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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W35 |
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管理番号 | 1325966 |
審判番号 | 不服2016-10171 |
総通号数 | 208 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-07-05 |
確定日 | 2017-03-21 |
事件の表示 | 商願2015- 42084拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「LINEAR EXPRESS」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年4月30日に登録出願されたものであり、指定役務については、原審における同年11月30日付けの手続補正書により、第35類「オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、愛知県名古屋市中村区所在の『東海旅客鉄道株式会社』が2027年開業予定の『超電導リニアによる中央新幹線による輸送』に使用している著名な商標である『LINEAR EXPRESS』の文字を標準文字で表してなるから、これを出願人がその指定役務に使用するときは、あたかも前記会社又は前記会社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、その役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標と言わざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号該当性について 本願商標は、「LINEAR EXPRESS」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中前半部分の「LINEAR」の語は、「線の、直線」等の意味を有する語(株式会社三省堂「グランドセンチュリー英和辞典第2版」)であり、「リニアモーターカー」を省略した語としても知られている(株式会社三省堂「コンサイスカタカナ語辞典第4版」及び自由国民社「現代用語の基礎知識2016」)。 また、後半部分の「EXPRESS」の語は、「急行(列車など)で、速達便で」等の意味を有する語(前出「グランドセンチュリー英和辞典第2版」)である。 そして、我が国の新幹線の整備事情等に鑑みれば、該「LINEAR」の語が、我が国の一般的な需要者においては、原審説示のごとく、東海旅客鉄道株式会社(以下「東海旅客鉄道」という。)に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線を表すものとして、看取、把握される場合があるといえる。 しかしながら、職権による調査によれば、東海旅客鉄道が、本願商標の出願時及び査定時並びに審決時において、同社の業務に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線を表すものとして「LINEAR EXPRESS」の語を使用している事実は見当たらない。 また、本願の指定役務は、前記1のとおり補正された結果「オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とするものである。 そして、該集積回路を取り扱う業界において、「LINEAR」の文字は、上記「直線」の意味合いをもって、入力と出力の関係が直線的(リニア)になっていることを表すものとして、「linear integrated circuit(リニア集積回路)」等の複合語を形成する語として使用されている実情があり、加えて、「EXPRESS」の語も、「速達便」の意味を有する語としても知られている。 以上からすれば、本願の指定役務を取り扱う取引者、需要者の間においては、本願商標から、直ちに、東海旅客鉄道に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線のみを想起するとはいえない。 また、本願の指定役務「オンラインによる工業用集積回路及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、東海旅客鉄道の業務に係る「鉄道による輸送」等の役務とは、その提供の手段、目的又は場所、需要者及び業種等において関連性が見いだせないものであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者が、両役務の関連性をもって、東海旅客鉄道を連想又は想起するものとは認められないものである。 さらに、職権調査によっても、東海旅客鉄道が本願の指定役務に関連する事業展開を行っている実情を見いだすことはできなかった。 そうすると、本願商標「LINEAR EXPRESS」は、「東海旅客鉄道に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線」を連想、想起する場合があるとしても、本願商標の指定役務との関係では、本願商標に接する取引者及び需要者をして、東海旅客鉄道に係る超電導リニアモーターによる中央新幹線を、直ちに連想又は想起させるものとはいい難く、その役務が、上記会社又は同社と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じるおそれがある商標ということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (2)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-03-07 |
出願番号 | 商願2015-42084(T2015-42084) |
審決分類 |
T
1
8・
271-
WY
(W35)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 谷村 浩幸 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 大井手 正雄 |
商標の称呼 | リニアエクスプレス、リニア、エクスプレス |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 中山 健一 |