• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W232425
審判 全部申立て  登録を維持 W232425
審判 全部申立て  登録を維持 W232425
審判 全部申立て  登録を維持 W232425
管理番号 1328075 
異議申立番号 異議2016-900382 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-02 
確定日 2017-05-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5879418号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5879418号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5879418号商標(以下「本件商標」という。)は,「THERMOSOLAR」の欧文字を横書きしてなり,平成28年3月14日に登録出願され,第23類「糸」,第24類「織物(「畳べり地」を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。)」を指定商品として,同年8月4日に登録査定,同年9月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第546096号商標(以下「引用商標」という。)は,「THERMOSOFT」の欧文字を横書きしてなり,2012年(平成24年)2月2日に国際商標登録出願(事後指定),第20類「Mattresses; pillows; cushions.」,第22類「Raw textile fibers; padding materials in natural or synthetic fibres; cotton wadding, kapok, feathers, seaweed for stuffing.」及び第25類「Dresses made from skins; sports dresses; men's, ladies' and children's clothing; shirts; blouses; skirts; jackets; pants; shorts; undershirts; knitwear; pajamas; socks; jerseys; bodices; garter belts; bodysuits; slippers; shoes; hats; collar protectors; scarves; neckties; raincoats; overcoats; coats; bathing suits; sports suits; anoraks; ski pants; belts; padded clothing for cold climates.」を指定商品として,平成25年5月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類否
本件商標は,「THERMOSOLAR」の欧文字よりなるから,これより「サーモ(テルモ)ソーラー」の称呼を生じ,これに対し,引用商標は,「THERMOSOFT」の欧文字よりなるから,これより「サーモ(テルモ)ソフト」の称呼を生じる。
よって,本件商標と引用商標とは,称呼が類似する。
本件商標と引用商標とは,消費者に認識されやすい語頭の8文字を同じくし,語尾の「LAR」が引用商標の語尾2文字とは異なっているとはいえ,その違いは取るに足りない程度のものであるから,両者は,消費者にとって相紛らわしく,出所の混同を避けられないほど類似しているといえる。
加えて,申立人は,引用商標の指定商品に係るマーケットにおいて世界的な有名企業であり,「THERMO」なる文字からなる非常に有名な商標を世界中で取得し,長年にわたり保持・使用している。
申立人は,本件商標の登録出願時には既に,「THERMO」から始まる文字列を要部として含む第9類,第17類,第22類,第24類及び第25類等の区分に関する商標を広く取得しており,それらの区分に係る商品において「THERMO」なる文字列を有した複数の商標が,同一の事業者に帰属するとのイメージが既に構築されているから,「THERMO」に続く文字「SOLAR」も同様のシリーズの商標であるとの認識を需要者及び取引者に与えかねない。
その結果,本件商標がその指定商品に使用された時には,申立人の事業に係る商品と混同するおそれがあるものといえる。よって,本件商標は,申立人の業務における需要者及び取引者の間において広く認識されている商標(周知商標),特に引用商標と出所を混同するおそれがあるといえる。
イ 本件商標と引用商標との指定商品の対比
本件商標の指定商品中,第25類の商品は,引用商標の指定商品中,第25類の商品と類似することは明らかである。
また,本件商標の指定商品は,すべて手芸やファブリック製品に関連した商品であり,引用商標の指定商品も手芸・ファブリック製品に広くまたがる商品であって,すべて手芸用品店で販売されている商品であるから,販売場所の同一性が見られる。
また,本件商標の指定商品のうち,第24類「敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」は,すべて寝具であって,引用商標の指定商品の第20類「マットレス,まくら,クッション」と類似する。
したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,すべて同一又は類似しているといえる。
ウ 小括
以上より,本件商標と引用商標とは,類似の商標であって,かつ,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは,同一又は類似であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の周知・著名性
引用商標の権利者である申立人は,第9類,第17類,第22類,第24類及び第25類等の区分に関する商標を広く取得しており,当該商品区分の属するマーケットにおいて世界的な有名企業である。そして,申立人は,「THERMO」なる文字からなる非常に有名な商標を世界中で取得し,長年に渡り保持・使用している。
イ 本件商標と引用商標の類似性
本件商標と引用商標とは,上記(1)アで述べたとおり,類似する。
ウ 出所の混同のおそれ
引用商標は申立人の業務に係る商品・役務を表すものとして周知・著名であり,本件商標と引用商標とは,消費者にとって相紛らわしく,出所の混同を避けられないほど類似しているといえる。また,上記(1)イで述べたとおり,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一の販売場所で提供されるものであるから,本件商標がその指定商品に使用されたときには,その商品が申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,上記1のとおり,「THERMOSOLAR」の欧文字を,同じ大きさ,同じ書体でまとまりよく一体的に表されており,これからは「サーモソーラー」の称呼を生じ,該文字は辞書類に掲載が見当たらないことから,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,上記2のとおり,「THERMOSOFT」の欧文字を,同じ大きさ,同じ書体でまとまりよく一体的に表されており,これからは「サーモソフト」の称呼を生じ,該文字は辞書類に掲載が見当たらないことから,特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は,それぞれ上記のとおり,両商標の構成中後半において「LAR」の文字部分と「FT」の文字部分が相違するものであるから,これらを時と所を異にして離隔的に観察しても,外観上互いに紛れるおそれはない。
そして,本件商標から生じる「サーモソーラー」の称呼と引用商標から生じる「サーモソフト」の称呼とは,その後半において「(ソ)ーラー」の音と「フト」の音の差異を有するものであって,両称呼が7音と6音というさほど長くもない音構成からなることをも踏まえれば,上記の差異が,称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを一連に称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,十分に聴別できるものである。
さらに,観念については,両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから,観念において相紛れるおそれもない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない,非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは非類似の商標であるから,本件商標の指定商品が,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は,第9類,第17類,第22類,第24類,第25類等の区分に関する商標を広く取得しており,当該商品区分に属するマーケットにおける世界的な有名企業であって,「THERMO」の文字からなる商標を世界中で取得し,長年にわたり保持・使用している旨主張し,甲第3号証ないし甲第8号証を提出している。
しかしながら,上記甲各号証は,いずれも申立人の所有する商標の公報類の写しにすぎないものであって,他に,引用商標又は申立人の所有に係る商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の使用商品ないし本件商標の指定商品の需要者の間に広く知られていることを定量的に把握できる証拠は,何ら提出されていない。
そして,当審において職権をもって調査しても,引用商標又は申立人の所有に係る商標が,我が国において周知,著名であるとすべき事情は見いだすことができなかった。
そうすると,本件商標は,これを本件商標権者がその指定商品に使用しても,取引者,需要者をして,引用商標又は申立人を連想,想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-04-24 
出願番号 商願2016-27995(T2016-27995) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W232425)
T 1 651・ 262- Y (W232425)
T 1 651・ 263- Y (W232425)
T 1 651・ 261- Y (W232425)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 田村 正明
早川 文宏
登録日 2016-09-02 
登録番号 商標登録第5879418号(T5879418) 
権利者 モリリン株式会社
商標の称呼 サーモソーラー、テルモソーラー、サーモ、テルモ、ソーラー 
代理人 杉山 浩康 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 
代理人 長谷川 好道 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ