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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z09
管理番号 1329181 
審判番号 取消2015-300136 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-02-26 
確定日 2017-05-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第4865752号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4865752号商標(以下「本件商標」という。)は、「PHANTOM」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年8月14日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,コンピュータ,コンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の記録媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,業務用テレビゲーム機その他の遊園地用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ用コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD-ROMその他の記憶媒体その他の家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同17年5月20日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、平成27年3月9日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,コンピュータ,コンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の記録媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品」に係る登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標は、被請求人から使用許諾を受けた者によって、本件審判請求予告登録前3年以内(以下、「要証期間内」という。)に本件指定商品について日本国内で使用されたと主張する。
しかしながら、被請求人の提出に係る全証拠を総合しても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、要証期間内に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した事実があるとはいえない。以下、その理由を述べる。
(1)被請求人らの使用権原
被請求人は、乙第2号証の本件商標権の譲渡証明書を提出し、本件商標は、平成17年(2005年)5月20日ドイツ法人のバイエリシェ・モトーレンウェルケ・アクチェングゼルシャフト(以下、「BMW社」という。)の名義で設定登録されたが、同社は、当該設定登録日前の2004年(平成16年)11月11日に、米国法人センサブル テクノロジーズ インコーポレイテッド(以下、「米国センサブル社」という。)との間で、本件商標権の米国センサブル社への譲渡に合意した、したがって、米国センサブル社は、2004年(平成16年)11月11日から同社が2012年(平成24年)4月11日にジオマジック インコーポレイテッド(以下、「米国ジオマジック社」という。)に吸収合併されて消滅するまで、本件商標の事実上の商標権者であり、本件商標を使用する権原を有していたと主張する。
しかしながら、本件商標の当初の出願人は、米国センサブル社であって、2004年(平成16年)11月11日付署名の譲渡証書を原因証書として、2004年(平成16年)12月8日に、BMW社に名義変更した(甲2)。以後、平成27年5月19日に商標権の存続期間の更新申請をするまで、BMW社が庁に対して手続を行っている。したがって、米国センサブル社がBMW社に譲渡した同日の、2004年(平成16年)11月11日に、BMW社が米国センサブル社に譲渡したということはありえない。
また、米国センサブル社は、設定登録日前に本件商標を譲り受けたというのであれば、設定登録後、すみやかに商標権の移転登録申請を行うはずであるが、乙第2号証に記載された譲渡日から半年後の平成17年5月13日に登録料を納付したのは、BMW社であって、BMW社の名義で設定登録を受け、さらに、BMW社が平成27年5月19日に商標権の存続期間の更新登録の申請を行った。すなわち、米国センサブル社は、譲渡日から10年以上の間、本件商標権に何ら関与しなかったのであるから、本件商標の「事実上の商標権者」であるとはいえない。
なお、商標権の移転は、登録されなければ、その効力を生じない。したがって、平成27年(2015年)10月8日に商標権の移転が登録される前に、米国センサブル社が商標法第50条第1項に規定する「商標権者」になることはできない。
(2)被請求人と米国ジオマジック社、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社との関係
ア 被請求人と米国ジオマジック社、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンとの関係
被請求人は、本件商標は、米国センサブル社から米国ジオマジック社に権利移転され、さらに米国ジオマジック社から被請求人に権利移転され、被請求人から使用許諾を受けた者、すなわち、本件商標の前商標権者であり、かつ、被請求人100%保有の子会社の米国ジオマジック社、同じく被請求人100%保有の子会社の株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、並びにジオマジック社製品の日本における正規販売代理店の株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社によって、要証期間内に使用されたと主張する。
しかしながら、前記のとおり、平成27年(2015年)10月8日に商標権の移転が登録される前に、米国センサブル社が商標法50条1項に規定する「商標権者」になることも、同社から他の会社に商標権を移転することもできない。被請求人は、米国ジオマジック社、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社に使用許諾をしたと主張するが、被請求人が、平成27年(2015年)10月8日以前に「商標権者」になることはできないから、上記4社が商標法50条1項に規定する「通常使用権者」になることはありえない。
また、被請求人は、米国ジオマジック社が2013年(平成25年)2月27日に被請求人によって買収された(乙4?乙6)、2012年(平成24年)4月11日から2013年(平成25年)2月26日まで本件商標の事実上の商標権者であり、また、2013年(平成25年)2月27日以降現在までは被請求人の子会社として本件商標を使用許諾されている米国ジオマジック社であると主張するが、乙第6号証によると、米国ジオマジック社を買収したのは、スリーディー システムズ コーポレーション(以下「米国3Dシステムズ社」という。)であって、被請求人ではない。
したがって、米国ジオマジック社が被請求人の子会社であるというのは誤りであり、被請求人は、2013年(平成25年)2月27日に、米国ジオマジック社から「事実上の商標権者」の地位を当然に承継したのではなく、本件審判の請求後に、本件商標権が特定承継(譲渡)されたものである。
さらに、乙第5号証中の「Exhibit 21.1 3D Systems Corporation List of Subsidiaries」に記載されたとおり、米国ジオマジック社、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン及び被請求人は、いずれも、米国3Dシステムズ社が支配する会社であって、前2社の株式を被請求人が100%保有するという関係にはない。したがって、前2社の事業活動が被請求人の支配下にあるとはいえないし、前2社に被請求人が使用許諾したことを証する書面も提出されていない。
イ 被請求人と株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社との関係
米国ジオマジック社製品の日本における正規販売代理店の株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社について、被請求人は、米国センサブル社との販売代理店契約書(乙18及び乙19)を提出し、当該契約は、米国センサブル社から米国ジオマジック社に継承されて現在も有効であると主張する。
しかしながら、米国センサブル社も米国ジオマジック社も、商標法50条1項に規定する「商標権者」であったのは、平成27年(2015年)10月8日の1日だけである(乙1の2)から、要証期間内に他人に通常使用権を許諾することはできず、株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社が、商標法50条1項に規定する「通常使用権者」になることはありえない。
ウ 以上のとおり、被請求人、米国ジオマジック社、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社のいずれも、商標法50条1項に規定する「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者」に該当しない。
(3)米国ジオマジック社による使用
被請求人は、本件商標は、米国ジオマジック社によって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)2月1日から2015年(平成27年)3月8日まで、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用されたと主張する(乙8号?乙11)。
しかしながら、製品情報ページ並びにこれらのウェブサイトで提供されている製品カタログは、いずれも、本件審判の請求後に印刷されたものである。また、被請求人は、乙第9号証及び乙第11号証の最終頁の下欄のクレジット表示「C(丸の中にCが記載されている)2013 Geomagic Inc.All rights reseved.」より、当該カタログが2013年に作成されたことが明らかであると主張するが、要証期間内に電子カタログが提供されていたことを何ら証明していない。さらに、使用開始日を2013年(平成25年)2月1日とする理由も不明である。
以上のとおり、要証期間内に、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供されていたとはいえない。
また、乙第8号証ないし乙第11号証に表示されている商標は、「Phantom Omni」、「Phantom Desktop」、「Phantom Premium」等、「Phantom」の語と他の語を組み合わせたものであって、「Phantom」の文字部分のみを捉えて各商品の取引に資するとは言い難く、むしろ構成全体をもって、一体不可分の造語として認識、把握されるとみるのが自然である。
したがって、上記各商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
(4)株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンによる使用
被請求人は、本件商標は、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンによって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)5月30日に、商品に関する広告(プレゼンテーションのスライド)に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用されたと主張する(乙7、乙12?乙17)。
乙第15号証の電子メールについては、「その作成日は、作成者が使用するコンピュータで設定した日時に依存して記録されるものであって、容易に真実と異なる日時を表示することができるし、また受信した電子メールの内容をその後に容易に訂正することもできる。」(知財高裁平成19年3月26日判決・平成18年(行ケ)第10358号)
また、乙第16号証(販売代理店企業の一覧)には、作成者及び作成年の記載がなく、「5月30日リセラーミーティング」が、乙第15号証において2013年5月30日に開催されたとされる「パートナーミーティング」を指すかどうかも不明である。
したがって、乙第15号証及び乙第16号証は、2013年(平成25年)5月30日に、パートナーミーティングが開催されたことを証明するものではない。
さらに、乙第17号証(スライド)の1頁には、「2013.5.30」の表示があるものの、2013年(平成25年)5月30日に販売代理店を招いたパートナーミーティングで上映されたこと、「Geomagic Phantom Premium」等の名称を表示した箇所がプレゼンテーションされたことを証明するものではない。
以上のとおり、要証期間内に、商品に関する広告に標章を付して展示したとはいえない。
なお、乙第17号証に表示されている商標は、「Geomagic Phantom Premium」、「Phantom Premium 3.0」であり、これらは、「Phantom」の語と他の語を組み合わせたものであって、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえないのは前記のとおりである。
(5)日本バイナリー株式会社による使用
被請求人は、本件商標は、日本バイナリー株式会社によって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)10月29日から2015年(平成27年)3月8日まで、商品に関する取引書類(デバイスドライバーのインストール手順書)に標章を付して頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用されたと主張する(乙23?乙25)。
しかしながら、商標法第2条第3項第8号に規定する「取引書類」とは、注文書、納品書、送り状、出荷案内書、物品領収書、カタログ等、商品の取引に関する書類であるところ、商品の取扱説明書は「取引書類」に該当しない。
また、被請求人は、乙第25号証の表紙の『作成日』欄より平成25年(2013年)10月29日に作成したものであることが明らかである。当該インストール手順書は平成25年(2013年)10月29日から現在までウェブサイトで配布されていると主張する。
しかしながら、乙第25号証の表紙には、「作成」、「確認」、「承認」の欄があり、作成された後、確認、承認を経なければ、社外には提供できないものと推認される。したがって、作成日が配布期間を決定するものではない。そして、配布元のウェブページ(乙23、乙24)は、それぞれ、本審判の請求後の2015年(平成27年)年3月27日、2016年(平成28年)1月6日に印刷されたものである。
したがって、要証期間内に、商品に関する取引書類に標章を付して頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供したとはいえない。
(6)株式会社スリーディーによる使用
ア 被請求人は、本件商標は、株式会社スリーディーによって、要証期間内、少なくとも2014年(平成26年)12月頃に商品に関する広告(大判ポスター)に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用されたと主張する(乙26?乙28)。
しかしながら、乙第27号証(ご注文詳細情報)に記載されている日付は、左上の「2015/12/25」のみであり、ポスターの作成時期を証明するものではない。また、乙第28号証に「品名:Phantom」と記載されていても、印刷したポスターが乙第26号証(大判ポスターの縮小コピー)と同一の内容であること、当該ポスターが展示されたことを証明するものではない。なお、乙第28号証は、本件商標の指定商品に係る取引書類ではないから、「品名:Phantom」が本件商標の使用に該当しない。
以上のとおり、要証期間内に、商品に関する広告に標章を付して展示したとはいえない。
イ 被請求人は、乙第31号証ないし乙第37号証を提出し、本件商標は、要証期間内、少なくとも2014年(平成26年)11月25日に、株式会社スリーディーによって、商品又は商品の包装に標章を付したものを輸入する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用されたと主張する。
しかしながら、被請求人は、商品又は商品の包装に本件商標が付されていたことを証明するものを何ら提出していない。
したがって、要証期間内に、商品又は商品の包装に標章を付したものを輸入したとはいえない。
なお、乙第31号証ないし乙第34号証に表示されている商標は、「PHANTOM Omni」「Geomagic Phantom Premium 1.5HF」等であり、これらは、「Phantom」の語と他の語を組み合わせたものであって、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえないのは前記のとおりである。
(7)以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(これと社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していることを証明していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第37号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、被請求人から使用許諾を受けた者、すなわち、本件商標の前商標権者であり、かつ、被請求人100%保有の子会社の米国ジオマジック社、同じく被請求人100%保有の子会社の株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、並びに米国ジオマジック社製品の日本における正規販売代理店の株式会社スリーディー及び日本バイナリー株式会社によって、要証期間内に本件指定商品について日本国内で使用されたから、本件商標の登録は取り消されるべきものではない。
(1)被請求人と米国3Dシステムズ社及び米国ジオマジック社らの資本関係
被請求人は、その持株親会社の米国3Dシステムズ社によって100%保有されている子会社である(乙5)。したがって、上記の被請求人子会社の米国ジオマジック社及び株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンもまた、米国3Dシステムズ社が被請求人を介して保有している(乙5)。
(2)被請求人らの使用権原
本件商標は、平成17年(2005年)5月20日にドイツ法人のBMW社の名義で設定登録されたが、BMW社は、当該設定登録日前の2004年(平成16年)11月11日に、米国センサブル社との間で本件商標権の米国センサブル社への譲渡に合意した(乙2)。したがって、米国センサブル社は、2004年(平成16年)11月11日から同社が2012年(平成24年)4月11日に米国ジオマジック社に吸収合併されて消滅するまで、本件商標の事実上の商標権者であり、本件商標を使用する権原を有していた。
その後、米国センサブル社が2012年(平成24年)4月11日に米国ジオマジック社に吸収合併されて米国ジオマジック社が承継会社となり(乙3)、さらに、米国ジオマジック社が2013年(平成25年)2月27日に被請求人によって買収された(乙4?乙6)ことにより、本件商標は、米国センサブル社から米国ジオマジック社に権利移転され、さらに米国ジオマジック社から被請求人に権利移転された。本件商標についてのこれら一連の権利移転は、平成27年(2015年)10月8日に登録された(乙1の2)。
以上の事実より、本件商標の設定登録後、2004年(平成16年)11月11日から2012年(平成24年)4月10日までは米国センサブル社が、2012年(平成24年)4月11日から2013年(平成25年)2月26日までは米国ジオマジック社が、2013年(平成25年)2月27日以降は被請求人が、それぞれ本件商標の事実上の商標権者であって、本件商標を本件指定商品に使用する正当な権原を有していたことが明らかである。
(3)本件商標の使用実績
本件商標は、遅くとも2005年(平成17年)頃から現在に至るまで、被請求人の子会社の米国ジオマジック社(前、米国センサブル社)の製造販売に係るハプティック・デバイス(触覚/力覚装置)及び関連ツール等(以下「使用商品」という。)の製品名として、被請求人から本件商標を使用許諾されている米国ジオマジック社、同じく被請求人子会社の株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン、並びに米国ジオマジック社製品の日本の正規販売代理店によって使用されている。
ア 米国ジオマジック社による使用
米国ジオマジック社は、その日本向け日本語ウェブサイトで「Geomagic Phantom Premiumシリーズ」等の製品名を用いて、同社の製造販売に係る使用商品の製品情報を掲載して、広告宣伝している(乙8、乙10)。また、当該ウェブサイトでは、「Phantom Omni」「Phantom Desktop」「Phantom Premium」シリーズといった使用商品の電子カタログを提供している(乙9、乙11)。当該製品カタログの最終頁の下欄のクレジット表示「C(丸の中にCが記載されている)2013 Geomagic,Inc.All rights reseved.」より、当該カタログが2013年に作成されたものであることが明らかである。また、同欄には「Phantom」等が同社の商標又は登録商標である旨が記載されている。
またこれらの製品情報ページ及び製品カタログより、同社の使用商品には「PHANTOM Omni」、「PHANTOM Desktop」及び「Phantom Premium」シリーズが存在することが明らかである。
イ 株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンによる使用
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンは、被請求人100%保有の日本法人として、被請求人及び米国ジオマジック社の製品の日本における営業部門を統括している(乙7、乙12?乙14)。同社は、2013年(平成25年)5月30日に東京八重洲で、その取引先の被請求人及び米国ジオマジック社製品の販売代理店を招いたパートナーミーティングを開催し、当該ミーティングで米国ジオマジック社製品を紹介、説明するプレゼンテーション「3D SYSTEMS Geomagic Solutions」を実施した。乙第15号証は、これに先立ち、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンが取引先の販売代理店各社に送信したミーティング開催の案内メールであり、乙第16号証は、同パートナーミーティングに参加した販売代理店企業の名簿を示す社内資料であり、販売代理店企業26社から38名が出席したことが認められる。乙第17号証は、上記プレゼンテーションのスライドを示し、当該ミーティングにおいて販売代理店各社に対してジオマジック社製使用商品が「Geomagic Phantom Premium」等の名称を表示して取引先に紹介、説明されたことが明らかである。
ウ 正規販売代理店による使用
日本における米国ジオマジック社製使用商品の販売は、米国ジオマジック社(旧米国センサブル社)と正規販売代理店契約を締結した株式会社スリーディー(乙21)及び日本バイナリー株式会社(乙22)を通じて行われている。
乙第18号証は、米国センサブル社と株式会社スリーディーとの間で2010年(平成22年)1月1日に締結された米国センサブル社製品に関する販売代理店契約書を示す。同契約の第1条第2条第6条第7条の規定から、株式会社スリーディーが米国センサブル社製品の正規販売代理店として指名され受諾したこと、当該販売において米国センサブル社規定のガイドラインに従って同社保有商標の使用を許諾されたこと、当該契約期間は2010年(平成22年)1月1日に開始し、その後は一方の当事者から解約の申出がない限り毎年1年間自動的に更新されるものであることが明らかである。当該契約は米国センサブル社から米国ジオマジック社に継承されて現在も有効である。
同じく、乙第19号証は、米国センサブル社と日本バイナリー株式会社との間で2005年(平成17年)年1月10日に締結された米国センサブル社製品に関する販売代理店契約書であり、同契約の同契約の第1条第2条第6条第7条の規定から、日本バイナリー株式会社が米国センサブル社製品の正規販売代理店として指名され受諾したこと、当該販売において米国センサブル社規定のガイドラインに従って同社保有商標の使用を許諾されたこと、当該契約期間は2005年(平成17年)年1月10日に開始し同年12月31日まで継続し、その後は一方の当事者から解約の申出がない限り毎年12月31日に1年間自動的に更新されるものであることが明らかである。当該契約は米国センサブル社から米国ジオマジック社に継承されて現在も有効である。
乙第20号証は、米国ジオマジック社が作成し、日本を含む全世界の米国ジオマジック社製使用商品の販売代理店に配布している販売代理店用価格表であり、「PHANTOM」シリーズの各製品及び関連ソフトウェア並びにメンテナンスサービス等の価格を表示している。各頁の右下の「Effective February 1,2013」の表示から明らかなとおり、当該価格表は2013年(平成25年)2月1日に作成され、現在まで使用されている。
日本バイナリー株式会社は、米国ジオマジック社製使用商品について、「3次元触覚/力覚インターフェイスデバイス」との一般名を用いて、「PHANTOM Premium」シリーズ製品等の製品情報をそのウェブサイトに掲載して、広告宣伝を行っている(乙23、乙24)。また、乙第23号証のウェブサイト「サポート情報」欄からは「PHANTOM Premium」デバイスのドライバーソフトのインストール手順書(乙25)の電子版が提供されており、また、同「ダウンロード」欄からは、当該デバイスドライバーソフト「Phantom Device Driver」が提供されている。
乙第25号証は、上記デバイスドライバーインストール手順書「PHANTOM Premium デバイスドライバーインストール手順」を示す。当該手順書は、PHANTOM Premiumシリーズの製品モデル「PHANTOM Premium1.0」「PHANTOM Premium1.5」及び「PHANTOM Premium3.0」に対応するものであり、表紙の「作成日」欄より平成25年(2013年)10月29日に作成したものであることが明らかである。当該インストール手順書は平成25年(2013年)10月29日から現在まで上記ウェブサイトで配布されている。
株式会社スリーディーは、米国ジオマジック社製使用商品について、「3次元力覚入出力デバイス」との一般名を用いて、「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」と題した「Phantom」製品情報をそのウェブサイトに掲載して、広告宣伝を行っている(乙29)。また、同ウェブサイトの「Geomagic Phantomカタログ(仕様比較表)」欄からは、製品カタログ「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」及び「PHANTOMデバイス仕様比較表」(2012年4月1日現在の内容に基づくもの)の電子版が提供されている(乙30)。
乙第26号証は、株式会社スリーディーが2014年に京都府の株式会社プリントパックに発注して作成した「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」と題する広告用大判ポスター(A1版)の縮小コピーを示す。当該広告ポスターは、上記の製品カタログ「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」(乙30)の記載内容にほぼ対応する内容である。株式会社プリントパックが作成した注文詳細情報(乙27)及び請求書(乙28)より、当該広告ポスターはA1版サイズであり、1部の印刷が発注され(注文番号PAC7050870、品名Phantom)、2014年(平成26年)12月10日に印刷サービス料2310円が請求されたことが認められる。
加えて、乙第31号証?乙第37号証は、株式会社スリーディーが被請求人らに米国ジオマジック社製使用商品の「PHANTOM」シリーズを発注し、国内に輸入した事実を示す。
乙第31号証は、株式会社スリーディーが2012年(平成24年)9月24日に作成した米国ジオマジック社宛ての「PHANTOM Omni」16台等に関する発注書である。また、乙第32号証は、株式会社スリーディーが2014年(平成26年)3月17日に作成した米国3Dシステムズ社宛て「Phantom Premium 1.5 High Force」1台に関する発注書[発注番号(PO number) 13B0048a]であり、乙第33号証は、株式会社スリーディーからの当該発注に基づいて被請求人が2014年(平成26年)5月1日に作成した株式会社スリーディー宛ての出荷製品に関するインボイスであり、出荷に係る製品の明細として「Geomagic Phantom Premium 1.5HF」1台及びそのメンテナンス料1台分等が記載されている。これらより、株式会社スリーディーが少なくとも2012年9月頃から2014年5月頃の期間に複数回にわたり、被請求人らに米国ジオマジック社製使用商品の「PHANTOM」製品シリーズを発注し、被請求人らが当該製品を株式会社スリーディーに出荷していたことが明らかである。
さらに、乙第34号証?乙第37号証は、米国ジオマジック社製使用商品「GEOMAGIC PHANTOM PREMIUM 1.5」1台が米国の被請求人(荷送人)から横浜の株式会社スリーディー(荷受人)に2014年11月22日に出荷され、同年11月25日に日本国内に輸入された事実を示す関係書類である。乙第34号証は、2014年11月22日に被請求人が作成した米国から日本への製品輸出に係るコマーシャルインボイス(商業送り状)であり、荷送人が被請求人、荷受人及び輸入者が横浜の株式会社スリーディーのオオカワ氏、製品名が「PHANTOM PREMIUM 1.5」、数量が1台、航空貨物運送状番号が「620062402640」であることが記載されている。乙第35号証は、当該航空貨物についてFEDERAL EXPRESS INTERNATIONAL AIRWAY(以下「フェデックス」という。)が2014年11月22日に作成した航空貨物運送状(追跡番号6200-6240-2640)であり、乙第36号証は、当該航空貨物(航空貨物運送状(AWB)620-062402640)について2014年11月25日に東京税関長が発行した輸入許可通知書である。さらに、乙第37号証は、フェデックスが2015年12月25日に作成した配達証明書であり、上記航空貨物(追跡番号620062402640)が株式会社スリーディーの横浜本社に2014年11月25日に配達されたことを証している。これらより、2014年11月22日に米国の被請求人から航空便で出荷された米国ジオマジック社製使用商品「GEOMAGIC PHANTOM PREMIUM 1.5」1台が株式会社スリーディーによって2014年11月25日に国内に輸入されたことが明らかである。
(4)米国ジオマジック社の使用商品
「PHANTOM」は、米国ジオマジック社の使用商品の名称として使用されている(乙8?乙11、乙17、乙20、乙25、乙29、乙30)。当該製品本体は、「PHANTOM」デバイスドライバーをインストールして、PCに接続して使用される装置であり(乙25)、国内販売代理店の日本バイナリー株式会社は「3次元触覚/力覚インターフェイスデバイス」(乙23)、株式会社スリーディーは「3次元力覚入出力デバイス」(乙26)との一般名で営業している。当該製品は、「手を伸ばして物体に触れ、固い壁の表面や水の濃厚な抵抗を感じる、そんな感覚をコンピューターが作り出す3次元空間上で実現できる」(乙23)インターフェイス装置であり、「ユーザーがPC上の仮想オブジェクトに触れて操作できる高精度の力覚インタラクションを実現するデバイスです。3次元オブジェクトと作業者の動的なインタラクションにおいて、視覚情報だけでなく力覚情報を加えることにより、物体に触れたときに手に伝わる反力をリアルに再現し、操作性を向上します」(乙30)と説明されており、利用分野として、外科手術リハーサルシステム、リハビリテーション、トレーニングシステム、視覚障害者のためのアプリケーション、遠隔ロボット操作、分子モデリング、ナノマニピュレーション等が例示されている(乙29)。
したがって、米国ジオマジック社製使用商品が本件指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の概念に包含される商品であることは明らかである。
(5)米国ジオマジック社らの使用に係る商標
本件商標は、標準文字の英文字の大文字で「PHANTOM」と横書きしたものである(乙1の1)。
米国ジオマジック社製使用商品は、「Geomagic Phantom Premiumシリーズ」(乙8)、「PHANTOM Omni」「PHANTOM Desktop」「PHANTOM Premium」シリーズ(乙9、乙11、乙20、甲25、甲29)、「Geomagic Phantom Premium 1.0」等(乙30)といった製品名で販売、広告宣伝されている。
当該製品名は、本件商標の構成文字と同一の構成文字として認識できる「PHANTOM」又は「Phantom」の文字に、「PHANTOM」製品シリーズ中の異なるライン名、モデル名及び型式番号等として認識される「Omni」「Desktop」「Premium」「1」「1.5」「3.0」等といった文字を付記したもの、あるいは、これらの文字に米国ジオマジック社の商号商標「Geomagic」を冒頭に付記したものである。
「PHANTOM」「Phantom」の文字部分については、右肩に登録表示記号「R」(以下「丸R記号」という。)を付して表示した態様や、他の文字部分と文字種、表示位置、大文字・小文字の別、サイズなどを変えて区別して表示した態様(乙9、乙11、乙23)が認められ、また、製品カタログ中に「PHANTOMデバイス仕様比較表」と表示されている例(乙30)や取引書類に「品名:Phantom」と記載されている例(乙28)も認められることなどを総合すれば、「PHANTOM」「Phantom」の文字部分がこれらの製品の自他商品出所識別標識として機能していることは明らかである。
したがって、米国ジオマジック社らの使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるものであることが明らかである。
(6)小括
本件商標は、2012年(平成24年)4月11日から2013年(平成25年)2月26日まで本件商標の事実上の商標権者であり、また、2013年(平成25年)2月27日以降現在までは被請求人の子会社として本件商標を使用許諾されている米国ジオマジック社よって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)2月1日から2015年(平成27年)3月8日まで、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用された。
本件商標は、2013年(平成25年)2月27日に本件商標の事実上の商標権者となった被請求人から本件商標を使用許諾されている子会社の株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンによって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)年5月30日に商品に関する広告(プレゼンテーションのスライド)に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用された。
本件商標は、被請求人の子会社の米国ジオマジック社製品の正規販売代理店として本件商標を使用許諾されている日本バイナリー株式会社によって、要証期間内、少なくとも2013年(平成25年)10月29日から2015年(平成27年)3月8日まで、商品に関する取引書類(デバイスドライバーのインストール手順書)に標章を付して頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用された。さらに、本件商標は、同じく米国ジオマジック社製品の正規販売代理店として本件商標を使用許諾されている株式会社スリーディーによって、要証期間内、少なくとも2014年(平成26年)12月頃に商品に関する広告(大判ポスター)に標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用された。
上記に加えて、本件商標は、要証期間内、少なくとも2014年(平成26年)11月25日に、株式会社スリーディーによって、商品又は商品の包装に標章を付したものを輸入する行為(商標法第2条第3項第2号)により使用された。
以上、乙第1号証ないし乙第37号証より、要証期間内において、本件商標の使用権を有する者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件指定商品に包含される商品に本件審判請求の予告登録前3年以内に、商標法第2条第3項第2号及び同第8号に規定する行為により日本国内において使用したことが明らかである。
2結語
本件商標は、本件商標の使用権者によって、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品に使用されていたものであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当するものではなく、従って、本件商標の登録は取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 事実認定
証拠及び被請求人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(1)要証期間内の商標権者及び使用権者
ア 米国センサブル社とBMW社について
本件商標は、その設定登録前である2004年(平成16年)11月11日に米国センサブル社から、BMW社へ名義を譲渡する旨の譲渡証書が発行され(甲2)、同日にBMW社は、米センサブル社へ本件商標を譲渡する旨について同意した(乙2)。
上記、米センサブル社から、BMW社への本件商標の譲渡については、平成16年12月8日付けで出願人名義変更届が提出され(甲2)、その後、本件商標は平成17年5月20日に設定登録された。
本件商標のBMW社から、米国センサブル社への商標権の譲渡についての移転手続きは、平成27年10月8日に、特定承継として受付られた(乙1の2)。
イ 米国センサブル社と被請求人等との関係について
米国センサブル社は、株式会社スリーディーとの間で、日本における正規販売代理店契約を、2010年(平成22年)1月1日に締結しており、この契約は当事者の一方が継続を望まない限り、1年ごとに自動更新される(乙18)。
米国センサブル社は、2012年(平成24年)4月11日に米国ジオマジック社に吸収合併された(乙3)。その後、米国ジオマジック社は、2013年(平成25年)2月27日に米国3Dシステムズ社に買収された(乙6)。
米国3Dシステムズ社の子会社には、被請求人及び株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン等が存在する(乙5)。
上記、米国センサブル社が、米国ジオマジック社に吸収合併されたことによる本件商標権の移転及び米国ジオマジック社から被請求人への本件商標権の移転についての移転手続きは、平成27年10月8日に、一般承継及び特定承継として受付られた(乙1の2)。
ウ 小括
上記ア及びイより、本件審判に係る要証期間内における本件商標権者は、BMW社であった。
そして、米国センサブル社とBMW社は、両社による本件商標の相互間の譲渡が、本件商標の設定登録前の2004年(平成16年)11月11日に合意され、米国センサブル社からBMW社への譲渡が、平成16年12月8日に、BMW社から米国センサブル社への譲渡が同27年10月8日に、両社の合意どおり実行されたのであるから、本件商標の設定登録の日から平成27年10月8日の商標権の移転までの期間、商標権者であるBMW社から米国センサブル社及びその販売代理店に対し、本件商標の使用について、黙示の許諾があったと推認できる。
また、米国センサブル社は米国ジオマジック社に吸収合併され、その後、米国ジオマジック社は、米国3Dシステムズ社に買収され、その業務が継承、継続しているのであるから、上記BMW社から米国センサブル社に対する、本件商標の使用についての黙示の許諾についても、米国ジオマジック社及び米国3Dシステムズ社が継承し、継続していたとみて差し支えない。
したがって、本件審判の要証期間内における米国センサブル社、米国ジオマジック社、米国3Dシステムズ社を親会社とする被請求人、株式会社スリーディー・システムズ・ジャパン及び日本における正規販売代理店である株式会社スリーディーは、本件商標の通常使用権者であったといえる。
(2)使用商品について
使用商品であるハプティック・デバイス(触覚/力覚装置)は、乙第11号証の米国ジオマジック社によるカタログの使用商品の説明の「Geomagicがお届けするハプティック デバイスで、本物の3次元インプットにフォース フィードバックを提供します。研究、商用アプリケーションとして、・・・Geomagicデバイスでは3D空間位置(x、y、z座標)とスタイラスペン方向(ピッチ、ロール、ヨー)を正確に制御できます。デバイスはモーターを使って、ユーザーの手に押し返される力を生成し、仮想オブジェクトに触るタッチと相互作用をシミュレートします。」等の記載及び使用商品の写真から、本件審判の請求に係る指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」の範囲に属する「電子計算機及びその周辺機器」に該当する商品と認められる。
(3)株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンによる使用
ア 米国3Dシステムズ社の子会社であり、被請求人及び米国ジオマジック社の製品の日本における営業部門を統括している(乙5、乙7、乙12?乙14)株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンは、2013年(平成25年)5月30日に東京八重洲で、その取引先の被請求人及び米国ジオマジック社製品の販売代理店を招いたパートナーミーティングを開催し、販売代理店企業26社から38名が出席した(乙15、乙16)。
株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンは、当該ミーティングにおいて、乙第17号証のプレゼンテーションのスライドにより、米国ジオマジック社製のハプティック製品を紹介、説明した。当該プレゼンテーション用スライドの2葉目及び5葉目には、「Geomagic Phantom Premium」の表示が確認でき、その表示の「Geomagic」及び「Phantom」の末尾の文字の右上には、登録商標を意味する丸R記号が確認でき、この「Phantom」の文字は本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
イ 小括
これより、上記(1)のとおり通常使用権者であった株式会社スリーディー・システムズ・ジャパンは、要証期間内である2013年(平成25年)5月30日に、販売代理店企業26社に対して、本件審判の請求に係る商品に含まれると認められる使用商品の広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を付して、プレゼンテーションにおいて電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)ということができる。
(4)株式会社スリーディーによる使用
ア 2010年(平成22年)1月1日の米国センサブル社当時より、使用商品の日本における正規販売代理店である株式会社スリーディーは、自社のウェブサイトにおいて(乙29)、「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」の見出しのもと、使用商品の写真と共に「Geomagic」の文字を小さく、「Phantom」の文字を大きく顕著に表し、その下段に使用商品の説明が記載されている。そして、当該使用商品の説明の下段の「Geomagic Phantom カタログ(仕様比較表)」欄からは、製品カタログ「3次元力覚入出力デバイスGeomagic Phantom」及び「PHANTOMデバイス仕様比較表」の電子版が提供されている(乙30)。当該製品カタログ及び仕様比較表には、「Phantomデバイス用」、「PHANTOMデバイス」の記載が確認でき、この「Phantom」及び「PHANTOM」の文字は本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
そして、当該仕様比較表の最下段には、「カタログの記載内容は、2012年4月1日現在のものです。」の記載が確認できることから、同社が使用商品の日本における正規販売代理店の契約を行った時期をも考慮すれば、当該製品カタログ及び仕様比較表は、2012年(平成24年)4月頃より現在に至るまで、同社のウェブサイトにおいて提供されていたと推認できる。
イ 小括
これより、上記(1)のとおり通常使用権者であった株式会社スリーディーは、要証期間内である平成24年4月頃より現在に至るまで、本件審判の請求に係る商品に含まれると認められる使用商品のカタログに、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を付して、自社のウェブページにより、電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)ということができる。
2 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範囲に属する「電子計算機及びその周辺機器」に該当する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-12-12 
結審通知日 2016-12-14 
審決日 2016-12-27 
出願番号 商願平10-69632 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Z09)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 藤田 和美
田中 幸一
登録日 2005-05-20 
登録番号 商標登録第4865752号(T4865752) 
商標の称呼 ファントム 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 
代理人 鈴木 昇 
代理人 坂上 正明 
代理人 岡田 稔 
代理人 曾我 道治 
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