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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X09
管理番号 1325964 
審判番号 取消2015-300727 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-10-14 
確定日 2017-02-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第5390155号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5390155号商標(以下「本件商標」という。)は、「MCBook」の文字を標準文字により表してなり、平成22年5月21日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年12月27日に登録査定、同23年2月10日に設定登録がされたものである。
なお、本件審判の請求の予告登録日は、平成27年10月28日である。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子計算機及びその周辺機器,電子出版物表示用携帯端末,フォントを記憶させた記憶部を備える電子計算機,電気通信機械器具,電子出版物,フォントを記憶させた記憶部を備える家庭用テレビゲームおもちゃ」については、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。
2 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「電子計算機及びその周辺機器,電子出版物表示用携帯端末,フォントを記憶させた記憶部を備える電子計算機,電気通信機械器具,電子出版物,フォントを記憶させた記憶部を備える家庭用テレビゲームおもちゃ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件審判につき請求の趣旨どおりの審決を求める。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証を提出した。
1 被請求人ないし被請求人より許諾を受けた通常使用権者は、本審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標を少なくとも指定商品中、第9類「電子出版物」について使用していることは明らかであり、商標法第50条第2項の規定により、本件商標登録は取り消されない。
(1)被請求人である商標権者は、顧客との間で使用許諾契約を締結し、「電子書籍ソリューション MCBook」と題した以下の機能をパッケージとした電子計算機用プログラムを提供している(乙2、乙3)。
・電子書籍コンテンツ変換ソフト MCBookMaker
・iPhone\iPadアプリ生成ソフト MCBook iPhone Builder
・Androidアプリ生成ソフト MCBook Android Builder
・校正作業を効率化 MCBook Shot
・モリサワフォントと組版エンジンで再現 MCBookビューア
この電子計算機用プログラムは、電子書籍アプリを作成するツールであり、単体アプリ、つまり、「電子出版物」として、App StoreやAndroid系マーケットで販売したり、外部ストア型として、本電子計算機用プログラムに対応したオンライン書店でも販売したりすることができるものである。
本電子計算機用プログラムの使用料は、1ライセンス/1年間¥48,000(税抜)とし、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook ソフトウェア使用許諾契約条項」(乙4)に同意を得た上で、「御見積書 兼 発注書」(乙5)にて電子計算機用プログラムの使用許諾契約を締結し、「MCBook契約更新申請書兼更新申込書」(乙6)にて契約の更新を行っている。
(2)この契約に基づいて本電子計算機用プログラムによって作成された電子書籍アプリ、つまり、「電子出版物」は、被請求人である商標権者との間で「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約条項」(乙7)を契約条件とする「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約書」(乙8)を締結することにより、販売することができることとしている(乙2)。
電子出版物の販売に対するロイヤリティは、販売価格の5%又は1アプリにつき¥30,000(税抜)と定めを行っている(乙2)。
この電子計算機用プログラムの使用許諾を受け、電子書籍コンテンツの販売契約を締結した顧客は、電子書籍コンテンツ(電子出版物)を生成し、App StoreやAndroid系マーケット等に出品し、末端ユーザーによって購入されるのを待つことになる。
このように生成され、販売されている電子出版物には、本件商標「MCBook」が必然的に使用される仕組みになっている。
(3)上述した「電子書籍ソリューション MCBook」によって生成され、市場に出品されている電子書籍コンテンツ(電子出版物)を、App Store経由で購入する場合について説明する。
乙第9号証に示す画面の表示例は、iPadによるものであるが、キーワード「スティーブ」で検索すると、候補がいくつかヒットする。
候補の一つ「スティーブ・ジョブズ」の「入手」をタップし、「インストール」をタップすると「iTunes Storeにサインイン」と表示され、インストールの許可を求められる。
インストールの終了後、「開く」をタップすると、電子書籍コンテンツ(電子出版物)の起動途中に本件商標「MCBook」とロゴマークが表示される。
これは、「電子書籍ソリューション MCBook」によって生成された全ての電子出版物に自動的に埋め込まれ、電子出版物の起動と同時に必ず表示される仕様となっているものである。
さらに、「スティーブ・ジョブズ1」をタップし「iTunes Store」にサインインすると、「App内課金を確認」と表示され、「購入する」「続ける」をタップすることにより電子出版物の購入作業に移行する。
ここでは例としてクレジットカードでの決済を行うが、カード情報を入力し、再度「購入する」をタップすると「ありがとうございます購入手続きが完了しました。」と表示され、電子出版物のダウンロードが始まる。
(4)ダウンロードされた電子出版物を実際に読む時にも、本件商標「MCBook」とロゴマークが表示される。
乙第10号証に示す画面の表示例は、やはりiPadによるものであるが、購入済みの「スティーブ・ジョブズ1(アイコン表示では「Steve Jobs」)」をタップすると、電子出版物の起動時に本件商標「MCBook」とロゴマークが必ず表示される。
上述と同様、「電子書籍ソリューション MCBook」によって生成された全ての電子出版物に自動的に埋め込まれ、電子出版物の起動と同時に必ず表示される仕様となっているものである。
(5)これらのように生成され、市場に出品されている電子出版物は、本審判の請求の登録前三年以内、つまり、平成24年10月28日から平成27年10月27日の間も数多く存在する。
実際にこの間に購入され、その都度、本件商標「MCBook」とロゴマークが表示されている電子出版物は、書籍タイトル別に列挙しているものを乙第11号証に挙げる。
平成24年(2012年)は、1,108タイトル、平成25年(2013年)は、1,704タイトル、平成26年(2014年)は、1,051タイトル、平成27年(2015年)は727タイトルである。
個別の販売数量は開示することはできないが、少ないもので1ダウンロード、多いものでは50,000ダウンロードを超えるものもあり、上記期間を合計すると854,732ダウンロード、確実に本審判の請求の登録前三年以内の期間に該当する件数(平成25年(2013年)及び平成26年(2014年))だけを合計しても、550,468ダウンロードも行われており、その度に、そしてそれらの電子出版物を閲覧する度に、上記に示した乙第9号証及び乙第10号証の本件商標「MCBook」とロゴマークが表示されているのである。
(6)乙第9号証及び乙第10号証に示した電子出版物のダウンロード又は閲覧・購読に使用される端末の画面に表示される本件商標「MCBook」は、本件登録商標「MCBook」(標準文字)と同一、少なくとも社会通念上同一であることは明らかであり、被請求人ないし被請求人より黙示的に許諾を受けた通常使用権者による上記電子出版物の販売行為は、本件商標「MCBook」の正当かつ適切な使用に他ならない。
2 結び
以上の全ての理由により、本件登録商標は、商標法第50条第2項の規定により、本件商標登録に取り消される理由は一切ない。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、「電子書籍ソリューション MCBook」のパンフレット(写し)であるところ、その1枚目には、「電子書籍ソリューション」、「MCBook」、「高品質な電子書籍アプリの制作を簡単・低コストで実現」等の記載があり、また、同2枚目には、「MCBookは、Adobe InDesignやMC-B2で作成された組版データから、電子書籍アプリを作成するツールです。」等の記載及び最終ページには「株式会社モリサワ 本社 大阪市浪速区敷津東2-6-25」等の記載がある。
(2)乙第3号証は、「電子書籍ソリューション MCBook」DVD-ROMパッケージ及び同梱物(写し)であるところ、その1枚目には、「電子書籍ソリューション」、「MCBook」、「株式会社モリサワ」等の記載がある。
(3)乙第4号証は、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook ソフトウェア使用許諾契約条項」(写し)であるところ、その1枚目には、「株式会社モリサワ(以下『当社』といいます)は、モリサワ電子書籍ソリューション MCBook(以下『本ソフトウェア』といいます)の使用についての契約条項を次の通り定めます。本契約条項は、当社と本契約条項に基づく契約(以下『本契約』といいます)を締結し、ライセンスを受けた者(以下『ライセンス取得者』といいます)との間に適用され、本ソフトウェアの新バージョンについても適用されます。」とあり、「第1条(用語の定義)」として、「1.本ソフトウェア 本契約における『本ソフトウェア』には以下を含み、当社が提供する第三者の著作物も含みます。 1)電子書籍コンテンツを作成し、電子書籍コンテンツ購入者(4項で定義)が購入できる状態にするための1本又は複数本のソフトウェア」、「3.電子書籍コンテンツ 本契約における『電子書籍コンテンツ』とは、携帯端末、パーソナルコンピュータなど電子機器で読むことを目的として、本ソフトウェアを使用して作成されたテキスト、映像、音声などからなるコンテンツと、そのコンテンツを表示するためのソフトウェアをいいます。」、「4.電子書籍コンテンツ購入者 電子書籍コンテンツをインターネット上の販売サイトにおいて、ダウンロードしたエンドユーザーをいいます。」、「第2条(使用の許諾) 当社は、ライセンス取得者が別途当社の定める使用料を支払うことを条件にして、ライセンス取得者に以下を非独占的に許諾します。」、「2)本ソフトウェアを使用して、電子書籍コンテンツを作成し、フォントを埋め込み、送信可能な状態にすること」等の記載がある。
(4)乙第5号証は、「御見積書」(60枚)であり、その2枚目には、「No.MBE-00001952」、「平成24年12月12日」、「ジグノシステムジャパン株式会社 御中」、「株式会社モリサワ」、「合計金額 ¥25,200」、「契約開始日 2013年2月1日」、「商品番号 MCBKS006」、「品名 モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」、「数量 1」、「単価 24,000」、「金額 24,000」、「適用 ・上記金額は、2013年2月1日から2013年7月末までの6ケ月分の金額です。・契約更新日は毎年8月1日となっております。」の記載があり、「発注書 *お客様記入欄」には、「お申込み日 2012年12月21日」、「モリサワ電子書籍ソリューションMCBookソフトウェア使用許諾契約条項に同意し、上記の見積条件で注文いたします。」、「会社名 ジグノシステムジャパン株式会社 印」等の記載がある。
(5)乙第6号証は、「MCBook契約更新申請書」(246枚)であり、その1枚目には、「平成25年6月3日」、「ジグノシステムジャパン株式会社 御中」、「株式会社モリサワ」、「合計金額 ¥50,400」、「契約更新日 2013年8月1日」、「品名 モリサワ電子書籍ソリューションMCBook 更新」、「数量 1」、「単価 48,000」、「金額 48,000」、「適用 ・上記金額は、2013年8月1日から2014年7月末までの12ケ月分の金額です。・契約更新日は毎年8月1日となっております。」等の記載があり、「更新申込書 *お客様記入欄」には、「お申込み日 2013年10月9日」、「上記の条件でモリサワ電子書籍ソリューションMCBookソフトウェアの契約更新をいたします。」、「会社名 ジグノシステムジャパン株式会社」等の記載がある。
(6)乙第7号証は、「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約条項」(写し)であるところ、その1枚目には、「株式会社モリサワ(以下『当社』といいます)は、モリサワ電子書籍ソリューション MCBook(以下『MCBook』といいます)の使用によって作成される電子書籍コンテンツの販売についての契約(モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約。以下『本契約』といいます)の契約条項を次ぎの通り定めます。本契約条項は、当社と本契約を締結し、販売権を取得した者(以下『販売権取得者』といいます)との間に適用されます。」、「第1条(用語の定義) 1.電子書籍コンテンツ 本契約における『電子書籍コンテンツ』とは、携帯端末、パーソナルコンピュータなど電子機器で読むことを目的として、テキスト、映像、音声などからなるコンテンツと、そのコンテンツを表示するためのソフトウェア(このソフトウェアに含まれる当社のソフトウェアを『本ソフトウェア』といいます)およびこれらの複製物をいいます。」、「2.電子コンテンツの販売 本契約における『電子書籍コンテンツの販売』とは、電子書籍コンテンツをインターネット上の販売サイトにアップロードし(以下『アップロード』といいます)、電子書籍コンテンツ購入者(4項で定義)にダウンロードさせることをいいます。」、「3.販売権 本契約における『販売権』とは、電子書籍コンテンツを販売し、本ソフトウェアを電子書籍コンテンツ購入者(4項で定義)に使用させることができる権利をいいます。」、「4.電子書籍コンテンツ購入者 電子書籍コンテンツをインターネット上の販売サイトにおいて、ダウンロードしたエンドユーザーをいいます。」、「第2条(販売権の許諾) 当社は販売権取得者に対し、販売権取得者が第4条記載の費用を支払うことを条件にして、電子書籍コンテンツの販売権を非独占的に許諾します。」等の記載がある。
同じく2枚目には、「第4条(販売権許諾の対価と監査) 1.販売権取得者は、電子書籍コンテンツの販売権の許諾の対価として、次の通りロイヤルティを当社に支払うものとします。1)ロイヤルティは、電子書籍コンテンツ購入者が電子書籍コンテンツを購入した時点で発生するものとし、その販売額の5%(税別)とします。」等の記載がある。
(7)乙第8号証は、「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約書」(51枚)であり、その43枚目には、右上に、「No.MBE-00001952」、「平成24年12月12日」の記載があり,この番号及び日付は上記(4)の見積書に記載の番号及び日付と一致する。そして、契約書の内容には「ジグノシステムジャパン株式会社(以下『甲』といいます)と株式会社モリサワ(以下『乙』といいます)とは、モリサワ電子書籍ソリューションMCBook(以下『MCBook』といいます)の使用によって作成される電子書籍コンテンツの販売について、『モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約条項』(以下『本契約条項』という)を契約条件とするモリサワ電子書籍コンテンツ販売契約を締結します。」、「2012年12月21日 甲:ジグノシステムジャパン株式会社」(審決注 甲の会社名等が不鮮明であるが本書全体の内容から「ジグノシステムジャパン株式会社」の記載がされていると推認できる。)、「乙:株式会社モリサワ」等の記載がある。
(8)乙第11号証は、電子出版物の書籍タイトル別リスト(48枚)であり、1枚目から12枚目は2012年、13枚目から29枚目は2013年、30枚目から40枚目は2014年、41枚目から48枚目は2015年となっている。
該リストの19枚目(2013年)には、「デベロッパ」の欄に「ジグノシステムジャパン」、「書籍タイトル」の欄に「『謹訳 源氏物語』電子書籍版 第1巻」、「売値」の欄に「850.00」、「通貨」の欄に「JPY」等の記載がある。
(9)乙第9号証は、電子出版物をダウンロードする際に端末に表示される表示例であり、それによれば、顧客が電子書籍コンテンツ(電子出版物)を購入する場合、電子出版物購入のための電子書籍コンテンツ(電子出版物)の起動時に「MCBook」のロゴマークが表示(7枚目)される仕組みになっている。
(10)乙第10号証は、電子出版物を閲覧する際に端末に表示される表示例であり、それによれば、ダウンロードされた電子出版物を実際に読む時にも、「MCBook」のロゴマークが表示される仕組みになっている。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」は、電子書籍アプリを作成するツールであり、これにより作成された電子書籍コンテンツ(電子出版物)は、インターネット上の販売サイトで販売することができる(乙2及び乙7)。
(2)顧客「ジグノシステムジャパン株式会社」は、被請求人である商標権者と「No.MBE-00001952」の番号及び「平成24年12月12日」の日付で特定される見積書(乙5)において、2012年(平成24年)12月21日付けにて、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook ソフトウェア使用許諾契約条項」(乙4)に同意したうえで、商品「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」を発注、申し込みを行った。当該見積書に記載された期間は、2013年(平成25年)2月1日より2013(平成25年)年7月末までの6ケ月分である。
(3)被請求人である商標権者と「ジグノシステムジャパン株式会社」は上記(2)の発注に基づき、「No.MBE-00001952」の番号及び「平成24年12月12日」の日付で特定される「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約書」(乙8)において、「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約条項」(乙7)を条件として、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」の使用によって作成される電子書籍の販売に関する契約を締結し、販売権取得者となった。
(4)「ジグノシステムジャパン株式会社」は、2013年(平成25年)10月9日に、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」について、2013年(平成25年)8月1日から2014年(平成26年)7月末までの期間ソフトウェア使用許諾契約を更新した(乙6)。これより、「ジグノシステムジャパン株式会社」は、2013年(平成25年)については,2月1日以降、年末まで「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」のライセンス取得者であったと認められる。
(5)上記(1)の「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」によって作成された全ての電子書籍コンテンツ(電子出版物)は、その購入時、閲覧時にシステムを起動した際に「MCBook」の標章(以下「使用商標」という。)が必ず表示される仕組みになっており(乙9及び乙10)、当該標章は本件商標と綴りを同じくするものであるから、社会通念上同一の商標ということができる。
(6)被請求人である商標権者と上記(3)の販売権取得者「ジグノシステムジャパン株式会社」の電子出版物は、乙第11号証の2013年(平成25年)の電子出版物の書籍タイトル別リスト(上記1(8))で確認することができる。
(7)そして、被請求人が、「被請求人、乃至被請求人より黙示的に許諾を受けた通常使用権者による電子出版物の販売行為は、本件商標『MCBook』の正当かつ適切な使用に他ならない」旨述べていること、「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約条項」(乙7)により、「モリサワ電子書籍ソリューション MCBook」の使用によって作成される電子書籍コンテンツの販売については、電子書籍コンテンツの販売権の許諾の対価として、ロイヤルティを被請求人に支払うことを条件としていること、を併せみれば、被請求人である商標権者は、モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約を締結した販売権取得者に対し、本件商標の使用について黙示の許諾をしたものといえるから、「モリサワ電子書籍コンテンツ販売契約書」(乙8)の「甲」欄に記載された「ジグノシステムジャパン株式会社」その他の各法人は、本件商標の通常使用権者であるということができる。
(8)小括
以上を総合すると、平成25年ごろ、通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、商品「電子出版物」に付していたというべきである。
そして、通常使用権者の上記行為は、「商品・・・に標章を付する行為」(商標法第2条第3項第1号)に該当するものである。
3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が、請求に係る指定商品中の「電子出版物」について本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したというべきである。
他方、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-09-21 
結審通知日 2016-09-27 
審決日 2016-10-12 
出願番号 商願2010-40092(T2010-40092) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 田中 敬規 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
小松 里美
登録日 2011-02-10 
登録番号 商標登録第5390155号(T5390155) 
商標の称呼 エムシイブック 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 永田 元昭 
代理人 大田 英司 
代理人 永田 良昭 
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