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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201616265 審決 商標
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不服201319608 審決 商標
不服20183528 審決 商標
不服201419075 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W35
管理番号 1325987 
審判番号 不服2015-12178 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-26 
確定日 2017-03-15 
事件の表示 商願2014-47082拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標について
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類,第18類,第25類及び第35類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務とし,平成25年9月30日に登録出願された商願2013-76166に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同26年6月9日に出願されたものである。
その後,本願商標の指定商品及び指定役務については,当審における平成27年6月26日受付及び同28年2月22日受付の手続補正書において,最終的に,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,『NYLON』の欧文字を横書きしてなるところ,該文字は,『ポリアミド系の合成高分子化合物の総称』であり,絹に似た光沢をもつ,強度の高い合成繊維として,また各種の成型品として広く用いられるものである。そして,『NYLON』及びその表音である『ナイロン』の文字は,各種商品の原材料表示として使用されている。そうすると,本願商標をその指定商品及び指定小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)に使用した場合,商品の品質及び役務の質を表示したものと認識されるにとどまる。また,本願商標を『ナイロン製以外の商品』及び『ナイロン製の商品を取り扱わない小売等役務』に使用するときは,商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨,認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
請求人に対し,平成28年1月14日付けで,別掲2の事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものである旨の審尋をし,期間を指定して,これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答
前記3の審尋に対し,請求人は,平成28年2月22日付け回答書を提出し,要旨以下のように回答した。
(1)「被服」,「かばん」等,特定の商品を取り扱う小売店であっても,用途,機能,素材等を異にする多種多様な商品を陳列・販売しており,「ナイロン製の商品」ばかりを集めて販売することはない。
(2)小売等役務において商標が用いられる態様は,制服,カゴ,陳列,店の看板等といった,商品に直接用いられない態様であって,これらの態様において商標は,商品自体よりその提供主体や事業全体を認識させる機能を発揮する。したがって,小売役務の需要者等は,具体的な商品との関係で商標を強く認識することはないと考えられるから,本願商標が小売等役務において使用された際に,「ナイロン製の商品」のみを扱っているものと認識されることは皆無である。

5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,「NYLON」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。
そして,「NYLON」の欧文字は,別掲2(1)に示した事実によれば,「(合成繊維の)ナイロン」を表す語として一般に知られている語であるというのが相当である。
また,本願の指定役務の分野においては,「NYLON」の欧文字及びこれを片仮名で表した「ナイロン」の文字が,別掲2(2)のとおり,当該役務の取扱商品であるかばん類や被服,靴等の原材料を表すものとして広く一般に使用されている実情が認められる。
そうすると,本願商標をその指定役務,すなわち,被服,履物及びかばん類を取扱商品とする小売等役務に使用するときは,これに接する需要者,取引者は,「当該小売等役務で取り扱われる商品がナイロン製の商品であること」を容易に理解するにとどまるというのが相当であるから,本願商標は,単に小売等役務の取扱商品の品質,原材料を普通に用いられる方法で表したにすぎないものであって,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標は各構成文字それぞれについて独特の書体で構成しつつ,文字の太さや細さのバランスをとり,それらを横長矩形状の中に収めたようなまとまりと存在感があるものであり,普通に用いられる方法で書してなるものではない。」旨主張する。
しかしながら,本願商標を構成する各欧文字については,子細にみれば僅かにデザイン化されているということはできるものの,当該デザインは,一見しただけでは判別するのが困難といえる程微細なものであり,本願商標に接する需要者等が,デザインが施されているとは認識し得ないというのが相当であるから,普通に用いられる態様の文字の範囲を脱しているものということはできない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は,「小売等役務において商標が用いられる態様は,制服,カゴ,陳列,店の看板等といった,商品に直接用いられない態様であって,これらの態様において商標は,商品自体よりその提供主体や事業全体を認識させる機能を発揮する。したがって,本願商標を小売等役務に使用した際に,『ナイロン製の商品』のみを扱っていると認識されることは皆無である。」旨主張する。
しかしながら,小売等役務には,例えば,店員が顧客に商品の説明をするような便益の提供も含まれ得ることを踏まえれば,商品の品質,原材料等を表示する文字は,店員が顧客に商品の説明をする際に誰しもが必要とするものであって,識別標識として機能し得るとはいい難く,本願商標をその指定役務である小売等役務に使用するときは,当該役務の取扱商品の品質,原材料を表すものであって,自他役務の識別標識としての機能を欠くものであるといわざるを得ない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
ウ 請求人は,「本願商標は,請求人が発行する女性ファッション誌の題号として,主に20代の女性を中心に広く知られているものであり,また,本願商標の指定役務の取扱商品はファッション性の高い商品であるから,本願商標に接するファッションに敏感な需要者,取引者は,上記雑誌の題号を想起して本願商標の指定役務と結び付けることが想定され,単に『ナイロン製』であるとの認識を生じさせることはない。」旨主張し,本願商標が請求人の発行に係る雑誌の題号として知られていることを示す証拠として,甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。
しかしながら,請求人の提出に係る各証拠によれば,請求人が発行する雑誌の題号は,「NYLON」の末尾の「N」の下に小さく「JAPAN」の欧文字が付されているものであり,また,当該雑誌は,業界において「NYLON JAPAN(ナイロンジャパン)」と称されていることがうかがえるから,本願商標が単独で広く知られている事実を見いだすことができない。さらに,上記各証拠を見ても,本願商標がその指定役務の需要者,取引者間において,直ちに請求人が発行する雑誌の題号を想起するほどに広く知られているとは認められず,また,仮に女性ファッション誌の分野の需要者,取引者間において,本願商標が請求人に係る商品を表すものとして相当程度知られているとしても,そのことから直ちに,本願商標に係る指定役務の取引者,需要者が,前記雑誌の取引者,需要者と一致するとまではいい難いから,結局,本願商標から直ちに請求人が発行する雑誌の題号を想起するともいえない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。

6 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(平成28年1月14日付けの審尋により通知した事実)
(1)辞書類における記載
ア 「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)において,「ナイロン【NYLON】」の項に,「元来はアメリカの化学者カロザースが発明しデュポン社から発売された合成繊維の商標名。現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称。・・・絹に似た光沢をもつ,強度の高い合成繊維として,また各種の成型品として広く用いられる。」との記載がある。
イ 「新・田中千代服飾辞典」(株式会社同文書院)において,「ナイロン[Nylon]」の項に,「合成繊維の一種。・・・ストッキングをはじめとして,下着,レインコート,ドレス,手編み毛糸など,衣料用として広く使用されるほか,カーテン,ブラシ毛,楽器の弦,天蚕糸,タイヤ・コード,パラシュートなどにも用いられる。」との記載がある。
ウ 「コンサイスカタカナ語辞典第4版」(株式会社三省堂)において,「ナイロン[nylon]」の項に,「合成繊維の1。ポリアミド系の長鎖状重合成繊維の総称。・・・靴下,下着,衣服地,ロープなどに広く利用されている。」との記載がある。
(2)「NYLON」及び「ナイロン」の文字が,商品の素材(原材料)を表すものとして使用されている事実を示すインターネット情報(下線は合議体で付加したものである。)
ア 「ビジネスバッグの選び方」のウェブサイトにおいて,「ナイロン|かばんの素材」の見出しの下,「かつてはビジネスバッグといえば革製が主流でしたが,いまやナイロンがビジネスバッグ素材の主流の座を取って代わったといっていいでしょう。」との記載がある。
(http://businessbag.eeeeweb.com/bag_knowledge/bag_material_nylon.html)
イ 「バッグと財布の専門店サカエ」のウェブサイトにおいて,「▼鞄の素材」の見出しの下,「かつてビジネスバッグは『革』が主流でしたが,現在ではナイロンのビジネスバッグの方が主流になっています。」との記載がある。
(http://www.sakae-shop.co.jp/business_sita_fs.htm)
ウ 「株式会社ムーンスター」のウェブサイトにおいて,「靴の素材について」の見出しの下,「靴の素材はそれぞれ特徴が有り,用途によって使い分けられます。」との記載,また,「アッパー材の種類」の見出しの下,「合成繊維 ナイロン,アクリル等。それぞれ軽くて丈夫,発色が良い等の特徴がある。」との記載がある。
(http://www.moonstar.co.jp/whatshoes/knowledge/material.html)
エ 「株式会社ワールド」のウェブサイトにおいて,「素材の知識」の見出しの下,「化学繊維:ナイロン ナイロンは,1936年アメリカ・デュポン社が開発・商品化した世界で初めての合成繊維。今日でも幅広く使われています。」との記載,また,「ストッキングなど,今日でも幅広く使われています。また,ウールなどの繊維を補強する目的で混紡され,とくにニット製品に用いられています。」との記載がある。
(http://corp.world.co.jp/fashion/material/faq.html?M_MATERIAL=27)
オ 「free design online shop」のウェブサイトにおいて,「バッグ」の項に,「■BAGGU NYLON BACK PACK - バグゥ ナイロン バックパック」「北カリフォルニア生まれのショッピングバッグブランドBAGGU(バグゥ)から,ナイロンを100%使用したバックパックが登場しました。」との記載がある。
(http://freedesign.jp/interior/pibpn001.php)
カ 「LOCONDO.jp」のウェブサイトにおいて,「ボストンバッグ」の項に,「ラ バガジェリー LA BAGAGERIE Nylon round design ボストンバッグ(BLACK)」及び「商品説明 上品な光沢感を持つナイロンをバイカラーで組み合わせた,LA BAGAGERIE(ラ バガジェリー)のNylon round design ボストンバッグ。」との記載がある。
(http://www.locondo.jp/shop/commodity/SSCT0203D/LA1508AW10320)
キ 「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「MARKEYS楽天市場店」の項に,「【OCEAN&GROUND】NYLON ZIP JACKET/ ナイロンジップジャケット」及び「[本体]Nylon100%」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/markeys/o-1526501/)
ク 「マルイウェブチャネル」のウェブサイトにおいて,「アイテム:メンズコート・ブルゾン etc.>メンズブルゾン・ジャンパー」の項に,「ナイロンベスト/PRINTED NYLON VEST トミーヒルフィガー(メンズ)(TOMMY)」及び「■素材:表地:ポリエステル100% 裏地:ナイロン100%」との記載がある。
(http://voi.0101.co.jp/voi/wsg/wrt-5_mcd-TO290_cpg-510_pno-18_ino-01.html)
ケ 「ABC-MART」のウェブサイトにおいて,「ホーム>スニーカー>クラシックランニングシューズ」の項に,「【NIKE】 ナイキ CLASSIC CORTEZ NYLON クラシック コルテッツ ナイロン 532487-018 15SU ABC-MART限定 018WGRY/WT」及び「軽量で悪天候から足をカバーする耐水性のナイロンアッパーに,伝統的なシューレースとオーバーレイがフィットと耐久性を強化し,クラシックスタイルを演出。」との記載がある。
(http://www.abc-mart.net/shop/g/g5261880006060/)
コ 「crocs」のウェブサイトにおいて,「バック|セール>50%OFF?」の項に,「greeley nylon winter boot men グリーリー ナイロン ウィンター ブーツ メン」及び「シャフト部(足元を包む部分)は,水に強いナイロン素材を採用した,頼もしいウィンターブーツ。」との記載がある。
(http://www.crocs.co.jp/crocs-greeley-nylon-winter-boot-men/14759,ja_JP,pd.html)

審理終結日 2016-05-30 
結審通知日 2016-06-01 
審決日 2016-06-24 
出願番号 商願2014-47082(T2014-47082) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W35)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小林 裕子
平澤 芳行
商標の称呼 ナイロン 
代理人 小林 克行 
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