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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W10
管理番号 1325006 
審判番号 不服2016-15406 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-14 
確定日 2017-02-24 
事件の表示 商願2015-64697拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CLAVE」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類「医療用チューブのコネクタ,静脈注射に用いる医療用コネクタ,その他の医療用機械器具」を指定商品とし、平成27年7月8日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2672971号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成4年3月27日登録出願、第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同6年6月29日に設定登録され、その後、2回にわたる商標権の存続期間の更新登録及び指定商品の書換登録があった結果、その指定商品については、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具」及び第10類「医療用機械器具」とされたものである。
(2)登録第5109020号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成18年11月13日登録出願、第10類「医療用機械器具,医療用機械器具を滅菌処理するための滅菌装置,医療用具を滅菌処理するための滅菌装置」並びに第7類、第9類、第37類、第40類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年2月1日に設定登録されたものである。
なお、以下、引用商標1と引用商標2をまとめて、「引用商標」という場合がある。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「CLAVE」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、「クラベス((カリブで)音楽やダンスの伴奏に用いる木の棒の打楽器)」等の意味合いを有する英語であるが、該文字は、一般に親しまれた英語とはいい難いことから、本願商標は、特定の意味合いを想起させず、特定の観念を生じないというべきである。
そして、特定の意味合いを想起しない欧文字からなる場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、本願商標は、その構成文字に相応して「クレーブ」の称呼を生じるものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、別掲1のとおり、ローマ字「Z」を図案化したと看取される部分(以下「図案化Z部分」という。)の右側に、やや図案化した「クレーブ」の片仮名(以下「片仮名部分」という。)を図案化Z部分よりやや小さく表してなるところ、片仮名部分が図案化Z部分に比較して、やや小さく表されているものの、これらが近接して配置されていることから、視覚上、その構成全体がまとまりある一体的なものとして看取、把握されるというのが相当であり、また、商標全体から生ずる「ゼットクレーブ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。
そして、片仮名部分の文字は、辞書に掲載されていない語であるから、特定の意味合いを想起しないものである。
そうすると、引用商標1は、その構成全体から、「ゼットクレーブ」の称呼のみを生じ、また、特定の観念を生じないというのが相当である。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲2のとおり、細い四角枠線内に、引用商標1と同様の図案化Z部分と、その右側に「CLAVE」の欧文字(以下「欧文字部分」という。)を図案化Z部分よりやや小さく表してなるところ、ありふれた輪郭にすぎないといえる四角枠線内に表された図案化Z部分と欧文字部分からなる部分についてみると、欧文字部分が図案化Z部分に比較して、やや小さく表されているものの、両部分は、空間を空けずに配置されていることから、視覚上、その構成全体がまとまりよく一体的なものとして看取、把握されるというのが相当であり、また、商標全体から生ずる「ゼットクレーブ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。
そして、欧文字部分の文字は、親しまれた特定の意味合いを想起させないものである。
そうすると、引用商標2は、要部である図案化Z部分と欧文字部分からなる部分全体に相応した「ゼットクレーブ」の称呼のみを生じ、また、特定の観念を生じないというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標1とは、それぞれ、上記(1)及び(2)アのとおりの構成であるところ、図案化Z部分の有無及び文字種の違いという、その構成において明らかな差異を有することからすれば、両商標は、外観上、容易に区別し得るものである。
また、本願商標と引用商標2とは、それぞれ、上記(1)及び(2)イのとおりの構成であるところ、本願商標と引用商標2の要部である図案化Z部分と欧文字部分からなる部分の構成において、「CLAVE」の文字を共通するとしても、図案化Z部分の有無という明らかな差異を有することからすれば、両商標は、外観上、容易に区別し得るものといえる。
次に、本願商標から生じる「クレーブ」の称呼と引用商標から生じる「ゼットクレーブ」の称呼は、称呼において重要な位置を占める語頭において「ゼット」の音の有無という顕著な差異を有するから、両称呼は明確に聴別し得るものである。
そして、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。
そうしてみると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(引用商標1)

別掲2(引用商標2)


審決日 2017-02-14 
出願番号 商願2015-64697(T2015-64697) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W10)
T 1 8・ 261- WY (W10)
T 1 8・ 262- WY (W10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 海老名 友子矢澤 一幸 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 藤田 和美
酒井 福造
商標の称呼 クレーブ、クラーベ 
代理人 古井 かや子 
代理人 土野 史隆 
代理人 川口 嘉之 

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