、商品が、老舗AMANOYAの許可なく使用されている。
また、本件商標権者のホームページ内にある「ABOUT US」のページでは、老舗AMANOYAの店舗外観写真とともに老舗AMANOYAの歴史があたかも本件商標権者自身の歴史であるかのように記載されている。
この甲第4号証に示した本件商標権者のホームページのドメインは、amanoya.tokyoであり、あたかも老舗AMANOYAと関係がありそうに装っているが、老舗AMANOYA自身のホームページは、そのドメインがamano-ya.jpであり(甲6)、両者は全くの別物である。
ドメインの登録者を検索するネットサービス「WHOIS検索」(甲9の1)によれば、本件商標権者のホームページのドメインの登録者は、Eであり、その所属組織は、「Delico International Co.,Ltd.」となっている。この所属組織は、その履歴事項全部証明書(甲9の2)によれば、その現住所が本件商標権者と同一であり、その代表者も、本件商標権者の代表者であるEである(甲3、甲4)。
このように需要者を欺くような誤導的なドメインを老舗AMANOYAの許可なく取得し、観たものが本件商標権者と老舗AMANOYAとが一体的あるいは何らかの関係があるものと誤認するようにホームページを巧妙に作り込んでいることからも、他人に損害を加える目的があることが推認される。
以上のとおり、他人である老舗AMANOYAの著名な商標と同一・類似の本件商標を不正の目的をもって使用する行為が推認されることから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

第4 当審における取消理由通知(要点)
申立人と何ら経営上の関係を有しない本件商標権者が特徴的な天図形を有する使用商標と同一といえる本件商標を偶然採択したとは到底考えられず、また、本件商標の審査中に提出した意見書(甲2の2)の内容から、本件商標権者が申立人の商品を販売する者であるかのようにうかがえることからしても、本件商標権者は、申立人の使用に係る使用商標の存在を認知していたことは明らかである。
さらに、本件商標権者が申立人と何ら経営上の関係を有しない者であるのに上記意見書のような主張を行ったとすれば、本件商標権者は、使用商標が相当程度の周知性を有していたことを認知した上で、申立人との密接な関係を主張して本件商標の登録を受けたことになる。
そうすると、本件商標権者は、本件商標の登録出願前から、申立人が「サンドイッチ(たまごサンド)」等の商品に係る使用商標を使用しており、申立人がミシュランガイドで紹介され、テレビ等にも頻繁に取り上げられるなどされたことにより名声を得て、使用商標が相当程度の周知性を有していたことを認知していながら、使用商標が商標登録されていないことを奇貨として、使用商標と同一といえる本件商標を申立人の承諾を得ずに登録出願をし、登録を得たものであるから、本件商標権者は、使用商標を剽窃したものと認められる。
以上のとおり、本件商標の登録出願の経緯には著しく社会的相当性を欠くものがあり、その商標登録は、商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

第5 本件商標権者の提出した意見書(要点)
上記第4のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する旨の取消理由通知が発せられたが、本件商標権者は、審判官の意見に首肯しかねるので、以下にその理由を述べる。
1 本件商標権者と申立人の関係について
申立人は、本件商標権者と何ら業務上のつながりがないと述べており、取消理由通知においてもこの旨が認定されているが、かかる申立人による主張は失当である。
まず、本件商標権者は、平成28年2月19日付け意見書(甲2の2)で述べたとおり、「天のや」が提供するたまごサンド等の物販を取り扱う法人である。具体的には、本件商標権者は、申立人との間で合意書を締結し(乙1、以下「本件合意書」という。)、本件合意書に定められた範囲内において、本件商標を使用した商品の販売等を行っている。
また、本件合意書において定められているとおり、申立人は、本件商標権者が本件商標を出願し登録することに同意している。
なお、本件合意書は、本意見書提出時点において解除はされておらず、本件商標の登録査定時においても有効に存続している。
以上に述べたとおり、本件商標権者は、申立人との間で取り交わされた合意書に基づいて、本件商標を使用した商品の販売等を行っており、本件商標権者と申立人との間で業務上のつながりがあることは明らかである。
2 結論
本件商標については、本件合意書に基づき両当事者合意のうえ出願が行われている以上、本件商標の出願の経緯は、社会的相当性を欠くとは到底いえず、本件商標は、商標法第4条第1項第7号には該当しない。

第6 当審の判断
1 使用商標の周知・著名性について
申立人は、使用商標が申立人の製造販売に係る「たまごサンド」を代表とする食品を表示する識別標識としての商標として周知・著名性を獲得している旨主張している。
そして、申立人提出の証拠及び同人の主張によれば、使用商標は、本件商標の登録出願の日前から、申立人の業務に係る商品「たまごサンド」を表示するものとして、我が国の需要者の間にある程度認識されている商標であると認めることができる。
しかしながら、当該「たまごサンド」は、申立人の店舗で販売されるほかは、期間限定で東京のデパートで販売された(甲10の14)にすぎないこと、また、当該「たまごサンド」を含む使用商品の売上高及び広告宣伝回数など、使用商標の使用の事実を量的に把握することができないことから、申立人提出の証拠をもってしては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されている商標ということはできない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
上記第5のとおり、申立人と本件商標権者との間で締結された本件合意書(乙1)が存在し、当該合意書によれば、申立人は、本件商標権者に対し、「天のや」の名称を使用した商品の販売を認めるとともに、本件商標権者が自己の費用負担で、老舗AMANOYAの店舗及び老舗AMANOYAで販売されている「玉子サンドイッチ」その他の商品に関する商標を出願、登録することに同意しているのであるから、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的相当性を欠くものがあったとはいえない。
また、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的であるなど他人に不快な印象を与えるような構成のものではなく、申立人が提出した証拠からは、本件商標が、社会の一般的道徳観念に反するもの、法律により禁止されているもの又は国際信義に反するものとすべき事情も見当たらないから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
上記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されている商標ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されている商標ではない。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者が使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第19号該当性について
上記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されている商標ではない。
また、上記2のとおり、本件商標権者と申立人との間で、「天のや」の名称の使用や商標の出願、登録に関する本件合意書が締結されているから、かかる事情において、本件商標権者が商標法第4条第1項第19号にいう不正の目的をもって本件商標の使用をするものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(色彩は、原本参照)


別掲2 使用商標(色彩は、原本参照)
(1)使用商標1 申立人のホームページに表示されたもの(甲6)


(2)使用商標2 申立人の包装紙に表示されたもの(甲12の5、5葉目)


(3)使用商標3 申立人の大阪の店舗看板に表示されたもの(甲10の2?甲10の5)
態様は、天図形を白抜きで表してなる黒色の矩形と上記(1)及び(2)の構成中の「天のや」の文字を縦書きで表示してなるものである。


異議決定日 2017-05-23 
出願番号 商願2015-96154(T2015-96154) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W30)
T 1 651・ 22- Y (W30)
T 1 651・ 271- Y (W30)
T 1 651・ 222- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 松浦 裕紀子
大森 健司
登録日 2016-04-28 
登録番号 商標登録第5847420号(T5847420) 
権利者 株式会社YARN HOUSE
商標の称呼 アマノヤ 
代理人 佐々木 敦朗 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

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