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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 009
管理番号 1327984 
審判番号 取消2015-300314 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-04-28 
確定日 2017-04-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4010599号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4010599号商標(以下「本件商標」という。)は,「くろおびくん」の平仮名を横書きしてなり,平成7年8月1日に登録出願,第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として,平成9年6月13日に設定登録されたものである。
本件審判の請求の登録(予告登録)は,平成27年5月15日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第9類「電子応用機械器具,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,本件審判請求に係る指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである。
2 弁駁
(1)乙第1号証及び乙第2号証について
「くろおび君システム変更CD等送付案内書履歴」(乙1)は,その作成日及び作成者が不明であるし,そもそもこの文書の体裁・記載内容からして,被請求人の社内文書ないしは本件審判請求を受けて被請求人が新規に作成した文書のいずれかであると考えられ,被請求人等が取引先等に交付等することを想定した文書とは考えられない。
また,「システム変更CD送付のご案内」と題する文書(乙2の1?222)は,被請求人のいう「柔道整復師向けの施術録作成等の柔道整復事務管理システム」(以下「本件システム」という。)のシステム変更を行うためのコンピュータプログラムを格納したCDを,本件システムの「ご愛用者各位」に送付する際の案内文書のようであるが,ここにいう「システム変更CD」は,本件システムを「変更」するためのコンピュータプログラムを格納した記録媒体にすぎず,それ自体が,独立の商取引の対象物,すなわち「商品」として取り扱われていたものでないことは明らかである。
(2)乙第3号証について
「くろおび君X3のパンフレット」(乙3。以下「本件パンフレット」という。)について検討するに,その5頁目の下部に「※『くろおび君X3』のカタログは2013年1月現在のものです。」の注書き,また,6頁目の下部に小さく「2013.01」との記載が認められるものの,そこには,本件商標の指定商品のうち,本件システムが格納された記録媒体として存在しているはずの「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となっている物品)の写真もないし,その「商品」の外観,構成,納入・導入の方法,代金の価格やその支払方法等の具体的な取引に関する記載も全く見当たらない。結局,本件パンフレットからは,本件システムなる商品について,誰が,いつ,誰に対して,どのような方法で,どの程度の量が販売又は頒布されたかなど,具体的な取扱いは全く不明である。
(3)乙第4号証及び乙第5号証について
被請求人によれば,「Windows版くろおび君/Win」(乙4)及び「Windows版くろおび君/Win」(乙5)に係る各パンフレットの作成日は,それぞれ,平成14年(2002年)7月16日及び平成13年(2001年)5月18日とのことであるから,これらは,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)の使用に関するものではない。
(4)乙第6号証及び乙第7号証について
各操作マニュアル(乙6,乙7)は,本件システムの操作方法を記述した資料であるようには見えるものの,やはり,いずれも,本件システムが格納された記録媒体として存在しているはずの「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となっている物品)の写真もないし,その「商品」の外観,構成,納入・導入の方法,代金の価格やその支払方法等の具体的な取引に関する記載は全く見当たらない。
加えて,操作マニュアル(乙6)の作成日は,平成24年5月1日であるから,本件要証期間内の使用に関するものではない。
また,操作マニュアル(乙7)については,信用性が極めて乏しい。すなわち,本件システムの変更履歴(乙1,乙2)によれば,乙第6号証の作成日以降も乙第7号証の作成日までの間に数々のシステム変更があったようでもあるのにもかかわらず,また,ソフトウェアの商品名の付け方の慣行からすれば,乙第7号証の「くろおび君X3」は,乙第6号証の「くろおび君XPLUS」の増補版ないしアップグレード版であることを表したものと思われるのにもかかわらず,乙第6号証の作成日以降に生じたはずのシステム変更,増補ないしアップグレードを反映した形跡がなく,乙第6号証の記載内容をわずかな点を除いて,全く更新・変更しないまま転記したものとなっている。さらに,両操作マニュアルの製本状態からすると,同一の時期,同一の出力・印刷環境において作成されたものであることが極めて容易に推認できる。したがって,本件システムなる商品の操作マニュアルとして実際に配布された事実を示す証拠としてすら不自然・不合理な点が多く,信用できない。
(5)乙第8号証ないし乙第51号証について
ア 被請求人は,乙第8号証ないし乙第51号証を新たに提出し,本件要証期間内に,被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を「電子計算機用プログラム」について使用していたことが明らかである旨を主張している。
しかしながら,乙第8号証ないし乙第51号証を見ても,これらの中には,「くろおび君」ないし「くろおび君X3」が柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」を示す語として使用されていた事実をうかがわせるものが含まれているとしても,本件商標の指定商品のうち,第9類に属する「電子計算機用プログラム」に分類される商品,すなわち,柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」が格納されてCD-ROM等の記録媒体として存在しているはずの「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となっている物品)の写真はなく,そのほかにも,その「商品」の外観・構成,ないし,その「商品」としての出荷・販売・納入・導入の形態・方法を明らかにするものは見当たらない。
イ リース契約書の評価について
各リース契約書(乙26,乙27,乙32,乙33,乙38,乙39,乙44,乙45。以下,これらを総称して「本件リース契約書」という。)は,その体裁から,リース会社である日立キャピタルNBL株式会社(以下「NBL」という。)が,その業としてリース取引を引き受けるに当たって,いわゆる「裏面約款」を伴う契約書フォーマットとして準備されたものをそのまま利用して締結されたものであることは明らかである。
被請求人が指摘するように,確かに,本件リース契約書の裏面条項には,リース物件に関して「売主」による「搬入」ないし「売主」からの「買い受け」について触れる箇所があるが,「売主」の権利又は義務を規定する条項は見当たらないし,また,リース物件の「搬入」や「買い受け」の具体的な方法・態様については,その不動文字での約定上,何らの説明・特定・制限等の言及はない。
したがって,本件リース契約書の裏面条項に,被請求人が指摘するような「売主」による「搬人」ないし「売主」からの「買い受け」なる文言が不動文字で印刷されているという事実が存在するからといって,それらの事実だけでは,「リース物件」の欄に記載される物件が具体的にいかなる外観・構成によるものか,また,それが具体的にいかなる方法で出荷・販売・納入・導入されるべきかに関して,「売主」である被請求人,「リース会社」ないし「乙」であるNBL,及び「お申込み者・賃借人(甲)」となる者が,どのような確認・合意をしていたかは,全く読み取ることができない。
結局,被請求人とNBLとの間における「くろおび君X3」という名称の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する取引の実態,特に同「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」の外観・構成,ないし,その「商品」としての出荷・販売・納入・導入の形態・方法は,本件リース契約書の提出によっても,何ら明らかになっていないというべきである。
(6)乙号証の総合評価
被請求人が提出した乙号証の中には,「くろおび君」ないし「くろおび君X3」が柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」を示す語として使用されていた事実をうかがわせるものが含まれているとしても,それ以上には,第9類に属する「電子計算機用プログラム」に分類される商品,すなわち,柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」が格納されてCD-ROM等の記録媒体として存在しているはずの「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となっている物品)の「商品」の外観・構成,ないし,その「商品」としての出荷・販売・納入・導入の形態・方法を明らかにする証拠は一つも見当たらない。
仮に,被請求人の主張どおり,本件要証期間内に,「電子計算機用プログラム」に分類される商品,すなわち,柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」が格納されてCD-ROM等の記録媒体として存在しているはずの「商品」が販売されていたとすれば,被請求人は,本件審判において,その「商品」の本体又はその写真を提出することにいささかの困難もないはずである。被請求人は,本件審判において多数の証拠を提出してきた一方で,その主張に係る「商品」の本体又はその写真を証拠として提出をしないのは,「くろおび君」ないし「くろおび君X3」なる名称の柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」は,第9類に属する「電子計算機用プログラム」に分類される「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となっている物品)というに相応しい構成又は態様としては存在していないためと考えるのが経験則上自然な推論というべきである。
3 まとめ
以上の次第であるから,被請求人が提出した証拠は,いずれも「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていること」を証明するものではない。
よって,被請求人の主張は,いずれも理由がない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第51号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)被請求人は,本件商標の登録日以前から本件システムを開発考案し,平成9年6月13日,成果物としてのアプリケーションソフトウェアに「くろおびくん」の商標登録を受け,これを管理・販売している。
被請求人は,本件システムの販売後も,そのシステム変更のたびに,顧客に対し「くろおび君」という商標を付記し,「システム変更CD送付のご案内」と題する文書(乙2の1?222)を配布して,営業活動を行っている(乙1)。
よって,本件システムは,「くろおびくん(君)」として呼称され,柔道整復師業界などで周知である。
さらに,被請求人は,2013年(平成25年)1月,2002年(平成14年)7月16日,2001年(平成13年)5月18日に,それぞれ,本件システムを「柔道整復師向け事務管理システム くろおび君X3」(乙3),「Windows版くろおび君/Win」(乙4)及び「Windows版くろおび君/Win」(乙5)という名称を用いた営業用パンフレットをもって本件システムを顧客に販売している。
また,被請求人は,本件システムを多くの顧客が容易に利用できるように,平成23年7月及び平成27年4月に本件システムの操作マニュアル(乙6,乙7)を作成し,顧客に配布しており,これらに「くろおび君」の商標を用いている。
上記各使用においては,本件商標「くろおびくん」の「くん」部分を「君」として使用しているが,それは本件商標と社会通念上同一の商標と解するのが相当である。
(2)また,以下の証拠によれば,本件要証期間内に,被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を使用した「電子応用機械器具(アプリケーションソフトウェア)」を第三者に売却したこと,すなわち,本件要証期間内に,被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を「電子計算機用プログラム」について使用していたことは明らかである。
ア 乙第8号証ないし乙第13号証について
(ア)乙第8号証は,本件要証期間内に締結された,被請求人と三才堂伊藤整骨院(代表者名)(以下「買主A」という。)との売買契約書である。「売主」欄には,被請求人の住所,名称及び代表者氏名が記載されている。そして,売買対象物件には,「くろおび君X3」という製品名のソフトウェアが含まれており,この「くろおび君X3」が「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」であることは明らかである(乙3)。
(イ)乙第9号証は,「くろおび君X3」の保証期間や保証内容を示した「保守・ソフトウェアサービス確認書」(売買契約書(乙8)に係る「5.特約」に関する確認書)である。当該確認書には,売主として被請求人の住所・名称及び代表者名が記載されており,買主として買主Aと同一の住所・名称及び代表者名が記載され,捺印もある。そこには,ソフトウェアの製品名として「くろおび君X3」と記載されており,契約申込日は,本件要証期間内である平成25年9月12日である。ちなみに,乙第10号証は,保守・ソフトウェアサービス確認書(乙9)に係る確認事項の内容を確認した後に,被請求人が買主Aに発行した「保守・ソフトウェアサービス保証書」である。
(ウ)乙第11号証は,売買契約(乙8)に関する物品受領書である。そこには,レセプト発行システムのソフトウェアの製品名として「くろおび君X3」が記載されており,買主Aによる受領確認があることから,本件要証期間内である平成25年9月12日に,買主Aが当該製品を被請求人から受領したこと(被請求人が「くろおび君X3」という製品名のソフトウェアを買主Aに引き渡したこと)が証明される。
(エ)乙第12号証は,売買契約(乙8)の支払があったことを証する被請求人の通帳の写しである。売買契約(乙8)に係る対価が,平成25年9月26日に振り込まれている(なお,振込額は「840円」少ないが,これは,振込手数料に相当するものである。買主Aから代金の振込手数料の負担を売主(被請求人)に求められたので,これを負担し,振込手数料を除いた額を買主Aが振り込んだためである。)。
(オ)乙第13号証は,本件要証期間内である平成25年9月12日に,買主Aが,被請求人から「くろおび君」という名称のアプリケーションソフトウェアを購入し,引き渡しを受けたことを証する書面である。
(カ)以上によれば,本件要証期間内に,被請求人と買主Aとの間に,「くろおび君X3」という製品名の,本件審判請求に係る指定商品中「電子応用機械器具」に含まれる「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことは明らかであるから,被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を「電子計算機用プログラム」について使用していたことは明らかである。
イ 乙第14号証ないし乙第19号証について
前記アと同様の証拠(乙14?乙19)により,本件要証期間内に,被請求人と四葉接骨院(代表者名)(以下「買主B」という。)との間でも,「くろおび君X3」という製品名の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことが証明される。
ウ 乙第20号証ないし第25号証について
前記アと同様の証拠(乙20?乙25)により,本件要証期間内に,被請求人と小山整骨院(代表者名)(以下「買主C」という。)との間でも,「くろおび君X3」という製品名の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことが証明される。
エ 乙第26号証ないし乙第31号証について
(ア)乙第26号証及び乙第27号証は,リース会社であるNBLと大下接骨院(代表者名)(以下「借主D」という。)とのリース契約書であり,乙第26号証が借主Dの控えであり,乙第27号証がNBLの控えである。リース契約書の中央下部には,「売主」として,被請求人の住所,名称,電話番号,ファックス番号及び担当者の氏名が記載されている。ここで,本事情における「売主」とは,リース契約書の第2条(1)に,「乙(NBL)は,売主から,甲(借主D)が指定する表記の物件(以下「物件」という)を買受けて,この契約に定める条件にしたがい甲にリース(賃貸)し,甲はこれを借り受けます。」旨が記載されている。そして,リース契約書の申込日欄には「2015年1月23日」の記載が,リース物件名欄には「レセプト発行ソフト」の記載が,メーカー名欄には「エス・エス・ビー」の記載が,型式/機械番号欄には,「くろおび君X3」の記載がある。すなわち,被請求人は,本件要証期間内に,当該リース契約に係るソフトウェアである「くろおび君X3」を,NBLに販売していたことは明らかである。
(イ)乙第28号証は,前記販売に係る物品受領書である。リース契約書の第6条(1)に「物件は,売主から表記物件設置場所に搬入されるものとし,(以下省略)」とあることから,当該リース契約に係るソフトウェアである「くろおび君X3」は,被請求人が借主Dに直接的に搬入したものであり,当該物品受領書から,その搬入が確実に行われたことは明らかである。
(ウ)乙第29号証は,NBLが被請求人へ送付した「お支払通知書」である。その第2頁の上から3ないし5行目に,借主Dに関する支払記録が記載されている。この支払は,リース契約書(乙26,乙27)の「契約番号」と一致することから,当該リース契約に関する支払であることに,疑いの余地はない。
(エ)乙第30号証は,被請求人の通帳の写しである。お支払通知書(乙29)の第1頁目に記載のお支払日及びお支払金額(合計金額)が一致しているから,実際に支払があったことは明らかである。
(オ)乙第31号証は,借主Dによる確認書である。アプリケーションソフトウェア「くろおび君(X3)」を開発したのが被請求人であること,実際にNBLと平成27年1月23日にリース契約を締結したこと等が,第三者の証明により確認できる。
(カ)以上によれば,本件要証期間内に,被請求人とNBLとの間に,「くろおび君X3」という製品名の,本件審判請求に係る指定商品中「電子応用機械器具」に含まれる「アプリケーションソフトウェア (電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことは明らかであるから,被請求人が本件商標と社会通念上同一の商標を「電子計算機用プログラム」について使用していたことは明らかである。
オ 乙第32号証ないし乙第37号証について
前記エと同様の証拠(乙32?乙37)により,リース会社であるNBLと米川接骨院(代表者名)(以下「借主E」という。)とのリース契約においても,本件要証期間内に,被請求人とNBLとの間に,「くろおび君X3」という製品名の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことが証明される。
カ 乙第38号証ないし乙第43号証について
前記エと同様の証拠(乙38?乙43)により,リース会社であるNBLと南武接骨院(代表者名)(以下「借主F」という。)とのリース契約においても,本件要証期間内に,被請求人とNBLとの間に,「くろおび君X3」という製品名の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことが証明される。
キ 乙第44号証ないし乙第49号証について
前記エと同様の証拠(乙44?乙49)により,リース会社であるNBLと立川堂整骨院(代表者名)(以下「借主G」という。)とのリース契約においても,本件要証期間内に,被請求人とNBLとの間に,「くろおび君X3」という製品名の「アプリケーションソフトウェア(電子計算機用プログラム)」に関する売買取引があったことが証明される。
ク 乙第50号証及び乙第51号証について
乙第50号証は,乙第26号証,乙第32号証,乙第38号証及び乙第44号証に係る未使用の「リースお申込みの内容(お客様控)」の原本であり,乙第51号証は,乙第27号証,乙第33号証,乙第39号証及び乙第45号証に係る未使用の「リース契約書」の原本であり,それぞれの裏面には,上述したリース契約書の内容が記載されている。
2 まとめ
以上によれば,本件要証期間内に,被請求人(商標権者)が本件商標と社会通念上同一の商標を「電子計算機用プログラム」について使用していたことは明らかであるから,本件審判請求には理由はない。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(1)本件パンフレット(乙3)は,本件要証期間内である平成25年(2013年)1月頃に商標権者によって作成された「くろおび君X3」と称する柔道整復師向事務管理システム(本件システム)に係るパンフレットであると認められるところ,本件パンフレットの表紙(1頁目)の中央部には,「くろおび君X3」の文字(「くろおび」及び「X」の各文字に比べ,「君」の文字は縦横比で4分の3程度の大きさで,また,「3」の文字は同比で2倍程度の大きさで,かつ,当該「3」の下側の弧の部分が「X」の下部にまで伸びている。文字の色は,当該「3」のみが赤色で,その他は黒色であり,かつ,各文字は全て白色で縁取りがなされている。以下「本件使用商標」という。)が大きく記載されており,また,同2頁目の上部には,「洗練されたインターフェイスと使い易い操作性」の見出しの下,「使い勝手の良い操作性はもちろん,療養費改正等の保険改正に素早く対応。迅速サポートでご好評を頂いている『くろおび君』は,常に進化を続ける信頼と実績の事務管理ソフトです。」との記載とともに,パーソナルコンピュータのディスプレイ上に本件使用商標を表示した当該事務管理ソフトのイメージ画面が掲載されていることからすれば,本件使用商標は,本件システムに係るパーソナルコンピュータ用ソフトウェア(電子計算機用プログラム)(以下「本件ソフト」という。)の名称としても使用されていることは明らかであり,その構成中の「くろおび君」の文字部分が本件ソフトの名称の要部であって,その後に付加されている「X3」の文字部分は,本件ソフトの機能拡張・改良に伴って付されたバージョン等を表す記号と理解することができる。
(2)商標権者は,以下のアないしウのとおり,本件要証期間内である平成25年9月から平成26年5月にかけて,各顧客に対し,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアを譲渡ないし引き渡したこと,また,以下のエないしカのとおり,本件要証期間内である平成27年1月から同年3月にかけて,リース会社であるNBLに対し,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアを譲渡したことが認められる。
ア 証拠(乙8?乙13)によれば,商標権者は,平成25年9月12日,顧客である買主Aとの間で,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関する売買契約を締結し,同日,当該ソフトウェアを譲渡ないし引き渡し,後日,その代金の支払を一括して受けたことが認められる。
イ 証拠(乙14?乙19)によれば,商標権者は,平成26年3月20日,顧客である買主Bとの間で,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関する売買契約を締結し,同日,当該ソフトウェアを譲渡ないし引き渡し,後日,その代金の支払を一括して受けたことが認められる。
ウ 証拠(乙20?乙25)によれば,商標権者は,平成26年5月1日,顧客である買主Cとの間で,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関する売買契約を締結し,同日,当該ソフトウェアを譲渡ないし引き渡し,後日,その代金の支払を一括して受けたことが認められる。
エ 証拠(乙26?乙31,乙50,乙51)によれば,リース会社であるNBLは,平成27年1月23日,借主Dとの間で,商標権者を売主として,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関するリース契約を締結し,同月27日,商標権者は借主Dに当該ソフトウェアを引き渡したこと,また,同年2月25日,商標権者はNBLから,その代金の支払を一括して受けたことが認められるから,商標権者とNBLとの間では,当該ソフトウェアに関して譲渡があったものと認めることができる。
オ 証拠(乙32?乙37,乙50,乙51)によれば,リース会社であるNBLは,平成27年1月9日,借主Eとの間で,商標権者を売主として,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関するリース契約を締結し,同月27日,商標権者は借主Eに当該ソフトウェアを引き渡したこと,また,同年2月25日,商標権者はNBLから,その代金の支払を一括して受けたことが認められるから,商標権者とNBLとの間では,当該ソフトウェアに関して譲渡があったものと認めることができる。
カ 証拠(乙38?乙43,乙50,乙51)によれば,リース会社であるNBLは,平成27年3月11日,借主Fとの間で,商標権者を売主として,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関するリース契約を締結し,同月20日,商標権者は借主Fに当該ソフトウェアを引き渡したこと,また,同年4月27日,商標権者はNBLから,その代金の支払を一括して受けたことが認められるから,商標権者とNBLとの間では,当該ソフトウェアに関して譲渡があったものと認めることができる。
キ 証拠(乙44?乙49,乙50,乙51)によれば,リース会社であるNBLは,平成27年3月19日,借主Gとの間で,商標権者を売主として,「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアに関するリース契約を締結し,同月27日,商標権者は借主Gに当該ソフトウェアを引き渡したこと,また,同年4月27日,商標権者はNBLから,その代金の支払を一括して受けたことが認められるから,商標権者とNBLとの間では,当該ソフトウェアに関して譲渡があったものと認めることができる。
(3)上記(1)及び(2)を併せ考慮すれば,商標権者が,本件要証期間内である平成25年9月から平成26年5月及び平成27年1月から同年3月にかけて販売した「くろおび君X3」と称するアプリケーションソフトウェアは,これらの販売前である平成25年1月頃に作成された本件パンフレットに係る「くろおび君X3」と称する本件ソフト(商品)であると認めるのが相当であるから,本件パンフレットも本件要証期間内に頒布されていたものと優に推認することができる。
そして,上記(1)のとおり,本件ソフトについて使用されている本件使用商標は,「くろおび君」の文字部分が要部と理解されるものであるところ,当該「くろおび君」の文字は,本件商標「くろおびくん」の語尾にある敬称部分と理解される平仮名「くん」を漢字「君」で表したと解されるものであるから,本件商標とは,その称呼及び観念は変わらず,社会通念上同一の商標であると認められる。
したがって,本件商標の商標権者は,本件要証期間内である平成25年1月頃から,本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具」に含まれる商品「電子計算機用プログラム」(本件ソフト)に関する取引書類(本件パンフレット)に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布したものと認めることができる。
2 請求人の主張について
請求人は,乙各号証の中には,「くろおび君」ないし「くろおび君X3」が柔道整復師向けの事務管理に使用する「アプリケーションソフトウェア」を示す語として使用されていた事実をうかがわせるものが含まれているとしても,それ以上には,第9類に属する「電子計算機用プログラム」に分類される商品,すなわち,当該ソフトウェアが格納されてCD-ROM等の記録媒体として存在しているはずの「商品」(すなわち,それ自体が独立の取引の対象となる物品)の「商品」の外観・構成,ないし,その「商品」としての出荷・販売・納入・導入の形態・方法を明らかにする証拠は一つも見当たらない旨主張する。
しかしながら,第9類に属する「電子計算機用プログラム」に分類される商品は,必ずしもCD-ROM等の記録媒体に格納して販売されるものであるとは限らないところ,上記1のとおり,本件要証期間内に,商標権者は,買主AないしC及びNBL(借主DないしGに係るリース契約分)に対して,「くろおび君X3」に係る本件ソフトを販売したものと認められるのであるから,請求人の上記主張は,採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において,商標権者が,本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具」に含まれる商品「電子計算機用プログラム」について,本件商標の使用をしていたことを証明したものである。
したがって,本件商標の登録は,本件審判請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-02-22 
結審通知日 2017-02-24 
審決日 2017-03-07 
出願番号 商願平7-78105 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (009)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 堀内 仁子
特許庁審判官 田中 亨子
田村 正明
登録日 1997-06-13 
登録番号 商標登録第4010599号(T4010599) 
商標の称呼 クロオビクン、クロオビ 
代理人 齋藤 貴広 
代理人 本多 清二 
代理人 本多 諭 
代理人 齋藤 晴男 
代理人 辻 哲哉 
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