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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W43
審判 査定不服 外観類似 登録しない W43
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W43
管理番号 1329187 
審判番号 不服2016-15415 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-14 
確定日 2017-05-08 
事件の表示 商願2015- 68490拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類「宿泊施設の提供」を指定役務として、平成27年7月21日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4653905号(以下「引用商標1」という。)は、「CITIZEN」の欧文字を横書きしてなり、平成14年2月27日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供」を含む第35類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年3月14日に設定登録され、その後、同24年10月23日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)登録第5199065号(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成20年3月21日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供」を含む第35類、第36類、第39類、第43類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年1月23日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1と引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、黒塗りの四角形内の上段に、やや太く白抜きで「citizen」(iの文字は上部の点がない。以下「i」と記載する。)の欧文字を表してなり、中段に、大きく、三角形を1つと五角形を2つ組み合わせた赤色の図形(以下「図形部分」という。)を配し、下段に、ややデザイン化された白抜き文字で「シチズンエム」と表してなるものである。
そして、中段の図形部分は、直ちに特定の物を想起させるともいい難く、一種の幾何図形を表したものとして認識されるものである。
また、上段の「citizen」の文字部分及び下段の「シチズンエム」の文字部分と図形部分とは、色彩の相違もあり、視覚上、明確に分離して看取されるものであって、これらを常に一体不可分のものとしてのみ認識しなければならない格別の事情があるとはいえず、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そうすると、上段の「citizen」の文字は「i」の文字をデザイン化し、やや太く白抜きで表示されており、「市民、国民」の意味を有する語(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)として、よく知られた英語であることから、需要者は、上段の「citizen」の文字部分に着目して取引に資する場合もあるものというべきであり、また、下段の「シチズンエム」の文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであって、この文字部分も、上段の「citizen」の文字部分と同様に取引に資される場合があるものである。
してみれば、本願商標は、下段の「シチズンエム」から生じる「シチズンエム」の称呼のほか、上段の「citizen」の文字に相応して「シチズン」の称呼を生じ、「市民、国民」の観念を生じるものといえる。
イ 引用商標について
引用商標1は、「CITIZEN」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「市民、国民」等の意味を有する一般に知られている英語といえるものであるから、これからは、その構成文字に相応して「シチズン」の称呼を生じ、「市民、国民」の観念を生じるものである。
引用商標2は、別掲2のとおりの構成よりなるところ、全体の半分以上占める割合で、上段に「CITIZEN」の欧文字を大きく横書きし、その下段の黒色の細長い長方形内には、「Micro HumanTech」の欧文字を小さく白抜きで表し、さらにその下に中央から濃淡のある細長い三角形を配する構成からなるものである。
そうすると、引用商標2は、上記の構成から、「CITIZEN」の文字部分と「Micro HumanTech」の文字部分が視覚的に分離して認識されるものであって、需要者は、視覚上、大きく表された「市民、国民」等を意味する「CITIZEN」の文字部分に着目して取引に資する場合もあるものというべきである。
してみれば、引用商標2は、全体から生じる「シチズンマイクロヒューマンテック」の称呼のほか、その構成上、要部として看取される「CITIZEN」の文字部分に相応して「シチズン」の称呼を生じ、「市民、国民」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標とは、その構成を異にするものであるが、上記ア及びイに記載したとおり、両者の要部である「citizen」と「CITIZEN」の文字部分とは、小文字と大文字の違いがあるものの、その綴りが同じ欧文字であるから、両者は、これらの文字部分において近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標からは、共に「シチズン」の称呼を生じるものであり、両者は、その称呼を同一にするものである。
また、観念においては、本願商標と引用商標からは共に「市民、国民」の観念を生じるものであり、その観念を同一にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、その要部として看取される「citizen」と「CITIZEN」の文字部分において、近似した印象を与えるものであって、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両者は、類似の商標というべきである。
そして、本願商標の指定役務である「宿泊施設の提供」は、引用商標の指定役務中の「宿泊施設の提供」と同一の役務である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、下段の『シチズンエム』の文字が、上段の『citizen』と中段の図形部分の振り仮名の役目を果たしており、本願商標は『シチズンエム』の称呼のみを生じ、請求人の略称であることを容易に理解できる。」旨を主張している。
しかしながら、前記(1)アのとおり、中段の図形部分は、直ちに特定の物を想起させるともいい難く、一種の幾何図形を表したものとして認識され、かつ、文字部分と図形部分は、その色彩の相違もあることから、視覚上、明確に分離して看取されるものである。
そうすると、本願商標の構成中の下段の「シチズンエム」の文字が、上段の「citizen」と中段の図形部分の振り仮名の役目を果たしているものとはいえないというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務中の役務と同一の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり、審決する。
別掲 別掲1(本願商標:色彩については、原本を参照。)


別掲2(引用商標2)



審理終結日 2016-11-29 
結審通知日 2016-12-02 
審決日 2016-12-14 
出願番号 商願2015-68490(T2015-68490) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W43)
T 1 8・ 263- Z (W43)
T 1 8・ 261- Z (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
木住野 勝也
商標の称呼 シチズンエム、シチズン 
代理人 櫻木 信義 

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