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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 審判 全部申立て 登録を維持 W33 |
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管理番号 | 1328061 |
異議申立番号 | 異議2016-900391 |
総通号数 | 210 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-06-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-12-12 |
確定日 | 2017-04-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5880748号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5880748号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5880748号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成28年3月14日に登録出願され、第33類「日本製ぶどう酒,日本製発泡性ぶどう酒」を指定商品として、同年8月25日に登録査定、同年9月9日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第867443号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2005年3月31日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005(平成17年)年9月5日に国際商標登録出願、第33類「Alcoholic beverages (except beers); sparkling wines; "Champagne" AOC wines.」を指定商品として、平成19年1月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず登録された違法なものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)商品の類似性 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。 (2)商標の類似性 本件商標は、その構成中の文字部分から、それぞれの称呼を生ずるところ、そのうちの「Diamond Wine」の文字より、「ダイヤモンドワイン」の称呼を生ずるほか、一般名称である「Wine」の文字部分を省略した「ダイヤモンド」の称呼も生ずる。 一方、引用商標は、その構成中の文字全体より「ダイヤマントヴランケン」の称呼を生ずるほか、それぞれの文字より「ダイヤマント」、「ヴランケン」の称呼も生ずる。 そして、本件商標より生ずる「ダイヤモンド」の称呼と引用商標より生ずる「ダイヤマント」の称呼は、第4音の「モ」と「マ」の相違及び語尾音の「ド」と「ト」の相違であるところ、語尾音の「ド」と「ト」は、濁音と清音の近似する音であり、聴取されにくい末尾に位置することから、類似する音である。また、第4音の「モ」と「マ」は、子音が「マ行」に属する同質音であり、かつ、母音のオ音とア音は、音感において近似するものであって、聴取されにくい中間に位置するから、この差異が称呼全体に及ぼす影響はわずかなものであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相似たものとなり、称呼上類似する。 したがって、本件商標と引用商標は、類似の商標である。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、上段に、筆記体で表した「Diamond Wine」の文字を横書きし、中央に、鳳凰ないし孔雀と思しき鳥の図形を頭部と尾先(尾先が宝石様に描かれている。)を下にして、鳥の姿全体が円を描くように大きく表し、鳥の図形によって描かれた円状輪郭の内側に、「和」の文字を大きく表し、さらに、鳥の図形の下に、行書で表した「金剛石葡萄酒」の文字を横書きしてなるものである。そして、本件商標において、その構成中、上段に書された「Diamond Wine」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められるところ、該文字部分は、同一の書体をもって、外観上まとまりよく一体的に表してなるものであり、また、これより生ずると認められる「ダイヤモンドワイン」の称呼もよどみなく称呼され得るものといえる。さらに、「Diamond Wine」の文字からは、下段に書された「金剛石葡萄酒」の文字部分と相まって、「ダイヤモンドのようなワイン」なる意味合いを表したと認識されるものである。 そうすると、「Diamond Wine」の文部分字における「Wine」の文字が、指定商品を表すものと理解される場合があるとしても、上記認定のとおり、「Diamond Wine」の文字全体の構成態様、これより生ずる称呼・観念を総合的に考察すると、本件商標に接する取引者、需要者がその構成中の「Diamond」の文字部分のみを殊更分離、抽出して、これより生ずる称呼のみをもって、商品の取引に当たるとみることはできない。その他、本件商標について、その構成中の「Diamond」の文字部分のみを分離、抽出して観察しなければならない特段の事情は見いだせない。 してみると、本件商標中の「Diamond Wine」の文字部分より生ずる称呼は、「ダイヤモンドワイン」の一連の称呼のみであって、単に「ダイヤモンド」の称呼は生じないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、その構成中の「Diamond Wine」の文字部分に相応して、「ダイヤモンドワイン」の称呼及び「ダイヤモンドのようなワイン」の観念を生ずるものと認める。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、茶色で表した底部が比較的平らで、かつ、上部がやや山なりの楕円状輪郭の内部を黄色で塗りつぶし、該黄色地の上部に、特定の称呼・観念を生じない図形を小さく表し、中央部に、黒く塗りつぶした左右が斜辺の横長四角形を大きく表し、その内部に薄茶色で表した「Diamant」の文字を横書きし、さらに、該横長四角形の下に、赤色で表した「VRANKEN」の文字を横書きしてなるものである。そして、引用商標において、顕著に表された「Diamant」の文字部分と「VRANKEN」の文字部分は、その色彩・書体等が異なる上に、いずれも我が国において馴染みのないものといえるから、観念上の結びつきも見いだせない。 そうすると、「Diamant」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきであるところ、該「Diamant」の文字は、上記のとおり、我が国において馴染みのないものといえるから、これに接する取引者、需要者は、これを英語風に「ディアマント」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成中の「Diamant」の文字部分より、「ディアマント」の称呼を生ずるものであって、特段の観念を生ずるものとは認めることができない。 ウ 本件商標と引用商標との対比 (ア)外観 本件商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、また、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなるものであるから、両商標は、外観において大きく異なるものである。 したがって、本件商標は、引用商標とは外観上類似するものではない。 (イ)称呼 本件商標より生ずる「ダイヤモンドワイン」の称呼と引用商標より生ずる「ディアマント」の称呼とは、構成する音数、各音の音質、音調等において著しい差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合、称呼全体の語調、語感が著しく相違し、称呼上互いに紛れるおそれはない。 したがって、本件商標は、引用商標とは称呼上類似するものではない。 (ウ)観念 引用商標の構成中の「Diamant」の文字部分からは、特段の観念を生ずるものとは認めることができないものであるから、本件商標中の「Diamond Wine」の文字部分とは、観念上比較することができない。 したがって、本件商標は、引用商標とは観念上類似するものではない。 エ 小括 以上によれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点についても類似しない、非類似の商標というべきであるから、これらを同一又は類似の商品について使用しても、その取引者、需要者をして、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。 (2)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標)(色彩は原本参照。) |
異議決定日 | 2017-04-18 |
出願番号 | 商願2016-28150(T2016-28150) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W33)
T 1 651・ 262- Y (W33) T 1 651・ 263- Y (W33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小岩井 陽介、椎名 実 |
特許庁審判長 |
青木 博文 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 半田 正人 |
登録日 | 2016-09-09 |
登録番号 | 商標登録第5880748号(T5880748) |
権利者 | 齋藤 浩記 |
商標の称呼 | ダイヤモンドワインカズ、ダイアモンドワインカズ、ダイヤモンドワイン、ダイアモンドワイン、ダイヤモンド、ダイアモンド、カズ、ワ、ナゴミ、コンゴーセキブドーシュ、コンゴーセキ |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 外川 奈美 |
代理人 | 林 栄二 |
代理人 | 正林 真之 |
代理人 | 篠田 貴子 |
代理人 | 東谷 幸浩 |