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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09 |
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管理番号 | 1329273 |
審判番号 | 取消2016-300785 |
総通号数 | 211 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-07-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2016-11-07 |
確定日 | 2017-05-29 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5491112号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5491112号商標(以下「本件商標」という。)は、「Or@ngeOnline」の文字を横書きした構成からなり、平成23年11月7日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・磁気テープ,電子出版物」、第38類「電子計算機端末による通信を利用した報道をする者に対するニュースの供給,電子メールその他の電子計算機端末を利用した文字・映像・音声のデータ通信又は総合デジタル通信その他の電子計算機端末による通信,通信ネットワークを利用した音声・画像の伝送交換,コンピュータ通信ネットワークによる音声・映像・データの伝送交換,インターネットを利用した電子計算機端末による映像・音声の伝送交換,電子メールによる通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,通信機能を付加してなるテレビゲーム機(家庭用及び業務用を含む)・液晶ゲーム機による通信,電子計算機を中継とした電話による伝言伝達の通信,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第42類「コンピュータ通信ネットワークを利用したコンピュータプログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機システムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機システムの遠隔監視,電子計算機用プログラムの設計・企画,通信ネットワークシステムに関するコンサルティング,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)及び電子計算機用プログラムの環境設定及びその機能の拡張・追加,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する助言,電子計算機システムの設計・作成又は保守に関する助言,インターネットにおけるホームページの作成,電子計算機端末による電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)及び電子計算機用プログラムに関する試験又は研究,電気通信機械器具及びその周辺機器に関する試験又は研究,インターネット用サーバーの貸与,インターネットホームページの設計・作成,その他の電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定商品及び指定役務として、同24年5月11日に設定登録されたものである。 なお、本件審判の請求の登録日は、平成28年11月18日である。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 本件商標は、その指定商品及び指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対して弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。 本件商標は、乙第1号証ないし乙第5号証の証拠のとおり、本件審判の請求の登録前3年(平成25年11月18日?平成28年11月17日:以下「要証期間」という。)以内に商標権者の使用実績がある。 1 乙第1号証の「会社案内パンフレット」は、平成28年7月1日から使用している。 乙第1号証の5頁「ITインフラソリューション」欄の「ITインフラ構築サービス/クラウドサービス」の商品として本件商標を使用している。 そして、第1号証に記載の代表取締役社長新海佳彦は、平成28年7月1日に代表取締役社長に就任している(乙3)。 また、乙第4号証の「請求書(写し)」に記載の請求日からすれば、会社案内パンフレット(乙1)は、平成28年7月1日に当社へ納品されている。 2 乙第2号証の「会社案内パンフレット」は、平成28年6月30日まで使用していた。 そして、乙第2号証の5頁「ITインフラソリューション」欄の「ITインフラ構築サービス/クラウドサービス」の商品として本件商標を使用していた。 また、乙第2号証に記載の代表取締役社長深堀益稔は、乙第3号証の「履歴事項全部証明書」によれば、平成28年6月30日に代表取締役社長を辞任している。 3 乙第5号証の「利用申込書(変更)(写し)」は、申込年月日(平成28年11月5日)より使用しており、利用約款対象商品として、本件商標を使用している。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠及びその主張によれば、以下のとおりである。 (1)乙第1号証は、会社案内パンフレットであるところ、その表紙には「クボタシステム開発株式会社」の表示があり、また、裏表紙には、「クボタシステム開発株式会社」及び「大阪市浪速区敷津東1-2-47」の記載がある。 また、2頁には、代表取締役社長である新海佳彦氏の挨拶文が掲載されている。 そして、当該パンフレットの5頁には、「IT インフラソリューション/IT Infrastructure Solution」の見出しの下、「IT インフラ構築運用サービス」の項目には、「メインフレームからUNIX系総合サーバ、IAサーバまで、クボタグループの情報システムの運用ノウハウをベースとし、データセンターを核にご安心頂ける各種サービスをご提供します。」の記載があり、「クラウドサービス」、「グローバル運用サービス」、「サーバ構築・運用サービス」及び「ホスティング/ハウジングサービス」の4種類のサービスが記載され、「クラウドサービス」の下には、さらに「『Or@ngeOnline』(以下「使用商標」という。) IaaS」、「自動FAXサービス SaaS」、及び「勤務管理サービス SaaS」の記載がある。 (2)乙第3号証は、被請求人の「履歴事項全部証明書」であるところ、その5頁には、「代表取締役 新海 佳彦」及び「平成28年7月1日就任」の記載がある。 (3)乙第4号証は、2016年(平成28年)7月1日付けの、宛先を被請求人として、クボタワークス株式会社が作成した「請求書」であるところ、「項目」欄には「会社案内パンフレット印刷費/...4/4フルカラー両面印刷/中綴じ冊子 8ページ」の記載、「数量」欄には「1,000」、及び単価、金額の記載がある。 2 判断 (1)使用者及び使用時期について 上記1によれば、使用商標が表示された会社案内パンフレット(乙1)の表紙には、被請求人(商標権者)の名称が表示され、また、その裏表紙には、被請求人の名称及び住所が表示されていることから、使用商標の使用者は、商標権者と認められる。 そして、当該会社案内パンフレットには、代表取締役社長として、新海佳彦氏の表示があり、同氏が平成28年7月1日に代表取締役に就任していること、及び請求書(乙4)の記載内容からすれば、当該パンフレットは、平成28年7月1日に1,000部作成され、納品されたといえ、それ以降に被請求人の顧客(取引者・需要者)に頒布されたと推認できるものであり、その頒布の開始時期は、要証期間内である。 (2)使用商標について 乙第1号証に表示されている使用商標「Or@ngeOnline」は、「Or@ngeOnline」の構成からなる本件商標と同一の商標と認められる。 (3)使用役務及び商標の使用について 上記1によれば、乙第1号証の会社案内パンフレットには、「メインフレームからUNIX系総合サーバ、IAサーバまで、・・・データセンターを核にご安心頂ける各種サービスをご提供します。」及び「クラウドサービス」の下には、「『Or@ngeOnline』IaaS」、「自動FAXサービス SaaS」、及び「勤務管理サービス SaaS」の記載があるところ、「IaaS」(イアース)は、「(infrastructure as a service)業務用コンピューターシステムの構築に必要な、ハードウェアなどの基盤(インフラストラクチャー)一式が利用できる環境を、インターネット経由で提供するサービス。サーバー、ストレージ、ネットワーク環境など、その業務に必要な規模に応じてサービス料を支払って利用する。」の意味を、「SaaS」(サース)は、「(software as a service)インターネットを経由してソフトウェアを利用するサービス。」(いずれも、「デジタル大辞泉」:出典「小学館」)を意味する語であるから、上記クラウドサービスにおける「IaaS」及び「SaaS」の記載は、いわゆるクラウドコンピューティングにおけるサービスの形態を表す略語とみることができる。 そして、「IaaS」が上記意味合いを表す語であることからすれば、「『Or@ngeOnline』IaaS」に係るサービスは、本件指定商品及び指定役務中、第42類「インターネット用サーバーの貸与」を含むものといえ、被請求人は、「インターネット用サーバーの貸与」を含むサービスに使用商標を使用していたと推認することができる。 (3)小括 以上によれば、本件商標の商標権者であるクボタシステム開発株式会社が、要証期間内に、使用商標を本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務中、「インターネット用サーバーの貸与」に付した会社案内パンフレットを、日本国内において頒布していたというべきであり、当該行為は、「役務に関する広告・・・に標章を付して・・頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。 3 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品及び指定役務中、第42類「インターネット用サーバーの貸与」について、本件商標と同一の商標の使用をしたことを証明したといえるものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-03-27 |
結審通知日 | 2017-03-30 |
審決日 | 2017-04-20 |
出願番号 | 商願2011-83360(T2011-83360) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(X09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 綿貫 音哉、山本 敦子 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
山田 正樹 中束 としえ |
登録日 | 2012-05-11 |
登録番号 | 商標登録第5491112号(T5491112) |
商標の称呼 | オレンジオンライン、オレンジ |